No.939045

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズクリード~番外編 エクササイズプログラム

okakaさん

リハビリ企画3つ目です

2018-01-27 00:19:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:730   閲覧ユーザー数:637

番外編【エクササイズプログラム】よいこのじかん~カズキおにいさんとアーム・スレイブにのってみよう~

今回の生けn・・・訓練生:ディア、こなた、アンジェ、支配人

 

 

―――――――旅団本部【楽園】機動兵器用野外演習場―――――――

 

 

「よーしお前ら、整れーつ」

 

「「「「はーい」」」」

 

 

野外演習場に響き渡るokakaのゆるい号令に訓練生達がぞろぞろと並びだしたその瞬間、okakaが手に持ったサブマシンガンをフルオートで訓練生達の足元めがけ乱射した。

 

 

「チンタラしてんじゃねぇウスノロ!2秒で並べ!」

 

「いきなりキャラ変わりすぎだろ!oka「うるせぇ!」だぁぁぁ撃つなって!」

 

 

思わずツッコミを入れた訓練生の一人、支配人の抗議も虚しく薬莢が宙に舞う。

 

 

「上の口からクソ垂れる前と後ろにサーを付けろとまでは言わん。だがこの訓練中は俺が法律だ。文句があるやつは言ってみろ、鉛玉で返答してやる」

 

 

((((言えるわけねぇ!))))

 

 

その場にいる全員が直立不動で無言を貫くと、okakaは銃口を下げ、訓練生達の前に立った。

 

 

「はい、というわけでこれからASの操縦訓練の初頭訓練、その実技を行う。今日ここにいない奴らは後日同じ訓練を受けてもらうので後で通達するように。それとディアは毎回強制参加だ。良いな?」

 

「はい!教官!」

 

 

直立不動のまま訓練生の一人であるディアが答える。それを見たokakaは満足そうに頷くと、わざわざ持ち込んだホワイトボードに書かれている訓練プログラムをサブマシンガンに取り付けたレーザーポインターで示した。

 

 

「ではまず服装チェックだ。全員、専用の操縦服を正しく身につけているな?着心地はどうだ?」

 

「大丈夫です」

 

「OKデス」

 

「前にも着たしな」

 

「・・・私のちょっとキツい「黙れ」ふぎゃっ!」

 

 

訓練生の中で一人だけ不満を漏らしたこなたの首根っこを掴み上げたokakaがこなたをディアに向かって投擲、胸部にクリーンヒットしたディアはこなたもろとも地面に倒れ込んだ。

 

 

「そもそも小学生サイズの操縦服なんざそうそうあるもんじゃねぇ。特注サイズなんだから我慢しろ。服に体を合わせな」

 

「・・・着心地聞いたくせに」

 

 

不満たらたらなこなたがのそのそと起き上がる。なぜかぶつけられたディアも不満そうな顔をしながら起き上がった。

 

 

「で、お前ら。・・・痛くなかったろ?」

 

「「・・・たしかに」」

 

 

二人のはっとした表情にokakaは満足そうに頷くと、自分の操縦服のヘッドギアをディアに投げて渡した。

 

「触ってみれば解るだろうが、ASの操縦服は衝撃吸収層に高分子素材を使用している。この素材はビルの6階から生卵を落としても割らずに受け止められるアルファゲルという素材だ。こいつのおかげで二人は怪我をしなかったわけだ」

 

「・・・あ、すごい。指が沈む」

 

「次私!次私に触らせて!」

 

「私も触りたいデス!」

 

「各自一回触って確かめとけー。で、だ」

 

 

okakaの言葉にヘッドギアに夢中になっていた訓練生達が一斉に向き直る。最後に触っていたアンジェからヘッドギアを受け取ったokakaはそのままそれをかぶりながら講義を続ける。

 

 

「このスーツはAS戦闘時に生じる強烈な衝撃から身を守る最後の砦だ。なので着替えられない程の非常事態でもない限り必ずこの服を着ること。たとえスクランブルでもだ。別に着なくても操縦はできるが、無駄な怪我や痣を作りたくなければ絶対に着るように。・・・着るだけで生存率が大幅アップするからな。特に高機動な第3世代機では必須だと思っとけ」

 

「「「はーい」」」

 

「ちなみにこのスーツはそれ以外にも防弾、防刃、耐火性能を持っている。さらに体温調節機構まで付いた優れものだ。そのまま戦闘服にしていいレベルの非常に優秀なスーツであることを覚えておけ」

 

「だからオカやんのはプロテクターとかついてるの?」

 

「ま、そんなとこだ」

 

 

