No.1056099

スマブラ Stern des Lichts 第12話 ~ 一意専心の槍歩兵

Nobuさん

バンダナワドルディ、スマブラSPに参戦すると思ったのになぁ……。
そんなわけで小説では勝手にファイターにしました。
名前も私が勝手につけましたのでご了承ください。

2021-03-06 16:34:55 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:330   閲覧ユーザー数:330

 シャドウ、ベル、マルス、シークは、一行と別れた後、ヨッシーアイランドのエリアでスピリッツを解放しに回っていた。

 カブを売っている猪の老婆カブリバや、マクラノ王国の王子ユメップなど、いかにも戦闘に向かない者までスピリッツになっていた。

「なんで、こんなのまでスピリッツになってるのよ」

「りょうやソレイユ、リュンヌがファイターになっている時点でそのツッコミは無駄だと思うよ」

 奇妙なスピリッツばかりではぁ、と溜息をつくベル。

 対照的に、マルスはもう慣れているといった表情をしていた。

「この辺に捕まった仲間はいるのか?」

「いると思うわよ。私は勘を信じるわ!」

「勘って……;」

 ベルの言葉に、シャドウ、マルス、シークは一抹の不安を覚えた。

 

「……あ、いたわ!」

 3分後、ベルは台座に縛られているファイターを見つけた。

 それは、青いバンダナを巻き、片手に赤い房がついた槍を持ったワドルディだった。

「誰だ、こいつは」

「見た事がないね……」

「ワドルディ? でも、ちょっと違うわね」

「新参者か? だが……」

 どうやら、この場にいた四人は、このワドルディの事を知らないようだ。

 とはいえ、放っておくわけにはいかないので、とりあえずシークは後ろに下がり、

 仕込針を台座目掛けて投げると、鎖は砕け散りワドルディは解放された。

「……ケ、ス……」

 ワドルディの目は赤く染まり、槍も禍々しい光に覆われていた。

 さらに、彼の近くにいたあみぐるみヨッシーのスピリッツが、ワドルディに付き従うように動いた。

「ケスゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 ワドルディは槍を持ってシャドウ達に襲い掛かってきた。

 シャドウは攻撃をかわした後、戦闘態勢を取る。

「来るぞ、油断するな!」

「ええ!」

 

「それ!」

 マルスはワドルディにファルシオンを振って切り裂く。

「やあ!」

 ベルはあみぐるみヨッシーに大きく鎌を振り下ろすが、あみぐるみヨッシーは彼女の攻撃を見切る。

「……っ! シャドウ!」

「カオススピア!」

 ベルがシャドウにアイコンタクトをすると、シャドウはワドルディに混沌の矢を放った。

 ワドルディはパラソルを開いて防御しようとしたが、パラソルを開く直前で混沌の矢はワドルディに刺さる。

「イタイ! ナニヲスル!」

 ワドルディは槍を振り回してベルを攻撃しようとするが、でたらめに振り回したため当たらなかった。

「あんたの事を知りたいから、まずは正気に戻りなさい」

「仕込針」

 ベルとシークは、ワドルディを正気に戻すため、鎌と針でワドルディを攻撃した。

「フォロワースロー!」

「マーベラスコンビネーション!」

 ベルはワドルディを掴んで後ろに投げ、マルスが怯んだワドルディをファルシオンで連続斬りする。

「……」

「ウワ!」

 シャドウは無言で威嚇射撃を行い、ワドルディを怯ませる。

 その甲斐があってワドルディはあたふたし、合わせてあみぐるみヨッシーも慌てる。

「ドラゴンキラー!」

「ダウンリーパー!」

 そして、マルスとベルの武器が、あみぐるみヨッシーとワドルディを真っ二つにした。

 あみぐるみヨッシーのスピリッツは、ベルがスピリッツボールの中に入れた。

「ばたんきゅ~……」

「なんかそれ、どっかで聞いた事あるわね」

 ワドルディは、どこかで聞いた事があるような台詞を言いながら倒れた。

「おい、そこのお前」

 シャドウが無造作に倒れたワドルディに話す。

「ちょっとシャドウ、それは失礼だと思うよ」

「そうか?」

 シャドウは純粋なため、マルスが注意した事を気に留めていない。

 するとシャドウの声に気づいたワドルディが起き上がった。

「あ、あれ? ここは一体……。大王様……?」

「だ、大王様?」

「うん、ボクに名前をくれた恩人なんだ」

「デデデが……?」

 どうやらこのワドルディは、デデデによって名前を与えられたらしい。

 四人が首を傾げると、ワドルディは笑顔で四人に自己紹介した。

「あ、自己紹介自己紹介。ボクの名前はランス。かつてリップルスターで起きた異変を解決したワドルディの……」

「子孫!?」

「従兄弟のお姉さんの友達の甥っ子なんだ」

「なんだ」

 青いバンダナを巻いたワドルディ――ランスと、リップルスター異変を解決したワドルディとの繋がりは全くなかったため、がっかりするベル。

「それで、キミ達の名前はなーに?」

「……シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」

「ベル・クリーブよ」

「僕はマルスだ、よろしくね」

「シークだ」

「よろしく~!」

 シャドウ、ベル、マルス、シークは改めて、ランスに自己紹介をした。

 ランスは笑顔で、四人の手に一人ずつタッチした。

「それで、キミ達はなんでここにいるの? まあ、そういうボクも、人の事は言えないけど」

「実はね、かくかくしかじかで」

 ベルは、これまでの事情をランスに話した。

 

「ふーん、みんながキーラに捕まっちゃったから助けに行ってるんだね?」

「ええ、そうよ」

「うわぁ~、みんな強そうだねぇ。ねえシャドウ、それ、何?」

 ランスがシャドウの持っている拳銃を差す。

「銃だが?」

「銃? って?」

「お前が持つ必要はないものだ」

「そうなんだ。でもボクにはこの槍と傘があるから、大丈夫だよ」

 ランスはシャドウの銃を欲しがらず、自分の槍と傘を使って戦う事にした。

 あまり高望みはしない、謙虚な性格が見て取れる。

「だからボクも、一緒に連れてって!」

 ランスがぴょんぴょんと飛び跳ねる。

 これは、四人の仲間になりたいというサインだ。

 マルスは微笑みながら彼の仲間入りを承諾する。

「もちろん、いいよ」

「仲間は一人でも多い方がいいからね」

「ふっ、ベルの言う通りだ」

「僕の足手まといになるなよ」

「む~! ボクだってやる時はやるんだから!」

 

 こうして、シャドウ一行に新しい仲間が加わった。

 青いバンダナを巻いたワドルディ、ランスという一意専心の槍歩兵が。

 ~ベルのスピリッツ名鑑~

 

 カブリバ

 出身世界:どうぶつの森

 性別:女性

 カブ(株と蕪をかけたもの)を売っている猪の老婆。

 日曜日の午前中に現れ、カブを売り買いできる。

 ちなみに、カブの消費期限は一週間。

 

 ユメップ

 出身世界:夢の世界

 性別:男性

 遠い昔に滅びたというマクラノ王国の王子。

 アックームの野望を砕くため、夢世界でマリオ達を助ける。

 

 あみぐるみヨッシー

 出身世界:ウールワールド

 性別:♂

 クラフトアイランドに住んでいるヨッシー。

 カメックの魔法でクラフトウールにされた仲間を救うため、冒険する。


 
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