白黒なのに濃淡の表現も上手で、人物も可愛く表情があって良い個性があると思います
植物の描き方も繊細で、小物選びも効いています

ただ、メイン要素と思われる「炎」にもう少し迫るような迫力が欲しいです。単純に大きさや形もありますが、
「誰（どんな原因）によってもたらされたどれほど恐ろしい炎（危険）が、誰にとって脅威なのか？」
というものがちょっと伝わってきにくいです

「チェスを持った背後の人物の手によって、お姫さまが窮地にあるところを、少年がなんとか助けようとしている」
という絵ですから、
たとえば、「背後の人物は安全圏にいるか火種となる物を持っており、お姫さま（と植物や旗）は今にも大きな炎に飲まれそうになって縮こまっている、少年はそれに阻まれながらも救おうとしている」とか、

お姫さまは物理的な危険には晒されていないが、謀略の中に閉じこめられている、という場合は
「自分を助けようとする少年が炎に巻き込まれていて、助けようと手を伸ばすが、どうあっても届かない場面を黒幕が冷たく笑っている」とか、

少年とお姫さまが共に行動している場合には、
「背中合わせの二人を守るように囲んで生えている植物に火の手が迫っており…」とか、

例えがあまり上手くなくてアレですが、「炎の位置と大きさ」でドラマ性をあらわすと、人やものの配置が生きてくると思います
あと、少年の左手が寂しい気がしたので、お姫さまと何らかのつながりがあることを象徴するアイテム（これもベタですが）などを持たせてみると楽しいように思います

細微な描き込みや、可愛らしい絵柄でとても魅力的なイラストだと思います。ストーリー性もあって良いですね。
人物や物体の配置には悩まれておられるとのこと、参考になるか判りませんが提案を。

人物、物体が多く配置される場合、主眼となるものの大きさに順序をつけて配置されては如何でしょうか。
その後に、主眼となるものに視線が誘導されるよう、その他の人物、物体や効果を配置すると良いと思います。
また、アナログで作画をされているのであれば、ラフの段階で一旦コピーを撮り、配置物ごとに切り抜く。その後、配置をあれこれ考えてみるというのは如何でしょう。

失礼ながら、イラストを細工させて頂きましたので、併せてご参照下さい。（切抜きや修正が甘いのは私の技術不足）
以下に、修正箇所と意図を書きます。

まず準備として、元イラストの指針を推定。
「軍師君の陰謀により危機せまる王国。窮地にたたされた姫を救うため、少年剣士が戦う」と推定しました。

元イラストではキャラの大きさがほぼ同じため、主眼が分散されている印象です。
上記指針より、主人公格の剣士君と姫が目立つように修正します。
剣士君を拡大し、姫を少し縮小。
軍師君は暗躍してる感を出すためにもさらに縮小しています。

剣士君の顔の向きは、画面端に向く印象があるため、閉塞感を感じます。
このため、画面中央へ向けました。
（視線が画面外へ流れるのを阻止する意図もあります。）
おのずと姫の視線が剣士君に向くのでよい感じ。

剣士君の腕を上げ、炎と併せて視線を姫へと誘導します。
腕が上がっていると上昇志向にも感じます。
姫の髪の流れを軍師君へと流し視線を誘導。
（修正がうまくいきませんでした。描く段階で意識して頂ければと）

チェス盤の傾きを逆にして視線が右へ流れるの阻止しています。
偶然、落ちているコマで視線が下へ循環するようになった。
剣士君が軍師君のコマだと暗喩できてなお良し。

右上に空間ができるので、お城の遠景や地図などを入れると良いかと思います。
（グレーで概略シルエットを入れて見ました）
右上からイラストを見た場合を想定して斜めにし、姫へと視線を誘導しています。

以上、如何でしょうか。
元絵が良いので、つい口と手を出してしまいました。
参考になれば幸いです。長文失礼致しました。