No.143679

改訂版 真・恋姫†無双 終わらぬループの果てに 第2話

ささっとさん

予想外の出会いから風、稟、星の3人と行動を共にする事となった一刀。
黄巾の乱、反董卓連合の結成と言った時代の節目となる出来事に関わることもなく、平平凡凡?に過ごしていた。
しかし彼らが仕官した城を目指して侵攻を開始した袁紹軍の存在によって、
その日々は終わりを迎えるのであった。

2010-05-17 08:34:03 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:37814   閲覧ユーザー数:27963

 

この不可解なループ現象において、必ず発生する確定事項のような出来事がいくつか存在していた。

 

その一つが『黄巾の乱』である。

 

しかし確定事項とは言っても毎回丸っきり同じ内容になる訳ではなく、

俺の行動如何によっては細かい部分でかなり違いが出たりする。

 

例えば今回のようにあの3人組があのタイミングで華琳に捕まると、

当然ながら太平妖術の書は張三姉妹の手には渡らない。

 

そのため張三姉妹のファンがあれだけの規模に膨れ上がる事もなければ、

賊やら何やらが騒ぎに便乗して収拾がつかなくなった挙句暴走する事もない。

 

つまりこのようなケースだと、張三姉妹は『黄巾の乱』とは無関係な立場になる。

 

とは言え最初にも言った通り『黄巾の乱』の発生は確定事項。

 

仮に張三姉妹が騒動に無関係な立場になったとしても、

結局似たような規模の似たような騒動が起こってしまうのである。

 

ん、何故急にこんな説明をしたのかって?

 

そりゃもちろん『黄巾の乱』が発生したからに決まってるじゃないか。

 

と言っても、もう結構前に解決したんだけどね。

 

ちなみにこれまた確定事項の『反董卓連合結成』と、それによる董卓討伐もつつがなく終了していた。

 

んで肝心の俺が今どうなっているかというと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄さ~ん、頑張って下さいね~」

 

「しかくいくら一刀殿と言えど、全員に勝つというのは厳しいのではないかしら?」

 

「心配はいらぬさ、稟。何しろこの私ですら本気の北郷殿には未だ一撃も入れられていないのだからな」

 

 

風達に応援されながら、

 

 

「ふん。身の程というものを教えてやろう」

 

「どんくらい強いんか、楽しみや」

 

「………………」

 

 

華琳の下、春蘭、霞、凪の3人とそれぞれ一騎打ちする羽目になってました。

 

( ・3・)アルェー

 

 

 

 

真・恋姫†無双 終わらぬループの果てに

 

第2話

 

 

風達と行動を共にするようになってからそれなりに時間が過ぎ、

彼女達の見聞を広めるという目的の旅も終わりを迎えた。

 

ちょうど黄巾党による騒動が収束に向かっていた時期であり、

風達が第一候補として予定していた華琳の所へそのまま仕官。

 

仕官した先はやはり、袁紹領との国境に建つ鄄城だった。

 

反董卓連合騒動の傍ら、風と稟はスピード出世で城の責任者に抜擢。

 

俺と星も城の兵達を統率する立場に成り上がった。

 

そう言えば星に関してだが、彼女は何故か俺達と一緒に仕官していたりする。

 

本来なら公孫賛の客将になった後で劉備に仕えるはずだから、

旅の途中でそっち方面へ行った時別れると思ってたんだけど……さすがにこれは予想外だった。

 

もっとも、敵対するより遥かに良いのでなんの問題もないんだけどね。

 

それから董卓討伐を果たした反董卓連合が解散し、大陸は一気に戦国時代の様相を強めた。

 

各地で様々な争いが起こる中、

この時点での大陸最大勢力である袁紹が公孫賛を蹴散らして河北四州を手に入れる。

 

そして(毎度のことだが)何を血迷ったのか、間髪いれずに華琳を標的として軍を送り込んで来た。

 

そう、つまり風達が華琳に仕える切っ掛けとなるあの一件が起こったのである。

 

その結果はこれまでと変わらず、風と稟の策によって見事に戦いを回避。

 

また事前の手紙によって風達の作意に気づいていた華琳によって、

2人はそのまま軍師として召抱えられる事となる。

 

で、問題なのはここから。

 

風と稟が華琳に軍師として仕える事になった時、

俺と星は護衛という意味合いで2人と共にこの場所にいた。

 

そして華琳は俺と星が普通の人間ではない…こういう言い方をするとアレだが…と見抜いたらしく、

2人を雇用した後で俺達にも話を振ってきたのだが、

 

 

「お兄さんと星ちゃんはこの大陸でも五指に入るほどの武人ですよ。

 特にお兄さんは剣術や体術だけでなく氣の扱いも極めていますから、

 天下の飛将軍と名高い呂布さんをも超えているでしょうね~」

 

 

俺達が答えるよりも早く風の奴がこんな台詞を堂々とのたまったのだ。

 

こんな事を聞かされてはバトルジャンキー共が黙っていられるはずがない。

 

自他共に認める(まだこの当時国は出来ていないが)魏最強の武将春蘭。

 

呂布の強さを知っており、かつ自身も生粋の武人である霞。

 

さらに氣の扱いという件が琴線に触れたらしい凪。

 

この3人が俺との手合わせを一斉に申し出て、華琳が意味ありげな笑みでそれを承諾。

 

こうして当事者である俺の心情を一切無視したまま、最初の状況になってしまったという訳だ。

 

うん、ふざけんな!