そう言って胸を張るokakaの黒い操縦服はたしかに特殊だ。全身に付いたプロテクター部分にはそれぞれセラミックの防弾プレートを入れる事ができる上に様々なポーチやホルスター、必要ならばその上からチェストリグ等の歩兵用装備を着る事ができるようになっている。完全に歩兵戦闘を意識した特殊部隊向けの操縦服はその色と相まっていかにも歴戦の兵士といった佇まいを生み出していた。

 

 

「さて、操縦服についてはここまで。まずはASに乗る前に行う事がある。・・・はいアンジェ訓練生!」

 

「エ、アー・・・機体状況の確認デス!」

 

「はい正解。これは搭乗する操縦兵(オペレーター)自身で必ず行うこと。10トン近い機械が動くんだからな、舐めてかかるとエライ目に合うぞ。万が一足元にトラブルなんてあってみろ。下手すりゃすっ転んでディアみたいに犬神家晒してお陀仏、なんてこともあり得るからな」

 

 

「僕引き合いに出す理由あります?「よし、それじゃあそれぞれ機体に向かえ」・・・はーい」

 

 

羞恥に顔を赤く染めたディアを無視してokakaは訓練生達を後ろに駐機させていたそれぞれのASへと向かわせた。

 

 

「・・・改めて見ると、やっぱりナイトメアより大きいなぁ」

 

「KMFが5~6m、ASは8.5~9mくらいが基本だからな。そんなに変わらないと思うかもしれんが、性能も駆動系もジェネレーターも全く別物だ。つまり見るべき場所も全く違うからしっかりとチェックを怠らないようにな」

 

 

自身が大枚叩いて購入した機体【Zy-99Mシャドウ(輸出仕様)】を見上げるディア、全高8.7m、重量9.8t、まるでアスリートの鍛え上げられた肉体をそのまま5倍ほどに大型化したようなスマートで均整の取れたフォルム、どこかKMFのランスロットタイプを思わせるヒロイックなツインアイ、特別に塗装してもらった青と黒のカラーリングはまさに自分の好み。輸出用に性能を落としたモンキーモデルではあるが、このフェイスパーツは輸出用のものでなければ装備されていない。

 

 

(前から思ってたけど、僕の好みに合ってる見た目なんだよなぁ)

 

 

自身の機体を感慨深げに見上げるディアをokakaが後ろからサブマシンガンの銃口で小突いた。

 

 

「ぼさっとしてねぇでさっさと点検しろ」

 

「あ、はい!すみません!」

 

 

また発砲されたら適わない。慌ててディアは目視点検を始めた。

 

 

「いいか、特に注意するべきなのは関節部だ。液漏れが無いか、小石みたいな異物が挟まってないか、しっかりと指差し、声出しも含めてしっかり点検しろよー」

 

 

okakaの指示通り、訓練生達が「右腰よーし、右膝よーし」などと声を出して確認を進めていく。その時、こなたが大声を上げた。

 

 

「オカやーん!このシャドウなんか右足首が湿ってるんだけどー!」

 

「ああ?・・・ちょっと待ってな。他は点検続けろ」

 

 

サブマシンガンを担いで工具箱を手に取ったokakaがこなたとアンジェの使用する機体【Zy-99Mシャドウ(輸出仕様複座型)】の足首を覗き込んでみると、たしかに何か黒ずんだ染みが関節の部分に浮いていた。

 

 

「あーこりゃ衝撃吸収ダンパーのパッキンの摩耗だな。そこから吸収剤が漏れてるんだ。中古品だし覚悟はしてたが・・・ま、これくらいなら野戦整備でなんとかなるからお前らでやってみろ。やり方は座学で教えたはずだよな」

 

 

そう言ってokakaが工具箱を二人の目の前に突き出す。しかしそれを見た二人は視線を逸らし、明後日の方向を向いた。

 

 

「・・・お前ら、座学で寝てたろ」

 

「そんな、何を証拠に「俺の左目に映像記録が残ってる」・・・知ってるなら聞かないでよ!意地悪!」

 

「そうデスヨ!オーボーデス!」

 

 

自分達のサボりを棚に上げて唐突に逆ギレしだす二人。そんな二人にokakaは静かに銃口を向けた。

 

 

「テメェ等、逆ギレすりゃごまかせると思ったら大間違いだぞ」

 

「「すみませんでした」」

 

「マニュアルも用意してあるからさっさと直せ。パッキンを変えて吸収剤を補充すればいいだけだ。後の本格的な整備は俺の所でやってやるからさっさと済ませろ。支配人とディアは修理の見学だけしといてくれ。手は出さないようにな」

 

「「了解(です)」」

 

 

二人の修理が終わるまで訓練を少し中断、その間にokakaは特殊作戦群とナンバーズの訓練状況を携帯端末のモニターで確認しながら訓練スケジュールの再調整を始めた――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――そして1時間後

 

 

「よーし直った!」

 

「遅かったな。あれなら30分で直せるレベルだぞ」

 

 

