No.1091884

【獣機特警K-9ⅡG】名警部ミハエルの事件簿 -さらば旧い友よ-【交流】

Dr.Nさん

2022-05-16 22:09:30 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:111   閲覧ユーザー数:107

夕方、ラミナ署。

 

ミハエル「フンフンフンフ~ン♪」

ミウ「あら、ミハエルさん、随分とご機嫌じゃないの?」

テムナ「なんかええことでもあったんかいな?」

ミハエル「まあな♪」

ミウ「ねえねえ、何があったの?」

テムナ「ウチらにも教えてんか」

ミハエル「昨日の夜、昔の友達から久しぶりに電話があってな。明日三人で会おうじゃないかって」

ミウ「三人?」

ミハエル「ああ。警察学校時代の寮で三人部屋で一緒だった奴さ。一人は別の署で警官やってて今でもたまに会ってるんだが、もう一人は途中で辞めちまってな。そいつから十数年ぶりに連絡があったってわけさ」

ミウ「なるほど、今から会うわけね」

テムナ「そりゃあ鼻歌も出るわ。再会楽しんできてや」

ミハエル「おう!」

 

スピーカー『立てこもり事件発生! 立てこもり事件発生! 男が一人、銃を持って人質を取り、喫茶店に立てこもっている模様。直ちに出動して下さい!』

 

ミハエル「チッ、なんだよこんな時に! まあチャッチャッと片付けて」

 

スピーカー『場所は喫茶店X、場所は喫茶店X。繰り返します──』

 

ミハエル「何だって!? 待ち合わせの場所じゃないか!!」

パトライトを点けた十数台のパトカーが、喫茶店Xの周囲を遠巻きに取り囲んでいる。

 

遅れてきた一台のパトカーからミハエルが降りてくる。

 

警官「お疲れ様です警部!」

ミハエル「おう。どうだ様子は?」

警官「さっきからずっと膠着状態です。中の様子も全く分かりません」

ミハエル「そうか」

 

ピリッ、ピリッ、ピリッ。ピリッ、ピリッ、ピリッ。

 

ミハエル「チッ、何だよこんな時に」

 

<着信 下呂鹵>

 

ミハエル「何っ!?」

 

ピッ。

 

ミハエル「下呂鹵か!? 下呂鹵なのか!?」

下呂鹵『ああそうだよ、下呂鹵だよ。遅かったじゃないかミハエル。ウィ~ヒック!』

ミハエル「無事なのかお前!?」

下呂鹵『無事も何も、俺が立てこもり犯だからね♪ ウィ~ヒック!』

ミハエル「なっ!?」

下呂鹵『そうだ、久しぶりの再会を記念していいものを見せてやろう。ウィ~ヒック!』

ミハエル「いいもの?」

下呂鹵『ああ、これさ♪ ウィ~ヒック!』

 

喫茶店のドアが少し開き、中から男が一人、蹴り出されるように転がり出てくる。

胸からは大量の血を流し、ピクリとも動かない。

 

ミハエル「N!! Nじゃないか!! 下呂鹵、貴様Nに何をした!?」

下呂鹵『銃で撃っただけさ♪ 昔の恨みがあったからね♪』

ミハエル「恨みって貴様!!」

下呂鹵『お前も今すぐこっちに来い。心配するな、店の中に入るまで撃ちはしないからさ。さもないと他の人質も』

ミハエル「分かった! 分かったから早まったことをするな!」

ガチャ。

カランカランカラン。

 

ミハエル「来てやったぞ! どこだ下呂鹵!!」

女の子「いやあーっ!! 助けてー!!」

ミハエル「!?」

 

店内では、水色の豚型ファンガーの男が酒臭い息を吐きながら小学生ぐらいの女の子に銃を突きつけ、他の客は全員、店の奥に固められていた。

 

下呂鹵「よお、久しぶりだなミハエル。ウィ~ヒック!」

ミハエル「その姿を見るまで信じたくなかったよ…。何かの間違いであって欲しいと思ってた。下呂鹵、貴様そこまで落ちぶれたか!!」

下呂鹵「はぁ? 何言ってるのか分かりませぇ~ん☆ 忘れないぜ、警察学校でのこと。友達のふりしやがって、敵だったわお前ら! ウィ~ヒック!」

ミハエル「逆恨みもいい加減にしろ!」

下呂鹵「逆恨みぃ~? どの口がそういうかなぁ~? さて、お前が来たところで、今からお前の目の前で人質全員を射殺することにする。ウィ~ヒック!」

ミハエル「バカな真似はやめろ!!」

下呂鹵「やめてやってもいいぜ。ウィ~ヒック!」

ミハエル「本当か?」

下呂鹵「ああ本当さ。お前一人を蜂の巣にさせてくれれば、人質は全員開放しよう。ウィ~ヒック!」

ミハエル「そんなことが出来るか!」

下呂鹵「だろうな。じゃあ交渉決裂ってことで、まずはこのメスガキから♪ ウィ~ヒック!」

 

パン!

