「大日本天狗党絵詞」以来の「アフタヌーン」(講談社)における黒田硫黄の連載が11月号からスタートした。タイトルからしていきなり意表を衝いてくれるが、物語自体もつまり、茄子を作っている農家のおっさんが主人公だったりする。畑に出て働き、終わったら家に帰ったら茄子を食って風呂に入り、そして寝る。そんな生活の模様が描かれる。第1話、第2話が同時掲載で、ここではこのおっさんの元に転がり込んできたいわくありげな男女がお話にからんでくるのだが、だからといって彼らは別に世間を揺るがすような大事件を起こすわけではない。淡々とした日常描写をしているだけなのに、場面の切り出し方、セリフの妙、演出でそれを一つのドラマに仕立て上げてしまう黒田硫黄の筆力はさすがだ。飄々としていつつ落ち着いている。
そういえば、同じ号のアフタヌーンでは植芝理一「ディスコミュニケーション精霊編」もついに最終回を迎えた。次の連載の予告もあったけど、それはまた始まったときにでも詳しく。