No.958178

真・恋姫†無双~黒の御使いと鬼子の少女~ 63

風猫さん

白髪の鬼子と黒の御使いの、守るために戦い抜いたお話

オリジナルキャラクターが蜀√に関わる話です。

大筋の話は本編とほぼ同じですが、そういったのがお嫌いな方はブラウザのバックボタンをお願いします。

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2018-06-28 21:42:33 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:973   閲覧ユーザー数:940

城に戻ると同時に俺たちを探そうと表に出ようとしていた星と遭遇した。

 

「おお、ちょうどよかった。お二人をお探しに出ようとしていたのですよ」

「俺たちを? 何かあったのか?」

「ええ。まぁ詳細は奥で」

 

 そう言って俺たちを案内しようとした星が何かを思い出したかのように手を打ってから振り返る。

 

「手を離すのであれば、正門の正面はやめたほうがよろしいかと思いますぞ」

「ごふっ!」

「せせせせ、星! 何のことだ!」

「いやはや。互いに奥手だと思っておりましたが……」

 

 こいつ、悪人の顔をしてやがるっ!

 

「それよりもっ! 今は! 奥に行かなきゃいけないんだろっ!」

「おお怖い怖い」

 

 くそっ、後でからかわれるネタを作ってしまった、なんて思っていると星が近づいて耳打ちをしてきた。

 

(玄輝殿、英雄とは色を好むものですが、気持ちに気が付かんのは罪ですぞ?)

「ん? 何のことだ?」

「……はぁ、これでは“英雄”には程遠いですな」

「え? ちょ、何だよ! 何のこと!?」

 

 それっきり彼女は呆れたため息を吐くだけで俺の質問に答えずにそのまま玉座の部屋にたどり着いてしまった。

 

 玉座の部屋には皆が揃っていて、北郷が最初にこちらに声をかけてきた。

 

「ああ、玄輝と愛紗、一緒にいたの」

「……ああ」

「……えっと、なんかあった?」

「…………気にするな」

「……うん、何となくわかったからいいよ」

 

 多分、星の表情を見て察してくれたのだろう。咳ばらいを一つして話を始めた。

 

「実は、さっき使者の人が来て“徐州の州牧”に任命するって話になったんだ」

「州牧? なんだそりゃ?」

 

 その質問には朱里が答えてくれた。

 

「かつては刺史と呼ばれていたもので、霊帝の時代に名前が変わったんです。太守のようなものだと思ってください」

「太守!? 出世したもんだな……」

 

 太守って言えば領主みたいなもんだ。そうなると今よりもずっといろいろなことができる。まぁ、何ができるかはよくわからんが。

 

「で、州牧になったのはいいとしてこの町はどうなるんだ? 一緒に管理するのか?」

「いえ、おそらくですけど朝廷より後任の方がいらっしゃって、その方が管理することになると思います」

「……そうか」

 

 まぁ、それも致し方なしか。

 

「じゃあ、すぐに移動を始めるのか?」

 

 それについては北郷が答えてくれた。

 

「うん。二人には悪いけどもうある程度役割は決めちゃってるんだ」

「いいさ。それで、どうなっているんだ?」

「玄輝は愛紗と星と一緒に兵の移動をしてほしいんだ」

「了解。それと皆に少し話がある」

「……どうしたの?」

 

 俺の雰囲気からただ事ではないのを察した北郷が声のトーンを落として聞いてくる。

 

「実は、西涼に白装束がいるかもしれん」

「白装束が?玄輝、それ本当なの?」

「いや、確定ではない。だが、白装束と会った時の記憶の欠乏のようなものを行商人が西涼に行った帰りに体験したそうだ」

 

 北郷はそれを聞いて考えるそぶりを、桃香は眉をハの字にしてしまい、周りの皆も顔をしかめてしまう。

 

「……それじゃあ、玄輝」

「……出来れば引っ越しが終わった後に、西涼へ向かいたい」

 

 昨日の今日でこれはさすがにとも思うのだが、放置していていい問題でもない。

 

「身勝手なことをいっているのは重々承知だ。ただ、知っていて何もできない、何もしないなんて今の俺には出来ん……」

 

 そこで深くもう一度頭を下げる。

 

「頼む、行かせてくれ」

 

 空気がしんと静まり返る。

 

(タイミングが、悪いよな我ながら……)

 

 しかし、その静まり返っていた空気をひとつのため息が砕いた。

「まぁ、情報が手に入った以上は致し方ないでしょう」

「星……」

「そも、何かに気をとられた状態で戦われるのも足手まといでしょう」

「うぐっ」

 

 くっ、中々に痛いところを……!

 

「……ですから、全て片付けて一回り大きくなった玄輝殿を見せてもらうことにしましょう」

 

 そういって悪人面でにやりと笑ってこちらを見た。

 

(たっく、コイツは……)

 

 ホントこういうことに関しては天才的だと本気で思う。そしてその言葉に皆も小さく笑ったり呆れるような反応をしたりしていたが、さっきの空気は消えていた。

 

「…………でも、雪華ちゃんはどうするんですか」

 

 雛里ただ一人を除いて。

はいどうもおはこんばんにちわ。作者の風猫です。

 

いやはや、少し期間が空いてしまいました。

 

それもこれも俺を魅力してやまないドン勝が悪いんや……

 

あれは、あれはいけないお薬みたいなもんなんや……

 

勝った時の、アドレナリンが、脳汁がぁああああああああああ!!!!!

 

……と、言い訳をしたところでまた次回。

 

何かありましたらコメントの方にお願い致します。

 

では、これにて!


 
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