 

女の子「ぎゃあっ!!」

 

下呂鹵に撃たれた女の子は、その場に倒れて動かなくなった。

 

ミハエル「!!!」

下呂鹵「あーあ、また死人が出ちゃったよw これもミハエル、全部お前のせいな♪」

ミハエル「…ッ!!」

下呂鹵「(店の奥の人質に銃を向け)さて、次はどいつにしようかなぁ~っと☆ ウィ~ヒック!」

ミハエル「下呂鹵、貴様…」

下呂鹵「は? 何言ってんのか聞こえまっしぇ~ん。もっと大きな声でお願いしまぁ~す☆ ウィ~ヒック!」

ミハエル「下呂鹵、貴様あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

パン! パン! パン! パン! パン!!!

 

・・・・・・

テレビニュースのアナウンサー『今日午後5時頃、ラミナ駅前の喫茶店Xに銃を持った豚型ファンガーの男が立てこもり、居合わせた客二人を撃ったのち、駆けつけた警官によって射殺されました。撃たれた人質の二人は病院に運ばれましたが、命に別状はないとのことです。警察は射殺されたH区の作業員、下呂鹵炉露路容疑者を、殺人未遂の疑いで被疑者死亡のまま書類送検する方針とのことです』

その日の夜、ラミナ署。

 

ミウ「とんだ災難だったわねミハエルさん」

テムナ「まあそう落ち込むな。元気出してや」

ミウ「あんたが警官クビになっても、あたしたちずっと友達だから」

テムナ「せやせや」

ミハエル「おいおい。それに俺は全然落ち込んでませんけど?」

ミウ、テムナ「「はい?」」

ミハエル「下呂鹵…奴には昔からその兆候があったのさ」

ミウ「兆候?」

ミハエル「ああ。俺が奴とNと警察学校の寮で同室だったって話はしたよな」

ミウ「うん」

ミハエル「ところが、奴はある日突然警察学校を辞めちまってな」

ミウ「辞めたの?」

テムナ「いったい何があったんや?」

ミハエル「奴は酒に溺れるようになったのさ」

ミウ「酒?」

ミハエル「ああ。元々酒好きだったんだろう、一日の授業が終わって寮に帰ったらすぐ酒、休みの日なんか朝から酒浸りさ。しまいには授業にも出なくなって、俺とNが散々注意したにも関わらずまるで聞く耳持たず。最後にゃ『お前たちは友達だと思ってたが、どうやら敵だったようだな!』と吐き捨てて寮を飛び出し、そのまま行方不明さ」

ミウ「酷い話!」

テムナ「逆恨みもええとこやでアル中が!」

ミハエル「まあたとえクビになったところで、間違ったことをしてるとはこれっぽっちも思わねえさ。旧友だろうがなんだろうが、市民に仇なす存在は全力で排除する、それが警察官としての使命!」

ミウ「ミハエルさん…」

テムナ「ミハエル…」

エルザ「偉い!」

ミウ「あ、署長」

ミハエル「姉さん」

エルザ「その通り! 私情を捨て、市民の命を守るのが警察だ! よくやったぞ!」

ミハエル「だから最初から私情なんかねえって」

エルザ「今回の件、既にフュア総監とアイヴィー長官の耳にも届いている。そして、お二人共理解を示しておられるそうだ。君が処罰されることはないだろう」

ミウ、テムナ「「よかった!」」

エルザ「そうだ。下呂鹵に撃たれたN君な、病院で目を覚ましたそうだ。君に感謝の言葉を口にしているそうだよ。明日にでもお見舞いに行ってやれ」

ミハエル「言われなくてもそうするさ。見舞いの品は何がいいかな? そうだ、あいつドリュフが好きだから、全員解散か超爆笑のDVD持っていってやるかw」

ミウ、テムナ「「鬼か」」

エルザ「おいおい、まだ傷口も塞がってないんだぞ…」

 

 

=END=

 

 

 


0
このエントリーをはてなブックマークに追加
0
0
1
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択