No.599488

【K-9ⅡG】究極の生命【戦闘】

さあ、セミファイナルです。
(決戦進行中ですが並行して常時のお話を書いて頂いても差し支えないです)
今回は<お嫁さん>達を主役に据えてみました。
次回、遂に最終回!?

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2013-07-20 07:10:29 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:659   閲覧ユーザー数:617

 

 ファンガルド星もまた赤道直下は瘴癘の熱帯である。

 その海に浮かぶ、今は人里なく木立が一面に並ぶばかりの孤島に、その奇妙な塔はあった。

 

 危険思想団体『エルメシオン・リリジオン』の大神殿である。

 

 ここを攻め落とすため、ファンガルドプラネットポリスの精鋭と、少数ながら国軍からの出張組も集まっていた。

 

 総司令官を拝命した、ラミナ警察署署長エルザ・アインリヒトが号令を出す。

 

「作戦内容は以下の通りである。

 先ず幻獣部隊とライドアーマーを先陣に、K-9以外の全員が派手に戦闘を仕掛ける。すると敵は大挙してこれと戦うだろう。

 その分塔の中がいくばくか手薄になるのは避けられない。そこに K-9が迂回して突入し、教皇メディウスを討ち取る。

 この戦いに、ファンガルド全土の運命がかかっている! 全力で戦え、力を出し惜しみするな!」

 

 オオオオオオ!! 喊声が沸き起こった。

 

 

 獣機特警 K-9 The Second Growl

  エルメシオン・リリジオン編 Episode 7

 

 『究極の生命』

 

   by Abstain company

 

 

 ドーーーーン!!

 

 ライドアーマーの大口径ライフルが、エルメ教の兵・不死の騎士団(イモータルナイツ)の数人を一度に粉砕する。

 

「煌月陸斗、一番槍! 続けーッ!!」

 

 リクの怒号を皮切りに、プラネットポリスとエルメ教の多対多が激しくぶつかり合う。

 

 

 最前線では、地球(ガイア)プラネットポリスからの出向組コーダがビーム薙刀を振り回し、陸軍からの出張組ニコが腕に仕込んだガトリングガンを乱射し、敵を蹴散らす。

 

 そこへ、白衣の若々しい男が堂々と現れた。

 エルメ教の No.2、スヴェンソン司教である。

 

「くくく……頑張ってるね。でも君達に勝ち目はない。なぜなら……この僕が僕自身を素体に、究極の生命を生み出すことに成功したからだよ!」

 

 そう言ってフラスコに入った謎の液体を飲み干すと、スヴェンソンは全身が眩く光り輝いた!

 

 

 光に包まれたスヴェンソンは、見る見るうちに身長が 3倍近くに伸びあがり、やがて大きな翼をもった二足歩行のドラゴンへと姿を変えた。

 

「どうだ、見たか! これこそ無敵最強、究極の生命、竜王バハムートだッッッ!!」

 

 バハムートはひときわ大きな雄たけびをあげてその場の全員をすくみ上がらせると、口から暗い緑色の邪悪な炎を吐き、敵味方ともなく焼き焦がしていく。

 

 コーダは薙刀を構えながら狼狽する。

「これは圧倒的ですわ……いかにすれば……!」

 

 

 その時、コーダとニコの側に 1枚のカードが落ちてきた。

 カードに気付いたニコはそのカードを近づいて取る暇が無い、と判断したが、遠目でも何と書いてあるのかはっきりわかった。

 

『あと 3分耐えろ!』

 

 ニコが音読すると、コーダや他の仲間ははっとした。どういう意味か解らないが、とりあえずその言葉を信じてみるしかないだろう……

 

 その頃、木の陰で何者かが、セーラー服の袖から覗く自分の腕時計を、サングラス越しに見つめていた。

 

 

 ニコが足の裏に仕込んだとっておきのグレネードランチャーをバハムートに打ち込む。だが、黒光りする鱗には傷一つつかない。

 

「フハハハハハ、今の僕ならメディウス教皇にさえも勝てる! この姿で永遠に生きる……愉快だ! 愉快だぁっ!!」

 

 笑いながらバハムートはニコに掴みかかってきた。強靭な右手がぎりぎりと鋼の体を締め上げる!

 

「ぐ……ぐぐ……」

 

「このっ!」

 

 コーダが敵の右手首に薙刀を突き立てた。

 振り回すバハムート。耐える二人。

 

 木の陰の何者かは、尚も腕時計に見入っている。

 

「あと 20秒、耐えられるかしら……」

 

 

「ぐぎぎぎぎぎ……」

 

「うぅっ、く、くふぅっ!」

 

「フハハハハハ!」

 

 カチ、カチ、カチ……

 

「3……2……1……0ッ!」

 

 

「グオオォーーーーーーッ!!」

 

 突如、バハムートが体から光を溢れさせ、崩れていく!

 

 

 光が消えると、そこにはバハムートからスヴェンソンに戻ったものが横たわっていた。

 ……否、スヴェンソンだったもの、というべきだろう。嘗ての若々しい姿は微塵もなく、すっかり老いさらばえた骨皮筋右衛門の、それは死体であった。

 

「……そういう事でしたのね」

「何だって?」

 直ぐに何かに気付いたコーダと対照的に、ニコは合点がいかない様子だ。

「スヴェンソンは自らをバハムートに変えた……それは確かに究極の強さを得ることでしたが、同時にテロメア遺伝子の元々低い安定度を更に急落させた……だから、あんなにも一気に老衰を……」

「はぁ。要するに馬鹿な改造の副作用ってことだね。まあとにかく勝ててよかったよ」

 訝りながら、ニコは先程まで締められていた体を動かして再調整する。

 

「(これで、わたくしたちの役目はひと段落ですわね……後は K-9の皆様に委ねるばかり……)」

 

 想いにふけるコーダの背後を、人知れず狐のような影が飛び去っていった。

 

 

 その頃、K-9は塔の最上階に辿り着いていた。

 クオン隊長が扉を開くと、部屋の中は光に満ち溢れ、その真ん中にメディウス教皇は浮かんでいた。

 

「しまった、遅かったか!」

 

「そうだ……儀式は今終わった。今、神エルメシオンはここに降臨する!」

 

 室内が、一際眩しい、何も見えない程の光に包まれた。

 

 

 

   <続>

 


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