No.542402

仮面ライダー 打ち砕け! 暗黒魔術師の野望 16

前回、曹操こと華琳の情報によりついに黄巾党の首領『張三姉妹』の居場所が遂に判明する。これ以上の暴動を食い止めるため、本郷は星、春蘭、秋蘭の少人数で敵地に侵入する事を決意する。
その頃、ゲルショッカーでは・・・・

2013-02-10 09:38:06 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1277   閲覧ユーザー数:1248

黄巾党壊滅! 隠された真実 Dパート

 

 

その頃、ゲルショッカー三国時代本部では首領がカエルトンボー

 

になぜ逃げ帰ってきたのかを問い詰めている最中であった。

 

(ピイン・・・ピイン・・・ピイン)

 

ゲルショッカー首領の声

「カエルトンボー!何だあの様はっ!? 戦いに負けただけでなく、黄

巾党兵にする予定の人間もライダーに奪われたではないかっ!」

 

カエルトンボー

「そ、それは私の任務はあくまで敵前逃亡を図った黄巾党

兵を皆殺しにすることであってライダーと戦う事までは想

定していませんでしたので・・・」

 

ゲルショッカー首領の声

「黙れ! ゲルショッカーに敗北は許されん! 

よって貴様は即刻死刑だ!」

 

カエルトンボー

「ひええっ! お許しをっ!」

 

その時、暗黒魔術師はカエルトンボーを庇うように割って入ってきた。

 

暗黒魔術師

「落ち着いて下さい首領。これはカエルトンボーを弁護するというわ

けではありませんがライダーが彼らを追跡する事は我々も想定してい

なかったことです。それにもはや捕らえた彼らをあそこに閉じ込めて

おくこと自体、意味がなくなりました。」

 

ゲルショッカー首領の声

「何ッ!? どういうことだ!?」

 

暗黒魔術師

「実はですね、我々が陰で操っていた「張三姉妹」の居場所が魏の連中に

ばれてしまったのですよ 戦闘員の報告によれば、彼女達は本郷猛にその事を

伝えたそうです。」

 

ゲルショッカー首領の声

「奴らの居場所が本郷にばれただとっ!?つまり本郷は

「張三姉妹」の元に向かうとでもいうのか」

 

暗黒魔術師

「はいっ・・・もし彼女達が取り押さえられる様なことがあれば、

彼女達に渡した「太平要術」の書が本郷に処分される恐れがあります。

あの書がなくなると、貴方に献上する予定の例のあれが作れません。

回収の為にはカエルトンボーの力が必要なのです。ですから、カエル

トンボーには寛大な処置をお願いします。」

 

ゲルショッカー首領の声

「そうか・・・・ならカエルトンボー! 今回のことは

水に流す代わりに暗黒魔術師が「太平要術」の書を回収

するのを邪魔されないように護衛するのだ!」

 

カエルトンボー

「ア~ブラ~!了解しました」

 

 

その頃本郷達は黄巾党の首領「張三姉妹」を取り押さえるべく、敵のいる拠点まで

 

向かう準備をしていた時、鈴々の様子がおかしくなっていた。

 

鈴々

「うっうう・・・」

 

鈴々の様子がおかしいことにそばにいた朱里、雛里が気づく。

 

朱里

「どうしたんですか!? 鈴々ちゃん!」

 

雛里

「大丈夫ですか!?」

 

鈴々

「お・・・お腹・・・痛いのだ・・・」

 

朱里

「えっ? お腹が?でしたら厠にいけば・・・・」

 

鈴々

「そんなんじゃなくて・・・お腹がきりきりして・・・凄く痛くて・・・

うっううう!」

 

鈴々はそういうと地面にそのまま倒れてしまった。

 

朱里

「り、鈴々ちゃん!?」

 

雛里

「あわわっ!」

 

二人の軍師は目の前で鈴々が倒れた事に動揺した。

 

朱里

「だ、誰か来て下さい! 鈴々ちゃんが・・・」

 

