No.819037

【獣機特警K-9ⅡG】トリッカーズのクリスマスプレゼント(後編)【交流】

Dr.Nさん

2015-12-15 19:53:33 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:438   閲覧ユーザー数:424

ラミナ署。

 

「大変っすミンスター警部、トリッカーズからの予告状が!」

「何ですってミハエル君!? 読んでみて下さい」

「はい。『来る12月20日午前0時、宝石コレクター西 脛男一氏邸のハイムーンをいただきます。トリッカーズ』」

一方その頃、西邸。

 

<金庫及び各種保険取り扱い 川口金庫サービス株式会社 代表取締役 川口美海>

<営業部 田中 博>

 

「この度はトリッカーズから予告状が送られて来たそうで」

「ああ」

「でもご心配には及びませんわ。この川口金庫サービスにドーンとお任せ下さい」

「ほう、大きく出たな?」

「はい、それはもう。我が社が誇る最新技術を導入した金庫をご用意させていただきます」

「だが相手はあのトリッカーズだぞ?」

「もちろん心得ております。何かとご心配でしょうから、そのための保険もご用意しておりますわ」

「保険?」

「はい。万が一宝石が盗まれた場合、金庫代は全額返金、それにプラスして掛け金の10倍の金額をお支払いします。まあその分掛け金も少々張りますが」

「ふうん。で、いくらだ?」

「はい、金庫代5,000ホーンと保険料10,000ホーン、合わせて15,000ホーン(1,500万円)になります」

「よかろう。小切手だ、持ってけ!」

そして犯行予告前日午後11時30分、西邸。

大勢の警官たちが物々しい警備を敷いている。

 

「ホントに大丈夫なんでしょうね? 頼みますよミンスターさん」

「お任せ下さい西さん。あと30分で予告の時間です。ミハエル君、全員に気を引き締めるように伝えて下さい」

「はいミンスター警部!」

「11時59分。あと30秒…10秒…5秒…3、2、1、0!」

「…来ませんね警部?」

「おかしいですね。今までトリッカーズは一度たりとも約束を破ったことはないのに」

 

ピリリリリッ、ピリリリリッ。

ピッ!

 

「はい、ミンスターです」

『やほー、元気ぃミンスターさん? 怪盗バニーだよ!』

「バニーさん!?」

『予告状通りハイムーンはいただいたよ』

「いただいたたって、あなたたち予告時間に現れなかったじゃないですか」

『ううん、ちゃんといただいたから。嘘だと思ったら今すぐ金庫を開けてみてよ』

「なんですって!? 西さん、今すぐ金庫を開けて下さい!」

「はあ? トリッカーズは現れなかったじゃないですか?」

「いいからお願いします!」

「はいはい、分かりましたよ」

 

ギ…ギギッ…ギギッ…。

 

「誰も来ずにしかも金庫の扉は完全に閉まっていたんだ、宝石が無くなっているはずなどあるわけが…」

 

ギギッ…チン!

 

「無いっ!!」

「よかった、無事だったんですね?」

「いや、そうじゃない! 無くなっているんです、ハイムーンが!!」

「何ですって!?」

『そういうこと。じゃ、またいつか遊ぼうねー♥』

 

ツーッ、ツーッ、ツーッ…。

 

「あ、バニーさん!」

「…ッ! これはどういうことですかなミンスターさん!?」

「はあ、私にもさっぱり…。まだ遠くへは行ってないはずです、ミハエル君、直ちに全市に非常線を!」

「はい警部!」(ダッ!)

「全く、警察もあてにならないもんですな!」

「申し訳ございません…」

(まあいい。まあ元々タダで手に入れた宝石だからな。俺が欲しいのは保険金、元手ゼロのブツを盗まれただけで掛け金が10倍になって戻って来る、こんなおいしい話は無いさ)

翌日、ラミナ署。

 

「お疲れ様ですミンスター警部。はい、お茶をどうぞ」

「ありがとうございますミウさん」

「それで、何か手掛かりはありましたか、トリッカーズと盗まれた宝石の?」

「いえ、どちらも。全くどこに行ったのやら…」

「そうでしたか。私に出来ることなら何でもお手伝いしますのでおっしゃって下さい」

「ありがとうございます」

その頃、西邸。

 

「川口金庫サービスです。この度はどうも」

「見ろ、ご覧の通りだ! きれいさっぱり盗まれてしまったよ!」

「それは大変申し訳なく…」

「ゴメンで済めば警察は要らないんだよ!」

「はあ…。では保険の審査のために、この金庫は社に持って帰ってもよろしいですか?」

「好きにしろ! 全く、忌々しい金庫め! くれぐれも金庫代と保険金を忘れないようにな!」

「はい、必ずお支払いします。さあ、金庫を台車に載せるわよ」

「はいっ」

数日後、西邸。

 

「そろそろ保険金が振り込まれてる頃だな。ええっと、ネットバンクの残高照会っと。何、まだ振り込まれてないだと!? どうなっているんだっ!! この前の名刺どこにやったかな? ああ、あったあった」

 

プルルルルッ、プルルルルッ、プルルルルッ。

ブツッ。

 

『(ピンポーン)こちらは、川口金庫サービスです。誠に申し訳ございませんが只今営業時間外でございます。お急ぎの方はお手数ですが携帯電話までお掛け直し下さい。番号は──』

 

「クソッ! 仕方がない、携帯に掛け直すか」

 

プルルルルッ、プルルルルッ。

ブツッ。

 

『はい、カワグチです』

「西だ!」

『西さん? ああ、ひょっとしてトリッカーズに宝石を盗まれた西 脛男一さん?』

「そうだ!」

『この度は災難でしたねえ』

「慰めはいい! どうなってるんだ、さっき調べたらまだ何も振り込まれてないじゃないか!」

『はい?』

「保険金と金庫代は確かにお支払いしますと言っただろうが! 忘れたとは言わせんぞ!」

『あの、失礼ですがどちらにお掛けですか?』

「会社の電話が誰も出ないから留守電のメッセージからお前の携帯に掛けたんだバカ!」

『はあ』

「これじゃ保険金さえ取れないじゃないか! せっかくの錬金術が台無しだ!」

『こちらラミナ署生活安全課のカワグチですが』

「えっ?」

『今面白いことをおっしゃいましたね。どういうことでしょうか、せっかくの錬金術が台無しとは?』

「あっ、それはその;;;;」

『もっと詳しくお話を伺いたいので今からそちらにお伺いしますね』

「あうぅ! …うわあーっ!!」

「お、ニュースに出てるぜ。『有名宝石コレクターを逮捕。詐欺及び恐喝の疑い、余罪多数か?』 だってさ。ざまあ!」

「大成功ね!」

「うん!」

「しかし盗まれた宝石がまだ金庫の中にあったなんて、西もミンスターさんも気付かなかったようね」

「ああ!」

 

スッ。

…。

スッ。

 

「あれ、まだこの金庫のタイマー解除してなかったの?」

「あ、ホントだわ」

「しかし考えたな。実は金庫の底板が二重になっていて、時間が来れば上の板が開いて宝石が中に落ち、再び何事もなかったかのように閉まるなんてよ」

「金庫を開けること無く中の宝石が消える。偉いわミクちゃん!」

「えへん!」

クリスマスの朝、女の子の家。

 

「見てママ! 玄関にこんな紙袋が!」

 

<メリークリスマス! 西に取られたハイムーンを取り戻しました。それからこの15,000ホーンは生活の足しにして下さい。寒い時期です、どうか親子ともどもお体を大切に。トリッカーズより愛を込めて>

 

=END=

 

 

 


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