No.785269

真・恋姫無双~項羽伝~三国編

あかさん

久々の項羽伝です

楽しんでもらえると嬉しいです

2015-06-22 23:05:06 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4229   閲覧ユーザー数:3369

第五章 1話 伏龍鳳雛

 

 

 

 

 

 

 

時は官渡の戦いが終了した時分に戻る

 

 

雛里と電々が使っている部屋

 

そこで一人鳳統は悩んでいた

 

鳳統(官渡の戦いでますます楚軍は力をつけてしまいました・・・・・項羽様や楚の皆さまは私に分け隔てなく接してくれますが・・・・私は桃香様に全てをかけると誓い幕下に加わった・・・・・もう迷っている暇はないです。これから私の動きで全てが変わるはずですから・・・・・・・)

 

鳳統は正にこれからどうするかを悩んでいたのであった

 

反董卓連合の時に捕まりそれ以降、楚で時を過ごしていた鳳統はこの国の力を、結束力を目の当たりにして、不安を募らせていた

 

鳳統は劉備の元に居たからもあり歪なほどの楚、いや項羽への執着心を知っている

 

それはあまりにも危険とも言えるほどの物だったからだ

 

民を、街を、国を全ての物に被害を及ぼす程に濃ゆく深い物だと察している

 

そして、その思いは何時かはち切れて必ずこの楚と戦いを始めると考えていた

 

戦を始めたら必ず劉備軍は甚大なる被害が生まれる。しかしそれでも劉備は項羽を、項羽が作り出した楚と言う国を無くすまで戦いはやめないはず

 

 

鳳統はそれを危惧して、どうにか戦を起こさなく、出来れば劉備が死なないでいい方法はないのかと考え続けていた

 

そして鳳統はある方法を考え付いたのであった

 

鳳統「・・・・・・・これなら・・・・・でも、・・・・・ううん。これしかない。この方法が成功すれば桃香様やみんなは戦をしなくていいはず。でも、これをするには私以外にも・・・・・・・・・・」

 

こうして鳳統はある決心をして動き出した

 

鳳統「まずは情報を集めないと・・・・・・誰かに・・・そうだ、この頃来た曹操軍の兵なら・・・・あの人たちはお金さえ払えば大体の事をしてくれるはず・・・・」

 

そうして鳳統は独自で動き始めたのであった

 

 

 

 

 

同じ頃

 

長安

 

其処では今、劉備軍の一同が皇帝、劉協と謁見を行っていた

 

張讓「面を上げていいぞ劉備」

 

劉備「は、はい!」

 

劉備は緊張した面持ちで面を上げ玉座の方を見上げた

 

劉備「こ、皇帝陛下には・・ご、ご機嫌うるわしいと・・・その・・・・はう~~~~、朱里ちゃん~~~~!!」

 

孔明「と、桃香様・・・・そこで話を振られましても・・・」ボソボソ

 

劉備は何を話していいのか解らず混乱して孔明に助けを求めようとしたのだが、此処は玉座。しかも皇帝の居る場所。皇帝の許しが無い限り勝手に言葉を発することなどもってのほかの事である。それゆえに孔明は何もできないでいた。もしここで勝手に行動をしたなら不敬罪として切り殺されても文句は言えないからだ

 

劉備「ううう・・・・ね、ねぇどうしよう・・・・」

 

とうとう劉備は涙目になり始め左右をキョロキョロと見回しオロオロとし始めたのであった

 

張讓「・・・・・・・貴様ら・・・いい「フフフ、アハハハハハ!面白、面白いんだもん、あなた達!!」献帝様!」

 

献帝「何だもん張讓?」

 

張讓「献帝様、この者は皇帝陛下である献帝様の御前でこの様に騒ぎ立てたのですぞ」

 

献帝「むむ、そうか・・・・そうだ!!それならこの者達は三日間のおやつ抜きの刑だもん!!」

 

献帝は良い刑を思いついた。流石私!!と言いたげに胸を張りそう言った

 