その時、ちょうど水を飲みに来ていた本郷は朱里の声がするので何事かと

 

思い、すぐに朱里の声がした方に行く。

 

本郷猛

「どうした朱里? そんなに慌てて・・・」

 

朱里

「ご主人様! 鈴々ちゃんが・・・」

 

本郷は地面に倒れている鈴々を見て状況を把握すると鈴々に呼びかける。

 

本郷猛

「鈴々・・しっかりしろ! 鈴々」

 

鈴々

「うっうううううう・・・・」

 

鈴々は本郷の言葉に反応するが、返事ができないでいた。

 

よほどお腹が痛いのであろう。

 

本郷猛

「俺はこのまま鈴々を本部まで連れて帰る! 雛里は皆にこの事をっ!

朱里は医者を連れてこい!」

 

二人

「は、はいっ!」

 

本郷が鈴々を本部まで連れて帰り、とりあえず鈴々が苦しんでいる原因を探る為、

 

お腹を直触してみる。

 

本郷猛

「お腹のどこが痛いんだ? 鈴々」

 

鈴々

「うっうう・・・もうちょっと下なのだ・・・」

 

本郷猛

「ここか?」

 

本郷は鈴々が指さす方を触ってみる。

 

鈴々

「ううっ!」

 

本郷は鈴々が痛がる部分を触り、鈴々が苦しんでいる原因は何か理解する。

 

本郷猛

「これは・・・・虫垂炎の症状だ!」

 

その時、雛里が桃香、愛紗、星などを連れて入ってきた。

 

雛里

「ご主人様! 桃香様達をお連れしました!」

 

そして鈴々に真っ先に愛紗が駆けつけた。

 

愛紗

「鈴々しっかりしろ!」

 

鈴々

「あ・・・愛紗・・・」

 

桃香

「ご主人様! 鈴々ちゃん一体どうしたんですか?」

 

本郷猛

「俺は医師ではないから推測にすぎないが、直触してみた結果、今鈴々は急性虫垂炎になったんだと思う。」

 

「本郷殿 急性虫垂炎とはどのような病気で?」

 

本郷猛

「ああ急性虫垂炎とは何らかの原因で虫垂と呼ばれる臓器が閉塞し、内部で細菌が増殖して感染を起こす病気だ。炎症が進行すると虫垂は壊死を起こして穿孔し、膿汁や腸液が腹腔内へ流れ出して腹膜炎を起こす。重症化すると死ぬこともある。」

 

愛紗 

「ええっ!? 死ぬ!?」

 

愛紗は本郷の説明で、妹鈴々が今命に関わる病気になっている事を理解した。

 

桃香

「そ、そんなっ! 鈴々ちゃんを治す方法はないんですか?」

 

本郷猛

「急性虫垂炎の治療には抗菌薬を投与するか、もしくは手術で炎症を起こした虫垂を

切除するしかないがあいにくここには抗菌薬も、鈴々を手術する施設もない。医者を呼びにいかせた朱里が早く医者を連れて戻ってくるのをまつしかない。」

 

その時、朱里が本部に戻ってきた。見慣れない男を連れて・・・

 

朱里

「ご主人様!お医者さんをお連れしました」

 

華佗

「どこにいるんだ患者は?」

 

そこには本郷よりも若い青年がいた。赤い髪が特徴で

 

まるでヒーローの様な雰囲気がある男だ。

 

本郷猛

「この子だ。今調べてみたが、鈴々は急性虫垂炎という病気になっているかもしれない」

 

華佗

「急性虫垂炎だと?」

 

目の前の医者は患者の病名を聞いて、どんな病気であるかを理解する。

 

本郷猛

「あいにく俺は病気の治療は専門外なんだ。だから頼む鈴々を治してくれ」

 

華佗

「ああっ!任せておけっ!」

 

そしてその青年は鈴々の腹部を直触し始めた。

 

華佗

「痛いのはここか?」

 

鈴々

「うっ! そ、そこ・・・なの・・だ・・」

 

華佗

「ここかっ!」

 

