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【獣機特警K-9ⅡG】誰が見てるか分からない【交流】![]() Dr.Nさん 2020-07-08 23:24:58 投稿 / 全8ページ 総閲覧数:497 閲覧ユーザー数:481 |
リンリン「はぁー、いったいどうしちまったんだ?」
中華料理店白虎楼。
ため息をついたのは店主のリンリン。
リンリン「もう3日も客が一人も来ないなんてさ。こんなこと、今まで一度もなかったのに」
ウー「大変だ大変だ大変だ!」
駆け込んできたのは、元K-9隊で、今はこの店の店員をやっているウー。
リンリン「なんだよ騒々しいねえ。いったい何が大変なんだい?」
ウー「これ見てくださいよ店長!」
ウーはスマホを差し出した。
リンリン「なんだいこの、豚顔の豚型ファンガーの男は? プタ・ルフレのグルメレポート?」
ウー「今、飛ぶ鳥を落とす勢いの、売れっ子グルメ評論家らしいです」
リンリン「ふーん。で、この豚男がどうかしたのかい?」
ウー「評価ですよ、
リンリン「えーなになに。『中華料理店白虎楼。最低最悪の店。特に餃子は人間の食べるものではない。★☆☆☆☆1』。なんだこりゃあ!!」
ウー「あの時の報復ですよ」
リンリン「報復? 思い出した! この男はこの前の!」
昼。
プタ「おい、酒おかわり!!」
リンリン「あの、お客様。差し出がましいようですが、もう相当お飲みになっております。まだ日も高いですし、お酒はそのへんにしておかれたほうが」
プタ「何だと!? この店は客にマウントを取るのか!?」
ガッシャーン!!
リンリン「とか言ってブチキレて、テーブルひっくり返して帰っていきやがった、あの客か! とっちめようとしたら、逃げ足だけは早くてさ」
ウー「そうです。真っ昼間っからグデングデンに酔っ払って、酒臭い息で悪態をついてた、あの客です」
リンリン「あのアル中豚が! しかしちょっと待てよ。あの時、餃子なんて出したっけ?」
ウー「出してません。おそらく餃子は単なる口実です」
リンリン「やはりそうか。食ってからの批判だったら甘んじて受けるが、口にしてもいねえくせに! ますます許せねえ!」
ウー「そして見て下さいここ」
リンリン「あ、こいつ、ヴォルペにも☆1を付けてやがるじゃないか!」
ウー「ええ。さっき様子を見に行ったら、今のうちと同じで客は一人もいませんでした。事情を聞いたら、やはり、数日前にプタの野郎が現れて、酔っ払った挙げ句、悪態をつきながら無理難題を吹っかけたみたいで」
リンリン「ふーん、売れっ子の先生だけあって影響力も絶大ってわけかい。クソーッ、あんの豚野郎!!」
手にしたスマホを床に叩きつけようとするリンリン。
ウー「ちょっと店長、それ俺のスマホ!」
リンリン「おっと失礼。あたしとしたことが、おほほほほw」
ウー「たく。でもどうします? 今からプタの野郎をブン殴りにでも行きますか?」
リンリン「バカ、そんなことが出来るか、マフィアじゃあるまいし。見ると、うちやヴォルペ以外にも☆1つをつけられた店がたくさんあるようだね」
ウー「ええ。自分のことは棚に上げ、気に入らない奴には、酒かっ喰らってマウント取って叩く。マジ最低野郎ですぜ」
リンリン「そうだね。だが、こんな調子じゃコイツを恨んでいる奴も少なくはあるまい。まあ見てな、神様はちゃーんと見ておられるよ。そのうち罰が当たるさ」
ウー「そんなもんっすかねえ…」
スレイ「許さねえ!」
ガシャーン!