シャドウの修理が完了し、ようやく訓練準備が整った二人が工具を片付け終わるとokakaは仕切り直すように両手を打ち合わせた。

 

 

「よし、じゃあ搭乗するぞ。まずは右足首にあるパネルを開いて梯子の解放レバーをひねれ。支配人も同じだ。これまではハンガーから直接乗ってたからな」

 

「おう、えーっと・・・ああ、これだ」

 

 

一人だけ機種の違う支配人も含めて訓練生達がレバーをひねると、土下座みたいな降着姿勢のASの首元から一斉に鉄線型縄梯子が展開し、地面まで垂れ下がった。一本のロープの左右にステップの付いた簡易的で登りにくいがスペースを取らないタイプの梯子だ。

 

 

「登りにくいから気をつけて登れよ・・・さて、こっちも行きますか」

 

そう言ったokakaは自分の後ろに駐機させていたAS【M9A2SOP シグマ・エリート】に飛びつくと、梯子を使わずにスイスイと機体を登り訓練生よりもかなり速く搭乗ハッチにたどり着いた。

 

 

「さて・・・軽いだけあってこなたが早いな。・・・猿みたいな奴だ」

 

「インカムで聞こえてるぞコノヤロウ!」

 

「いいからさっさと登れ、後閊えてるじゃねぇか」

 

 

わざわざ一旦停止して怒鳴り散らす小猿を軽く流すとokakaは訓練生達が登りきるのを待った。

 

 

「よし、全員登ったな。ちなみに今俺がやった梯子を使わずに登る方法は熟練者でも危険だから絶対やらないように。では首元にあるコックピットの開放レバーを引いてハッチを開けろ。アンジェは首後ろの少し膨らんでる所にあるからそこのレバーを引け」

 

「ハッチオープン!」

 

 

アンジェのノリノリなテンションと共に低い駆動音がしてASの頭部がスライド、同時にアンジェの目の前の少し盛り上がった装甲部分もスライドし、狭いコックピットが露わになった。

 

「では、搭乗!シートになってるマスター・スーツに足から体を通すんだ」

 

「とう!」

 

なぜかこなたがカッコつけながらハッチに飛び込み、マスター・スーツを装着する。通常のASは操縦するオペレータの動作を機体が増幅してトレースする【セミ・マスター・スレイブ】というシステムで操縦する。コックピットに乗り込んだオペレータはマスター・スーツによって全身を固定され、そこから読み取った動きをASが拡大しつつ再現する機構だ。

たとえシャドウでもセプターでもコックピットの基本は同じだが、こなたのコックピットは通常とはいくつか違いがあった。

まず、マスター・スーツの内側に詰め物がされており、平たく小さなこなたの体のサイズに合わせられている。また、スーツの先端にある武装や細かい操作を行う操縦スティックまで手が届かないため、そこに有線のコントローラーを繋ぎ、それを握り込む形になっていた。また、フットレバーも高下駄のように大きくせり出し、短い足でもしっかりと踏み込めるようになっている。

これはokakaとPDがこの機体を購入すると打診を受けた際にありあわせのパーツを使って組み上げたこなた専用のものだ。身長を伸ばすことができない以上、コックピットを弄る他無かったのだ。

 

 

「いいか、俺が機体を立ち上げるまでまだ動かすなよ」

 

 

そう言ったokakaがシグマ・エリートのハッチを開け、機体に滑り込む。先に取り出したPDをメインモニターの前に接続し、マスター・スーツの手を通した。

 

 

『やっと私の出番だね。機体システムをマスター・モード7、訓練モードで起動するぞ』

 

「OK、やってくれ相棒」

 

 

PDの声と共に機体の動力源である常温核融合炉【パラジウム・リアクター】に灯が点り、コックピットにも小刻みな振動が伝わってきた。

 

 

「よし」

 

 

機体コンディションをチェックしたokakaは訓練生のASに通信をつなぐ。

 

 

「感度確認、順番に送れ」

 

『ディアーリーズ、良好です』

 

『支配人、OKだ』

 

『こなたOK』

 

『アンジェOKデス』

 

「結構、じゃあ機体を起動するぞ。まずはAPU(補助電力ユニット)を起動させろ。複座機はメインコックピットのこなたがやれ」

 

 

okakaの指示で訓練生達がそれぞれの機体のスティックの根本にあるボタンを押し込む。それまで真っ暗だった機体のモニターが起動し、青いスクリーンに白い文字でずらずらとOSのバージョン、機体の所属部署やシリアルコードとチェックプログラムの項目を表示していく。

 

 

「先に言っておくがブルースクリーンエラーじゃないからな。安心しろ」

 

『え?ああ良かった。変なとこ押したかと思った』

 

『ウルはまだいいさ、私等中古だよ?実はジャンクでしたなんてオチだったら目も当てられないよ』

 