そして青年は二つの大きな鍼を取り出し、両手に持って構えた。

 

愛紗

「いっ・・・いったい何をっ!?」

 

華佗

「病根を滅するツボに鍼を打ち、そこに俺の気を流す!」

 

そして青年は両手を上に振り上げると

 

華佗

「我が身 我が鍼と一つなり! 一鍼同体! 全力全快! 病魔覆滅!」

 

一気に鍼を鈴々に振り下ろし

 

華佗

「元気になれええええええええええええええっ!」

 

鍼が鈴々のツボにささったとき、一瞬鈴々の体が輝き始めた。

 

「なっ!? 張飛の体が光っている!?」

 

一同が驚いている中、青年は仕上げにこう言い始めた。

 

華佗

「うおおおおおおおおおおおっ! 病魔退散!!!」

 

すると光が鈴々から離れ、上に上がったと思ったらやがてその光も消えてしまう。

 

それと同時に鈴々も起き上がる。

 

鈴々

「あっ あれ・・? もうお腹痛くないのだ!」

 

桃香

「もう大丈夫なのですか!」

 

鈴々

「うんっ! チクッとしてピキューンってなって ハッ!と気づいたらもう

治っていたのだ!」

 

本郷猛

「信じられんな・・・俺の国では手術が必要な急性虫垂炎を鍼で治すなんて・・・」

 

華佗

「ああっ・・・とりあえず痛くないならもう大丈夫だ」

 

すると桃香、愛紗はその男の前に立つと礼を言い始める。

 

愛紗

「妹が苦しんでいたところを救っていただきありがとうございます。」

 

桃香

「このご恩は決して忘れません。」

 

華佗

「医者は病に苦しむ者を救うのが使命 礼には及ばない。

ところでここはもしや、義勇軍の本拠地か?」

 

愛紗

「ええ・・・申し遅れましたが私は関羽」

 

鈴々

「鈴々は鈴々なのだ」

 

桃香

「劉備玄徳です。」

 

朱里

「私は諸葛亮孔明と申します」

 

雛里

「私は鳳統士元です。」

 

「趙雲子龍だ」

 

本郷猛

「本郷猛だ」

 

華佗

「本郷? そうかあんたが‘天の御遣い’か 俺の名は華佗 。 旅の途中でここに来た医者だ」

 

その名に本郷、そして朱里が反応する。

 

朱里

「華佗? もしかして五斗米道の・・・」

 

朱里が何か言いかけたとき

 

華佗

「ち・があああああああう! 五斗米道ではなく、ごっどう゛ぇいどおおおおおおおだ!

これは大事な事なので正しい発音を心がけてくれ」

 

朱里

「は、はいっ! 気をつけます!」

 

本郷猛

「それでそのゴッドヴェイドーとは何なんだ?」

 

本郷が正しい発音をしたとき、華陀が強く反応する。

 

華佗

「おおっ! あんたいい発音じゃないか!」

 

本郷猛

「そ、そうか? それよりも朱里、ゴッドベイドーとは?」

 

朱里

「は、はい・・・ごっどう゛ぇいどおお!!とは漢中を中心に布教している道教の教団で

貧しい者に施しや病に苦しむ者を治したりという活動をしているんです」

 

雛里

「私達の聞いたところではその、ご、ごっどう゛ぇいどおお!!(若干恥ずかしそうに)

の中でも有名な名医らしいです~」

 

愛紗

「ほぉ~・・・・ごっどう゛ぇいどおお一の名医か~!」

 

桃香

「ごっどう゛ぇいどおお一とは凄いですね♪」

 

鈴々

「ごっどう゛ぇいどおおは凄いところなのだ!」

 

彼女達が騒いでいる中、本郷だけは何か考えている最中であった。

 

本郷猛

「(華佗か・・・・・・三国志においても有名な医者だ・・・だが彼は確か

曹操孟徳を怒らせてしまった為に・・・・)」

 

未来人である本郷猛は華佗がどういう最後を遂げたのか知っており

 

