No.963747

PokemonSM CosmosEpic 14:火の試練

フウイさん

ネタ要素しかなくてツッコミが追い付かない、あの試練がやってきた!

2018-08-15 16:53:17 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:324   閲覧ユーザー数:324

火の試練

 

 

「ここが、ヴェラ火山公園やね」

「そのとーりだロトッ!」

 

視界に入ってきたその火山を見上げて、場所を確認するためにヨウカはロトムに問いかける。

この火山で、アーカラ島の試練の一つ・・・火の試練が行われる。

 

「でもここってまだ活火山なんやろ、そんなところにいてホントのところ大丈夫なんかなー?」

「ダイジョウロト!

ダイジョウブだからヒトがいるロト!」

「それもそうやし・・・それならならええんやけど」

 

どこか不安を抱えつつもヨウカはその火山をのぼっていく。

道中ではブビィをはじめとする何匹ものほのおポケモンや、カラカラなどの山岳地帯に住んでいるようなポケモンがたくさん生息している。

そして各所には人の姿もあり、話を聞いたところこの火山を管理しているサポーターとのことだ。

こういう人達がいるから大丈夫なのだろうなと思いつつヨウカは火山の頂上を目指して上っていく。

 

「・・・うーん、やっぱ火山やねぇ。

上に行くにつれてあつくなってきたよぉ」

「スイブンホキュウは、こまめにやるロト」

「わかってるよー」

 

そう言ってヨウカは休憩スポットで水筒の中に入れてたおいしい水を飲む。

氷を少し入れておいたので、水はとても冷たくて美味しさがあがっているのだ。

水分補給を終えたヨウカは上を見て火山の火口へ一気に上っていくと、開けた場所にでた。

 

「ここは・・・」

「よくきたな!」

「あっ!」

 

そこにいたのは褐色で体格のいい身体に黒と赤の2色の髪を持つ少年。

以前オハナタウンで出会ったマオやスイレン、そしてツキトの友人であるカキだった。

 

「カキさん!」

「待ってたぞ、ここでオレが行う試練にお前が挑みにくるのを!

確か名前は、タツミヨウカって言ったな」

「はい、ヨウカです!

ここの試練に挑戦にきましたっ!」

「いいだろう、さぁゲートをくぐってここに来い!」

「はい!」

 

そう言ってヨウカは少しずれてたヘアバンドを整えると顔を上げて、キャプテンゲートをくぐった。

このゲートをくぐったら試練を受けることになると、以前受けたスイレンの試練で学んだのだ。

 

「このカキの試練は、ファイアーダンスに準えて行われる!」

「ふぁ、ファイアーダンス?」

「そうだ」

 

ガイドブックに書いてあった、アローラ地方はファイアーダンスが盛んだと。

確かに炎ポケモンとは相性が良さそうな内容ではあるが、一体どんな試練なのだろうか。

ヨウカはあることを連想し、それを直接口に出す。

 

「じゃ・・・もしかして、あたしも踊るのっ!?

あたしスポーツはできて体力には自信あってもダンスは苦手やよっ!」

「いや、お前が踊る必要はない。

踊りを披露するのは・・・このガラガラ達だっ!」

「わっ!」

 

そう言って姿を見せたのは、ガラガラによく似たポケモンだった。

黒っぽくて、骨の両端では青い炎が燃え上がっている。

カキの言葉から、このポケモンがガラガラであることはわかったがヨウカはそれに違和感を感じた。

 

「あれ、あたしが知ってるガラガラじゃない?

もしかして、リージョンフォームってやつなん?」

「そうだロト、ヨウカがしってるのはじめんタイプのガラガラで、アローラのガラガラはほのおとゴーストだロト」

「へぇ」

 

ロトムは図鑑を見せながらヨウカに説明する。

 

「確認が終わったところで、試練開始しようか」

「はーい!」

 

 

カキの試練は、今までのとひと味違った。

 

「ここまで突破するとは見事だな」

「えへへっ」

 

彼の試練はガラガラの踊りをみて、ポーズを見比べて違いを見つけるというもの。

いわゆる、間違い探しのようなものだ。

一回目はガラガラのポーズの違いを発見し、それに答えてガラガラがヨウカに戦いを挑んできた。

ほのおとゴーストという二つのタイプを併せ持つそのガラガラにたいしヨウカはニャーくんを出してむかえうつ。

ガラガラの猛攻を持ち前のスピードを生かしてかわし、強烈な攻撃技を繰り出して倒し、最初の勝負を突破した。

 

「タツくん決めて、りゅうのいかりっ!」

 

