タニグチリウイチの出没!
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タニグチリウイチの出没!

「おおきくなったら」

小学生くらいの頃だったかな。授業だかホームルームだかの時間に、「将来なりたいものを書きましょうね」と先生にいわれて、児童が書いた自分のなりたい職業が、冊子にまとられて配られた記憶がある。だいたいが、自分の家の仕事とか、親の職業をそのまま書いていた子供が多かったようで、ほかには男の子だったらカッコ良いと誰もが憧れていた飛行機のパイロットとか、プロゴルファーとかカーレーサーとかが挙がっていた。女の子は看護婦さん。アイドル声優、なんてものはまだ職業として存在していなかった時代のことだから、当然誰も挙げてない。コスプレーヤーも右に同じ、っていうかコスプレーヤーは職業か?

今だといったい、どんな職業が挙がるのかは調べた訳ではないので知らないけれど、パイロットとかはやっぱり上位にランクインしそうな気がするし、「Jリーグ」のスタートでサッカー選手の人気も20年とか昔に比べて、相当に上位に来ていそう。サッカー人気に押されてランクを下げていたかもしれない野球選手も、去年のイチロー選手の大活躍で、またまた上位にランクを上げてきただろう。アイドル声優ももしかしたらいるかもしれないし、20年とか昔でも職業としては存在してはいたけれど、それほど一般化してはいなかったアニメーターとか、ゲームクリエーターとかも挙げられていて不思議はない。

「ロボットの操縦士」、という職業が果たして実在するかどうかは別にして(多分しない)、これを挙げる子供がクラスにひとりくらいはいそうな気もする。もっと具体的に「ガンダム」を操ってバトルしたいといってくる子供もいるかもしれない。「ガンダム」に限らずマンガに、アニメに、ゲームにあふれるロボット物の作品に感化されて、20年前の子供が「いつかは宇宙飛行士に」と憧れたように、「いつかはロボットの操縦士に」なんて願っている子供は、案外と多いのかもしれない。だからこそ、ロボットを操って遊ぶ玩具がこんなにも沢山作られて、子供たちに人気となっているんだろう。

「ロボット玩具バトル、勃発」

1月26日と27日の2日間、毎年夏と冬に恒例の『次世代ワールドホビーフェア』が千葉市美浜区の『幕張メッセ』で開催されて、いつもどおりに大勢の親子連れを集めて大盛況を見せていた。これまたいつもどおり、といってもこの1、2年のうちに急激にブームとなった訳だから、前々回あたりから続いていつもどおりだったという意味で、タカラの現代版ベーゴマ『ベイブレード』が、人気の中核にあって、場内で開かれたイベントには、自慢のコマを持った子供がわんさと詰めかけ、試合をしているフィールドに近づくことさえ難しかった。

そんな一極集中的な人気の影では、ポスト・ベイブレードを狙って玩具メーカーが新しい商材を出してヒットを狙おうと懸命だったりする。ベーゴマを現代風にしたベイブレードと同じ方法論で古い玩具を今風にアレンジした商品もあったけど、それとは別にセガ・トイズにバンダイとトミーの3社が、いずれも二足歩行型ロボットの玩具を出していたのにはちょっと驚いた。

わしわしと腕振って歩く姿は「パトレイバー」のよ う。でも割とすぐコケる。太田が操縦してるのか?

トミーとタカラが家庭用カラオケで激突したように、マーケティングを繰り広げて調査した結果、それが時の要請だということで、別々の会社で企画が重なることは結構ある。それでも3社がどんぴしゃりのタイミングで、似た製品を出して来たのを見ると、あるいはどこかで誰かが陰謀でも張り巡らせてるんじゃないか、なんて妄想も浮かんでくる。ロボットの操縦に子供の頃から親しみを持たせて、来るべきパワードスーツを駆使した最終戦争に、さして訓練も施さずに適応できる未来のトゥルーパーズを養成しようとする国防軍の陰謀、とか。

閑話休題。二足歩行ロボットといってもしょせんは玩具で、どれもがモーターで足を左右交互に上げ下げして、前後に出して進んでいくという単純な製品ばかり。バランス制御装置とか小型で高性能のアクチュエーターといったものもは全く使っていない。それをセガ・トイズでは『グランドランナー』という名前で商品化していて、スピードの差とか外観の雰囲気の違いでもって4種類のロボットを用意して、走らせて速さを競わせたり真っ直ぐ歩かせて棒を倒させたりビーチフラッグを取らせたりして遊ぼうと提案している。 

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