No.952849

ビーストテイマー・ナタ36

リュートさん

昔、書いていたオリジナル小説の第36話です。

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2018-05-17 23:13:31 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:98   閲覧ユーザー数:98

二人は思い出の夜のように、熱い抱擁と接吻を何度も繰り返しました。

 

「フラウ、今夜は寝かせませんよ?」

 

「ふふ、この日が来るのをどんなに待ちわびた事か…」

 

「私はなぜかあなたの魅力には抗えない…。あの日もそうでした…。どうしても我慢できなくなって…。神に仕えるシスターにあのような真似をしてはいけないと、いくら自分に言い聞かせても抑えきれませんでした…」

 

「私も同じです。シスターになってから、清廉潔白を貫いて来ましたが、そんなものはどうでもよくなるほど、あなたを求めていたのです」

 

「もしやフラウはチャーミングの魔法を使えるのか?もしそうなら恐ろしい人だ…」

 

「いいえ。私は魔法は使えません。例え使えたとしても、愛する人の記憶を操作してまで、自分のものにしたいとは考えないと思います。私が望むのは愛する人の幸せだから…」

 

「私はあの後、激しく後悔していました。なんと愚かな行為に及んでしまったのか?とあの時の自分を責め続けていました…」

 

「私は後悔などしていません。例え神に背いたとしても、人を愛する事を咎めるような神を信じるつもりはないからです」

 

その頃、ナタは別の部屋でアークと一緒に話していました。

 

「おじさん、お姉さんのお部屋にいるのかな?なんかエッチなこと考えてる気がする…」

 

「今日はお二人の初夜ですので、そっとしておいて差し上げましょう」

 

「おじさんがエッチなこと考えてる時ってナタにもわかるんだから!」

 

「そうですね…。使い魔からの言霊が飛んで来るのですか?」

 

「うん、だからナタもおじさんの為に魔法でお胸をおっきくしたんだよー?でもナタよりお姉さんのお胸の方が良いみたい…」

 

「ナターシャ様はフラウ様に嫉妬なさっておられるのでしょうか?」

 

「嫉妬ってなぁに?」

 

「人を愛するが故、他の者に奪われることを畏れる感情のことです」

 

「うーん。ナタ、おじさんとずっと一緒にいたいだけなのー。お姉さんと一緒にいる時はナタが邪魔者扱いされるから嫌なだけー」

 

「今は私がナターシャ様のおそばにおりますので、ゲイザー様の代わりと思って我慢してくださいね」

 

「うん、良いよー。アークとおじさんってなんか似てるから。アークの方がカッコ良いけど」

 

「私もそう思いました。ゲイザー様とは気が合いそうだなと、オズワルド様の部下として働いていた頃から感じておりました」

 

…つづく


 
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