No.554336

【K-9ⅡG】エルメ教あらわる!【戦闘】

エルメシオン・リリジオンと現行 K-9メンバーのデモンストレーション的な。
当代のレスキュースターズについては詳細が不明なので、明確な描写を避けています。

ソラ 552300
クオン隊長 551025

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2013-03-12 11:31:24 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:683   閲覧ユーザー数:651

 とある民家。

 

「今日は君がサイボーグとして生まれ変わって 1年、第二の誕生日! かんぱーい!」

「「「かんぱーい!」」」

 ジュースの入ったグラスが音を立てる。

「いやー、あのお医者様にはほんと感謝してますよ。テラナーの体のままじゃもう生きられない僕を、サイボーグにして助けてくれたんですから」

「そのせいでハーフファンガーみたいな見た目になっちゃったけど……これも可愛いからいいか」

「さあ、ろうそくに火をつけるよ!」

 マッチを擦った。

 

 次の刹那、大爆発が起こり、すべてが炎の中に消えた。

 

 

 獣機特警K-9 The Second Growl

  エルメシオン・リリジオン編 Episode 1

 

 『エルメ教あらわる!』

 

   by Abstain company

 

 

『昨日の、ラミナ市郊外の民家爆発事件は、レスキュースターズの現場検証により、メッセージカードが発見されました。被害宅の住人が 1年前に、傷病治療の為サイボーグ化したことを非難する内容で、最後に[バモラ・エルメシオン]と書かれていることから、エルメシオン・リリジオンによる犯行と思われます……』

 

 カフェ・ラ・ヴォルペのテレビでニュースを見ていた、K-9隊員ソラと、その連れ合いカイは固唾を飲んだ。

 

「エルメシオン・リリジオン……エルメ教。魔法と称する超能力を使い、ロボットとか移植手術を憎むとはぼくも聞いています。ソラ先輩など真っ先に狙われそうですが……負けないで下さい!」

「もちろんよ。でないと助けてくれたレオン博士に申し訳がたたないもの」

 

 PPPPPP……

 

 ソラの K-9用通信機器が鳴った。

 

「はい、こちらソラ……了解! 直ちに出動します!」

「出動ですか。先輩、ご武運を!」

 ソラは自分の飲食ぶんの金を机に置き、カイとハイタッチしてからヴォルペを飛び出した。

 

 

 現場はラミナ市近郊のハイキングコース。駆けつけたソラ達隊員にクオン隊長が説明する。

「転倒事故で大ケガをした人がいて、輸血が要りそうだからレスキュースターズが病院に運ぼうとしてるんだけど、妙な子供が立ちふさがって行かせようとしないんだ! 説得するか倒すよ!」

 

 当の道路へ向かうと、確かにレスキュースターズの救急車が立ち往生していた。その眼前には、邪気を漂わせた何かが浮いている。

 

 K-9はその何かの前に立った。10歳くらいの男児のように見えたが、地面から浮いており、とてつもなく邪悪な感じがする。

 

「あなた、誰! 人の命がかかってるのよ、邪魔をしないで!」

 

 ソラがそう呼びかけると、男児は身じろぎもせず、陰気な声で話しだした。

 

「……君達が、命にあらぬ者にして正義を気取る K-9か。僕はメディウス、偉大なる神エルメシオンに仕える者。神は他人の命を吸って生きながらえることを良しとしない、輸血などで生きんとする異端者は死ぬべきだ。行け、幻獣グリフォン!」

 

 がおーっ、と大型の獣が横道から飛び出した。

 胴体から後ろ足にかけてはライオンだが、前足の鉤爪と、顔は鷲である。また、背中に翼がある。

 

「グリフォン……地球の伝承に、そういう妖怪がいると聞きました!」

 

 

 ぐわっ、とグリフォンは二つの前足でソラとナタリアに掴みかかった。

「「きゃあっ!?」」

 引き裂かれまいと二人も抵抗する。

 

「おっと、そうはさせるかい!」

 ジョニーが二挺拳銃を抜き、グリフォンの両前足の付け根を何度も連続して撃つ。

 その正確な射撃はグリフォンの力を確実に削ぐ。

 

「「てええいっ!」」

 ソラとナタリアはグリフォンの鉤爪をふりほどいて、一旦飛びのいた。

「ソラちゃん、あれをやりましょう!」

「わかったわ、ナタリアちゃん!」

 

 ソラはバレーボールボムを取り出した。ナタリアもアサルトライフルを構える。

「「喰らいなさい! 連携攻撃!」」

 ソラが強烈なアタックを繰り出す。同時にナタリアが発砲する。

 グリフォンの眉間に銃による風穴が開くと、直後に同じ場所にボムが命中する。

 大爆発が傷を広げ、爆風がおさまった時には、そこにはもう動かないグリフォンがあった。

 

「……生命の可能性に溢れた幻獣が、命にあらぬ者などに負けるとは……だけど次はこうはいかないからね」

 メディウスは悔しそうに振り向き、ふっと姿が消えた。

 

 

 数日後。

 

「よかった、すっかり回復したんですね」

「ええ…… K-9とレスキュースターズの皆さんのおかげです」

 

 あの日の怪我人は、無事に病院に運ばれ、輸血によって助かっていた。ソラとカイが、そのお見舞いに来たのである。

 

「エルメ教か……レスキュースターズに横槍を入れてまで貫きたい教義ってなんだろう」

 カイの述懐に、ソラが返事する。

「でもこれは確かよ。奴等のせいで、ファンガルドの人々の安全は脅かされている……必ず壊滅させてやるわ! メディウス……待ってなさい!」

 拳を握りしめ、ソラは決意を固めた。

 

 

   <続>

 


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