 

 

 

 

~ 凪side ~

 

 

たった700で3万もの袁紹軍をいなし、華琳様に軍師として迎え入れられた程昱様と郭嘉様。

 

そのお二人の護衛として共にこの城へやって来た北郷殿。

 

さすがに程昱様の言葉を鵜呑みには出来ないが、それでも並みの武人でないことは明白だ。

 

私と同じく氣を扱えるとの事だし、一体どれほどの使い手なのだろう。

 

 

「…貴様、なぜ剣を抜かない?」

 

「抜く必要があったら抜きますよ。まぁ、貴女相手ならいらないでしょうけどね」

 

「なんだとッ!」

 

 

一騎打ちのため中庭に移動した私達。

 

そこで一番手の春蘭様と対峙した北郷殿だったが、なんといきなりの挑発。

 

この発言に対し春蘭様は当然怒りを露わにし、凄まじい殺気を北郷殿へ叩きつけていた。

 

だが、北郷殿の発言はその全てが挑発という訳ではないだろう。

 

北郷殿がどの程度氣の使いこなせるのかは解らないが、

少なくとも氣が使える者にとって手が封じられる武器は不要な存在。

 

それでも武器を使うのは氣を使う必要がない場合か、あるいは氣が使えない場合に限られる。

 

しかしどのような真意があるにしろ、北郷殿が春蘭様を本気で怒らせてしまったのには変わりない。

 

この分では私や霞様の出番がなくなってしまうかもしれない。

 

 

「この夏候 元譲を侮辱した罪、その身をもって償わせてやる!!!」

 

 

怒りのままに北郷殿へと斬りかかる春蘭様。

 

対して北郷殿は何の構えも取らず、相変わらず無防備な姿勢のまま立っていた。

 

まさか春蘭様の殺気の感じて萎縮しているか?

 

いや、身体が硬直している様子は無いし表情も特に変化は無い。

 

ならば一体どういう………

 

 

「………え?」

 

 

その時、私は自分の目を疑った。

 

春蘭様が北郷殿目掛けて剣を振り下ろしたその瞬間、いきなり春蘭様が宙を舞ったのだ。

 

なんだ、今何が起こった?

 

北郷殿が春蘭様を投げ飛ばしたのか?

 

いや、私の見ていた限り北郷殿は投げの動作などは取っていない。

 

動いたといえば精々剣が振り下ろされるのに合わせて右半身を前に出し、僅かに腕を伸ばした程度。

 

たったそれだけの動作で、一体どうやって春蘭様を???

 

 

「……なんや、今の?」

 

 

私の隣で見ていた霞様がそう呟く。

 

私達を含め、この光景を見た全員が何が起こったのか理解できなかった。

 

あの華琳様ですら、普段滅多に見られない驚きの表情で固まっておられる。

 

 

「見事に飛びましたねー」

 

「私も最初の頃はまともに打ち合ってもらえず、ああやってよく投げ飛ばされていたものだ」

 

「私や風も護身のために教えを受けてはいますが、やはり合気とは不思議なものです」

 

 

その中で例外だったのは北郷殿と付き合いのある程昱様達。

 

まるでこの光景が当然であると言わんばかりの態度で平然とされていた。

 

そして気になったのは郭嘉様の仰った『合気』という言葉。

 

信じ難い事だが、どうやら北郷殿は『合気』という技を使って春蘭様を投げ飛ばしたらしい。

 

 

「はい、俺の勝ちですね」

 

 

その声でハッと我に返り、再び北郷殿達の方へ意識を戻す。

 

北郷殿に投げ飛ばされた春蘭様は地面に横たわったまま動かない。

 

それほど派手に叩きつけられた感じではなかったが、気を失ってしまわれたようだ。

 

私達の知らぬ技法を用いたとはいえ、我が軍最強の武将である春蘭様をこうもあっさりと……

 

 

「……さて、次は楽進さんですね」

 

「よろしくお願いいたします。北郷殿」

 

 

気絶した春蘭様が運ばれた後、私は北郷殿と対峙した。

 

北郷殿は相変わらず自然体のままだが、私は自らの過ちに気づく。

 

無防備だなんてとんでもない……私には、ほんの僅かな隙さえ見つけられなかった。

 

 

「(ならば……)はあああああああああああ!」

 

 

一騎打ちの初手からこのような手段は取りたくないが、これほどの御方が相手ならばやむを得ない。

 

それに例え北郷殿が私以上の氣の使い手だったとしても、これならば簡単には防がれないはずだ。

 

限界まで練り上げた氣を右足に込め、北郷殿に向けて全力の蹴りを放つ!

 

 

「喰らえ、猛虎蹴げ…「させないよ」…きっ!?」

 

 

しかし今まさに蹴りを繰り出そうとしたその瞬間、北郷殿の声と共に私の左足を謎の衝撃が襲う。

 

痛みはほとんどないが、蹴り足を振り上げようとした直後だから体勢が崩れて…!