次に出てきた山男にポケモンバトルを挑まれ、その山男をタツくんの力を借りて倒したのだった。

この山男はさっきと同じようにガラガラの舞の違いを比べるとき突然出てきたのだが、そのときヨウカはこの山男を無視したい気持ちでいっぱいになった。

だが、明らかにここにいるのがおかしくてそこを指摘したら、それが正解だったのだ。

 

「でも、なんで山男・・・」

 

ヨウカは勝利した後でも山男の存在が気になりつつも、試練を続ける。

 

「次、始めるぞ」

「わ、わかりましたっ」

 

カキの言葉に答えて、ガラガラ達の踊りをまた見る。

まずは最初のポーズをとると、そこには当たり前のように山男がとけ込んでいた。

 

「また山男・・・」

「ヨウカ、もうシカトしていいロトよ」

「わかった」

 

ロトムの言葉に同意して返事を返す。

 

「さっきとの違いを教えてくれ!」

「はいっ・・・て、ひょわぁぁぁあっ!?」

 

最初の光景と今の光景を見比べて違いを見つけるため顔を上げてそこを見てみると、そこには衝撃の光景が存在していた。

ポーズを決めるガラガラと山男の後ろに、黒いからだを持つポケモンが飛び出していたのだ。

その姿はどことなく、ヤトウモリに似ている。

 

「な、なんかガラガラとやまおとこさんの後ろに!

知らないポケモンがいるよぉ!」

「なんと、そこに気付くとは・・・すばらしい!」

「ふつうに気づくよっ!」

 

カキにそうツッコミを入れてると、ガラガラと山男を押し退けてそのポケモンがヨウカの前に立ちはだかった。

 

「ではゆくがいい、主ポケモン・・・エンニュートっ!」

「シュウァァァーッ!」

 

カキのその声に答えるように主ポケモンであるエンニュートは体をくねらせながら高い声で鳴いた。

戦闘態勢に入った合図だ。

 

「これが主ポケモン・・・!

登場の仕方といいただ者じゃないね・・・!」

「ヨウカ、エンニュートはヤトウモリのシンカケイだロト!

タイプはシンカマエとおなじ、ほのおとどくだロトよっ!」

「オッケー、わかったよ!」

 

ヨウカはモンスターボールを取り出しそれを投げ、そこからポケモンを出す。

 

「サニちゃん、いって!」

 

それはエンニュートに相性のいいサニちゃんだった。

ここの試練がほのおタイプのポケモンを使うと聞いたときから温存していたのだ。

 

「サニちゃん、バブルこうせん!」

 

まずは効果抜群のみずタイプの技でエンニュートに攻撃し、先手でダメージを与える。

それが効いたエンニュートは一度ひるむような動きを見せるも倒れることはせずサニちゃんに向かってりゅうのいかりを放つ。

 

「シュアァッ!」

「サニゴゥ!」

 

さらに急接近してからのドラゴンクロー、そしておうふくビンタで畳みかけてくる。

反撃でサニちゃんはとげキャノンを放つがエンニュートはそれを身軽に回避していき、サニちゃんに向かってどくどくを放ってきた。

 

「サニちゃん!」

「さ・・・にぃ・・・」

 

どくどくを受けたサニちゃんは苦しそうに呼吸した。

先ほどの技によってどく状態になってしまったのだ。

そんなサニちゃんに向かってエンニュートはベノムショックを放ってきた。

どく状態のポケモンに当たると威力が倍になる技だ。

 

「やば、サニちゃん一度戻って!

タツくんお願い!」

「たっべぃ!」

 

ベノムショックが命中する前にヨウカは一度サニちゃんをボールに戻して、かわりにタツくんをそこに出して戦わせる。

 

 

「しねんのずつき!」

 

エンニュートに呼ばれて出てきたヤトウモリをタツくんはその技で倒し、直後に飛んできたエンニュートのりゅうのいかりを同じ技でむかえうつ。

りゅうのいかりが互いに相殺された後、タツくんはエンニュートに向かってずつき攻撃を繰り出す。

だが、そのときエンニュートははじけるほのおでタツくんの攻撃を妨害しさらにかえんほうしゃで追撃する。

いくらドラゴンにほのおはあまり効かないとはいえ、連続攻撃されて平気なわけがない。

目にも留まらぬ連続攻撃で、タツくんの体力は一気に削られる。

 

「しねんのずつき!」

「シャァァァアッ!」

「たべっ!」

 

相性のいい技で攻めようとしたが、ドラゴンクローで迎えうたれて、それにより大ダメージを受けてしまう。

 

「タツくん戻って!