張讓「・・・・・・」

 

劉備軍「・・・・・・」

 

張讓と劉備軍の面々は献帝の言葉で呆気にとられ言葉が出ずにいた

 

その空気の中

 

何太后「フフフ、流石白湯様。堂々たる御決断です」

 

何処から現れたのか何太后が現れてこの何とも言えない空気を入れ替えた

 

献帝「おお、瑞姫姉さまもそう思うだもん?」

 

何太后「ええ、勿論ですわ」

 

献帝「フッフッフ、瑞姫姉さまが言うなら間違いないもん!張讓、この者達の無礼は三日間のおやつ抜きにするだもん」

 

張讓「・・・はっ。劉備とその一同、わかったか?」

 

劉備「は、はいっ!!了解しました!!」

 

何太后「では、この御話はお終にして本題に入りましょう。ねえ張讓殿」

 

張讓「んん、そうであるな。それでは改めて、劉備とその配下たちよ、お前たちの働きにより献帝様は勿論のこと、我らを曹操軍からの解放したことで、献帝様から直々にお礼の言葉を承れることありがたく思え。では献帝様」

 

献帝「うんだもん!劉備とその一同、今回の働き朕は大変うれしく思う。礼を述べるぞ」

 

劉備「い、いえいえ!わ、わわわわ私達はあたたりまえの事をしただけです」

 

献帝「うむそうかの?」

 

瑞姫「いいえ、白湯様。この者達の働きはとっても大きい事ですわ」

 

献帝「瑞姫姉さまがそう言うから凄い事だもん!だから劉備、朕と張讓で話し合った結果、ソチに大将軍の位を授けるだもん」

 

劉備「・・・・え?」

 

献帝「?如何したんだもん、劉備?」

 

孔明「と、桃香様お返事を」

 

劉備「へ!?あ、はいっ!!つ、謹んでお受けします!!」

 

献帝「そうか、そうか。良きに計らえだもん」

 

献帝は劉備が褒美を受け取った事に快くしたようでニコニコと笑顔になった

 

張讓「では劉備。ちゃんとした就任式は後日とり行う。本日の謁見は此処までとする」

 

劉備「はっはい!!失礼しました!」

 

そう言って劉備達は退室しようとした時

 

献帝「ちょっと待だもん」

 

張讓「どうかされましたか献帝様?」

 

献帝「劉備に聞きたい事があったの忘れてただもん!」

 

劉備「聞きたい事ですか?」

 

献帝「そうだもん。劉備、お前は朕の姉、劉宏を知らないだもん?朕の姉は先の反董卓連合の時行方不明になってしまって今、行方を捜しているだもん」

 

劉備「!!劉宏様は・・・・・・」

 

献帝「その顔何か知ってるだもん!?」

 

白湯は桃香の顔が質問に反応した事に気づき問い詰め始めた

 

劉備「その・・あの・・・・・・」

 

献帝「速く言うもん!!!」

 

劉備「は、はい!!劉宏様は以前まで私の元で療養されていました!!」

 

献帝「それは本当だもん!?」

 

劉備「はい!!」

 

献帝「良かった・・・良かっただもん。空丹姉さまは生きてただもん・・・・ハッそ、それなら今、空丹姉さまは劉備の所に居るもん?」

 

劉備「それがその・・・・」

 

桃香はそれ以上どう答えたらいいのか解らなくなり朱里に助けを求める視線を送った

 

孔明「恐れながら献帝様」

 

献帝「ん?ソチは誰だもん?」

 

孔明「は!私は劉備様に使えている諸葛孔明と言います。献帝様のその問いかけ、我が主の代わりにお応えしてもよろしいでしょうか?」

 

献帝「誰でもいいもん。早く姉様の事を教えてほしいもん」

 

