No.581998

【K-9ⅡG】真実へのアプローチ【戦闘】

ようやくエルメ教の真実に近づく時……でもエルメ教のキャラは出て来ない不思議。

クオン隊長 http://www.tinami.com/view/551025
ナタリア http://www.tinami.com/view/551658
ソラ http://www.tinami.com/view/552300

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2013-05-31 21:00:15 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:698   閲覧ユーザー数:669

 

 RRRRRR……

 

 K-9ルーム、隊長クオンの机の電話が鳴った。

 

「はい、K-9です」

「こちらミンスター。隊長殿、大事な話です」

「えっ? 何ですか」

 

 素っ頓狂な声を上げたクオンに、ミンスターはいつになく低い声を返す。

 

「実は……メディウスの正体が掴めそうなのです!」

 

 

 獣機特警 K-9 The Second Growl

  エルメシオン・リリジオン編 Episode 5

 

 『真実へのアプローチ』

 

   by Abstain company

 

 

「なんだって!?」

 クオンは急に立ち上がり、受話器を持つほうと反対の手で机を叩いた。

「はい。つきましては、最後の仕上げに調べたいところがあるのですが、危険な場所です。K-9の皆さん、私を警護してくれますか」

「わかった。具体的な場所は……ふむふむ、了解です!」

 

 クオンは受話器を置いて、同時に隊員達に檄を飛ばした。

 

「獣機特警 K-9、出動!」

 

 

 うっそうとした森の中、晴れていれば午後の日の光も届こうが今日は暗雲立ち込める広場に、その打ち捨てられた大きな屋敷はあった。

 

「こりゃぁまた……いかにもって感じだぁな」

 ジョニーが眉をしかめる。

「ここは、一体どういう場所なんだい」

 クオンがミンスターにそう問う声の調子には、結論を急いている感じがあった。

「12年前に失踪した生命科学者ルティアの、秘密の研究所です。そして私の見立てが当たっていれば……メディウス教皇の生まれたところ」

 

 

 家財道具や実験道具、資料が散乱する荒れた屋敷の一番奥の書斎に、ひとつだけ状態の良い金庫がぽつんと置かれていた。

「この中だね? いま開けるよ」

 ミライが錠を斬るべくソニックブレードを構えるが、

「その必要はなさそうですよ」

 ミンスターが右手で金庫を滞りなく開け、K-9全員を驚かせつつ、同時に左手で金庫の上に乗っていた 1枚のカードを差し出した。

 

『私達もエルメ教との戦いに協力します。絶対勝とうね! トリッカーズより愛をこめて』

 

「やれやれ……またあいつらか」

 クオンは“いつものこと”と化したこの事態に、明らかにうんざりしている。

「とにかく、中を調べます」

 ミンスターがごそごそとやりはじめるのを固唾を呑んで見守る K-9だったが、急に背後に気配を感じて振り返った。

 

 

「よぉ、その紙ぺら譲ってくんねぇかい。この手のネタは買い手がいっぱいなんでねぇ」

 マフィア組織・ブラッドファミリーの首領・スレイであった。背後にはサイボーグ三下がぞろぞろいる。

 クオンが即座に対応する。

「悪いね、警察の大事な資料を売り買いはさせないよ。みんな、迎撃して! 僕がミンスターさんにくっついてガードする!」

「「「「応!!」」」」

 指示を受けてソラ、ナタリア、ジョニー、ミライが向かって行った。ミンスターは資料に夢中で背後に気付かない。

 

 

 ナタリアのレーザーソードが、横薙ぎで敵の首と胴を切り離す。

 ジャンプを繰り返しつつ、飛び込み掌打を浴びせていくソラ。

 ジョニーの二挺拳銃が、向かってくる相手を一体ずつ弾き飛ばす。

 一瞬で駆け抜けたミライの後には、切り裂かれた雑魚が横たわるのみ。

 

「くっくっく、小玉じゃ敵わねぇか。んじゃこれはどうだ!」

 スレイが後ろに控えていた檻を開けると、中から青みがかった狼が飛び出した!

