『冒険王子』
吉野強亮 文化書房 1948年1月25日 東京
赤ん坊顔をした「王子」のキャラ造型、無国籍な雰囲気ながら登場人物の名前が日本名であること、写実的な背景や大胆な構図など、さまざまな試み(?)を見ることができる。作中では「下町」といわれているが、画を見てもらえば分かる通り、かなり「スラム」に近いイメージの風景が描かれている。一見して感じられる、どこか居心地の悪い感じがたまらない。
図版は「占領下の子ども文化<1945〜1949> ―メリーランド大学所蔵プランゲ文庫「村上コレクション」に探る―」(会場にて販売・定価3500円)より引用。なお、「村上コレクション」とは、プランゲ文庫のアシスタントキュレーターであった故・村上寿代氏が、児童書に光を当て、整理と目録作成の中心的役割をはたしたことにちなむ名称である。また、図版表紙の手書き英字は、検閲時に表題のローマ字表記、検閲年月日等のデータが書き込まれたものである。
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