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「第二回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」レポート

去る2001年12月17〜20日、パシフィコ横浜(横浜市)で「第二回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」が、日本政府、ユニセフ(国際児童基金)、エクパット(子ども買春、子どもポルノ、性的目的での子どもの売買根絶キャンペーン)らの共催によって開催された。このレポートは、18日に行われたエクパット関西ユース主催の、マンガ関係者および有識者によるワークショップ「漫画はCSEC(Commercial Sexual Exploitation of Children:児童の商業的性的搾取)ではない」の模様を報告する。なお世界会議の成果については、外務省の「概要と評価」内で横浜グローバル・コミットメント2001子どもと若者の最終アピールが和訳されている。

その前に、この世界会議が、いったいどういった性格のものかを簡単に説明しておこう。この会議は、全世界で問題となっている人身売買や児童売春といった「性的虐待」およびチャイルドポルノ、いわゆる「児童ポルノ」を規制、禁止する国際的な動きと連動している。たとえば日本では、1994年に批准された「児童の権利に関する条約」、1996年にストックホルムで開催された第一回会議の宣言を踏まえて、1999年に「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」が成立、試行されている。

わが国の「児童ポルノ法」では、マンガ、コンピューターグラフィクスといった「絵」は児童ポルノに含まれない。これは国会審議の過程で、当初の与党案では規制対象に入っていたものが、最終案では削られたという経緯をもつ。しかし、同法附則第六条にはこう書いてある。

第六条
児童買春及び児童ポルノの規制その他の児童を性的搾取及び性的虐待から守るための制度については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行状況、児童の権利の擁護に関する国際的動向等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

この「施行後三年」が、2002年、つまり今年である。1999年の段階では検討のすえに削除、もしくは見送られた「絵の規制」や「単純所持」が同法改正論議の主要テーマであることはほぼまちがいない。したがって法改正がもたらす問題については、私たちも無関心ではいられないだろう。マンガ、アニメ、ゲームといったオタク系文化の表現、ウェブ上で発表されるイラスト創作は、キャラクターとそのグラフィックによって支えられているからだ。 >>次頁

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