異伝・恋姫 2章 異国~ニホンカラキマシタ~
・・・白い
・・・目の前が真っ白で何も見えない
むしろ自分の目が開いているか閉じているかもわからない
自分の足はおろか、手さえも認識することが出来ない
これでは、教官から教わった、「最優先に自分の周りの状況を理解しろ、さすれば活路が見出せる」というのが全く参考にならない。活路?何ソレおいしいの?
ったく、あの教官、ろくなこと教えなかったな。
まぁ、教官の話はどうでもいいとして
一刀「ここは、どこだ・・・?」
声が出た。僥倖だ。
一刀「誰か、誰かいないか!?」
・・・いないらしいな。
―毎度ありがとうございます。神仙航空ですー
突然
そんな声が頭の中に響いてきた
・・・は?
―当機はシートベルトなどというゆとりな物質は一切使われていない大変エコロジーな仕様となっておりますー
・・・いや?意味わかんないし
―当機はこれより墜落体勢に入りたいと思いますー
いやいやいや!?唐突過ぎではないですか!?
―正直プロットがもったいないので諸々は割愛させていただきますー
割と大事な過程でわ!?
―お客様、御身は自ら守られるのがよいと思われますー
ちょ、ちょちょちょ・・・!!!?
―――それでは、ぐっどら~~~っく・・・・・
・・・・・・ボソッ)帰りにラーメンライスでも食って帰るか・・・
てめぇ、どんだけ不謹慎なんだよ!!!・・・あ、な、なんかものすごく重力を感じているですが!?
一刀「うわぁぁぁぁあああああああ~~~~!!!!!」
そして、一刀の意識はまた途切れるのであった。
・・・そして、一筋の流れ星が何も無い荒野に落ちていった。
side ???
???「・・・流れ星?不吉ね・・・・」
???「どうかなさいました?」
???「今、流れ星が見えたのよ」
???「流れ星ですか?こんな昼間に?」
???「何か引っかかるわね・・・少し様子を見に行ってもいいかしら?」
???「はっ、もともと出立する方向とあまり相違ないのでかまわないかと」
???「では、行きましょう」
???&???「「はっ」」
???「(キュピーン)・・・・はっ!?」
???「どうしたのじゃ?策殿?」
???「なにか面白そうなことが起こりそうな気がするのよ!」
???「い、いや、策殿?ソレはいくらなんでもあんまりだと思うのじゃが・・・?」
???「じゃあ、そういうことで~」
???「ええい、待てというに!!・・・策殿の親衛隊は全軍後に続け!!わしの隊は至急周諭殿へ通達せよ!!」
???「はっ、黄蓋様はどうなされますか?」
???「わしも策殿を追いかける!!」
???「はっ、お気をつけて」
???「おう!!」
???「あぁ~この点心おいしい~」
???「これだけじゃ足りないのだ!もっと欲しいのだ~」
???「おい、鈴々!・・・まったく、お前という奴は・・・」
???「あ~私も食べたいなぁ」
???「桃香様まで!ええい、路銀がなくなっても知りませんよ!?」
???「ほんと愛紗は硬いのだ~」
???「「ねぇ~」」
???「はぁ~、もういいです。わかりました。好きに注文してください」
???「・・・ねぇ~、鈴々ちゃん、愛紗ちゃん、私たち何か後手を取っている気がするんだけど~?」
???「・・・?後手、ですか?」
???「点心、おいしいのだ~、しあわせ~」
???「・・・(無視)、ふむ、私はあまりそういう勘は鋭くないのですが・・・そうですね。では、そろそろ出発しましょうか」
???「ごめんね、せっかくのお昼ご飯なのに」
???「いえ・・・さて、行くぞ鈴々、ほら、いつまでも食べてないで!!」
???「むー、わかったのだ、じゃあ、出発するのだー」
一刀「・・・くっ、ここは・・・?」
目が覚めると自分の知らない地に横たわっていた。
確か俺はアーティファクトの暴走に巻き込まれて・・・!!!
一刀「そうだ!!俺は死んだんじゃなかったのか?」
両手両足を確認してみる。・・・正常に動く。
身体に魔力をとおしてみる・・・ん?
(魔力が、通ら・・・ない?)
