No.990455

マイ「艦これ」「みほ3ん」EX回:第74話<吹雪2号>

しろっこさん

点呼終了後、艦娘たちは解散した。提督たちは女性秘書官と別れた後、食堂へ向かう。そこには今日、活躍した吹雪が居た。

2019-04-18 17:51:45 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:62   閲覧ユーザー数:62

 

「私、敵を初めてやっつけたんです!」

 

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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)

 EX回:第74話(改1.3)<吹雪2号>

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 ブルネイの夜は暑い。それでも日本ほど湿気が無いのが幸いだろうか。

 

私は点呼の後、艦娘たちに伝えた。

「今日は、これで解散。夕食は各自、食堂で摂るように。明日は午前と午後、各一回ずつの演習となるから十分に休養してくれ。詳細は各班長に伝達する。班長は今夜、21:00に本館会議室に集合。打ち合わせを行う」

 

そこまで言った私は一呼吸置くと艦娘たちを改めて見た。

「今日は、いろいろあって本当に、ご苦労だった」

 

その言葉で場には若干の沈黙が流れた。しんみりした空気を破るように龍田さんが手を上げた。

「司令ぇ、はぁい、質問ぉん」

「龍田さん、どうぞ」

 

マイペースな彼女は少し微笑みながら聞いてきた。

「お見舞いは? 龍田2号の……いいの?」

「そうだな」

 

私は直ぐに考えた。

(龍田さんは自分と同じ量産型の『彼女』のことが気になるだろう)

 

龍田2号が身を挺して皆を護ってくれたんだ。私は横に居るブルネイ司令を振り返った。彼は私が口を開く前に答えた。

「取りあえず経過は順調だと聞いているが」

 

それから一瞬だが考えるような表情を見せ時計を見ながら言った。

「まぁ艦娘の皆も、お見舞したいだろう。20:30までは許可を出しておく。ただし、あまり長居しないように」

 

それを聞いた美保の艦娘たちが一斉に笑顔になった。ブルネイ司令は気を利かせてくれたようだ。

 

「ありがとうございますぅ」

美保の龍田さんも深々と頭を下げた。

 

「良かったな」

私の言葉に彼女は意外なほど自然な笑顔を見せていた。少し不思議な感覚を覚えた。

 

 それから私は改めて艦娘たちに声を掛けた。

「他に質問は無いようだな。以上だ」

 

その言葉を受け日向が通る声で号令を掛けた。

「解散!」

 

敬礼と同時に艦娘たちはバラバラと散らばった。

 

……日向は直ぐに伊勢のところへ。

……金剛にはダブル比叡が駆け寄っていた。

 

そんな彼女たちの姿を見て思った。

(支えあう仲間とは良いものだな)

 

 私の後ろでカメラのフィルムを巻き取っている青葉さんも今日はいろいろ事件があったからスクープ写真が撮れたことだろう。私は声を掛けた。

「どうだ? 成果は上々か?」

「あっ……はい! とっても」

 

彼女は、いつもの悪戯っぽい笑顔ではなく拍子抜けするほど普通の『反応』だった。私は内心『あれ?』と思った……疑問を挟む間もなく青葉さんは恥ずかし気な雰囲気のまま応える。

「司令も……今日は、お疲れ様でした」

「え? あ、あぁ……お疲れさん」

 

(やや? これは青葉さんにしては珍しい台詞だな)

こんな気の利いたことを言う娘では無かったハズだが……。

 

彼女はカメラバックを抱えながら逃げるようにして立ち去った。私は、ふと砂浜で見せた青葉さんの『涙』を思い出していた。

(彼女なりに、いろいろ悟る世界があったんだろうか)

 

 そんなことを考えていたら少し離れていた女性秘書官が私たちに近寄って敬礼しながら言った。

『私も戻ります』

 

私とブルネイ司令も揃って敬礼を返した。

『今日は本当に、お世話になりました』

 