孔明「では、恐れ多くながらお答えします。実は劉宏様はほんの少し前まで我らが劉備軍に恩身を隠されていましたが遂昨日、楚の間者の手により楚にさらわれてしまい、今は安否が解らなくなっております。我らもどうにか連れ戻そうとしたのですが・・・・・・流石は力で成り上がってできた国。我らは力及ばず逃げ帰る事しかできませんでした」

 

献帝「そ・・・そんな。姉さまが・・・・せっかく無事と思えたのに・・・・・」

 

白湯はフラフラと今まで乗り出していた体をふらつかせ玉座に座り込んでしまった

 

張讓「(いかんな・・・)誰か献帝様をお部屋にお連れしろ」

 

張讓の言葉ですぐに傍に控えていた侍女が献帝を連れて部屋から出ていった

 

何皇后「アラアラ、大変なことになったわね。そこのおちびちゃん・・・・えっと諸葛孔明だったかしら?」

 

孔明「は、っはいでしゅ!!」

 

何皇后「その話詳しく聞きたいから後で私のお部屋来てくれるかしら?」

 

孔明「はい」

 

何皇后「じゃ、よろしくね。張讓、後は頼んだわよ」

 

そう言って何皇后も退室していった

 

残された劉備軍と張讓は

 

張讓「では劉備とその一同部屋に案内させるからそれに付いていけ。諸葛孔明は私に付いて来い。何皇后の部屋に案内する」

 

そう言ってそれぞれが動き出した

 

 

 

 

 

 

そして劉備の大将軍の就任式が行われ一月もの宴が行われた

 

その間に

 

何皇后「張讓、劉備は如何かしら?」

 

張讓「ああ、あいつは使いやすい。何たって馬鹿が付くほどのお人よしだ。それに、奴の軍には強靭な体を持ち死んでも困らない兵がわんさかと居る。これは使わない手は無い」

 

何皇后「そう・・・・なら、その者達と今あの姉妹達を操って集めている馬鹿を使って東の土地を手に入れないとね。フフフ、これでやっとこの大陸は私達の物になり、全てが・・・・アレが手に入るわ」

 

張讓「うむ・・・ん?アレとは一体何のことだ?」

 

何皇后「教えていなかったかしら?」

 

張讓「一体何のことだ?」

 

何皇后「・・・・・いいわ。今とても気分がいいから教えてあげる。以前私はある部屋の事をひょんな事から知り、その部屋である本を見たのよ。そしてそこにこう書いてあったのよ『楚が一代にして強力な国に成ったのは、その者が持っていた秘宝がもたらした為である。その秘宝、この世に存在するどの宝石よりも美しく、太陽よりも神々しく、月よりも儚げである』とね。私はそれを見た時、これが、これこそが、この私が着飾るに相応しい物だと思ったわ。だから私はあの地に在るはずの物を手に入れるため動いているのよ。だから、この大陸が手に入るのは二の次でしかないわ」

 

張讓「ほう、その様なものが楚にね」

 

何皇后「ええ、きっと素晴らしい輝きがする宝石なのでしょうね」

 

何皇后はそのあると思われる宝石を想像しながら酒に酔いしれていると

 

孔明「諸葛孔明、御呼ばれと有り参上しました」

 

張讓「おお、来たか。入ってくれ」

 

孔明「はい、失礼します」

 

そう言って朱里は緊張しているのかぎこちない動作で部屋に入ってきた

 

張讓「そう堅くなるな」

 

孔明「は、はい・・・・・そ、それでお話とは?」

 

張讓「うむ、実はお主に紹介・・・いや、お主達の陣営に入れてもらいたい人物が居ってな」

 

孔明「私共の陣営にでしゅか?」

 

張讓「ああ。その者は元曹操軍だが、曹操が我らに反乱しようとしていたことは知っているな?」

 

孔明「はいでしゅ。百合(ユリ:姜維の真名)ちゃんからおおまかなことは聞いていましゅ」

 

張讓「そうか。なら話が速い。そのものが我々に曹操軍の動きを不審に思い我らに申告してくれたのだ。そして、その者は先の楚との戦いの時命からがら逃げてきた」

 

