漫画的男子しばたの生涯一読者
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漫画的男子しばたの生涯一読者

■ ワルも娘。も1・2・3、ダァー!! 〜雑誌

それでは前置きが長くなったが、2002年初っぱな、1月の漫画シーンから目立ったものをピックアップ。まずは雑誌編。

「ワル蔵」 VOL.1 ワニマガジン

「快楽天」「ヤングヒップ」など、コンビニ売り系のH漫画雑誌で実績のあるワニマガジンから非H系の一般青年誌が創刊。第1号は付録CD-ROM付きで350円という破格の価格設定でデビューした。その執筆陣は以下のような顔ぶれ。

表紙
江川達也
ピンナップ
沙村広明、浅田弘幸
漫画
原案:ゲッツ板谷+画:紅林直、赤名修、大和田秀樹、木村千歌、柴田昌弘、天竺浪人、OKAWARI、作:LAST★PASS+画:やまだないと、桐生知彦、三部敬、ISUTOSHI、夏元雅人、寺田克也
イラスト&エッセイ
克・亜樹
デジタル画集CD-ROM
村田蓮爾、寺田克也、司淳、OKAMA、飛龍乱
ワル蔵
「ワル蔵」 VOL.1
ワニマガジン

最近ではコンビニ売りのH漫画雑誌に対する規制が厳しくなってきていることもあり、販売ルートがコンビニメインなワニマガジンとしては、エロに頼らない一般誌にも進出したいという狙いがあったのかな〜と思われるが、第1号についてはやはりこの分野での経験不足が出てしまったかなという印象。柱となる連載作品がまだ見えず、ターゲット読者層もいまいちよく分からず中途半端に思えてしまう。ともあれこの出版不況の時期に、あえて未経験のジャンルに参入した意気込みは買いたいところだし、個性的な描き手も登用している。これまでH漫画方面では「快楽天」など、とても個性的な雑誌を作っているワニマガジンだけに、そのノウハウを生かして既存の青年誌にはない独自のモノを出していってほしいところ。なお発売日は毎月18日。

ビッグコミックスペリオール 2/11増刊
「FIGHTING BOOK 2002」 小学館

FIGHTING BOOK 2002
「FIGHTING BOOK 2002」
小学館

猪木の表紙が目印の格闘技漫画専門増刊。格闘技漫画についてはこれまでも漫画の中で一ジャンルをなしてきたし、昨今の格闘技ブームにより作品数自体も増えている印象がある。ただ、1冊まるまる格闘技オンリーとなると珍しい。「ビッグコミックスペリオール」はこれまでにも「SEX BOOK」「MONEY BOOK」と、ジャンルを絞った増刊を出しており、これはその一環といえる。なお今回の執筆陣は、もりやまつる、武藤敬司+山口かつみ、山中健司、相原コージ、東陽片岡、西条真二、石川優吾、桜川キヨイ、三宅乱丈、藤波俊彦、武村勇治、安田弘之、愛英史+間瀬元朗。「ビッグコミックスペリオール」本誌と重なる執筆陣が少ないのは気になるところだが、「ぶっせん」の三宅乱丈、「ショムニ」「今野さんと遊ぼう」の安田弘之、キャバクラ漫画の藤波俊彦と、個性派が名を連ねているのはうれしいところ。ただ、ガチンコの格闘モノについては正直弱いような気もした。

「シャイニング娘。」師走の翁総集編 ヒット出版社

FIGHTING BOOK 2002
「シャイニング娘。」
師走の翁総集編
ヒット出版社

こちらはH漫画雑誌「阿ウン」(「ウン」は口へんに「云」)で連載中の、師走の翁による架空アイドルモノ「シャイニング娘。」シリーズをまとめた増刊。H漫画雑誌連載作品で増刊が出るというのも珍しいが、内容がこれまたかなりなものである。このシリーズは、要するに「シャイニング娘。」という国民的アイドルグループの面々がHなことをされまくる……というものなのだが、ええとまあつまり実在のアレと著しい類似を見せている。なんといっても構成メンバーの名前が、矢内鞠、椎田香檻、阿部なつみ、保陀刑、壱岐鞘華、二翻巻(二翻=ゴットー)、槌ののみ、匣アイ、である。みんなそれぞれ「何か」に似ていて、漫画的に見てかわいい。作者のソレに対する愛情がしっかり伺える。そして肝腎のHシーンもボリュームたっぷりで密度が濃く、すごく充実している。さらに特筆すべきは、この増刊にはゴットーと槌&匣の図案のトレカまで付属しているのだ(1冊につき全4種類のうち2枚)。コンプリート目的で複数冊買う人もいたようで、この原稿がアップされる時点では雑誌自体は書店から消えている可能性が高い。ちなみにトレカはこの夏発売の単行本上下巻にも8種類ずつ付属するとのことで、計22種類が用意されている。この気合いの入りようはタダゴトではない。作品的にも現象的にも一見の価値ありだ。 

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