一刀「そんな、どういう・・・「おい」・・?」
声をかけられたほうを見ると、そこにはいかにもゴロツキといった風貌の3人組が、
ゴロツキ1「お前だよ、お前。いいもん着てんじゃねぇか」
ゴロツキ2「い、命が惜しくなければおいていくんだな・・・!」
ゴロツキ3「そうだ、アニキ、やっちまえ!!」
あー、なんていうか、いかにも、だな・・・
一刀「えっと、一つ訊きたいんですが、ここは日本、じゃ、ない、ですよね?」
アニキ?「はぁ?ニホン?どこだソレ?んなことどうでもいいんだよ!!さっさと身包みおいていけよ!!」
そういって3人組のリーダーらしき者が一刀に鉈のような刃物を突きつけてきた。
一刀「・・・!―――」
一刀は一瞬驚くものの、刃物に血が付いていることを確認すると、とたんに冷静になっていく。
一刀「-お前、その得物で人を殺したのか?」
アニキ?「は?、何言ってんだ?お前には関係ないだろ!」
そういう男の顔にはいやらしい笑みが張り付いていた。
一刀「悪いが、お前たちにやれるものは無いな」
ゴロツキ3「なんだと!?てめぇ、ぶっ殺すぞ!?」
アニキ?「かまわねぇ、デク、やっちまえ!!」
一番格の男がそういうと、3人のうちの一際でかい図体の男が一刀にむかって持っている得物を振りかぶった。
???「待てぃ!!」
いつの間にいたのだろうか、女の子が一人、仁王立ちをしていた。
しかし、俺はというと、カウンター気味にデクとやらに魔嵩で掌底を叩き込んでいた。
・・・・間の悪い・・・・
しかし、少女はソレを見なかったことにして残りの2人を手に持っている槍によって一撃で沈めた。
???「お主、怪我は無いか?」
一刀「あ、ああ、助けてくれてありがとう。」
???「礼には及ばない。して、お主は旅のものか?」
一刀「えっと、そうではないんだけど・・・一つ訊いていいかい?ここはどこなんだ?」
???「なんと、記憶が無いのか?」
一刀「いや、なんていうか、気づいたらここにいたというか・・・」
???「ふむ、まぁ、何はともあれまずは自己紹介をば、私の名は趙雲という」
一刀「・・・・・・・・・へ?」
今、この方はなんとおっしゃいましたか?
一刀「趙、雲、さん?ニックネームとかじゃなくて?」
趙雲「に、にっく?・・・なんだそれは?」
(落ち着け!何がどうなっているんだ!?)
見たところ、若い少女にしか見えない・・・年は俺と同じか少し若いぐらいだろうか・・・そんな子が「自分は趙雲です」なんて言ってみろ。俺の知っている世界の人間は誰が信じる?
(本人も嘘をついているようには見えないし、だとすると、ここはパラレルワールドなのか・・・?)
こちらを見ながら訝しんでいる趙雲。当たり前か、いきなり驚いて固まっているんだもんな
一刀「失礼、俺が知っている趙子龍とは全然違っていてな」
趙雲「!?なぜ私の字を?・・・自分で言うのもなんだが、まだそこまで名が知れているとは思えない」
一刀「ああ、ごめん。多分だけど今は漢王朝だろう?俺はここのことを知識としてある程度知っているみたいだ。」
趙雲「それは、いったいどうゆう・・・」
???「星ちゃーん、一体どうしたんですかー?」
趙雲「おお、風か。いやなに、そこな御仁が不届き者に襲われていてな。助太刀していたのだよ・・・もっとも必要なかったかもしれませぬな?」
そういって流し目で俺を見やる。・・・やっぱり気にしてたんだ^^;
(それにしても・・・)
???「まったく、あれほど先に行くなと言ったのに・・・万一怪我でもしたらどうしたんですか?」
趙雲「すまんな、稟。・・・しかし、あれほどの奴らに遅れを取るほど弱くは無い」
一刀「えっと、一つ訊いていいですか?先ほどから言っている名前ってなんですか?趙雲さんですよね?星って・・・!!」
瞬間、趙雲の槍の切っ先が俺に向けられる。
趙雲「貴様、どういう了見で私の真名を呼ぶか!!」
一刀「え、え!?なんなんですか!?真名?真名って・・・!?!」
そういいながらも、一刀も気づかれないように魔嵩を移動させ、いつでも穂先を弾けるようにした。
趙雲「訂正せよ、私の名は趙雲でかまわない」
一刀「ああ、わかった。趙雲。さっきはよくわからんが済まなかった」
趙雲「うむ、それでいい。して、真名を知らないとな?」
一刀「ああ、うちの方ではそういった習慣は無かったからな。教えてくれると助かる。」
趙雲「ふむ、よかろう、そもそも真名とは・・・」
趙雲達の真名講座が始まった・・・
一刀「・・・なにその初見殺し・・・」
そういいながら一刀はがっくりと項垂れた。
趙雲「まぁ、今回は知らなかったようだ。許してやるが、万人がみな許してくれるとは限らんぞ?目上の人間や官であれば、問答無用で打ち首だろう。良かったな、私で」
