No.485554

IS-インフィニット・ストラトス-きゅー組物語 8

今回はヤンキーが出ます。んで、ヤンキーとヤンキーが戦います。
遂に戦闘!戦闘ですよ皆さん!!

まぁ、最初で最後かも知れないんですがね。

2012-09-18 03:20:28 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1142   閲覧ユーザー数:1116

ここはIS学園の第三アリーナ。そのアリーナには現在、二機のISが舞っている。

 

「しかし、よく続くもんだなぁ。」

イギリスの代表候補生が駆る“ブルーティアーズ”と噂の男子生徒が操る専用機は、もうすでに三十分近く激闘を繰り広げていた。

 

 

それにしても………

 

「先生、あの白いISってホントに織斑一夏さんですよね?ISに触った事も無かったような方の動きとは思えないのですが。」

 

隣に座ったアルセリアがぽつりと呟いた。

 

「まぁなぁ、相性最悪っぽい機体で良くやってるとは思うけど。」

 

 

 

方や代表候補のエリート様で、もう片方はずぶの素人と言って差し支えない二人の対戦カード。正直に言ってココまで持っているのが、もはや奇跡なのだ。もはや、良くやっているなんて言葉では済まされない。

 

 

 

お、何だ?白い方のシルエットが………げ、おいおいおいおい。

 

 

「あの方、初期設定の機体だったのですか!?………先生、私なんかが本当に対抗戦に出て良いんでしょうか。」

アルセリアが驚愕と共に、驚愕の念を告げてくる。

 

 

「ま、まぁ、何だ。ほら、あれだよあれ。何てったって織斑千冬の弟だしさ。」

と、試合から目を離した瞬間。

ビーッ!!!

試合終了のブザーが鳴り響いた。

 

「え、あ、あれ?織斑さんの負け?」

勝負の行方は二転三転、だが最終的に下馬評通りの結果となった訳だ。

「………あー、ひょっとして、あの刀ってエネルギー消費型なのか。………ま、まぁ、今は良いや。それじゃアルセリア、ピットに行くぞー。」

アルセリアに余計なプレッシャーを与えないよう、言葉を選びながら彼女を誘導する。

 

「はい。」

目指すは第3アリーナのピット。

 

 

これから、俺とアルセリアはロジーナの【指導】を見学する。指導相手は二年生。

 

 

 

 

 

何故こんな事になって居るかというと、話は昨日の朝に遡る。

 

 

 

 

 

 

一日前、職員室前廊下。

 

「だぁから、自分で起きろよ社会人!!大体お前元軍人だろ!自己管理ぐらいきっちりやれよ!!!」

 

「私みたいな優秀な少佐様は、重役出勤も許されてたの!!!私を起こすのも副官の仕事だったの!!!」

 

「俺は副官じゃなくて副担任!解るか!?優秀な少佐様!!!」

 

俺たちは今日も元気に口喧嘩をしていた。原因はロジーナの朝寝坊。教頭に説教食らったロジーナさんの八当たりが、絶賛炸裂中なのだ。

 

 

しかし、周りも見ずに喧嘩をしていたのが悪かった。

 

 

ドンっ。

角を曲がった辺りで、胸に軽い衝撃があった。

 

視線を下げると、金髪の少女が尻餅を付いていた。どうやらぶつかってしまったらしい。

 

「あ、すまん。大丈夫か?」

と、慌てて彼女に手を差し伸べると

パシッ!

振り払われてしまった。

 

「おいこら、てめぇ。何処に目ぇ付けてんだ。」

何やらドスの効いた声で、立ち上がった彼女が凄んでくる。

 

こんなエリートの見本市にしか見えないこの学園にも、アウトサイダーはしっかり存在している様だ。

 

改造された制服はロングスカート、派手な金髪、刺々しい口調。リボンの色から二年生である事が分かる。

 

 

 

………にしても、ちょっと古風過ぎないか!?

