No.658763

雪の音が降る夜、眠る君に祝福を プロローグ

sigure1214さん

十何年かに一度、雪が「音」をまとって降ってくるという町・ そこでおりなされる少年少女たちの、一年間の物語。

  ~   ~   ~

今回はプロローグです。

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2014-01-30 01:55:43 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:346   閲覧ユーザー数:346

  ~  プロローグ  ~

 

 

人はみんな往々にして「大事なモノ」を抱えている。

 

 

 

 

 

それは、家族だったり友人だったり恋人だったり、学生時代の思い出だったり長年弾き込んでぼろぼろになったギターだったり先週買った新作のゲームだったりと、人それぞれたくさんある。

 

 

 

 

 

そういったモノは日々の生活の中で手に入れ、同時に日々の生活の中で減っていく。

 

 

 

 

 

 

人は「選択」をする生き物なのだ。

 

 

毎日のあらゆる場面で人は「選択」を迫られる。

 

 

そういう中で「大事なモノ」を捨て、「大事だったモノ」としてすり替えるのだ。

 

 

 

 

 

時には友情と恋愛、どちらを「大事だったモノ」にするか取捨選択をし、社会に出れば、学生時代の思い出など現在進行形のまま「大事なモノ」として持ってはおけない。

 

 

 

 

 

街中を忙しく行き交っている、平凡そうな彼らの毎日も、そんな「選択」の結果による結晶なのだ。

 

 

 

それは僕らも同じで。

 

 

 

 

そう、

 

 

 

僕らは知っている。

 

 

選択とは何かを得るためではなく、何かを切り捨てるための過程であることを。

 

 

 

 

だからこそ僕らは幸せを求めて選択をするのだ。

 

 

 

 

自分がより幸せに近づくためになにかを選び、切り捨てて歩いている。

 

 

 

 

切り捨てた「輝き」の残り火のようなものをひきずりながらも、僕らは幸せへの道を進もうとするのだ。

 

 

 

 

 

 

 

それならば、

 

 

 

 

 

 

雪の音が降るこの街の、冬空の下で、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今も眠る「彼女」が、あの日した選択が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸せになるために、「彼女」があの日した選択が、  祝福される日は、来るのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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