 

本来、ASのモニターはフルカラーの高解像度モニターだ。しかし、今はまだ補助動力しか作動していないため、センサー類等も起動していない。あくまで最低限の電源が入ってるだけの状態だ。

 

 

『ASのヴェトロニクス(車載電子機器)はそれだけで莫大な電力を消費する。APUで起動できるのは必要最低限のCCU(中枢制御ユニット)だけだ。制御AIは起動しているから、まずは所属と姓名と認識番号を音声入力してハッチを閉じろ』

 

 

「えーと・・・OTAKU旅団、ナンバーズ、ウルティムス・マクダウェル。認識番号N-0017」

 

«声紋照合、確認。ようこそミスター、ご命令を»

 

 

ディアが恐る恐るAIの音声認識スイッチを押しながら入力すると、プリセットされているAIの男性型合成音声の返答と同時にモニターにもそれを示す文字が点灯。機体が恭順を示した。

 

 

「ハッチ閉鎖!」

 

«ラジャー»

 

 

意気揚々としたディアの命令にAIが従い、上半身が複雑にスライドする。内壁と外壁がしっかりと閉じられて、ハッチが閉鎖された。

 

 

「やった!できた!」

 

『よし、全員できたな。ちなみにASのコックピットは完全密閉式だ。なぜだか解るか?・・・はい支配人!』

 

『お、俺か!?えっーと・・・NBC『核、生物、化学』防御と水中行動機能だったか?』

 

『後もう一つ、高高度降下機能が備わってるってのがある。まぁお前らに水中行動や空挺降下までは求めんがな。だがASの基本的な能力として、そういう機能があるということは覚えておけ。コックピット内の温度も作戦行動に支障をきたさない程度には保たれる。喜べ、エアコン付きだぞ』

 

 

もっとも、そのエアコンは快適とまではいかないレベルの簡易的なものでしかないが。

 

 

『次は【マスター・モード】の設定だ。マスター・モードとは何か?はいこなた!答える』

 

「うぇ!?・・・高難易度設定?」

 

『安心しろ、座学サボってたお前の正当は期待してない』

 

「くぉんのぉ野郎・・・・・・(# ゚Д゚)」

 

『さて、見事にやらかしたこなたにも解りやすく説明しよう。マスター・モードとは機体の操縦系統に必要な機能から状況毎に適切なモードを選択して、それをセットにまとめたものだ。隠密用とか格闘用、長距離行軍用や狙撃モードなんてのもある。ではその各モードを全部言ってもらおう・・・はいディア!』

 

「え!?・・・すみません、全部は・・・」

 

 

バツの悪そうな表情を浮かべるディアにokakaがキレた。

 

 

『テメェ等!何のためにあのクッソつまらなくてクッソ面倒な授業までしてやったと思ってんだ!いいかもう一度言うぞ!?お前らの機体の場合、操縦モードが10種類!火器管制モードが11種類!索敵モードが8種類!ECSの作動モードが3種類!通信モードが6種類!GPL(Generator Power Level)が5種類!いいか?解ったな!?』

 

「そんなにいっぱい覚えらんないよ!」

 

 

既に容量がヤバいこなたが泣き言を言う。

 

 

『だからマスター・モードでまとめて設定するんだろうがアホ!実際作戦行動で使うモードは多くて5、6種類。それをまとめて指定するのがマスター・モードって事だ。初心者はまずどのマスター・モードがどの状況で使うかだけ覚えとけ』

 

 

ちなみに不可視型ECSや最新鋭のセンサー類を搭載するシグマ・エリートは更にモードと設定が多い。より細かい設定などを必要とする作戦行動を行う特殊作戦機であるシグマ・エリートが【超・上級者仕様】と言われる所以である。

 

 

『今は取り敢えずマスター・モード7で音声入力しろ。初等訓練用に俺とPDが特別に作ったモードだ。もっと細かいバイラテラル角とモーションマネージャーの設定と照準誤差の補正モードや最優先ターゲットの選定基準とかはいまは省略するぞ』

 

「えっと・・・マスター・モード7」

 

«ラジャー。モード7、BMSA1.3.設定完了»

 

 

ディアの命令どおりに機体AI【リエーフ】が淡々と応じ、起動手順が進められていく。青いスクリーンを埋め尽くす程の勢いで手順報告の文字列が表示されていった。

 

 

«MPU点火。メインコンデンサー接続。電荷正常上昇中。全ヴェトロニクス起動。機体制御ユニット。機体診断ユニット。パッシブ知覚ユニット。戦術データユニット。メインバランサー。全て起動。CCUとのリンク確立・・・完了。モード7に基づくセンサーを起動。ジャイロ初期化。GPS位置データ初期化。O-005号機、D‐002号機、S‐001号機からの通信に応答中。リンク確立。点検項目A群を実施・・・完了。B群を実施・・・完了。C群を実施・・・限定的に完了最終点検項目を実施・・・限定的に完了。最終起動シークエンス・・・確認を、ミスター»