何皇后「で、私達はその人にお礼として何かして荒れないかと聞いたら劉備軍に参入したいと言われてね。それなら私達が話を通してあげるとなったの」

 

孔明「そうですか。その者は?」

 

何皇后「今、違う部屋で待っているわ」

 

孔明「そうですか・・・・(その様に朝廷を思われている方に悪い人はいないはずです。それにここで異を唱えて悪感を思われても今後がたいへんです)解りました。桃香様には私がお話しておきます」

 

張讓「そうか、すまないな。では孔明、その者は隣の部屋で待っている。確か話したいことがあるらしい。行ってやってくれ。すまないが儂らはこれから献帝様の所に行かないといけない」

 

孔明「そうですか。解りました。お忙しい所すみません。それとご紹介ありがとうございました」

 

そう言って朱里は隣の部屋に向かった

 

張讓「さて、これでうまく奴が劉備軍に入ったなら劉備軍は完全に我らの思いのままだ」

 

何皇后「フフ、本当にお馬鹿さん達は使いやすいわ」

 

 

 

 

 

隣の部屋で

 

陳珪「初めまして諸葛孔明さん。私は陳桂と言います。お話は張讓様からお聞きになられましたか?」

 

孔明「はい。それと、陳珪さんが私にお話ししたいことがあると伺ったのですが」

 

陳珪「ええ、貴女にお教えしたいことがありまして・・・・・・これをご覧ください」

 

そう言って陳珪は一つの手紙を差し出した

 

孔明「これは?」

 

陳珪「その手紙はある者があなた宛てに書いた物らしいです。それを持った者が調度私の顔見知りで、城に居るはずの孔明に渡してほしいと言っていたのよ。確か鳳統からだったかしら?」

 

孔明「!!」

 

朱里は鳳統と聞いて驚愕の顔に変えて急いでその手紙を呼んだ

 

孔明「・・・・・・・・・よかった・・・・雛里ちゃん無事だったんだ・・・」

 

陳珪「フフフ、如何やらお友達だったみたいね。それで何と書いてあるのかしら?」

 

孔明「はい・・・・それが・・・・いえ、これはまだお話しできません」

 

陳珪「あら、残念。私はもうあなた達の陣営に加わったはずですが」

 

孔明「すみません。私も陳珪さんが敵とは思っていません・・・・でも、何処に間諜が居るか解りませんから」

 

陳珪「成る程。なら後で教えてもらってもよろしいかしら?」

 

孔明「はい」

 

陳珪「そう、ならいいわ。それじゃあ、これからよろしくね。それと、そちらに行かせてもらう時、娘も同行させてもかまわないかしら?」

 

孔明「ええ、大丈夫ですよ。こちらも人が増えて喜ばしいので」

 

それから朱里は陳親子を桃香たちに紹介をした

 

そして宴の一月が過ぎ劉備達は意気揚々と蜀に戻って行き、朱里と焔耶だけはある場所に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

涼刀と成刀の親衛隊が決まり地獄の特訓の二カ月が過ぎた

 

炎蓮「ふ~~~、及第点と言えるぐらいは成長したな」

 

葵「ああ、しかしもう少しこいつらを鍛えてやりたかったな」

 

炎蓮「仕方がないさ。一刀様の指示だ。俺達が防衛の要とも言えるからな」

 

葵「まあ、そうだな。呉覇将の妊娠していなかった冥琳と星が妊娠して動けないうえ、子を産んだばかりの娘達も手が離せないからな。今確実に動けるのは私達だけね」

 

炎蓮「ああ。恋と涼殿は動けはするだろうが恋はこの建業の防衛の要。涼殿は一刀様の補佐をされているからな」

 

葵「他の娘達も立派に将をしているがまだ青いからな・・・・・洛陽と陳留の守備は私達がするしかないな」

 

二人はこの様に普通に話しているのだが二人の足元には親衛隊となった季衣、流琉、華侖、柳琳があまりにも厳しい鍛錬のせいで目を回して倒れているのであった

 

