コロナ・コービッド(19)

存在が知られて数カ月で急激に影響力を伸ばした悪の申し子。
その犠牲者は瞬く間に万単位に膨れ上がり、世界中の人々を阿鼻叫喚の渦へ叩き落した。
高名な科学者や各国の組織が彼女に打ち勝つ手段とヒーローを探しているが、未だ打ち負かす者は現れていない。

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彼女は接触した相手を汚染していく。
汚染された者もまた、接触を介して汚染を広げる。
汚染された者は徐々に肺を病み、最悪は呼吸困難に陥って死ぬ。
これに対する特効薬は未だ開発されておらず、重症患者には人工呼吸器を付け、症状が治まるまでの間を隔離するという処置がなされる。
コロナの恐ろしいところは、汚染された者の自覚が薄いところにある。
そのせいで民衆は〝自分は大丈夫〟と思い込み、無自覚に汚染を広げてしまうのである。
各国政府は汚染条件を曖昧ながらも特定し、〝三密〟として禁止、自粛を要請。汚染拡大の抑制を試みるも、コロナの暗躍によって脅威を過小評価するよう誘導された民衆は自制心の弱い者ほど三密を犯し、結果汚染は進行している状況にある。

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