 

「ちょ、ちょっとなんか色々言ってるんですけど?あの、大丈夫ですよね?」

 

 

いきなり意味不明な単語の羅列に戸惑うディア達訓練生(経験者である支配人を除く)の機体状況をシグマ・エリートの中でモニタリングしながらokakaは言う。

 

 

『あー大丈夫大丈夫、こっちでもモニターできてるから。まぁ一種の儀式みたいなもんだ。急いでる時はこういう手続もすっ飛ばせるが、さっき故障があったばっかりだ。焦らずにな。・・・確認が出たら最後に【承認】って言っとけ』

 

『・・・え?それだけ?』

 

『それだけ。ほら言った言った』

 

 

あっけにとられるこなたをスルーして、ディアは音声認識スイッチを押し込んだ。

 

 

「では、こほん・・・承認」

 

«ラジャー。光学センサーの映像を表示»

 

 

AIの返答と共にコックピットのスクリーンが明滅し頭部光学センサー、つまり機体の【目】が捉えたカラー映像が表示されるまだ膠着姿勢なので数メートルの高さから映された地面だけが写っている状況だ。

 

 

«全関節部のロックを解除しますか?»

 

『それも承認だ』

 

「はい。・・・承認」

 

«ラジャー。全ロック解除»

 

 

同時に機体のそこらじゅうから『ジー、ガチャ』という金属音とサーボモーター音が聞こえてきた。それまでしっかりと固定されていた機体の関節が外され、少しずつ左右に揺れるように傾いた。

 

 

『よし、いいか。関節のロックが解除されたことで【ネガティブ・バランス】の状態になった。今は機体の制御系と駆動系が作動してバランスを保ってる状態だ。音声操縦モードのままだからまだ転ぶ心配はないぞ。では立ってみようか。直立を指示しろ』

 

「直立」

 

«ラジャー»

 

 

音声と同時に機体がゆっくりと立ちがっていく。モニターの映像もそれに合わせて目まぐるしく動いた。

 

 

『立った!立てたよ!』

 

 

こなたとアンジェのはしゃぐ声がインカムから聞こえる。自分もワクワクが止まらくなっているディアもはしゃぎたい気分であったが、目の前、100m程の地面に何か置いてあるのに気付いてそれを注視しようとした。

 

 

『よし、今から音声操縦を解除してそれぞれの目の前に置いてあるライフルまで歩いてもらうぞ。音声認識スイッチを押しながら【操縦モード変更。セミ・マスター・スレイブ、ブラボー】と命令しろ』

 

「操縦モード変更。セミ・マスター・スレイブ、ブラボー」

 

«ラジャー。操縦モード変更。セミ・マスター・スレイブ、ブラボー»

 

 

AIの復唱。この瞬間、機体は搭乗者の【肉体の延長】となった。

 

 

『よし、ここからは下手に動くなよ!?機体はお前らの動きを忠実にトレースするぞ!試しに右腕を少しだけ動かしてみろ』

 

 

okakaの言うように少しだけ、ディアが右腕を動かすとその動作を読み取った機体がするりと右腕を上げた。そして下げると機体も腕を下げ、素直に元の位置の近くに戻った。

 

 

『よし、こなた。アンジェと操縦を切り替えろ。音声認識スイッチを押しながら【ユー・ハブ・コントロール】で変更だ。アンジェ側は【アイ・ハブ・コントロール】と入力して承認しろ』

 

「ユ、ユー・ハブ・コントロール」

 

«確認。操縦系統を後部座席に移譲します»

 

「アイ・ハブ・コントロール」

 

«操縦系統を後部座席に移行しました»

 

『戻す時は逆の手順だ。アンジェも腕を動かして確認が終わったらこなたに戻せ』

 

 

訓練生達がそれぞれ反応を確かめて感覚をつかむと、okakaが言った。

 

 

『前にそこのバカが犬神家やった時は俺用に反応が大きめに取られてたからな。今回は増幅角の反応を最低レベルに押さえてある。思いっきり動こうとしなきゃ大丈夫だ』

 

「うう・・///」

 

『感覚がわかってきたら歩いてみろ。普段よりもかなり控えめの歩幅でな』

 

 

緊張とともに訓練生が右足を踏み出す。コックピットがぐらりと傾き、前に倒れ込むような感覚。失敗かと思った瞬間、がくんと衝撃が走り、機体が止まった。丁度踏み出した右足がつっかえ棒のようになった感じだ。そのまま左足を踏み出す。更に右。左。

 

 

「おおおお!歩いてる!歩いてるよ!」

 