炎蓮「ほらお前達、何時まで寝ている。鍛錬は終わったぞ。速く部屋に行って仕事をして来い」

 

葵「そうだぞ。お前たちは成刀様、涼刀様の親衛隊に成ったのだ。仕事は山の様にあるぞ」

 

四人「「「「は~~~~い」」」」

 

ノソノソと四人は体を起こしフラフラと今にも倒れそうな足取りで部屋に帰って行った

 

炎蓮「さて、俺達も部屋に戻って出立の準備をするか」

 

葵「そうだな」

 

 

 

 

 

二人が建業を出立して

 

三か月の時が経った

 

涼刀、成刀「「お父様(さん)!!」」

 

一刀「ん?如何した二人とも?」

 

涼刀、成刀「「赤(青)に会いに行かせて!!」」

 

と、突拍子のない事を言いだした双子だった

 

一刀「おおお、如何したいきなり?」

 

涼刀「だって、もう三か月も赤に合ってないもん!!いつも一緒にいてくれた赤が居ないと・・・・」

 

成刀「涼刀お姉ちゃんの言う通りだよ・・・・成刀も青が居なくて・・・・・・」

 

一刀「そうか・・・・二人とも寂しいか。そうだな・・・・・・・・どうする涼?」

 

涼「そうですね・・・・二人もそろそろ仕事をさせ始めてもいい歳ですし、それにせっかく親衛隊を作ったので視察させては?」

 

一刀「それは陳留と洛陽にか?」

 

涼「ええ」

 

一刀「そうだな・・・・二人にもいい経験になるか。ただな・・・・・」

 

涼「旦那様何か心配でも?」

 

一刀「まあ、二人の親衛隊の四人はいいんだが兵はどうする?ほとんどの兵を国境に配備しているから、ここに余分な兵は居ないぞ」

 

涼「それでしたら、今調練中の元曹操兵にしたらどうです?その方が四人とも楚の兵より慣れ親しんでいるので扱いやすいと思いますが」

 

一刀「ん~~~、しかしな~~~(あの兵士たちはまだ不安なんだよな)」

 

一刀が悩んでいると

 

涼刀「お父様!!行かせてください」

 

成刀「成刀も頑張るから!!」

 

二人は頭を下げてお願いしてきたのだった

 

流石の一刀も娘にこれほどお願いされて断ることが出来ず

 

一刀「わかったよ。じゃあ行っておいで。ただし危険なことはするなよ。それと、もし危険な目に合ったらすぐに逃げるんだぞ」

 

一刀が了解の返事を出すと娘二人は満面の笑顔で

 

二人「「はい!!」」

 

大きな声で返事をして、すぐさま親衛隊四人の元に駆けていった

 

一刀「は~~~、俺も甘いな」

 

涼「フフ、旦那様はそれぐらいがよろしいのですよ」

 

二人がのろけていると

 

スッ

 

音色「相変わらず夫婦仲がいいね、お姉ちゃん」

 

涼「あら、音色。如何したの?」

 

音色「一刀様に報告をね。一刀様、やはり鳳統は元曹操兵を使って何やら調べているようです」

 

一刀「そうか・・・・・音色、すまないが一つ頼まれてくれないか?」

 

音色「何なりと」

 

そう答えた音色に一つの命令を伝えた後、音色はすぐさま動き出したのであった

 

 

 

 

 

 

駆けて行った双子は四人に連絡を済ませて部屋に戻っているとき

 

鳳統「御二人供・・・・・・少しよろしいですか?」

 

涼刀「如何したの鳳統?」

 

鳳統「先ほどの陳留に向かうと言うお話に付いてですが・・・・・・」

 

成刀「それが如何したの?」

 

鳳統「その、誠に勝手ですが私も同行してもよろしいでしょうか?その・・・陳留が戦後どの様に復興したのか私も文官の端くれですので目にして知りたいので・・・・」

 