一瞬、その事を伝えようとしたが、勝手に歴史を変えていいのかと

 

考え、思わず躊躇してしまう。しかし、鈴々を助けてくれた恩があるので

 

このまま黙っていることができず、後で助言することにした。

 

華佗

「どうした? 何をそんなに深く考え込んでいるんだ?」

 

華佗は思わず本郷の方を見る。

 

本郷猛

「いや、何でもない。 それよりもゴッドヴェイドーの医者が

なぜ旅をしているんだ?」

 

華佗

「ああ・・・俺は教団から命を受けて『太平要術』の書を探す為、

旅をしているんだ」

 

本郷猛

「太平要術? 何だそれは?」

 

華佗

「ああ太平要術というのはな・・・・」

 

華佗は皆にいう。『太平要術』の書とは本自体が妖力をもつ書物であること。

 

妖力があるが故に少しばかり妖術の心得があれば様々な術が仕える様になること。

 

その妖力の源は苦しむ民の怨嗟の声で、乱れた世を恨み平安を希う力ほど強いもの

 

がないこと。 本来は苦しむ民達を救う為に生み出された書であったが、いつしか

 

意思を持ったかのごとく妖力を蓄えること自体を目的にするようになったこと。

 

もし少しでも悪しき心を持つ人間が持てば、心をくすぐられ妖術で世を混乱する

 

ように仕向けるようになった事を話した。

 

「ほう・・・・。そうすれば民の間に怨嗟の声が高まり太平要術はより多くの妖力

を蓄えられる事になるということか」

 

本郷猛

「そんな恐ろしい書を探しているのか?」

 

華佗

「ああ実はな、その『太平要術』の書は黄巾党の首領『張三姉妹』の次女、張宝が持っ

ている事が分かったんだ。」

 

一同

「ええっ!?」

 

一同は驚く。華陀のいうことが真実ならば、張三姉妹の歌を聴いた者がおか

 

しくなったのも全て『太平要術』の書の妖術で催眠状態にされたことが原因

 

であると分かった。

 

その後に、ゲルショッカーの怪人によって催眠状態にされ、恐るべき黄巾党

 

兵になったのであろう。

 

愛紗

「それは本当なのですか!?」

 

華佗

「ああ・・・後、義勇軍にくるもの俺の目的の一つだったんだ。

皆に『太平要術』の書のことを話して、その危険性を説いて、入手に協力し

てもらうつもりだったんだ」

 

本郷猛

「分かった・・・「張三姉妹」を捕らえた後に『太平要術』の書は君に渡す」

 

華佗

「理解してくれた事に感謝する」

 

その時、星が本郷に話しかけてきた。

 

「本郷殿。そろそろ約束の時間ですぞ。」

 

本郷猛

「ああそうか・・・・なら直ぐに準備をしないとな」

 

華佗

「ん? どこにいくんだ?」

 

本郷猛

「これから直ぐ、黄巾党を壊滅させる為に、彼らの仲間になりすまして

奴らの本拠地に潜入する。この作戦に魏の将軍達も手を貸してくれる事に

なったんだ。 これから直ぐにいかないと・・・」

 

華佗

「魏? 曹操の国のことか?」

 

華陀は魏の名前に反応し本郷にこう聞いてきた。

 

本郷猛

「そうだ。曹操を知っているのか?」

 

華佗

「ああ・・・曹操は『太平要術』を『張三姉妹』から奪おうとしていると聞いてな。

俺もこれからすぐに曹操の元に行き、『太平要術』の恐ろしさを説いて手に入れる

を諦めさせなければならないんだ」

 

 

本郷猛

「そうか・・・・では鈴々を治してくれたお礼に一つ助言をしておく」

 

華佗

「何だ?」

 

本郷猛

「曹操孟徳を怒らせるな もし言葉遣いを誤ったり誤解を招くような事をしたら

取り返しのつかないことになる」

 

華陀

「・・・・・? 分かった」

 

華佗は本郷の言った言葉の意味がよく分からないでいた。この言葉が

 