ブラッドファミリーのアジト。
床にスマホを叩きつけたのは、首領のスレイ。
そこにモンドが入ってくる。
モンド「おやおや、今日はまた一段と荒れてるねえ。どうしたんだい?」
スレイ「どうもこうもねえ! これを見てみろ!」
モンド「見てみろって、ディスプレイが壊れて何も見えないけど」
スレイ「おっとすまねえ。こっちだ。さっき見ていたページだよ」
タブレットを渡す。
モンド「なんだいこの豚顔の豚型ファンガーは? プタ・ルフレのグルメレポート?」
スレイ「今、飛ぶ鳥を落とす勢いの、売れっ子グルメ評論家のセンセイらしい」
モンド「えーなになに。『ステーキハウス RED BLOOD。最低最悪の店。肉もクソ不味い。ゴムでも食っていたほうがマシだ! ★☆☆☆☆1』? …おいおい、もっといい肉を使いなよ」
スレイ「ちげーよ! あの店、肉には妥協をしないってこと、お前も知ってるだろうが」
モンド「そう言えば。表向きはブラッドファミリーの店だとは誰も知らないけど、それでもブラッドファミリーの店ってことで、あんたのこだわりだったっけ」
スレイ「そういうことだ。コイツが店を訪れたのは真っ昼間、酒臭い息を吐きながらやって来たそうだ。その時に、酒を注文しようとしたらしい」
モンド「酒? 確か、RED BLOODは18時にならないと酒は出さなかったはず」
スレイ「その通りだ。店員が言うには、酒の提供を断ると、コイツは『この店は客にマウントを取るのか!!』とか言ってキレて、テーブルひっくり返して帰っていったらしい」
モンド「ふーん。売れっ子の先生の正体見たりってわけか。で、どうするんだい? 今からブン殴りにでも行くかい?」
スレイ「そんなことはしねえ。だが、このスレイ様の顔を潰した落とし前は、キッチリとつけさせてもらう」
モンド「ふふっ、それでこそスレイだね」
スレイ「そこでだ」(ニマァ~ッ)
モンド「な、なんだい、その気味悪い笑いは?;;;;」
スレイ「ちーっとばっかし、君の協力が必要なんだよあー、モ・ン・ドちゃ~ん」
モンド「!?」
モンド「やだよそんなこと!! 絶対に断る!!;;;;」
スレイ「だってあの店、店長以下店員もアルバイトも全員、上がブラッドファミリーだってこと知らないんだぜ? これが出来るのは、モンドちゃん、君しかいないんだよなあ~w」
モンド「…どうしてもやらないとだめ?」
スレイ「だめw」
モンド「えー(;´Д`)」
数日後。
表に<本日臨時休業>の札が掛かった、RED BLOOD。
プタ「本当にいいのか?」
テラナーの若い女性店員「ええ。今日は先生だけの貸し切り、肉もお酒もお好きなだけお召し上がり下さい。もちろんお代はいただきませんので」
プタ「そうかそうかw でもどうせなら、お相手は若くてかわいい高校生ぐらいの男の子の方がよかったな」
テラナーの若い女性店員「はい?」
プタ「いや、なんでもない。忘れてくれ」
テラナーの若い女性店員「は、はあ」(チッ、こいつホモかよ…)
テラナーの若い女性店員「それにしても、まさか有名なグルメ評論家のプタ先生だったとは。この間の大変なご無礼、どうかお許し下さい」
プタ「いいってことよ、ワッハッハ!! 俺ってそんなに有名かね?」
テラナーの若い女性店員「ええ、有名ですとも。みんなが見ておりますわよ、あのブログは。…みんながね」
プタ「では早速酒をもらおうか」
テラナーの若い女性店員「はい、御酌しますわ。さ、どうぞ先生」
プタ「うむ」(くいーっ)
テラナーの若い女性店員「まあ、さすがプタ先生、飲みっぷりもお見事ですわ。ささ、もういっぱい」
プタ「おう! 今日はとっても気分が…いい…わ…い……」
ガシャン!
グーグーグー。
スレイ「寝ちまったようだな」
バックヤードから出てくるスレイ。
テラナーの若い女性店員「ああ。ちょっと眠り薬が強すぎたらしい。それよりもこのヒューマンのマスク、もう外していいだろ?」
スレイ「ああ、いいぜ」
モンド「プハーッ! やれやれ、こいつだけは何度やっても慣れないよ。てか、わざわざテラナーに化ける必要あったん?」
スレイ「お前は素の顔が怖いからな」
モンド「悪かったなっ!! さて…と、お楽しみタイムの始まりだ」
ジャキン!
ラミナ署。
狐太朗「あ、いたいた。ミハエルさーん!」
ミハエル「おう、狐太朗君か」
狐太朗「鑑識の結果が出ました!」
ミハエル「ほう。で、どうだった?」
狐太朗「被害者は、グルメ評論家のプタ・ルフレで間違いないようです」
ミハエル「やはりな。全身を鋭い刃物でズタズタに切り刻まれた上に顔を潰されていたが、俺の睨んだ通りだったぜ。で、顔を潰したのは、やはり被害者の身元を分からなくするためにかな?」
狐太朗「ハハハハ、今はDNA鑑定もあるし、そんなことをしても無駄ですよ。犯人だってそれは知っているはず。おそらく、被害者に対して何らかの強い恨みがあったのでしょう」
ミハエル「やれやれ。何があったかは知らないが、人様の恨みを買うようなことはしたくないもんだねえ」
リンリン「いらっしゃいませ! 4名様ですね、お席へどうぞ!」
リンリン「はい、餃子定食かしこまりました!」
リンリン「3番テーブル、餃子定食追加! しばらくお待ち下さい! あー忙しい忙しい! それにしても、餃子がよく出るねえ。やっぱあの反動かな?」
ウー「今戻りましたー」
リンリン「遅いよウー! どこほっつき歩いてたんだい!」
ウー「いや、帰りにちょっとヴォルペの様子を見に」
リンリン「ヴォルペ! で、どうだった?」
ウー「安心して下さい、あちらも以前の活気を取り戻して大入り満員でした。うちと同じくね!」
リンリン「それはよかった。さ、そうと分かったら、さっさと店手伝いな!」
ウー「へえへえ、分かりましたよ。たく、相変わらず人使いが荒いんだから」
リンリン「ん? 何か言ったかい?」
ウー「いいえ、何にもっ! あ、いらっしゃいませ! 2名様ですね、お席にご案内しまーす!」
=END=
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