No.1074054

【獣機特警K-9ⅡG】名警部ミハエルの事件簿(1) -殺された社長-【交流】

Dr.Nさん

全3回予定。

ミハエル https://www.tinami.com/view/395141

2021-10-08 19:01:15 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:173   閲覧ユーザー数:169

午後4時。

 

コンコン。

 

谷崎「社長」

 

コンコン。

 

谷崎「社長、コーヒーをお持ちしました」

 

コンコンコンコン。

 

谷崎「いないのかしら? 開けますよ社長」

 

ガチャ。

 

谷崎「きゃあーっ!!」

名警部ミハエルの事件簿 建設会社社長殺人事件

立入禁止のロープが張られた3階建てのビルの前に、赤色灯を点滅させた5台のパトカーが停まっている。

そこに、更にパトカーが1台乗り付けた。

 

警官A「あ、お疲れ様です警部!」(敬礼)

ミハエル「お疲れ。案内してくれ」

警官A「はっ!」

ミハエル(モノローグ)「事件が起こったのは『株式会社ラミナ総合建設』、従業員数21名の中堅の建設会社だ。被害者はこの会社の社長でインパラ型ファンガーの男性、須藤正明(60歳)。3階建て自社ビルの最上階の社長室で、頭を鈍器のようなもので殴られ亡くなっていた」

1階事務所。

 

ミハエル「第一発見者は?」

警官A「この方です」

 

若いキツネ型ファンガーの女性が深々と頭を下げる。

 

─谷崎陽子(26歳) 株式会社ラミナ総合建設 社長秘書─

 

谷崎「須藤の秘書の谷崎と申します」

ミハエル「この度はご愁傷様です。ラミナ署のミハエル・アインリヒトです、よろしく。早速だが君、犯行現場に案内してくれ」

警官A「はっ!」

ミハエル「谷崎さん、お辛いでしょうが、あなたも同行して下さい」

谷崎「はい、分かりました」

3階、社長室。

白い手袋をはめ、死体に掛かった布を取るミハエル。

 

ミハエル「酷いなこりゃ。頭部を執拗に殴打されて死亡か。そして、犯人と被害者が争ったのか、床に散らばった書類。凶器はそこに転がってる血の着いたブロンズ像かな?」

警官A「間違いないでしょうね」

ミハエル「このブロンズ像は、元々ここにあったものですか?」

谷崎「はい、昨年我が社が業界団体から表彰を受けた時のものです」

ミハエル「分かりました。谷崎さん、遺体発見時の状況を教えて下さい」

谷崎「はい。4時ちょうどに私が社長室にコーヒーをお持ちして、何度ノックしても返事がないのでドアを開けてみたら、このような状況でした」

ミハエル「なるほど。社長さんはこの部屋でお一人で仕事をされていたので?」

谷崎「はい。今日は中途採用の面接が行われてまして、3階には社員は誰も入れず、社長が一人で面接を行っておりました」

ミハエル「面接を手伝う方、例えば秘書のあなたとか、他の社員の方とかは同席してないのですか?」

谷崎「いえ、おりません」

ミハエル「今日面接を受けたのは何人?」

谷崎「8人ということだけは聞いております。1時から順番に行い、3時には終了予定でした」

ミハエル「書類選考に残った人たちを面接していた、と」

谷崎「いえ、書類だけでは何も分からないというのが社長のお考えでして、履歴書を送ってこられた方全員です」

ミハエル「なるほどね。では、今日面接を受けた方々の住所と氏名を教えて下さい」

谷崎「それが、分かりかねまして」

ミハエル「何ですって?」

谷崎「採用に関しては、過去も、そして今日も、全て社長が一人でやっておりましたので、社員は誰一人として関与しておりません」

ミハエル「あー。珍しいのかな、こういうのって?」

警官A「さあ?」

ミハエル「面接は集団面接? それとも1人ずつですかな?」

谷崎「1人ずつ社長室にお呼びしていたようです。順番待ちの方は、そこのパイプ椅子で待機していただいたようです」

ミハエル「あなたが社長室に入った時、順番待ちの人は?」

谷崎「誰もいませんでした」

ミハエル「なるほど。面接は既に終わってたわけだ」

警官A「やはり面接を受けた人物のうちの誰かが犯人でしょうか?」

ミハエル「それはまだ分からんよ。谷崎さん、社長さんが誰かの恨みを買うような心当たりはありますか?」

谷崎「いえ、それは無いと思います」

ミハエル「どうしてそう言えるんです?」

谷崎「社長は温厚な人柄で、社内の雰囲気も良好、社員全員に慕われておりましたから」

ミハエル「なるほど」

谷崎「ただ」

ミハエル「ただ?」

谷崎「あの方は身一つでこの会社を興した働き者で、仕事もせずブラブラと遊び回っているような人が大嫌いで、それで、社内で雷が落ちたことは何度かありました」

警官A「あー。その時に怒られた社員の犯行とか?」

ミハエル「その線もあるな」

谷崎「さあ、それはちょっと無いかと」

ミハエル「どうしてそう言えるんです?」

谷崎「社長はひとしきり雷を落とした後、必ず逆に深々と頭を下げて謝るんです。『怒ったりしてすまなかった、許してくれ』と。だから、誰かが怒られても、全てそこで終わっていたと思います」

ミハエル「なるほどね」

 

 

=つづく=

 

 

 


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