No.937412

淡い願望(2)

星川円さん

ご閲覧いただきましてありがとうございます。前回の続編でございます。接吻の描写などありますので苦手な方はご閲覧の際ご注意願います

2018-01-13 21:40:30 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:66   閲覧ユーザー数:58

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膝に乗せた小さなチセを前に今までにない男の自分の感情も素通りできなくなっていることもエリアスは理解し始めていた・・・。

 

「あの・・・エリアス・・・」

 

一人考えに没頭していたら膝の上に乗せたチセが、か細い声で自分の名前を呼んできた。

 

「どうしたのチセ?」

 

頬を赤らめて無防備な瞳はこちらを見上げてくる。その大きな澄んだ瞳に吸い込まれそうな錯覚に陥るエリアス。

 

「わっ、私・・・エリアスの事、男の人だって思ってます。魔法の先生だけど・・男の人だって・・意識はしてます・・・」

 

「チセ本当?こうされているのは平気なの?」

 

その問いかけにチセは小さくうなずききゅっとエリアスのベストを掴んできた。

 

そんな二人が腰かけるエリアスのベッドはダブルベッドよりも広くベッドの上に無造作に腰かける長身のエリアスの上着のローブが窓から差し込む月の光に照らされて黒光して見える。

 

物の少ない部屋はやけにしんとして二人の沈黙に耳が痛くなるほどだった。

 

チセに掴まれた自分のベストにエリアスは手を伸ばしそっと握ってみた。

長い指がチセの手を握った瞬間、びくりと肩が動き恥ずかしいのか下を向いている。

その掴んだ手を大事そうに自分の頬にこすり付けこう聞いてみる。

 

「さっきの話だけど・・・頬ならしてもいいの?」

 

「あっあの・・・そんな事したことないので・・・その・・」

 

そのチセの反応はエリアスの鼻腔を刺激するかのようにつんとして今すぐにでも強く抱きしめたくなる衝動にかられる。そんな高ぶる気持ちを押しとどめるのに今エリアスは理性を保とうとしていた。

 

「僕が君に少しずつ教えてあげたい・・どうかな・・」

「エリアスが…」

 

「そう・・僕が君に・・・」

 

そう言いながら恥じらいを見せるチセの手の甲に優しくそっと口づけをしてきた。

 

その骨の口元の感触はすこし冷たく、かといって血が通っていないかと言えばそんな気もしない不思議な感触だった。見上げるエリアスの口元は犬歯も見え首元は紫色で自分とは全く異なる造形の男の膝の上に自分はこうして座っている。

 

いつも何かあってはエリアスに軽々と抱き上げられた時もあったはずなのに、こんなにまじまじと見ることなど無かっただけにチセにとって手の甲に口づけされた今夜は二人の距離がやけに近すぎて戸惑うばかりである。

 

「エッ、エリアス・・・」

 

「怖い?君が怖がることは僕はしたくない。」

 

チセは自身の熱くなる頬に戸惑いながらエリアスに首を振ってこたえる。

 

「怖く・・ないです。初めてだったから・・その驚きました」

 

その答えにエリアスはチセの赤い髪をふわりと撫でてみる。あっと戸惑うような吐息にも似た小さな声が聞こえエリアスはチセが嫌がってはいないと勝手に理解した。

 

「チセ、君は僕にとって大事な存在なんだ・・」

「はっ、はい」

 

今日のエリアスはやけに口数が多い。そして自分はやけにエリアスを男として意識してしまっている。

 

「チセ・・顔上げて」

「えっ、はい・・・」

 

長い指先はチセの顎先に触れ顔を上げさせる。

 

「チセ・・これからも僕のそばに居てくれる」

 

チセにとってやっと帰れる場所がこの家だった。不意にきかれた質問にチセはハイと即答していた。

小さな顔を大きな左手が包み込み、その親指がチセの唇に触れてきた。

 

「少しずつでいい・・僕の事感じて・・」

そういってチセの赤くなった頬にエリアスは口先をあてて接吻してきた・・。

 

「エリアス・・・」

 

 

 

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