 

「おいこら、てめぇ、聞いてんのか!!」

 

はっ。いかん、彼女のあまりにテンプレ通りなヤンキースタイルに我を忘れていた。

 

 

「あ、あぁ。すまん。」

 

「はっ、お前、良く見りゃ噂のニャンコ消防士じゃねぇか。そんなんだから、クビになるんだよ!この間抜け!!」

と、目の前のヤンキーがヤンキーらしく(?)喧嘩を吹っ掛けてくる。

 

 

 

 

 

………いかん、いかんぞー。我慢だ俺。

 

 

こんなんでも相手は生徒、相手は生徒………。

 

 

 

「………ふん。こんだけ言われても、黙ってるなんてな。童貞って噂はホントらしいな!」

あ、もーだめ。もー無理。プッツンですよプッツン!!!

 

 

 

「お前それを言ったら戦争だろうが!!!」

 

 

 

一気にヒートアップする俺だったが、

「あー、二人とも落ち着けって。だいたいこんな朝っぱらから、廊下で騒ぐんじゃねー。」

 

すっかり置いてけぼりを喰らっていたロジーナが仲裁に入る事で、少し落ち着く。

てか、ロジーナさん。それは俺たちが………

 

 

「あぁん!?てめーらに言われたくねぇよ!!!」

 

 

 

………ごもっとも。俺たちには言われたくないだろう。

 

だが、

 

 

 

「あぁ?教師にそんな口利いて良いと思ってんのか?じゃりガキが……」

 

まぁ、ロジーナの性格だとね!売られた喧嘩は買うに決まってるよね!!!

 

 

 

一瞬でヤンキー(アメリカ人)とヤンキー(スケバン的な)の対立になった。

 

 

彼女たちの間には既に非常に険悪な雰囲気が立ち込めていたが、次に不良少女が放った一言が事態を取り返しのつかない所まで進行させてしまった。

 

 

 

「お前らみたいなのが、担任だなんて救助隊クラスもたかが知れてんな!!!精々人助けごっこでもして遊んでろ、バーカ!」

コイツ!!!流石に聞き捨て………

って、こらロジーナ!!!いきなり殴りかかろうとする奴があるか!!!

俺は慌ててロジーナを羽交い絞めにする。

 

「馬鹿、ロジーナ!!」

 

「離せ春告!!こいつ、ぶっこr」

「わー、わー、わー!!!駄目だ!!!それだけは言っちゃ駄目だ!!!」

 

教師、俺たち教師!!!

 

「とにかく!!一発殴らせろ!!!」

 

待て待て待て!それも困る!!

 

「上に知れたらまたお偉いさんがニヤニヤしながら9組を潰しに来るぞ!!!そ、そうだ!!!ISで勝負にしろ!!!それなら何とか!!!何とか出来るかもだからっ!!!」

 

 

「………わかった。わかったから離せ。」

ロジーナが暴れたせいで、いつの間にか俺は彼女を後ろから抱き締める形になっていた。

 

 

 

しかし、こいつはそんな事を気にするタイプではない。

 

 

 

 

「………暴れるなよ?」

 

「………チッ。分かったよ。」

俺は、確認してからロジーナを解放した。

 

 

「んで、こんな夫婦漫才見せつけられて、俺が言う事聞くとでも?」

わぉ、一人称が俺!!!化石級!こんな険悪な出会いじゃなかったら、僕達もっと良い関係だったかもだよ!!??

 

 

「…は、怖気づいたか?問題児。」

「あぁん!?んだと、ごらぁ!!!上等じゃねぇか!!!」

 

かくして、ロジーナの教育的指導という名の喧嘩が決まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、現在。

彼女たちはアリーナの真ん中で対峙している。

 

 

因みに、アルセリアがココに居るのは

 

「ついでに、アルセリアにも見せてやろう。あの装備での戦い方。」

 

という、ロジーナの一言故である。

 

 

 

 

 

 

 

「逃げずに来たのは褒めてやるよ、問題児。」

「はん、吠えてろ不良教師!」

 

そして、ブザーと共に教師と生徒の喧嘩が始まったのである。

 

 

 

あ、喧嘩じゃなくて指導だっけ。

 

 

つづく。

 


 
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