No.963554

東方天変陽 第四話・二神の二人の使命(総括版)

幻想郷の東方。
そこにある草原郷がが龍神様によって水没させられてしまった。
その水没した辺りを水源郷と賢者は定めた。
その水没して出来た海のような湖を界面湖と言う。
その界面湖と水源郷を巡る話。

2018-08-13 20:43:44 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:223   閲覧ユーザー数:223

澪は静玉とノイが去るのを見ると、早速、変陽を相手取り用件を話す。

 

澪「さっき話したように、僕の名前は幼夢 澪、改めてよろしく。」

 

変陽「私は変陽だよ。よろしくね。」

 

澪「無礼講ね。それもいいわ。

さて、用件は頼み事よ。

水源郷の様子を見て欲しいのよ。

人じゃなくて・・・妖怪の目を気にしない空寝の様子をね。」

 

澪は一見すると、変陽より一回り小さい体をしている。

逆に変陽は体長もバストも立派に成長しきった体をしている。

 

続けて澪が発言する。

 

澪「水源郷は今、変化を続けているわ。何故なら、急速に幻想入りが進んでいるからよ?

その内、大変な事が起こる・・・いえ、起こすのよ。空寝が。」

 

変「その為に軍隊を集めているよね。確かに一理有るよ。」

 

澪「でも、その大変な事を小さくして阻止するのは君よ?変陽。」

 

変「そうなんだ。そんな事するのなら、当然、それじゃあ私と空寝が戦う事になっちゃうね。」

 

澪「私は君が喋ったそのままを(しゃべ)ろうとしたのよ。

驚いたわね、君は頭が回る方なのね。」

 

変「じゃあ、私と空寝は・・・。」

 

澪「宿敵同士って事になるわね。それで本当の用件っていうのが・・・・空寝の監視よ。」

 

変「私に出来る?」

 

澪「出来るわ。きっとね。」

 

変「じゃあ戻るね。水源郷にね・・・・・・。」

 

変陽は空寝の事を見に水源郷と幻想郷の(そら)の境界から、水源郷に帰ろうとする。

 

澪「一度見たら報告しに来てね!!」

 

遠くなって小さくなった澪を振り返る変陽は、水源郷へ背中から落ちる。

次の瞬間、雲を抜けもう水源郷の界面湖が変陽を出迎えるのだった。

 

そして、湖に向かって落ちて行く変陽・・・・。

一方、ノイと静玉が龍神様の元を訪れていた。

荘厳な音楽が鳴る中、二人はレッドカーペットの上をひたすら歩く。

 

?「このカーペットははるか遠くまで届くから、全部は歩かなくても良いぞ。」

 

ノイ「九〇龍神様の四通目、ましも様であらせられる。」

 

と言ってノイはひざまずく。

続いて、静玉が急いでひざまずく。

静玉が座ったままの姿勢で、前を向くと、そこには人間にして二十歳くらいの女性が立っていた。

黒の長い髪に黒い瞳だった。

ましもは静玉の耳元にささやく。

 

ましも「お前の祈りに応じてやったぞ。」

 

静玉「ましも様。私の祈りが通じたのでございますか?」

 

感激して泣いてしまう静玉に龍神様が答える。

 

ま「私には通じたとも、冥府の主の私にはな。」

 

ノ「恐れながら、ましも様。その辺りの背景は私から話しました。」

 

ま「そうか。それならもう用件を話しても良いな。

界面湖の事だ。

光害が酷くてな。」

 

ノ「書くと、光の害という字になる。」

 

とノイが補足する。

 

静「光の害で”光害”でございますか?」

 

ま「そうだ。光害が酷いからそれを防ぐ工事をしてほしいのだ。」

 

ノ「これは又、冥府の主らしからぬ慈善事業を・・・。」

 

ノイは声を震わせながら、発言する。

よっぽど”龍神様”が恐ろしいのだろう。

 

ま「私が費用をもつから人手・・・いや妖怪か。妖怪の手を貸してほしいのだ。」

 

一息ついて又ましもが話し始める。

 

ま「それはそれとして、”変陽”はどうした? ノイ???」

 

ノ「彼の神、”あめのひつくのかみ”に取られました。」

 

”あめのひとくのかみ”とは、

昭和の預言書・「日月神示」で紹介されている神だ。

 

ま「そうか。というわけで静玉よろしく頼む。」

 

又、今度は静玉が一息ついて答える。

 

静「はい! ましも様がおっしゃられるならば、必ずそのように致します。」

 

ま「では、ひとまずは帰って良いぞ。」

 

去っていくましもに改めてひざまずく二人。

やがて足音が聞こえなくなると、ノイが静玉を立ち上がらせ、再び先導をする。

二人は龍神様の住居から去って行く。

 

(ご用件は一体どうしたんだろう。)

 

という現状を把握出来ていない静玉にノイが説明する。

 

ノ「ましも様から全て話して頂いている。いつ・どこでというのは私から説明する。」

ここは、雨樋・スカーレットの屋敷。

水源郷の界面湖の孤島。

その孤島に構える屋敷を空寝は訪ねていた。

 

変陽が己の使命を悟った後の事。

 

空寝が屋敷から出て来た雨樋に協力を求める。

 

空寝「雨樋・スカーレット。

私の下に付いてほしい。

そして、その吸血鬼の力を我が軍の為に存分に振るってほしい。」

 

雨樋「だめ。ところでどこと戦争するの? 水源郷VS紅魔郷なら興味があるけれど・・・。」

 

空「幻想郷の天だ。」

 

雨「なんだ。吸血鬼の私があなた側についてもろくに戦えないと思うけれど? 太陽のある限りね。」

 

”戦えない”その一言に、内心仕方なく空寝は雨樋を諦める。

 

その様子を始終見ていた変陽は雨樋を空寝が戦いに誘ったという事実を澪に報告しに行く。

 

 

 

変陽「戻ったよ」

 

と変陽が挨拶する。

 

澪「早かったわね。」

 

と澪が返事をする。

 

それから変陽が澪へと報告をして澪はしばし考慮する。

 

澪「分かったわ。僕の配下から”スノウクマン”を派遣するわよ。後で、君の軍に加えてね。変陽。」

 

水源郷への干渉は澪にとって楽しい事らしい。

変陽から見てノリノリだからだ。

 

澪「僕に都合が良すぎるかも知れないけれど、君は水源郷へ一度帰ってね。

僕はスノウクマンを通して一度、水源郷を見てみるわ。」

 

変「スノウクマンって誰?」

 

変陽が質問する。

 

澪「天使の一人だけれど、無名だから僕が使っているわ。」

 

変「そう、じゃあね。澪。」

 

澪「さようなら、変陽。小戦争が起こってしまうのは残念だけれど、頑張ってね。」

 

 

 

再び水源郷へと帰る変陽、途中で静玉とノイに合流し、空寝と会う。

 

空寝は慌てて。

 

空「大変だ。博麗の巫女たちが水源郷を狙っているらしいんだ。守りを固めなければ・・・・。

いや、それよりもいっそ博麗神社を占領してしまおう。」


 
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