『操縦者のだいたい意図したとおりにコンピューターが機体を制御してくれる。そのままライフルの前まで歩け』

 

 

そう言うとokakaのシグマ・エリートが後方に向かって大きくバックジャンプ。そのまま振り返りライフルまで走っていった。

 

 

『ここまでだ。そしたら振り返ってスタート位置に戻れ。今日はこのまま歩行訓練だ』

 

「えー、せっかくなんだし格闘戦とかの訓練しようよー」

 

 

こなたの不満げな声、アンジェも不満そうだ。

 

 

『・・・やめたほうがいいと思うぞ?格闘戦はすっげぇ難しいから』

 

 

実感のこもった支配人の意見を無視して、二人のシャドウが走り出した。

 

 

「「自由への逃走!」」

 

『あ、ちょっと二人とも!?』

 

「ちょっとくらい大丈夫だって!」

 

「早く戦闘訓練したいデス!」

 

「さぁ、私等に追いつけるかなぁ!」

 

 

明後日の方向へと走り出したシャドウを見たokakaの目が怪しく光った。

 

 

『ほう・・・二人はそのまま訓練を続けてろ』

 

 

言うな否やokakaのシグマ・エリートが二人の視界から消えた。いや、超高速で走り出したのだ。

 

 

『・・・勝てると思ったのか?彼奴等』

 

『ちょっとASとokakaさんを甘く見すぎですねぇ・・・』

 

 

呆れる二人はそのまま訓練を続行した。

 

 

「いくらあのASがすごいって言ってもさ、このシャドウだって速いんだし簡単には追いつかれないっしょ。そうしたらオカやんも私等のこと認めざるをえないよね!」

 

「早く戦闘訓練したいですネ!」

 

 

してやったりと意気揚々の二人、このまま逃げ切って実力を示そうという腹積もりは次の瞬間、あっけなく砕かれた。

 

 

『そうか、そんなに戦闘訓練したいか』

 

 

聞こえてきた声にメインモニター下部の後方モニターをちら見した瞬間、そこには既にシグマ・エリートが大写しになっていた。

 

 

「げぇっ!?もう来た!?」

 

 

慌てたこなたが更に速度を上げようと足を動かす。しかし、ガチャガチャと足を動かし続けているのは意外としんどいらしい。シャドウの動きにも大きな無駄がある。どんどんシグマ・エリートが距離を積めていく。

 

 

『そんなにしたいなら』

 

 

okakaが【ペダルを踏み込む】と更にシグマ・エリートが加速した。okakaは操縦系統をきっちりと高速巡航に適したペダル操作に切り替えていたのだ。そのまま無駄のない動きで二人のシャドウに追いつき、タックルで捕まえた。

 

 

「「どぉわっ!!」」

 

『気が済むまで格闘訓練といこうじゃないか!』

 

 

そのままシャドウを頭上高く持ち上げたシグマ・エリートがピザ生地でも回すようにシャドウを思いっ切り振り回す。中の二人は機体の衝撃吸収機構でも耐えられなかった分の衝撃にコックピット内で激しくシェイクされた。

 

 

「ああああああああああああああああ待って!ごめんなさい!私達が悪かったです!だから許してぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

「イズヴィニーチェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!」

 

『ああ?聞こえんなぁ!ほらほら格闘訓練だぞ!楽しいよなぁ!』

 

「「助けてェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」」

 

 

かくして哀れな二人はそのまま機体を振り回されながら訓練場へと戻る羽目になった――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――「何やってるんですかねぇ、あれ」

 

「知らん、あらかたオシオキだろう・・・うわぁ!こっち投げんなokaka!」

 

その後、二人もとばっちりを受けたのはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃―――――――

 

「うふふふふ、皆さん楽しそうでなによりですわねぇ・・・ああ、でもせっかくでしたら私も訓練に参加させていただいてもよろしかったですのに」

 

「菊乃様、菊乃様はあくまで旅団員ではなく、一城様の直轄扱いとなっておりますので旅団施設を自由に歩き回るわけには」

 

「解っていますわ桃花さん、ですが、そろそろガス抜きが欲しい所ですねぇ。皆さんにもご挨拶できていませんし、【あの子】のテストもしたいですから」

 

「かしこまりました。その件に関しましては、私の方から報告させていただきます」

 

「お願い致しますね?・・・ああでも本当に楽しそう・・・達也さんのように私と一曲踊っていただける方がいらっしゃるといいのですが・・・」

 

彼等の訓練風景を遠くから眺める少女、【三条菊乃】は至福の時間を思い描き、うっとりと目を細めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

