普通アメトイの店っつったらさ、裏原宿系のいかにも「流行モンおさえときました」的なスカした店と思うじゃない? ところがさ、「少年ジェッター」ってトイショップがあるんだけど、入り口に張り紙がしてあるわけ。「入店前に一礼」とかって書いてあってさ(笑)。で、商品に「ポップ」ってついてるじゃない? 値段とか、商品のウンチクとか書いてある、小さいカードみたいな。あれもこのお店、普通じゃないんだよね。「ロマンのマンは男のマン」とかさ(笑)、「マントの似合う男になれ」とかさ、全然商品と関係ないことばっかり書いてあるんだよ。
で、あらためて店内を見渡すと、商品の構成も相当に間違ってんだよね(笑)。SWフィギュアとかエイリアン成虫1分の1とかさ、そういうベタな王道フィギュアもあるにはあるんだけど、圧倒的に和モノが多いの。コブラのサイコガン1分の1(装着可能)とかさ、アントニオ猪木+ドン・フライのフィギュア詰め合わせとか(笑)。「これ売れるのかよ」みたいな、かなり萎え萎えの脱力アイテムだよね。で、結構前から気になってたんで、店のマネージャーつかまえて話聞いてみたわけ。
「あのー、これってどのくらい売れるんスかね」。
「あー……。洋モノ入れとくと、映画の公開時期にダーっと売れるんですけどね。和モノは、まぁ、じわーっ、と」。
だって(笑)。売れるか売れないかなんか、半分くらいどうでも良いんだよね、彼にとって。「ロマンのマンは男のマン」って人だからさ、むしろ無謀なことに挑戦したいわけ。この人31歳なんだけど、筋金入りのオタクでさ、自分のアダ名が「バルタン」で、自分の息子には「承太郎」ってつけたらしいんだよ(笑)。無茶するよね。で、店の方も、売れ筋商品はいちおう置いとくけど、やっぱり困難なモノに立ち向かいたいらしいの。何に立ち向かってるのかよく判らないんだけど(笑)。
でさ、ここの一押しブランドが「Hook Ups」って言うんだけど、これがまたイイ感じに間違ってるブランドなんだよね(笑)。アメリカのスケボーのメーカーなんだけど、ここのボードってロリ顔・巨乳のキャラクターがペイントされててさ。それも大友とかエヴァとかみたいなスカした絵じゃなくって、全然イケてない感じのパチもん臭い絵でブルマーとか看護婦とか描いてあるんだよ(笑)。もうどう見てもスケーターにウケるとは思えないんだけど、これをガンガンに仕入れてズラ〜っと並べてあるわけ(笑)。だから俺、最初はてっきり「スケーターの間でロリ顔・巨乳が流行ってんのかなー」とかって勘違いしたんだよ。で、バルタン氏に聞いたわけ。
「あのう、最近のスケーターって、巨乳好きなんスかね」。
「いや、スケーターはここのボード、まず買わんでしょう。滑りにくいですから」。
だって(笑)。一応プロスケーターが作ったブランドだからスケーターも買うんだろうけど、「Hook Ups」の板って超重いらしいんだよね。厚いわ太いわで、わざわざ滑りにくく作ってあるとしか思えないような代物らしい。少なくとも初心者向きじゃないよな。じゃぁ誰に売ってるんだって聞いたらさ、スケートできない奴に売ってるんだって言うんだよ、この人(笑)。
「これ、ドアノブに吊しといたらカッコええで、とか言うて」。