自分にとって重要な意味を持つと知らずに・・・・。

 

 

数時間後、黄巾党兵に変装した本郷、星は春蘭、秋蘭が待っている

 

場所までいった。

 

そこには自分達と同じく黄巾党兵に変装した春蘭、秋蘭がおり、春蘭

 

が彼らが遅れて来たことにご立腹のようだ。

 

春蘭

「遅いぞ! 何をしていたのだ!」

 

本郷猛

「すまない・・・実は張飛が急な病で倒れて

付き添っていたんだ。」

 

春蘭

「何っ? 張飛が・・・・大丈夫なのか?」

 

「問題ない。諸葛亮がすぐに医者を連れてき

てくれたからな。」

 

秋蘭

「そうか・・・・・それはよかった」

 

本郷猛

「では行くぞ! 黄巾党を殲滅する為に!」

 

3人

「おおっ!」

 

本郷はそういうと4人は黄巾党のいる本拠地まで赴いた。

 

全ては罪なき人達を護る為・・・・操られている黄巾党の人達を

 

解放する為・・・彼らはそう考えながら敵の本拠地まで赴いた。

 

一方その頃、曹操の魏軍がいる本拠地まで赴いた華佗は曹操に

 

会うと直ぐに、『太平要術』の書の恐ろしさを説く。

 

曹操は『太平要術』の書を理解し、入手を諦めた。

 

これで万事解決かと思われたが・・・・・

 

(バン!)

 

いきなり、激しい音がする。その音がした方向には、慌てて外に飛び出し、

 

尻餅をついている華佗と怒り心頭になり、自らの武器である大鎌「絶」

 

を華佗に向けている曹操こと華琳の姿があった。

 

華琳

「あんたああああっ! 良くも私に辱めの言葉を聞かせたわね!」

 

華佗

「だ、だから違うといっているだろう!? これはあくまで治療であって

別に変な下心があるわけでは・・・!!」

 

華琳

「問答無用おおおおおおおおっ!」

 

怒りの余り、華琳には華佗の弁解の言葉が聞こえていない。

 

華佗

「ひいいいいっ!(本郷猛の言っていた『曹操孟徳を怒らせる

な』ってこういう意味だったのか!?)」

 

「曹操孟徳を怒らせるな」それは怒らせたら、命が無いという意味であったのだ。    

 

華佗は本郷の言葉の意味に今気づいたが、時既に遅かった。

 

しかし何故、この様なことになったのか?

 

 

話は数分前にのぼる。

 

そこには華琳に『太平要術』の書の恐ろしさを説いている華佗の姿があった。

 

華佗

「・・・・というわけなんだ」

 

華琳

「驚いたわ・・・・『太平要術』がそんなに危険な書だったなんて・・・

分かったわ華佗。『太平要術』を手に入れるのはやめるわ」

 

華佗

「理解してくれたことに感謝する。 しかし何故『太平要術』

の書を手に入れようとしたんだ?」

 

華琳

「実はねずいぶん前から体の調子が良くないのよ。 いろんな薬

を試したけどどれも効果がなくて・・・・それで『太平要術』の

事を聞いて・・・・」

 

華佗

「黄巾党を討伐したついでに『太平要術』の妖術を試してみ

る気になったのか だが見たところ重い病を患っているとは

思えないが・・・」

 

医者である華陀は華琳の顔色を見たが別に異常が無いように思えたが華琳は

 

言いづらそうにこうつぶやく。

 

華琳

「・・・・・・・・・な、ないのよ・・・アレが」

 

華佗

「え?アレ?・・・・ああ! 心配するな それは病では無くてむしろ

おめでたい事で」

 

華琳

「違うわ! 女以外に興味が無い私が孕むわけないでしょう!」

 

華佗

「じゃあ何だ? 俺は医者だ 恥ずかしがらずにいってみろ 力になるぞ」

 

華琳

「だ、だからその・・・・えっと・・・お通じが・・」

 

そう聞いた華陀は華琳が何で悩んでいるのか理解したのか手をポンと

 