互いに敬礼を直ると微笑しながら彼女は言った。

『これからも貴国と末永い御付き合いを期待します』

 

その表情は鎮守府内の外灯に照らされ一瞬、龍田さんの如き表情に見えた。正直ゾクっとした。

 

 それから彼女は鎮守府の門を出ると、そのまま敷地外に迎えに来ていた政府専用車に乗り込んだ。軽く窓を開け再び私たちに敬礼しつつ走り去って行った。ここで、やっと肩の荷が下りた。

 

 ブルネイ司令も同じ心地だったのか、ちょっと伸びをしながら聞いてきた。

「『出来る女性』ってのは時々あんな感じだよな」

「あはは」

 

私も苦笑しながら言った。

「でもきっと、あの人も一筋縄では行かないタイプだろ?」

「そりゃ、政府の高官だからな」

「なるほどね」

 

そんな私たちの安堵した雰囲気を見た艦娘たちも徐々に散らばり始めた。鎮守府の本館、正面玄関前広場は急に閑散とした。

 

 ブルネイ司令は襟を直しながら言った。

「どうする? 一緒に執務室で食うか、それとも食堂が良いか」

「そうだな」

 

私が思案していると彼は続ける。

「ちなみに美保鎮守府での食事ってのは、どうなってる? お前も普段は執務室か」

「えっと、美保じゃ来客がなけれりゃ、やっぱ食堂だな。艦娘たちの様子というか、交流も兼ねて」

「へぇ、そうなんだ」

 

私の言葉を聞いたブルネイ司令は制帽を取って汗を拭った。

「俺はどうすっかなぁ。ここじゃ、まだ艦娘は数えるほどで試作品だらけだ。ちょっと引いてしまうってかぁ」

 

彼は制帽で顔を扇ぎながら観念したように言った。

「まあ、今日は一緒に食堂にするかな……」

 

私はポロシャツでラフな格好だから良いけど。こいつは、ずっと制服だから暑そうだ。

「試作品って言うのは正直、良く分からないけど、どうなんだ?」

 

私の言葉に彼は振り向いた。

「一番、安定しているのは五月雨だな」

「それだよ」

 

私は、いちばん気になっていることを聞いてみた。

「その『安定』って何だ? 本省の技術参謀も、よく使うんだけどな」

 

彼は軽く頷(うなづ)いた。

「技師によるとな、艦娘の心身のバランスってのが」

 

……彼が話し出した途中で向こうから量産型吹雪がやってきた。

「提督! お食事は、どうされますかっ」

 

走りながら敬礼をして言う。器用だな。

 

(この忙(せわ)しい感じは美保の吹雪と、ほとんど同じ感じってのが微笑ましいな)

そんなことを思っていると吹雪は私たちの近くで立ち止まった。

 

「美保司令と一緒に食堂で食べるよ」

ブルネイ司令の言葉を聞いた彼女は急に明るい表情になった。

 

「了解です! 直ぐに準備します!」

言うが早いか向きを変え、また走り去って行く。

 

「あの娘……美保に居る吹雪と雰囲気が全く同じなんだな」

私は思わず呟いた。

 

「はは、そうなんだ……」

ブルネイ司令は、そう応えた。だが私には彼が何かを言いかけて途中で止めたような不自然な印象を受けた。

 

「準備は直ぐ出来ると思うから俺たちも直接食堂へ行こうか。さっきの話の続きも食べながらしよう」

「あ、ああ」

彼に促された私は並んで鎮守府の本館へと向かった。改めてブルネイは敷地も建物も大きい。美保とは大違いだ。

 

 私たちが食堂に入ると先に食事をしていた艦娘たちが敬礼をしようと立ち上がる。私は反射的に手をあげて制した。

「いいよ皆、そのままで」

 

それを見ていたブルネイ司令は苦笑する。

「そうそう、こういうのがあるからな。正直ちょっと煩わしくてね」

 