そして・・・もっかいお願い、サニちゃん!」

 

吹っ飛ばされているタツくんにモンスターボールを向けて、タツくんをボールに戻すヨウカ。

そしてもう一度サニちゃんをそこにだす。

 

「さにさっごぉー!」

「お・・・?」

 

改めて出てきたサニちゃんからは、毒が消えてなくなっていた。

 

「やっぱり、毒がなくなった!」

「トクセイの、しぜんかいふくだロトねッ」

「うん!」

 

このサニちゃんの特性はしぜんかいふくだ。

だからどく状態も回復し、再び元気な状態で戦うことができる。

そんなサニちゃんにエンニュートはまたどくどくを放ってきたが、ヨウカはバブルこうせんを指示してそれを相殺する。

 

「シュアッ!」

「とげキャノン!」

「さに!」

 

はじけるほのおをとげキャノンで打ち消したサニちゃんは、そこからバブルこうせんをうってまたダメージを与える。

バトルは一見優勢だが、サニちゃんの攻撃はいまひとつ決定打にかけている。

 

「そうだ・・・今なら!」

 

そのときヨウカの目に留まったのは左腕につけたZリング。

ヨウカはそのリングに青いZクリスタルを装着するとサニちゃんに向かって呼びかける。

 

「サニちゃん、いくよぉ!」

「サニーッ!」

 

ヨウカの声に答えるようにサニちゃんも構える。

それを見た後、ヨウカはZリングをつきだし、そこからポーズを決めてサニちゃんにZパワーを与える。

 

「スーパーアクアトルネード!」

 

ヨウカがZリングにつけたZクリスタル。

それはスイレンの試練を突破したときにもらったミズZだった。

 

「なんと・・・!」

 

カキの目の前で、サニちゃんはZパワーを身にまとい、そこから激流を引き起こしてエンニュートを巻き込んだ。

そのZワザが決まり、主ポケモンであるエンニュートは戦闘不能となった。

 

「ほへぇ・・・やったぁ・・・!」

 

Zワザの反動で体力を使ったヨウカは疲れて、その場にへたりこんだ。

 

 

主ポケモンの戦闘不能、それが示すのはほのおの試練の達成。

カキは主ポケモンに声をかけてお疲れさまというと、エンニュートはほかのヤトウモリとともにそこを去っていった。

踊りの広場では、この試合を見ていた先ほどのガラガラ達がいた。

 

「ここのぬしポケモン、見事にZワザを決めてエンニュートを倒すとは・・・やはりできるトレーナーだな!」

「えっへへ」

「それにバトルの途中の判断も見事だった。

どくを受けたらすぐに戻して特性を使って回復する作戦、ポケモンに出す技の指示のタイミング・・・絶妙だ。

きっと、このアローラでもピカイチなポケモントレーナーになれるだろう」

「え・・・」

 

カキのその発言に、ヨウカは戸惑う。

そんなヨウカの反応にカキはどうしたんだ、と問いかける。

 

「だ、だってあたし・・・今はアローラにすんでても、元は言っちゃえばよそものだよ?

もしかしたら、また別の理由で引っ越す可能性だってあるし・・・。

そんなあたしがアローラでピカイチになっても、ええのかなぁ?」

「そんなことか、それなら問題ない。

お前がアローラでもトップクラスのトレーナーになっても、誰も文句は言えないだろう。

オレもお前を認めている。

それはお前がほかのところへいっても変わらないさ」

「カキさん・・・」

 

カキのその言葉にヨウカは励まされ、再び笑みを浮かべる。

そんなヨウカの表情を見てカキは安心し、あるものを取り出してヨウカに差し出した。

 

「これが炎の試練を突破した証のZクリスタル、ホノオZだ」

「ありがと、カキさん!」

 

ヨウカは赤いZクリスタルを受け取ると、にっこりと笑う。

これで4個目のZクリスタルだからだ。

 

「ホノオってことは、ニャーくんと相性よさそうやねっ」

「ヒニャ」

 

そうZクリスタルをみせながらニャーくんにそう声をかけると、ニャーくんもうれしそうな笑顔を浮かべる。

 

「オレはここで踊りを続けつつポケモン達をさらに磨こう」

「踊りとカキさんって関係あるの?」

 

ヨウカのその問いに対し、カキはああ、と返事を返す。

 

「・・・オレの夢はアローラでトップの、ファイアーダンサーなんだ」

「ファイアーダンサーかぁ」

「そのためにオレは日々練習をしている。

そしてキャプテンであることにも誇りを持っているし、卒業まで続けるつもりだ」

「そっかぁ・・・カキさんもがんばっとるんやね」

 

カキの夢を追いながらキャプテンの役目を果たそうとしている姿勢にヨウカは関心と尊敬を抱く。

 

「でも、山男は使わないでほしいなぁ」

「何か言ったか」

「あ、ううん、なんでもないよ!」

 

失言しそうになっちゃったかと、ヨウカは慌ててカキの前から立ち去っていった。

 


 
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