時は草木も眠る丑三つ時、まあ、2時だ。夜の・・・
俺は孫策さんの北側の壁の所に来ている。
(ふむ・・・流石にちょっと高いな・・・よし、アレ使ってみるか・・・)
俺は内気孔を練り上げ、足に集中・・・そして、飛ぶ。
高さ3メートルの壁を軽々飛び越え、着地、すぐさま茂みに隠れ体内通信を行う。
『此方一刀、待たせたな、スニーキングポイントに到着した』
『首尾はどうですか?』
『孫策亭、北側の壁から潜入した。見張りの死角だ気付かれた形跡はない』
『今回の任務は孫策殿に同盟の提案の親書を孫策殿書斎に置いて来ることです。くれぐれも、余計なことはしないように、いいですね、一刀様、戦闘は出来る限り避けてください。
隠密行動ですからね』
『解っている・・・いざとなったら麻酔銃で眠ってもらう』
俺は通信を切り、スタームルガー Mk.I麻酔銃とCQCナイフを抜き、全集警戒を行う。
俺は厨房から侵入しようとしたその時、ふとある物に目がいく。それは木箱だった。
それも人一人が隠れられる大きさの・・・
使える・・・
俺は木箱を被り、潜入を開始する。
すると足音が聞こえる。
(マズイ!!)
俺は木箱を被った状態で厨房の端の方で止まる。
木箱の隙間から覗き込むと、銀色の髪をした巨乳の美人が台所に入ってきた。
(で、デカイ! 愛紗以上の巨乳だ)
巨乳美女は厨房をあさり始めた。
(何してるんだ・・・速く行ってくれ)
暫くして酒を取り出し去っていった。
「フー」
しかし・・・木箱か・・・この木目といい、木の匂いといい・・・最高だ・・・
すごく落ち着く・・・
何だろう・・・言葉では言い表せないが・・・人類とはこうあるべきなんだと言う・・・
確信に満ちた・・・安らぎを感じる・・・
はあ~~~~~~~~~~~~~オチツク~~~~~~~~~
って・・・・・・落ち着いてる場合では無い・・・・・・
俺は厨房を抜け出し、廊下に出る。
しばらく木箱を被ったまま歩いていると、見回りの兵士が来た。
俺は端の方に移動しやり過ごす。
足音が妙に響く。
足音が遠ざかる・・・
隙間から覗き込み様子を伺う。
よし、バレてない。
すごいぞ木箱! 流石だ木箱! 見事に兵士の目を誤魔化せている。
てか、気付けよ・・・オマエラ・・・
しばらく屋敷を徘徊していると、それらしい部屋に行き着く。
俺は木箱をのけ、ドアに耳を当てる。
とりあえず、人が寝てるみたいだ・・・
俺は気付かれないようにドアノブに手をかけ音を出さないように開ける。
麻酔銃を構えながら部屋に入る。部屋の中にはダブルベッドほどの大きさの寝台と、
そこに眠る黒髪の美女がいた・・・
床頭台の上にはメガネと多数の本が置かれていた。
な、なんてデカさだ・・・孫策の将達は思春以外は巨乳なのか?
て・・・よく見ると、周瑜じゃないか!?
なんか・・・感慨深いな・・・こうして見ると・・・あの時、周瑜は自害した・・・
孫策の友情に生きた女性とこんな形で会うとは・・・・・・・・・
・・・いかん、いかん、感傷にひたる暇は無い・・・
出るか・・・
俺は眠る周瑜に一礼し、部屋をでた。
俺は木箱を被り、ミッションに戻った。
ドアと言うドアを虱潰しに調べるから効率が悪いこと悪いこと・・・
兵士を捕まえて尋問したくても、関係が更に悪くなりそうだから止めた。
9つ目・・・当たってくれ・・・
そう言いドアを静かに開ける。
気付かれずに進むと、また寝台、顔を覗き込む、すると、蓮華そっくりな寝顔の女性がいた。
まさか・・・彼女が・・・孫策か・・・
こうしてみると蓮華そっくりだ・・・
俺は愛紗に通信を入れる。
『此方一刀・・・愛紗・・・聞こえるか・・・』
『一刀様!! 定時連絡をしないなんて何考えてるんですか!?』
『すまん・・・だが、孫策を発見した・・・』
『本当ですか!?』
『ああ・・・俺の目の前で寝てるよ』
『まさか!? もう手篭めに!?!?!?』
『オイ!! 何考えてんだ!? 任務中にそんなことするか!!』
『任務外だったらするんですね!?』
『揚げ足取るな!! しないから!! そんなことしないから!!』
『どうだか・・・どうせわたしなんか・・・』
『イジケてんじゃない!! 解った・・・任務終わったらデートしよう。だから機嫌直せ』
『・・・本当・・・?』
うっ! 潤んだ瞳の上目使いで俺を見るな!! なんだかイケナイ気分になるじゃないか!!