今回はちょっと長く書けるようになるための訓練を兼ねて書いてます。しかしこいつらがやったことって【乗って、立って、歩く】だけなんですよね。まぁまだ初期訓練なのでこんなものですが。ここから射撃、通信、航法、索敵、機体の隠蔽、高度な火器管制、AIにはできないシステムマネジメント、地形の利用法や敵機種の特性、小隊戦術、損害防御ができて半人前、格闘戦も学んでようやく一人前、と言った感じで訓練が続くわけです。・・・パイロットってのは本来インテリで、取り敢えず乗れば後は感覚だけで操縦できるなんてことはないってのをしっかりと描写したかったってのが大きいですかね。こういうしっかりとした訓練に時間を割いて初めて機体に乗れるようになっていくわけです。

 

 

 

 

 

おまけ

機体紹介

 

Rk-02セプター(支配人仕様)

 

全高:9.5m

 

基本重量:13.8t

 

最大跳躍高:35m

 

最高自走速度:140km/h(瞬間最大では170km/h)

 

最大作戦行動時間:280時間

 

動力源:パラジウム・リアクター パラエネルゴOL-5 2600KW

 

固定武装:ウラジミーロフKPV 14.5mm機関銃×2

     OKBリャカ(カデューカ)兵装システム×2

 

基本携帯火器:ロギノフ BK-545 37mmライフル

       グルーシン AT-19 多目的ミサイル

       イスラエル IAI 【ダークエッジ】単分子カッター

 

傑作第2世代機のRk-92 サベージの流れを汲む第3世代機で、従来の第3世代ASのコンセプトとは全く異なる設計思想で製作されている。

デザインもサベージによく似たカエルみたいな大型の頭部と分厚い正面装甲の胴体に人間の手足がついたようなデザイン。

開発直後にソ連が崩壊したため、全体的な生産数はそんなに多くない。

最大の特徴は【カデューカ(マムシの意)兵装システム】と呼ばれる下腕部の武装アタッチメントシステムで、背部に装着した様々な装備を瞬時に付け替えられるシステムである。

第3世代機で重視されるべきステルス性能などはほどほどに留め、代わりに装甲防御力や火力を大幅に底上げしてあるというちょっと異色な設計。

最大作戦時間・タフな環境での長時間の運用能力・整備性は第3世代機中でもトップクラスを誇り、まさにサベージの後継機に相応しい機体になっている。

まさに「"傑作機サベージ"の血統を受け継ぐ第三世代AS」の名に恥じない出来の機体。

 

だが・・・

 

 

ロシア本国「先にシャドウ売っちゃったし・・・」

アメリカ「知るか、それよりM9買え」

日本「アメリカに圧力かけられてるし、レイヴンあるし・・・」

 

その他諸外国「だいたい サ ベ ー ジ で よ く ね ? 」

 

 

そう、このセプターにとって唯一の不幸は【サベージが優秀すぎたこと】である。

本機に先んじてZy-99Mが販売開始されていたため、大抵の第三世代が必要な組織はそれを手に入れた後。

そして前述の通り配備開始時点でソ連崩壊が起こってしまい調達がストップするというダブルパンチ。

さらにはサベージの主な輸出先である所謂第三世界においてはセプター程の高性能機は求められておらず、 工業力や技術レベルの面でも第三世代ASを運用できる態勢が整っていない。

なまじサベージが優秀であることも手伝ってか、 リャカ設計局は旧式機サベージは売れるのに最新鋭機セプターは販売実績が芳しく無いというジレンマに悩まされている。

ロシア本国ですらサベージの改修タイプであるサベージ2の調達を優先するくらいであったため、okakaが在庫を安く買い叩いた事で支配人の部隊に6機配備されることになったうちの一機が本機である。

性能は特殊な装備を持たない、いたってノーマルのセプターだが、そのおかげで改造による構造の複雑化などが一切なく、タフな機体。

本機はカデューカのシステムに大型のガトリングキャノンを選択し、射砲撃による歩兵支援、及び後方からの戦闘指揮を行うことを主任務としている。

機体カラーは毒々しい赤と紫に染められたため、okakaが影で【イチゴヤドクガエル】と呼んでいたりする。

AIのコールサインは【リグーシュカ】(ロシア語でカエル)

 

 

 

Zy-99M シャドウ(複座型)

 

 

全高:8.7m

 

基本重量:10.2t

 

最大跳躍高:35m

 

最高自走速度:190km/h

 

最大作戦行動時間:140時間

 

動力源:パラジウム・リアクター パラエネルゴOL-4C 1900KW

 

固定武装:無し

 

基本携帯火器:ロギノフ BK-545 37mmライフル(基本火器)

       HEATトンファー

 