涼刀「・・・・・わかったわ。一緒に行きましょう鳳統」

 

成刀「え!?勝手に決めていいの涼刀お姉ちゃん?」

 

涼刀「大丈夫よきっと。それに、やっと鳳統から声をかけて来てくれたのよ。これを無下にするなんて私には出来ないわ」

 

成刀「まあ・・・うん、そうだね。鳳統、私達と一緒に行こう」

 

鳳統「ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某所

 

 

 

孔明「ふぅ・・・・いよいよですね」

 

魏延「朱里、計画はどうなっているんだ?」

 

孔明「はい、うまく進んでいるみたいです」

 

魏延「そうか・・・・なら、この計画が上手くいけば桃香様もお喜びになるな」

 

孔明「はい、憎き項羽の『ガサッ』!!誰です!!」

 

兵「失礼します、先ほど伝達の兵が到着しました」

 

孔明「そうですか。なら、報告をするように言ってください」

 

兵「解りました。直ちに連れてきます」

 

兵はすぐさま伝令兵の元に駆けていき、二人はそれを見送り

 

魏延「それで、これからどう動くのだ朱里?」

 

朱里「前に説明したように、焔耶さんはこの場所にて雛里ちゃんを追撃してくる部隊に奇襲してください。その後雛里ちゃんはこちらに、私はこの場所に向かいます。焔耶さんは私と供にこちらに来てもらいます」

 

朱里は机の上に置いてある幾つかの地図を使い分けながら説明していると

 

焔耶「それは良いが、それなら鳳統は危険にならないか?」

 

朱里「それは大丈夫です。此処まで進むと・・・・・・」

 

朱里は地図を指でなぞってある場所を示した

 

焔耶「成る程。そこにはたしか喜雨が今駐屯していたな。それにしても朱里・・・・何時その様な場所を?」

 

焔耶はある一つの地図、この一つだけは地図とは言えなく、ある一つの建物の図面を見て顔をしかめて質問をした

 

朱里「この前の長安で、ある方達とお話をする機会が有ったので。その時に此処の使用許可とこの図面を頂きました」

 

焔耶「そうか。難しい事は私にはわからんからそこら辺の事は朱里に任せる。それで、此処に連れて来てどうするのだ?」

 

朱里「簡単な事です。・・・・・・・ただ、その子とお話をするだけですよ」

 

焔耶「そうか。解った」

 

焔耶が朱里の説明に頷くと同時に、先ほど報告のあった伝令兵がやってきた

 

兵「失礼します。これが最後の手紙だそうです」

 

そう言って兵は朱里に手紙を渡した

 

朱里「ありがとうございます・・・・・・・・うん」

 

焔耶「何と書いてあるのだ?」

 

朱里「はい、『予定の通り進んでいるから、お願いします。』だそうです」

 

焔耶「そうか、なら私達もそろそろ此処を離れたほうが良いな」

 

朱里「はい」

 

そう言って二人は準備を整えて建物から出ていった

 

焔耶「それにしても、あの建物はいったい何だったんだ朱里?そこら中の柱が腐りきって、人がもう何年も住んでいないようだったが?」

 

朱里「えっと・・・・いえ・・・何でもありません。ただの空家です」

 

そう言って朱里は今まで見ていた建物から目線を反らし歩みを進めていった

 

二人が去っていって誰一人として居なくなった建物の門には薄らと残っていた文字はこう書いてあった

 

『水鏡塾』と

 

かつて名軍師や有能な文官を輩出していた塾の成れの果てが其処に在ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき??

 

 

項羽伝久々なので話が纏まってない・・・・・・あっいつもどおりか

 

少し話がややこしくなってキャラ立ちしてないところが多々あると思いますが、それは自分の力不足です。すみません

 

さて、いよいよ動きだした劉備軍と朝廷。これからどうなるんでしょうね

 

次回も楽しみにしてもらえると恐縮です

 

では待て次回

 


 
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