No.518588

無限転生、甘楽 ~第0章 始まる前のプロローグ~

秋宮のんさん

この物語は、オリ主、甘楽君が、いろんな作品世界に介入するお話です。

2012-12-14 22:33:40 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2750   閲覧ユーザー数:2669

無限転生の甘楽。~~チートがチートになるまでの過程~~

 

 

 

 

 生きている事に苦痛を感じていた少年、甘楽(つづら)は、ある日、事故で死亡してしまう。目覚めて見ると、そこに神様がいて、新しい世界に転生させると言う。しかも作品世界だ。

 二次創作などの原作介入ネタに多少の抵抗のあった甘楽だが、まだ死にたくないという一般的な感情で了承する。

 神様に、とあるチートの能力を授けると言われ、チート能力を得たのだが、その能力は『ニューゲーム』。その名前を聞いた瞬間、嫌な予感がした甘楽が叫ぶ前に、彼は新しい世界に転生させられてしまう。

 そして、彼が最初に目覚めた世界は―――。

 

 多種多様の世界に乱入する二次創作転生モノです。作者の知っている作品に主人公が何度も転生して行くお話。極力抑えますが、設定上、18禁のネタもあります。また、原作のキャラクターを崩壊させないよう努力はしていますが、多少の誤差がある場合がありますのでご注意ください。

 

 

 

0.死んでから生まれるまでのプロローグ

 

 生きている事に苦痛を感じていた。

 世界に絶望したとか、そんな大それたことを言うつもりはない。

 ただ今の世の中で、生きて行くために最低限必要な物を揃えようと思えば、どうしてもキツイ仕事をこなさなければならない。

 昔の、その日、生きて行くために必要な畑の世話をすればそれで良かったような、苦労とは違い、今の人間は苦労して得られる物があまりにも少ない。

 一日殆ど辛がって働いても、得られるのは生きていくために最低限必要な分のお金だ。貯金を作ろうと思えば更に頑張らなければならない。暮らしていくためには家を維持して、食料を補給して、生活用品を揃えて、移動手段として車も必要、となれば車の維持も必要だ。他にも掃除をしたり料理をしたり洗濯をしたり……、どこかは手を抜かないと、人間の精神なんて持つわけがない。

 だが、今の世の中と言うモノは、どう足掻いたって手抜きを許さねえ。真面目に働く奴を優先される。その癖、人間関係は真面目な奴より狡賢い奴の方が有利ときたもんだ。

 どう考えても割に合わない。

 まあ、言い出せば切りが無い。

 俺は、そこそこ恵まれた生活をしていると思う。

 二十歳も過ぎたが、未だにバイトくらいしかしていない。

 家は実家で、両親と兄貴の四人で暮らしている。

 親に急かされながらも、未だにバイトしかしていないで、屋根のある家で遊んだり飯食ったりしているんだから、大きなこと言えない。だから家では肩身が狭い。

 解ってる。大きな事言えない立場だって言うのは。だけど、俺の人生は苦痛しかない。学生生活は友達が数人出来たが、今は誰とも連絡が取れていない。こちらから取る勇気もない。親は何だかんだ言いながら俺を甘やかしてくれている。未だに御飯も食べさせてくれるし、笑って世間話が出きるくらいだ。

 でも、苦痛だ。

 生きて行く事に対して、俺には目標が無い。目的が無い。その日をとりあえず生きている俺は、ともかくがんばって向かう先―――そう言うモノが無い。つまり生きてる事に張り合いが無いのだ。だから俺は、『本気』って言うのになれないでいる。なり方を解らないでいる。だから生きている事が苦痛でしかない。

 でも、死にたいわけじゃない。性格が暗いわけでもない。だから俺は真面目に職活した。それなりの仕事も面接で受かった。親も兄貴も喜んでくれた。仕事はそれなりに順調。

 苦痛は消えないけど、たぶん、それが世の中なんだ。そう割り切って生きて行こう。

 そう思って閉ざしていた瞼を開いたら、視界がまばゆい光に包まれ、タイヤを削る嫌な音が鳴り響いた。

 

 

 

 