 

 

「くっ、外したッ!」

 

 

不安定な体勢で放った氣弾は北郷殿のいる場所から大きく逸れ、見当違いの方向へ飛んで炸裂する。

 

北郷殿が何かをしたのは間違いないが、今の衝撃は一体何なんだ?

 

 

「それじゃあ二発目もいくよ。ハッ!!!」

 

「えっ? ぐっ!?」

 

 

いつの間にか右拳を引いた構えを取っていた北郷殿。

 

その拳が僅かに光ったかと思った次の瞬間、

私の腹部に先程とは比較にならない衝撃がブチ当たった。

 

 

「…ぁ、がはっ!」

 

 

まるで季衣様の鉄球をまともに喰らったかの如き痛烈な痛み。

 

何とか倒れまいと踏ん張るものの、私の意に反して身体がくの時に折れ曲がる。

 

そうか、先程の衝撃はこれと同じもの…で………

 

そのまま膝をついた私は、眼前に迫る大地を見つめながら気を失った。

 

 

 

 

春蘭相手に体術。

 

凪相手に氣。

 

そして最後に残った霞を剣術を用いて下した俺は、見事に三連勝を決める。

 

それから星との一騎打ちを行って彼女の実力も華琳達にお披露目。

 

その結果、俺達は晴れて華琳に仕える身となった。

 

当面の所属は華琳の親衛隊だが、近いうちに将として個別の部隊を持たせるとの事。

 

ちなみに一騎打ちの最中、風が俺の知識についても華琳に話してしまったため文官も兼任。

 

凪、沙和、真桜の3人の部隊を用いて街の治安維持及び向上の任務を賜ってしまった。

 

若干形は違うが、警備隊長の復活である。

 

 

「なんか初日から色々と仕事を任されてるけど、いいのかこれで?」

 

「お兄さん程の人ならば、この処遇はむしろ当然ですよ~」

 

「そうかなぁ………って、風?」

 

 

割り当てられた部屋の寝台に寝っ転がりながら今日の出来事を思い返していると、

いつの間にか風が俺の隣に潜り込んでいた。

 

 

「何か用事か?」

 

「用事という程のことではありません。

 ただお兄さんと一緒に寝ようと思いましたので、こうしてお邪魔させていただきました」

 

 

そう言いながらピタリと密着してくる風。

 

絹のようにきめ細やかな素肌の感触が服越しに伝わって来る。

 

 

「……とりあえず服を着ろ、服を」

 

「え? どうして服を着るのですか?

 まぁ、お兄さんがそちらの方が燃えると仰るのでしたら風は構いませんが…」

 

「違う! 寝巻を着ろと言ってるんだ。もちろん健全な意味で!」

 

「…実は風、何かを身につけていると眠れない体質でして」

 

「いつでもどこでも3秒と経たずに眠れるだろうが!!」

 

「む~……お兄さんの意地悪」

 

 

頬を膨らませ、可愛いらしい仕草で抗議してくる風。

 

しかしその誘惑に負けてはいけない。

 

今日は色々あって疲れてるし、明日は朝一番で会議に出なければならないんだ。

 

万が一風とヤッてしまったら確実に寝坊する。

 

 

「とにかく今夜はダメ。一緒に寝るくらいなら構わないから、それで勘弁してくれ」

 

「仕方ありませんね。

 お兄さんを困らせるのは本意ではありませんし、今夜は大人しく添い寝だけで我慢しましょう」

 

 

かなり不満げな様子ながら、一度寝台から降りて何処かから取りだした寝巻を身に纏う風。

 

そして再び寝台に潜り込むと、俺の右腕を枕にスヤスヤと寝息を立て始めた。

 

 

「3秒どころか1秒も経ってないじゃないか。さすがに早過ぎだろ」

 

「……くー……すー……うぅん………」

 

「はぁ、やれやれだな」

 

 

完全に風が寝付いた事を確認し、俺も目を閉じて眠りの体勢に入る。

 

何にしても、明日から華琳の下で戦うんだ。

 

今までのループとも結構違ってるし、気合入れて行かないとな。

 

 

「それじゃあおやすみ、風」

 

 

 

 

あとがき

 

 

どうも、ささっとです。

 

一刀君達が華琳様に仕官した改訂版第2話。

 

本来なら劉備の下に行く星も同じ軍門に加わりました。

 

改訂前を読んだ方はうすうす気づいているでしょうけど、星も好きなんです。

 

ちなみに旅の最中一刀君と手合わせしまくったおかげでかなり強くなっています。

 

一刀や恋以外が相手なら一騎打ちではまず負けません。

 

次回は袁紹との決着から劉備との一戦まで……いけたらいいなぁ。

 

あ、張三姉妹は(そのうち)出てきますんでご心配なく。

 

 

たくさんのコメント・応援メッセージありがとうございました。

 

次回もよろしくお願いいたします。

 

 

追伸:改訂前の作品は非公開にしているだけで一応残してます。公開したほうが良いですか?

 


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