叩いたと同時にこう言う。

 

華佗

「ああ つまり便秘か!」

 

華琳

「大きな声で叫ばないでよ! 恥ずかしいじゃない!」

 

華佗

「でもたかが便秘ぐらいで大げさな・・・」

 

華琳

「だから大きな声で言わないで! もう一ヶ月も前からアレが無いから

食は進まない!肌は荒れる! イライラして部下に当たる! 私に

とって結構問題なのよ!」

 

華佗は華琳が便秘でどれだけ苦しんでいるのか理解し、こういう。

 

華佗

「そうか・・・相当重症だな。 いっそ手術で腹を裂いて溜まってい

る物を出せばすっきりするが・・・」

 

華琳

「馬鹿な事いわないで! 死んじゃうじゃない!」

 

どうやら華琳は今まで手術という治療を受けたことがなく、手術がどういう治

 

療なのか分かっていないようであった。

 

華佗

「それは問題ない! 俺の作った秘薬を服用すればあっとい

う間に眠り・・・その間は腹を裂かれても何も感じない 局

部をくすぐりその刺激で便を外に押し出すという治療法だ! 

眠りから覚めたら腹はすっきり!というわけだ!」

 

華琳

「何か怪しいわね・・・本当にそれで治るの?」

 

華佗

「・・・・・・・・・・・大丈夫だ! 治る!」

 

華琳

「ちょっと! 今の間は何っ!? 今の間は!」

 

華佗

「まあ・・・・俺の手に触れられるのが嫌であれば 他にも治療法があるが・・・」

 

華琳

「なんだ・・・まだあったのね それはどんな治療法なの?」

 

華佗

「ああ・・・それはな・・・」

 

華佗は華琳にその治療法について説明し始めた。しかしその内容は文章では

 

表現できないほど、恥ずかしい内容であり、その説明を聞いていた華琳の顔も

 

だんだん険しくなっていた。

 

華佗

「・・・・最後にこの鍼をそこに刺し、気を流し込めば・・・・」

 

(ブチッ!)

 

華佗は説明し終えようとしたその時、堪忍袋の緒が切れた華琳が突然立ち上がり

 

怒りの形相で大鎌「絶」を持って華陀に斬りかかろうとしたのだ。

 

華琳

「そんなことできるかーッ!!!」

 

とこんな事が数分前にあったのである。

 

そして尻餅をついた華陀は華琳にこう言い始めた。

 

華佗

「落ち着け曹操! 話し合えば分かる。とりあえず今

言った治療が一番安全であって

・・・・」

 

華琳

「うるさいっ! 私を馬鹿にしたアンタだけはこの手

で斬る! 覚悟しなさい!」

 

そして華琳は「絶」を華佗に振り下ろした。

 

華琳

「死になさい!」

 

華佗

「わっ!」

 

(ドカッ!)

 

華佗は間一髪華琳の攻撃を避ける。直撃していたら命は無かったろう。

 

これ以上この場にいたら命が無いと悟った華佗はこの場

 

から逃げることにした。

 

華琳の「便秘」は医者としてほっておけないが、ここで

 

殺されるわけにはいかない。

 

華佗

「くっ!『太平要術』の書を封印する為、今ここで死ぬわけにはいかない!」

 

華佗は絶がささっているうちにその場から素早く離れて本郷達が向かっている

 

黄巾党の本拠地へと赴いた。

 

華琳

「あっ! ちょ、ちょっと!」

 

華琳は急いで、絶を地面から抜こうとしたが、かなり深く

 

刺さっている為、なかなか抜けない。その為、だんだん姿が

 

小さくなる華佗を見つめるしかなかった。

 

華琳

「待ちなさい華佗! ええいっ! 次その顔を見たら・・・

私がアンタの首をはねるから覚えていなさいよ!」

 

華琳が華佗にこう叫んでいた頃、本郷達は黄巾党の本拠地に到着し、

 

黄巾党の首領「張三姉妹」を捕らえるべく、行動を開始した。


 
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