No.921405

しまのりんち11話

初音軍さん

雨でお家の中でイチャイチャの回。やはりしまのりはいつまでも可愛い(*´∇`*)

2017-09-06 20:37:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:276   閲覧ユーザー数:276

しまのりんち11話

 

【志摩子】

 

 学業と仕事の両立は難しい。一緒に住みながらも一緒にでかけることは

多くはなかったから。久しぶりに二人の時間が合いそうな時にお互いの好きな場所へ

行くことになっていたのだけど。

 

 ザー…。

 

 念入りに天気予報を確認していたのにも関わらず急な大雨。これでは出かけることは

無理だろう。それがわかっているから乃梨子はリビングのソファでぐったりしていた。

 

 私は窓の外を見るのをやめ、カーテンを閉めてから乃梨子の隣に座って乃梨子の顔を

ゆっくり私の方へ引き寄せた。

 

「せっかくのお出かけが…」

「また今度にすればいいじゃない」

 

 乃梨子と出かけるのは楽しいけれど、たまにはこういうのも悪くはなかった。

 

「うぅ~…でも~…志摩子さんに喜んでもらいたかったのに…」

「その気持ちだけでも嬉しいわ」

 

 本当に悔しそうにしながら私のフトモモに顔を埋めるようにしてしばらく

落ち着かない様子でうつぶせになったり仰向けになったりしていた。

 

 テレビをつけてテレビの音を聴きながら乃梨子のことをジッと見ている。

なぜか乃梨子にだけはずっとこうして見ているだけでも嬉しくなる。なぜなのだろうか…。

乃梨子を眺めながら考え事をしている内に乃梨子はいつの間にか仰向けになって

私を膝枕にして眠っていた。

 

 スー…スー…。

 

 さっきまで元気だったのに何だか子供みたいな可愛い寝顔をしていて

私は思わず乃梨子の頬を軽く指先で突く。ふにふにして柔らかい。

 

「んん…」

「あっ…」

 

 スー…スー…。

 

 起きてしまったかと思ったらまたすぐに寝息を立てていた。

いつもは私のことをリードしようと色々大人の振る舞いをしてくる乃梨子がこうして

甘えてくるのは珍しい。最近は特に忙しそうに見えるから疲れているのだろうか。

そういう時こそ私に甘えてくれてもいいのに、普段はほとんどそういうことをしてこない。

だから今この無防備な姿に私の胸は少しずつ強く高鳴ってきた。

 

「かわいいわ…乃梨子」

 

 可愛い…。さらさらの艶のある黒髪を撫でながら愛おしい眼差しで彼女を眺める。

今、どんな夢を見ているのだろう。私は出ているのかしら。だとしたらどれだけ嬉しいか。

そんなことを思っていたら通じたのかそうでないのか、乃梨子が寝言を漏らした。

 

「ぬぅ~…おのれ聖さま~…志摩子さんは渡さないぞぉ~…」

「ぷふっ…!」

 

 思わず噴出しそうになるのを我慢して笑いを堪えた。今、乃梨子の夢の中には

お姉さまが出ていらっしゃるのね。どんな状況か想像してみることにした。

 

 多分私とお姉さまと乃梨子の3人で繰り広げているのかしら…。

場所は薔薇の館かしら…それとも学園外? 私達の共通して記憶に残っているのは

学園内の薔薇の館だから…。おそらくそこだとは思う。

 

 でも乃梨子とお姉さまが一緒にリリアンにいたことはないから不思議だわ。

夢ならではの状況よね。ふふふ…、ムキになっている乃梨子を想像していると

おかしくて笑いが止まらなくなりそう。

 

 だって私が一番大切にしているのは乃梨子なのにお姉さまに小動物が威嚇するような

反応をしていて可愛らしかった。

 

「安心して。私は乃梨子が大事よ」

 

 出来る限り小さい声で呟くと乃梨子の苦しそうにしている顔が晴れやかになった。

それでもまだ寝息を立てているからまだ夢の中なのだろう。

 

「しまこ…しゃん…」

「乃梨子…」

 

 胸がキュッと締め付けられる感じがして乃梨子から目が離せなくなっていた。

反応を見ていると面白いというのもあるけれど、何より愛おしいから…。だから…。

 

 チュッ… ガバッ!

 

 私が乃梨子の頬に口付けをすると目を見開いていきなり起き上がる乃梨子。

 

「!?」

「あら、起きちゃった?」

 

「い、今、志摩子さんからキスしてくれた?」

「頬にだけどね」

 

 言うとみるみるうちに顔が赤くなっていってキスされた部分に手を当てる乃梨子。

 

「嫌だった?」

「ううん、嬉しい!」

 

 嬉しそうに笑みを浮かべた後、少しがっかりした顔をして。

 

「でも起きてる時にしてくれたらもっと嬉しかったかも」

「ふふっ、たまにはいいじゃない」

 

 いつもとは違ったドキドキがして新鮮に感じられたし、

こういうのもたまにはいいなと思った。

 

「次は乃梨子が私にしてくれればいいじゃない」

「うぅ…そうしたいのはやまやまだけど。できる時がなくて…」

 

「ふふっ、可愛いわ。乃梨子…」

 

 本当に可愛い。私のために考えてくれるたびに色々な表情を見せてくれて、

私も乃梨子から見たらそう感じてくれるのかしら…。でも恥ずかしくて確認はできない。

多分私達は同じように感じているはずなのだから。

 

 この日は結局二人でお喋りしただけで終わったけれど不思議と心が充実していた。

 

「もう…志摩子さんったら!」

 

 チュッ!

 

「!?」

「いつ同じような状況になるかわからないから今した!」

 

 頬に乃梨子の暖かくて柔らかい感触がして顔が熱くなっていく。

乃梨子と目が合って見つめ合い、そのまま手を握って何度かキスをした。

今度は口同士で。…雨の音を聴きながら…、いつまでも…。

 

お終い。

 


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