No.934706

こんとん物語 2

スクジョさん

殺人ミステリー

2017-12-26 15:20:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:213   閲覧ユーザー数:213

怪事件の調査を引き受けるこんとんが考えた事は、つまらない依頼からの脱出だけだった。

 

適度に短い黒髪を整えると、探偵事務所を出てこんとんが向かう先は情報屋だった。

 

事務所から出て40分ほど電車を介し、目的の情報屋にたどり着いた。

情報屋の名前は”アニス”。つての一つとして紹介されたのが、この情報屋だった。

 

?「いらっしゃい。」

 

陽気な声が鳴り響くような響きをかもす。

店内の、その情報屋の名前はクリスティーン(以下クリス)。外国人だが、日本生まれである。そのため、日本語は流暢(りゅうちょう)だ。

 

クリスティーン「はじめての方ですか。本日はどのようにご所望でしょうか。」

 

こんとん「・・・では、シリルという男性について、こういう条件でお願いします。」

 

さっそくこんとんは戸籍の情報を求めた。

クリスはパソコンを(いじ)り始める。結果。

 

ク「戸籍は実在します。既婚でして、妻はコンスタンスという名前です。コンでよろしいですね。子が一人、名前がカミラ。・・・それとお名前を聞かせていただければと。」

 

こ「こんとんです。」

と”探偵 分百こんとん”と銘打った名刺を差し出す。

 

ここまでは前座だ。

 

ク「それで、どのような情報をお望みでしょうか。」

 

こ「一点だけ、夫婦の履歴を調査していただけると助かります。」

 

どうもこういう”情報屋”は慣れない。そのため、語尾がアイマイになってしょうがない。

 

ク「半月ほどいただきます。」

 

こ「まあ、いいです。」

 

 

 

情報屋アニスを出たこんとんが次に向かう先は、依頼人コンの一人娘、カミラの一人暮らしだった。

 

その住所まではおおよそ20分。カミラの一軒家に着くと、呼び鈴を鳴らす。

 

カミラ「はい。・・・どなたでしょう?」

 

流暢な日本語にやや高すぎる声が外部受付機から響く。

 

こ「探偵です。こんとんと言います。お母様のコンから・・・コンスタンスからご依頼をいただきました。」

 

・・・家に入れてもらったが、こんとんは大した話を出来なかった。依頼人の娘カミラがあまり焦燥し過ぎていたからだ。

 

調査にも不慣れで、結局、半月待つ事になった。他に出来る事も手がかりもなかったから。

 

情報屋にて。

 

ク「コンは家には不在。夫シリルもまた同様に、シリルの失踪届けがコンから出されており、その時期が1年前です。」

 

’コンの失踪届けも出されておりました。’とクリス自身が付け足す。

 

ク「どうでしょうか?前金無しという事で、責任問題もありませんし、私も調査に協力しましょうか。」

 

屈託の無い表情でクリスは協力の姿勢を見せる。

 

こ「んー、ではお願いしましょう。」

とその言葉に、こんとんは知的な言葉遣いで承諾した。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択