ディアラヴァーズが購入資金を折半して中古で購入したシャドウに複座型コックピットを搭載した機体。

本来ASの複座型はAI技術の進歩により廃れた技術であるが、一部偵察機や電子戦機等の特殊な機械操作技能を必要とする人員を乗せる等の目的で未だに極少数の需要がある。

その為複座型改修キットも販売されており、それを組み込んで複座化された。

複座化された最大の理由は【こなたが小さすぎて操縦できない】ため、コックピットを二種類用意する必要があったことに起因する。

特殊な機材や高性能な電子戦装備を持っていないので本来はあまり意味はないが、この複座を生かして【得意なレンジによって操縦者を切り替える】といった戦法を編み出した女性陣は、近接馬鹿一代のディア機に比べて柔軟な対応力と戦術を持つことができるようになった。

搭乗者によって様々な武器を使い分けるのが特徴だが、前方コックピットが低身長の平たい胸族専用になっているため、両腰にHEATトンファーを持っていることが多い。

AIのコールサインは【ジェナー】(ロシア語で嫁。ディアの嫁専用機なので)

 

余談:コックピットの改修はokakaとPDが行い、その費用はこなたが負担した。

 

余談その2:本文で判明したパッキンの摩耗はokakaが事前に認知していたものの、野戦修理を体験させるためにわざとそのままにしておいたものだったりする。(全部完璧だった場合、サブマシンガンに装填したフランジブル弾(固いものに当たると砕けて貫通しない閉所戦闘用の特殊弾薬。実在)を当ててパッキンを損傷させる予定だった)

 

 

 

M9A2SOP ガーンズバック シグマ・エリート(okaka仕様)

 

全高:8.5m

 

基本重量:10.5t

 

最大跳躍高:50m

 

最高自走速度:280km/h

 

最大作戦行動時間:190時間

 

動力源:パラジウム・リアクター/ロス&ハンブルトン SPR3300

 

固定武装:AM11 12.7mmチェーンガン×2、M18ワイヤーガン×2、テイザー×2

 

 

M9系列のA2タイプをキャバリア・ダイナミクスが徹底改修して生み出された特殊部隊向けの最新モデル。

総合性能が高い完全新規設計の頭部、新型の不可視型ECSを搭載。パワー、運動性ともに最高峰を追求しており、これ以上強化すれば搭乗者が耐え切れないほどの性能を持つ超ハイエンドモデルで、文字通り限られたエリートでなければ乗りこなすことはできない。

okakaがかつて所属していた【ミスリル】仕様のM9と互角の性能を持つだけでなく、技術の蓄積・運用の利便性においてはミスリル仕様を上回るまさに最強のM9。

装甲素材の進化により、従来よりも頑丈な装甲を持っているが、その装甲は必要最低限に留めることで高い機動性を保持している。(敵から撃たれることを想定していない)

しかし、両肩に装備されているシールドユニットは中央が開き、アームを接続することでシールドを【重ねる】事ができるなど、ある程度の防御力はしっかりと考えられている。

また、下腕部にもそのシールドの他、武装を装備できるハードポイントがある。

そしてシールドの裏には小型武装を保持できるハードポイントがあり、AS用拳銃サイズの装備を隠すことが可能。(もっとも、AS戦で拳銃は威力不足なので使われることはまず無いが)

当然、運用には莫大なコストが掛かり、金満なアメリカ軍でもデルタフォースやSEALsにしか配備されておらず、旅団への配備数もあまり多くない(旅団にASを正規装備として配備することは想定していなかったので全て部隊発案者であるokakaの自己負担)

旅団仕様のシグマ・エリートは全てにクダン・ミラの手でラムダ・ドライバ検知システム【妖精の目】が搭載されており、ラムダ・ドライバ搭載機との連携や対策が施されている。(ラムダ・ドライバ搭載機を保有するナンバーズが現時点でokakaとロキのみであり、他の適合者もokaka陣営にいるため、他の部署では妖精の目は配備されていない)

また、AIをより人間に寄り添った物にし、搭乗者との【パートナーシップ】を養成するためのシステムとして【ニューロバディシステム】が搭載されている。

okaka仕様機はPDのソケットが設けられており、カラーリングが白と青を基調としたカラーになっている。

okakaにとっては純然たる趣味の機体であり、実戦では別の機体を使用する。(超、贅沢)

 

 

 

武器紹介

ロギノフ BK-545 37mmライフル

東側のASがよく使うロシア製のライフル。

AKライフルを大型化したような見た目で高い信頼性を持つ。

薬莢式弾薬を使用。

ASの火器全般に言えるが、トリガーはあくまで不具合時の緊急激発用であり、普段は手のひらからの電気信号で認識と発砲制御を行う。

 

HEATトンファー

戦車などに使われるHEAT弾をトンファー型の柄に搭載した折りたたみ式の格闘武装。

打突部位の長い方を敵に突き刺し、激発することで戦車の重装甲すら簡単に突き抜けるいわゆるHEATパイルに近い武器だが、通常のトンファーとしても十分機能する。

装弾数1発ずつの使い捨て武器。

 

 

 

 


 
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