決まりだな・・・帰ったら愛紗とデートだ! そしてベッドで犯す!!
『・・・ああ、本当だ・・・』
『早く帰ってきてくださいね、デート楽しみにしていますよ』
そう言い通信を切った・・・
・・・・・・楽しみだ。本当に、フフフ・・・・・・
おおっと、任務、任務。
「貴女が孫策殿ですね?」
「!?!?!?!?あなた何者!?」
「お静かに・・・怪しいものでは御座いませんから」
「どう考えても真夜中に人様の寝室に上がりこむなんて変質者か暗殺者ぐらいしかいないわ」
そらそうだ・・・誰がどう見ても怪しい・・・
「失礼、私、幽州の領主をしている北郷 一刀と申すものです」
「幽州の北郷? あの天の御使いとか言う・・・幽州の大徳、幽州の発明王、幽州の大賢者、幽州の破壊神、幽州の女垂らし・・・」
「最後の方は全力で否定する」
「その幽州の天の御使い様が遥々荊州まで何しに? まさか、私のとこに夜這いに来たとか?」
「・・・貴女と同盟を結びたい・・・」
「あら、そんな事の為に態々荊州まで来たの? しかもこんな回りくどいことしてまで?」
「ああ、袁術に内密で君と同盟を結びたい」
「同盟だったら、袁紹のところや曹操のところと結んだ方がいいんじゃないかしら?」
「それは考えたが、やめておく、袁紹の所と組めばいらん苦労をしそうだ。曹操のところと組めば背中を気にしながら戦う羽目になりそうだ。だが、孫策、あんたなら、此方が使える、アンタ達に俺達が利益がある、信用できると思っている限りは背後から斬られる心配は無い」
「・・・なんでそう思うのかな?」
「アンタは会ったばかりだが信用できる。街の様子も見させてもらった。あんたを為政者
として街を見たら解る。かなり栄えていた、街の治安も安定している。市や領内の賑わい
はそんじょそこらの街とは大違いだ。しかも、街のアンタのうわさは全て良い噂ばかりだ。民がこういうのは為政者が一流の証拠だ。あと・・・」
「あと?」
「勘だ」
そういうと、孫策は一瞬キョトンとした後、急に笑い出した。
「プッククククク・・・ハハハハハハハ!!! 勘ね・・・
いいわ、あなた面白いわ、いいわ、同盟受けましょう」
「感謝する」
「勘違いしないで、あんた達と組むことが此方の利に繋がるからよ」
「それでもだ、ありがとう」
俺は微笑みながら答えた。
「ん? 顔赤いぞ、風邪か?」
俺はそう言い自分のおでこを孫策のおでこにくっつける。
「ちょ!?」
「熱は無いみたいだな、よかった」
「・・・あなた・・・何やってんのよ・・・コイツ天然のタラシだわ・・・」
失礼な・・・
「雪蓮・・・」
「え?」
「私の真名よ、同盟成立の信用の証♪」
「そうか、俺には真名が無いから好きに呼んでくれ」
「んじゃ、一刀って呼ぶわね」
「ああ」
そういい俺は雪蓮と握手を交わす。
こうして雪蓮と同盟を組むことが出来た。
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恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。