 

「幻獣!? どうしてブラッドファミリーが……」

「簡単だ、がめてきたんだよ。こいつは普通の猛獣と同じで、ハラ減ってりゃ目の前のモンに食らいつくから、余所様にも使い易くってなぁ。ってなわけで、やっちめぇフェンリル!」

 スレイの命令を受けて、フェンリルは K-9を睨みつけてきた。気配が寒々しいだけでなく、本当に周囲の空気が凍りついているようにも見える――只の狼でないことは明らかだ。

 

 

「ブォーーーーーーッ!!」

 フェンリルは大きく口を開き、猛烈な冷気の息を吐き出した。

「さ……寒い!」

 飛んでくる氷のつぶてが、K-9のボディに傷をつけていく。

 可動部が凍りつけば動けない。

 更にエネルギータンクが冷え切ってしまえば完全にお陀仏だ。

 

 立ち向かう術がないかに見えた猛吹雪の正面に、突如としてナタリアが躍り出た。

「ちょ、ちょっと、危ないよ……」

 ソラが友の身を案じたその時、

 

 

 「ガブォッ!!」

 

 突如吹雪が止み、フェンリルが後ろにのけぞった。

 見ると口の端から大量の血が流れている。

 

 そしてナタリアは……氷柱がまとわりついた体でアサルトライフルを構えていた。

 

(そうか……ナタリアちゃんは決死で口の中を狙って!)

 

 いち早く気付いたソラが、間髪を入れずにバレーボールボムを取り出し、強烈なアタックをしかける。

 

 ……ボムは、再び息を吐こうとしてたフェンリルの口の中で爆発。

 

 炎に包まれたフェンリルは、消し炭となった。

 

 

「ちぃっ……」

 スレイは舌打ちしてそそくさと帰っていった。

 

「ナタリアちゃん! 大丈夫!?」

「ちょ、ちょっと、眠いです……」

「駄目! 寝たら死ぬわ! 早く署の医務室に……」

 

 その時、ようやくミンスターが大量の資料を詰め込んだ鞄を抱えてこちらに振り返った。

「証拠はこれで十分です。お世話かけました、戻りましょう!」

 

 ソラはナタリアを背負っていち早く駆け出す。

 ミンスターや他の全員もそれに続くが、クオンは心の中でぼやいていた。

「(ミンスターさんったら、後ろの激闘にも気付かないで呑気だよなぁ)」

 

 

 翌日。

 ラミナ警察署、メンテナンスルーム。

 

「あ……ここは……?」

「おはよう、功労者サマ」

 

 ナタリアがベッドの上で目を覚ますと、治療にあたっていたロボット整備士・須国直子から声をかけられた。

 その傍らには、ソラが眠っている。窓から差し込む夕日が、寝顔を紅く染めている。

 

「丸一日眠ってたのよ。とはいえ予後は良好で後遺症もなし。でもソラちゃんは心配だったみたいでつきっきりで看病してたの。ついでに言うと、カイ君がそのソラちゃんにご飯を届けに来たのよ。……学校があるからもうとんぼ返りしちゃったけど」

「そう……」

「とにかくご苦労様、まだだるいならゆっくり休んでて。そうそう、元気になったらミンスターさんから大事な話があるって」

 

(もうすぐ、わかるのね……本当の事が……)

 

 

 

   <続>

 

 

【追記】

 

 1年の予定でしたが、それより早く真相開示→決戦に到達できそうです。

 

 但し決戦が終わって組織が壊滅し、首領や幹部が崩じた場合でも、以後のⅡG作品では『ルート違い』或いは『イソノ時空故、決戦前に戻る』といった理由で、組織や首領以下全構成員を登場させて頂けます。

 

 ⅢG以降(あれば)では登場できません……念の為。

 


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