No.829522

デイライトガン&ムーンライトガン 第22章 仲間との別れ

enarinさん

☆第22章です。

☆サイバーパンクで神話の入ったガンアクション小説です。

☆ラストまでのプロットをちゃんと書いてあるので、形式は、少しずつ続きを書いていく、章区切りの長編となります。

続きを表示

2016-02-08 21:42:17 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:470   閲覧ユーザー数:470

(某月某日 午前3:30 月光タワー・11F 医務室)

 

 傷ついた仲間を背負って、一行は11Fの医務室に到達した。当然だが薬などを勝手に持ち出せないように、扉はロックされていたが、蛭子のメンバーカードで開けられた。それだけガーディアンフェザーの権限は大きいと言うことだ。

 

 ドアが施錠されていたわけなので、当然ガーディアンフェザーの刺客などは潜伏していなかった。なので、安心して医療行為に移れた。医師と看護師以外は基本24時間対応できる様に、医療装置や薬などは、いつでも使える様になっていた。

 黒崎は左肩を撃ち抜かれただけだったので、止血、消毒、油紙、包帯だけでとりあえず動けたのだが、正直、ぬこみんは重傷だった。撃ち抜かれた後、棚から転落した時のダメージが大きかったのだ。あれから45分経っているが、まだ気絶したままだった。

 

 蛭子とリキュールとステロイドの処置により、撃ち抜かれた右肩の止血、消毒、油紙、包帯の処理は黒崎と同じで、それは大丈夫だったが、全身の打ち身により、見る限りで2カ所の骨折、ねんざ、また、出血はしてなかったのだが、頭部のダメージもある。湿布薬を貼り、包帯を巻き、とりあえず医務室のベッドに寝かせてあるが、気絶状態はまだ継続していた。

 やむなく、酸素マスクをし、酸素を供給した状態で、とにかく意識が戻るのを待つことにした。

 

蛭子「・・・・・・すまない・・・・力不足で・・・・」

黒崎「それは、ここの全員が同じ気持ちだ。口に出さない方が良い」

蛭子「ごめんね・・・」

 

 希はわなわなと震える体で、握り拳を作って、思いっきり医務室の壁を殴りつけた。

 ボグン!

 

希「くそ・・・・・くそ・・・・・」

リキュール「希・・・自分を責めちゃだめだよ?」

希「わかってる・・・だが・・・・なんでこんな事に・・・・」

黒崎「与一のケースは運が悪かったとも言える。奴の好条件が揃いすぎた」

 

 少し間を置いて、蛭子が申し訳なさそうに、付け加えた。

 

蛭子「更に追い打ちで悪いんだけど、与一とは違うタイプの、更にヤバイ連中が、ガーディアンフェザーから刺客として放たれている。正直、ここにずっといるわけには」

 ガン!

 

 希はまた拳で壁を殴りつけた。

 

希「俺は・・・・ここで・・・ぬこみんを看病しているぞ・・・・反対は認めない」

黒崎「いや、それはダメだ。お前のパンドリオンの戦力は、さっきでよくわかった。奴らのデータベースにも登録されてなく、更に悔しいが最強だ。我々の主戦力を、ここで欠くわけにはいかない」

 

 希は傷を負った黒崎の胸ぐらを掴もうとして、流石にやめた。そして、もう1回壁を殴りつけた。

 ズガン!

 

希「・・・・・誰がここに残る・・・・・」

 

 10秒の沈黙が流れた後、ステロイドが挙手した。

ステロイド「俺が残る。ある程度の医療行為なら出来るし、防衛火力もある。力もあるし、意識が戻ったら、担いで下に降りて、車で店に戻る。後は、こちらで何とかする」

 

蛭子「お前らの店、没収されたんじゃなかったか?」

 

 するとステロイドが蛭子に、操作済みのスマホの画面を見せた。店と備品全てを買い戻した手続き画面だった。

 

ステロイド「さっきのサヴァイバリングの報酬の一部で、没収されたモノ、全部買い戻せた」

 そのスマホを持つ手を、希が包んで握った。

 

希「ステロイド・・・済まない・・・キミにも色々ガーディアンフェザーにはあったはず。それは俺が奴らに会ったときに、全部ぶつける事にする」

ステロイド「ああ、頼む」

希「ぬこみんを・・・・・・・・頼む!」

ステロイド「任せておけ。ぬこみんが気づいたら、スマホで連絡する。戦闘第一、連絡第二で、マスターの道を・・・・進んで欲しい!」

希「ああ、ありがとう」

 そういうと、持ち物に薬や包帯を加えて、一行は、上の階に進むことにした。

 

進行組:希、黒崎、蛭子、リキュール、スイート、テンニャン

待機組:重傷のぬこみん、看病のステロイド


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択