No.967444

スマブラ Abandon World 19「ポケモンとの出会い」

Nobuさん

ルカリオとゲッコウガはなんとなく気が合いそうです。

2018-09-17 08:28:42 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:707   閲覧ユーザー数:707

 さて、その頃のCチームである。

 ヨッシー、メタナイト、ロゼッタ、シュルクは、

 各々の技を駆使してゾンビ犬を倒していき、生きる事を望む人間を気絶させた。

「……こんな人達も、ここにいたのか」

「私達が生き残るためには、彼らも犠牲にしなければならないのか……?」

「そんなの、考えただけでも辛いです~」

 争いを好まないヨッシーは、他人を犠牲にするという考えを持たないようで流石に苦しんでいる。

「しかも、この世界を救うために必要な情報が何一つ見つかっていないし……」

 そう、シュルクの言う通り、この世界が何故荒廃しているのか、という説明がこの世界に一切ない。

 しかも、マリオによれば、自分達をここに呼び出したアスティマすらも多くは語っていないという。

「とりあえず、僕達にできる事は、バラバラになった仲間を探す事くらいだね」

「情報を集めるのは、後にしましょうか~」

「……ゾンビも来ているしな」

「わっ!」

 ヨッシーが慌てて飛び退くと、ゾンビが這いずり回っており、

 しばらくしてそのゾンビが立ち上がるとヨッシー達を攻撃しようとした。

「私の邪魔をしないでください!」

「うりゃりゃりゃりゃ!」

 ヨッシーがゾンビを蹴り飛ばした後、メタナイトがゾンビに突っ込んで乱れ斬りで攻撃して倒す。

 シュルクもモナド【疾】でスピードを上げた後にその勢いを利用してゾンビを斬りつけ、

 そこにロゼッタのチコシュートが命中した。

 が、ゾンビはあと一歩のところで倒れず、のろのろとヨッシーに近づいて引っ掻いた。

「あいたたた、やめてくださいよ」

 ゾンビの攻撃で怪我をしたヨッシーが、そのゾンビに向かって卵を投げる。

 そこにメタナイトのドリルラッシュが入りゾンビが倒されると、

 今度はシュルクがゾンビをエアスラッシュで斬りつける。

「これで、とどめだ! ギャラクシースマッシュ!」

 そしてロゼッタがゾンビに向かって手をかざし、

 小さな銀河を発生させ、ゾンビを吹き飛ばして戦闘不能にした。

 

「今回は未来視(ビジョン)を使わなくても勝てたね」

「相手の行動が単純だったからな」

「……さて」

 シュルクは辺りを見渡し、何かないかを確認する。

「この辺にはもう、何もないみたい」

「というより何もなくない方が珍しいからな」

「とりあえず、先に進みましょうか~」

 その頃……。

 