「甘楽(つづら)、もう目が覚めたか?」

 言われて目覚めた俺は、目の前で胡坐をかく何かの存在を目の当たりにしていた。

 そいつは宙に浮いている。だが、それを当然だと俺は受け入れている。その事に気づいて驚愕するも、目の前にいる存在なら仕方ないと心が冷静に対処する。

「だれ?」

「神様だったり?」

 言われて驚いた。コイツが自分の事を神と言ったからじゃない。俺がその言葉をうのみにできた事にだ。

「……洗脳?」

「暗示などかけとらんよ。お前達の言葉で解り易く神と言うモノを表現しているだけだ。本来私達の様なものはお前達に認識できる範疇に収まってなどいない。無理に認識しようとすれば、人間としての機能が崩壊して、人で無い物になる。……まあ、それ以前に人間の脳でそこまでの認識を得られる事自体、有り得ない事だが」

「ごめん、俺頭良くない方で……」

「いやまあ、解っていたけど、お前ポンコツの頭だな……。貶し甲斐が無いぞ……」

「それで、これは何事でしょう? 神様相手に失礼が無いようでしたら、お訪ねしますが、俺はどうなってしまったんでしょうか?」

「死んだ」

「ショッキングな言葉の割にあっさり受け入れられる自分に―――いや、止めよう……。なんだか切りが無い様な気がしてきた…」

「っと言うわけで作品世界に転生してくれ」

「ごめん神様、俺頭良くないんだって……」

 この神様は物凄く我道を貫く人だ。我道なんて言葉ないけど、メッチャクチャ似合ってるから俺の脳内でだけOKな言葉としよう。

「そもそも作品世界に転生とか……、良くある二次元介入小説? 個人的に嫌いじゃないけど好きでもないんですけ?」

「敬語など使わなくても良いぞ? 貴様らの礼儀など、我らにとっては意味の無いモノだ。認識が違う」

 そう言われても、俺は初対面の人相手にでかく出れるような気の強い人間ではないのだが……、まあ頑張ってみるか?

「タメ口とか無理です」

 あ、条件反射で断ってた……。やっぱり俺は自他共に認める小心者だな。

「まあいい。それにしても、作品世界への転生は嫌か? なんなら断っても良いのだぞ?」

「あ、それは受けます。まだ死にたくないから」

「いや、お前もう死んでるんだが?」

「そんなツッコミなんてどうでも良いです。今の俺が自分を生きてる感覚で此処にいるから、死んでるわけじゃないです。生き返れるならその方向で」

「意外と順応力高いんだな……」

「たぶん、神様俺に何かしましたよね? 頭がすっきりして冷静でいられるんですよ。その所為だと思います」

「お前、冷静だと意外とやるタイプ?」

「人間冷静なら的確な判断ができるだけかと?」

「まあ、それならお前にはしっかり転生してもらおう。もちろん、こう言ったのにお約束の『チート能力』もやろう」

「それは助かります……。どの世界に行っても楽できる事に越した事はない」

 あ、今のは結構敬語抜けてなかったか?

「それはどうかな?」

「へ?」

「お前に与える能力の名は『ニューゲーム』。お前の覚えた能力を何度でも受け継ぐ能力だ」

 は?受け継ぐ? 何度でも? ……えっと、それってつまり………?

 …嫌な予感が………、

「あ、あの、それってつまり―――」

「お前が了承してくれて本当に良かった! これで何も心配する事なく送り出せる!」

 神様、人の台詞被せた上に、何か合図っぽく指を鳴らしたよ……。

 空間しかないはずの足元で、穴が開いた様な感覚がしたと思ったら、そのまま有り得ないくらいあっさり落ちて行き、意識はなくなった。

 

 

 

 

 

□■□■作者からの呟き□■□■

 

 この作品を読んで下さった方へ。

 まずはありがとうございます(まだ序章だけど………)。

 この作品は主人公がいろんな作品世界に介入する二次小説です。なので、かなり死にまくります。転生しまくりです。同じ世界に転生しなおすこともあります。他の転生者がいることもあります。性転換転生もあります。

 もし、「次はこの世界に転生してほしい」という意見ありましたら気軽にコメントください。

 また、どこにでも転生しまくる上に、気軽に死ねる(失礼!?)甘楽君を使いたいと思ってくださった方は、どうぞご自由にお使いください。

 転生後の彼の記憶はすぐに戻らなかったり、あやふやだったり、ゆっくり思い出したりと多種多様なので、キャラ崩壊も全然OKです。ただし、男だと必ず名前が『甘楽』で、女の子だと『甘楽弥生』に固定されます。

 基本、彼はチート能力者ではありません。

 

 それではまた~~♪

 気軽にコメントくださいね~~♪

 

 

 


 
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