「いや、けじめは大切だ。美保では既に無秩序になりつつあってね」

「ははは、そりゃ怖い」

そんなやり取りをしながら私たちは窓際の席に着いた。

 

さっそく吹雪が来た。

「直ぐ、お持ちします!」

 

……と言いながら奥へ入って行く。その姿を目で追いながらブルネイ司令は確認するように言った。

「あの娘、美保でもやっぱり、あんな感じなのか」

「ああ、そうだよ。それが何か?」

 

彼は椅子に深く腰を掛けて返す。

「いや」

 

その微妙な雰囲気に、やはり何か引っ掛かる。

「美保では、あの一生懸命さが『売り』になってね。宣伝広報部長としていろんな催しや交流活動の責任を持っているよ」

 

「……」

(あれ?)

彼は黙っていた。反応が無いな。

 

だが私は気にすまいとして続けた。

「他の艦娘と一緒に他の鎮守府にも表敬訪問したりして意外に人気もあってね」

 

私は思わず美保の吹雪の紹介やら自慢話をしていた。

 

「それは……」

ブルネイ司令が私の言葉を遮(さえぎ)るような感じで話し始める。

 

「あくまでも、それはオリジナルの吹雪の話だろ?」

「オリジナル?」

私は言葉に詰まった。

 

(それは、そうだが……。何で急に、そういう言い方をするんだ?)

 

私は改めて返した。

「いや、それはそうだが、ここの吹雪だって、ほとんど変わらなくて」

「違う!」

「へ?」

 

私は少し驚いた。いつになく真剣な表情のブルネイ司令。

 

「違うんだよ……」

彼は語気を弱めた。ちょうど、そのときだった。

 

「お待たせしました!」

噂の吹雪と、叢雲が私たちの食事を持ってきてくれた。

 

「配膳を自分でやらなくて良いのは楽だよなあ」

私は妙な雰囲気を紛らわすように言った。

 

相変わらず吹雪は元気だしニコニコしている。

(この、どこが美保の吹雪と違うって言うんだ? まぁ吹雪の横に居る無表情な叢雲も美保と同じ無表情な感じだけど)

 

私は内心で苦笑しつつ吹雪に話しかけた。

「今日は技術参謀と一緒に二式大艇に乗って大活躍だったね」

「えへへ!」

 

とても明るく笑った吹雪。

「私、機銃撃つのは初めてだったんです。でも意外に威力があって、もうビックリしちゃいました! そうそう聞いて下さい! 今日初めて敵を、やっつけたんです! 私ぃ」

「そりゃ、すごいね」

「はい!」

 

ここまで屈託のない明るい吹雪だ。

(美保の吹雪と、本当にソックリ同じだよ)

 

「私、これからもっ……」

そこで急に言葉に詰まった吹雪。

 

「ん?」

私が彼女の顔を見詰めていると突然、吹雪は気を失ったように、へたへたと床に倒れこむ。

 

「あっ」

次の瞬間、ブルネイ司令が立ち上がった……と思う間もなく彼は吹雪に駆け寄る。

 

「おい、大丈夫か?」

ブルネイ司令が吹雪に手を差し伸べ何とか受け止めた。だが吹雪は硬直したように動かない。

 

その反応を見た彼は大声で叫んだ。

「誰か早く! 技師を呼べっ」

 

無表情な叢雲が弾かれたように奥へ走った。

食堂内で食事をしていた他の艦娘たちも立ち上がり場は騒然とし始めた。

 

「吹雪っ、吹雪ぃ!」

ブルネイ司令は大声で何度も呼びかけるが彼女はグッタリしたまま。

 

(いったい何が起きているんだ?)

私も立ち上がったが……なす術(すべ)もなく呆然とするばかりだった。

 

以下魔除け

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※これは「艦これ」の二次創作です。

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PS:「みほ3ん」とは

「美保鎮守府:第三部」の略称です。

 

 


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