「くっ、どうやら囲まれてしまったようだな」

「戦闘は避けられないようだ」

 はどうポケモンのルカリオと、しのびポケモンのゲッコウガがゾンビ、ゾンビ犬、毒虫と戦っていた。

 ルカリオには毒が効かないため毒虫の攻撃に脅威する必要はなく、

 またゾンビとゾンビ犬も近距離攻撃しかできないため後衛のゲッコウガには届かない。

 しかしそれは、ルカリオにのみ攻撃が集中するという事なのだ。

「ゲッコウガ、私が前に出るからお前は後方から援護をしてくれ」

「了解」

 ゲッコウガがまず、かげうちでゾンビに不意打ちを行った後、

 ルカリオは波導をその身に纏わせ、掌底を繰り出してゾンビを攻撃する。

 隙を突かれてうろたえていたのか、ゾンビの攻撃はルカリオには当たらなかった。

 ゲッコウガがみずしゅりけんを毒虫に投げつけた後、ルカリオははっけいでゾンビを攻撃した。

「意外としぶといな……」

「だが、俺達はこれで攻撃を止めるようなポケモンではない! ハイドロポンプ!」

 ゲッコウガは毒虫にハイドロポンプを繰り出し、毒虫を吹き飛ばして墜落させた。

「ぐぅ、うぅっ!」

 ゾンビとゾンビ犬の攻撃を連続で食らったルカリオの表情が苦痛に歪む。

「無理はするな、引くのも大事だぞ」

「だがゲッコウガ、彼らが私達を逃がしてくれると思うか……?」

「む……」

 ルカリオとゲッコウガは、これ以上ゾンビ達を相手にしたくなかった。

 しかし、ゾンビ達がそれを許すはずがなかった。

「仕方ない、まずはこいつらを倒すぞ!」

 そう言ってルカリオは毒虫に向かってはどうだんを放ち、

 とどめにゲッコウガのみずしゅりけんが刺さり毒虫は戦闘不能になる。

 続けてルカリオのしんそくとゲッコウガのかげうちが命中してゾンビを戦闘不能にし、

 残るはゾンビ犬のみとなった。

 しかし、ルカリオはここまで連続で攻撃を食らい続けているせいか体力が減少しており、

 その表情にも疲れが見え始めてきていた。

 そこにゾンビ犬が容赦なく体当たりを食らわせ、ルカリオは吹き飛ばされてしまう。

「ルカリオ!」

「くっ……。私はここで、終わるのか……? ゲッコウガ……すま、な、い……」

 最早限界ギリギリとなったルカリオは、意識を手放そうとしていた。

 その時だった。

 

「ギャラクシーヒール!」

 女性の声と共に、ルカリオの傷が急速に癒えた。

 そして、しゅたっと女性―ロゼッタと共に、ヨッシー、メタナイト、シュルクが現れた。

「やはり、ここでは力が落ちているようだな……。全快には至らなかったか」

「ロゼッタに、メタナイト……それに、シュルク?」

「倒れる直前に、お前達の波導を感じたが……まさか、援軍か?」

「そうだよ。あまり、無茶はしないでよね。ロゼッタでも治せない傷を負わせないために」

 そう言ってシュルクはモナドを構え、メタナイトもギャラクシアをゾンビ犬に向ける。

「後は私達に任せろ」

「あ……ああ!」

 ルカリオとゲッコウガが後ろに下がった後、メタナイト達はゾンビ犬に立ち向かった。

 

「行きますよ~!」

 ヨッシーが卵の中に入って体当たりを繰り出し、メタナイトが乱れ斬りでゾンビ犬を切り刻む。

 ゾンビ犬はルカリオに噛みつこうとするが、

 それをシュルクが未来視(ビジョン)で見切ったのかその攻撃は当たらず、反撃でゾンビ犬を斬った。

 何度も攻撃を食らったのか、流石のゾンビ犬もよたついていた。

「今ですよ、ルカリオさん!」

「うむ! はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ルカリオはきあいだめで自らの気を溜めた後、波導を最大限まで高めて大技の構えを取る。

 

「波導の力を見よ! はどうのあらし!!」

 そして、ルカリオが一直線に波導を発射し、それがゾンビ犬を貫くと跡形もなく消滅させた。

 

「……終わった、な」

「……終わった、ね」

 ようやく戦闘を終わらせ、空を見るルカリオ達。

 空は灰色に染まったままだったが、彼らから見ると美しく見えたようだ。

「やはり、この世界は何かがおかしいようだ。

 波導も、良からぬものが感じられる。邪悪な……狂気が混ざったような……」

「……?」

「でも、仲間が見つかってよかったですね~」

「そうか、戻るぞ」

「えっ、どうしてですか? ……あ!」

 ルカリオに言われ、ヨッシー達ははっと気付く。

 そうだ、仲間を探すのが目的だったのだ。

「私とゲッコウガを見つけたのだから、もうここに用はないだろう?」

「そ、そうですね~。じゃあ、ラストホープに戻りましょうか~」

 ルカリオに言われ、ヨッシー達はラストホープに戻るのであった。

 だが、ルカリオが感じた良からぬ波導とは、一体誰のものなのだろうか……。

 それについてはまだ、分からない。


 
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