(普通に槍で殺されそうでしたけどね・・・)
そう思いながらも、一刀は愛想笑いで返した。
趙雲「しかし、真名も知らないとは・・・やはり記憶喪失なのか?それとも世間知らずの貴族か?」
一刀「あいにく、記憶も失ってなければ、金持ちでもないよ。ただ、俺はどうやらタイムスリップしてきたらしい」
その言葉に3人とも首をかしげているようだ。
???「お兄さん、そのたいむすりっぷとはなんですか?」
一刀「失礼、名前を聞いても?「程立です」程立さん。たとえば、君が項羽や劉邦のいる時代に飛んできたとしたらどうする?」
程立「・・・・・・・・ぐぅ」
???&一刀「寝るな!」
程立「おおぅ、いきなり、とんでもないことを言われたので危うく意識が飛んでしまいました」
一刀「すまない、程立。つい・・・なぜか言えと見えない意志に言われて・・・」
程立「大丈夫ですよ~。・・・それでまさに今お兄さんがその状態な訳ですね」
一刀「ああ」
???「風、信じるのですか?この男の言うことを」
程立「お兄さんが嘘を言っても特に利益は無いじゃないですか~。・・・それにこのような服装をしている人は貴族でも見たことがありません」
一刀は上が黒いインナーに白い幾何学的なデザインのジャケットを着込み、下はジーンズを少し、無骨なデザインにしたようなものを履いていた。・・・まぁ、これが一刀の任務に就いたときの格好なのだが
???「そうですね・・・失礼、私の名は今は戯志才と名乗っています。ところで、貴方の名は?」
趙雲「そうだ、結局聞けずじまいだったな」
一刀「俺の名は北郷一刀。そっちの流儀にあわせると、北郷が名前で一刀が真名かな。字は無いんだ」
戯志才「なっ、貴方は見ず知らずの人に真名を許すというのですか!?」
一刀「?見ず知らずじゃないだろ?しかもこんな怪しい人間に親切にいろいろ教えてくれるんだから悪い人でもない」
戯志才「~~~~!!まったく、この人は大物なのかうつけなのか・・・」
趙雲「では、私は北郷殿と呼ぼう。・・・まだ、真名を預けるほどではないのでな・・・」
そういって趙雲はにやりとする。
風「では、私はお兄さんと~・・・む、あちらに何か人の大群が見えます」
趙雲「あれは、官軍か・・・北郷殿、私達は言うなれば旅人と同じようなもの。少々官軍とは相性が悪い。であるからそろそろお暇しようと思うのだが・・・」
一刀「そうか、ん、いろいろ教えてくれてありがとう。また、会えたらいいな」
趙雲「ふむ、今度会うときは戦場でなければいいですな・・・しかし、一度手合わせをして見たかった。そちらもなかなかの武勇がおありと見受ける」
一刀「そんなこと無いさ、んじゃ、俺はあの人たちにこの辺のことを聞きたいから待ってみるよ」
程立「さて、果たしてちゃんと訊いてくれるのでしょうか?」
一刀「ん?なんか言ったか?」
程立「いえ~なんでもないです」
戯志才「では、またどこかで会いましょう」
一刀「おう」
こうして、一刀は3人組と別れることになった。その遠方には官軍と思わしき軍隊が土煙を上げながら近づいてくる。
あとがき
どうも、一週間ぶりの更新です。ほっち~です。話の展開に早くも詰まっていますorz
まずは、この話についてなんですけども、魏ルートってわけじゃありません。とりあえず3国の人たちと顔あわせだけしようと思い、こういう形にしました。どこのルートにしようという悩みは依然継続中です。しかも、私の周りでインフルエンザが超感染中。私もいつ感染してもおかしくない状態なので、更新がものすごく遅れる場合があります。まぁ、泣く子と病気には勝てないとゆうことで・・・
本当はこの話、さらっと流していこうかと思いもしさらに、そう決めていたんですが、「ん?ここ流すと話が通らなくないか?」や、「ここ、どうやって流せばいいんだろう?」などで結局続きものとなってしまいました。本当に申し訳ありません。つくづく自分の文才のなさと、短編や短く話をまとめるss作家に尊敬と憧憬を浮かべています。最後になりましたが、誤字・脱字報告をお待ちしています。また、小説へのアドバイスなどもお待ちしております。どんどん気づいたことなどを教えてください!!・・・なにぶん初心者なので・・・
では、この小説を読んでくださった皆様に抱えきれない感謝の意を。次回を楽しみにしてくれる方がいることを信じて書いていきたいと思います
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あー、まずい。小説の客観と主観の使い分けがいまだに出来ないほっち~です。その点で非常に見づらいところも多々あると思いますけど、そこは寛大な心で許してください~~
それでは2章です。