No.924130

英雄伝説~光と闇の軌跡~エレボニアカオスルート

soranoさん

第64話

2017-09-28 20:32:48 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:4555   閲覧ユーザー数:3833

 

 

~パンダグリュエル・パーティーホール~

 

「へ…………ね、”姉さんが今も生きている”ってどういう事だ!?」

ステラの答えに一瞬呆けたマキアスは信じられない表情でステラに訊ねた

「それを答える前に逆に質問させて頂きますが………マキアスさん達はフィオーラ様が自ら命を断ったと仰っていましたが、そもそも自ら命を断ったと推測されているフィオーラ様の遺体は見つかったのですか?」

「そ、それは…………」

「え………もしかして、お姉さんの遺体って見つかっていないの?」

ステラの問いかけに複雑そうな表情で答えを濁しているマキアスが気になったエリオットはマキアスに訊ねた。

「あ、ああ。姉さんが河に投身自殺をした日はちょうど大雨の日だったんだ……もしかしたら雨で増水した影響で河の流れが激しくなって、海まで流されたんじゃないかって憲兵達や父さんが姉さんの遺体の捜索を依頼した遊撃士が言っていたらしいんだが…………」

そしてエリオットの問いかけにマキアスが困惑の表情で答えたその時

「フィオーラ義姉(ねえ)さんでしたら、今はサフィナ義母(かあ)さんの一人息子にしてあたしとセレーネの義理の兄にして現ミレティア領主であるエリウッド・L・マーシルン義兄(にい)さんの”正妻”ですよ。」

「ええっ!?ツ、ツーヤちゃんとセレーネちゃんの義理の兄にしてメンフィル皇家の分家のサフィナ元帥の息子って事は……!」

「そのフィオーラという方はメンフィル皇家の分家の関係者の正妻という事になりますね……」

「ふふっ、エリウッドお兄様は関係者どころか”現当主”―――それも”公爵家”の”当主”ですよ。当主の座は既にサフィナお姉様からエリウッドお兄様に譲られているのですから。」

「勿論お二人はとてもお似合いの夫婦ですわよ。」

「一体何があってそんな事になったのよ……」

「ど、どどどどど、どういう事だ!?な、なななな、何で死んだはずの姉さんが…………!じゃなくて、その人は本当に姉さんなのか!?」

ツーヤが驚愕の事実を口にし、その事実を知った多くの者達が血相を変えている中アネラスは驚きの声を上げ、クレア大尉は信じられない表情で呟き、プリネは苦笑しながら答え、セレーネは微笑みながら答え、シェラザードは疲れた表情で溜息を吐き、マキアスは混乱した様子でツーヤに訊ねた。

 

「嘘だと思うのでしたら、この写真を見てください。」

マキアスの問いかけを聞いたツーヤは懐から出した写真をマキアスに渡した。

「…………………………………………え。」

マキアスはツーヤに手渡された写真にツーヤやセレーネ、サフィナと一緒に写っている金髪のまさに”貴公子”を現すような貴族の青年と貴族の子女らしき幼い女の子に挟まれてドレスを身に纏い、赤ん坊を抱いて幸せそうな表情を浮かべている自分にとっては見覚えがありすぎる女性を見て呆けた。

「あ、あれっ!?こ、この人……!」

「以前のマキアスの話にあった姉君に非常に似ているが…………」

マキアスと共に写真に写っている女性を見たエリオットは驚いてラウラと共に幼い頃のマキアスやかつてのレーグニッツ知事と共に写っている女性を思い出した。

「――――フィオーラ・マーシルン。サフィナお姉様の一人息子にして現ミレティア領主であり、ツーヤととセレーネの義理の兄であるエリウッド・L・マーシルン公爵に行き倒れの所を助けられ、様々な経緯があって、エリウッドお兄様に嫁いだ記憶喪失の女性です。」

「な、ななななな……っ!?サフィナ元帥閣下、一体どういう事なんですか!?」

プリネの説明を聞いて混乱しているマキアスは事情を一番把握していると思われるサフィナに訊ねた。

「――今から6年前、エリウッドが公務の帰りに行き倒れている彼女―――フィオーラを見つけ、保護する為に城に連れ帰って目覚めてから事情を聞いた所……”フィオーラ”という自分の名前以外の記憶は全て失っていたとの事です。」

「!?」

「確か6年前って…………」

「マキアスのお姉さんが自殺した年と一致するね。」

ツーヤの話を聞いたマキアスは血相を変え、エリオットは目を丸くし、フィーは静かな表情で呟いた。

 

「そしてその後、記憶喪失で身元も不明で途方にくれていた彼女をほおっておけないエリウッドは彼女をメイドとして雇う事にしたんです。記憶喪失で身元がわからない事から、最初はどこかの国の刺客かと怪しまれていたフィオーラでしたが……気立てが良く、誰よりも働き者な性格ですから、周囲の方達も段々と彼女の事を信用し始め……―――2年後、互いに相思相愛の間柄になった二人はめでたく結婚しました。」

「……………………」

「ええっ!?こ、公爵と身元不明で記憶喪失の人が結婚!?というかサフィナ元帥閣下はメンフィル皇家の分家の人ですよね!?ってことは皇族の妻に……!」

「……サフィナ元帥閣下や他のメンフィル皇家の方々、それに貴族の方々は反対しなかったのですか?」

サフィナの説明を聞いたマキアスは口をパクパクさせ、エリオットは信じられない表情をし、ラウラは信じられない表情で尋ねた。

「勿論ありましたが、あの娘の前の婚約者と違い、エリウッドは当然彼女を庇いましたし、直に彼女と会って彼女の人柄やエリウッドと相思相愛の間柄である事を悟った私や父上、それにシルヴァン兄上がフィオーラがエリウッドの正妻になる事を認めましたから、二人の結婚は認められ、二人は多くの人々に祝福されて結婚しました。」

「な――――」

「サ、サフィナ元帥閣下どころかリウイ前皇帝陛下やシルヴァン皇帝陛下もお二人の結婚を認めたのですか………」

「前メンフィル皇帝の”英雄王”どころか、現メンフィル皇帝まで認めたら、さすがに二人の結婚を反対していた連中も認めざるを得ないでしょうね………」

「皇家の分家の当主と身元不明かつ記憶喪失の女性の結婚を皇帝が認める等、常識で考えれば信じられない出来事だがな。」

「敵対していたわたしをあっさりと解放するどころか、戦力として登用する件といい、メンフィルは理解不能だらけです。」

「ア、アルティナさん。」

サフィナの話を聞いたマキアスは驚きのあまり絶句し、エマは信じられない表情で呟き、セリーヌは呆れた表情で呟き、ユーシスは静かな表情で呟き、ジト目で呟いたアルティナの発言にセレーネは冷や汗をかいた。

「うふふ、”尊き血”に煩いエレボニアと違って、メンフィルはその人自身の実力や人柄を重視するし、メンフィル程の大国になるとわざわざ政略結婚をする必要もないから、基本レン達―――メンフィル皇家の人達は自分達で決めた伴侶との結婚が認められているのよ♪現にエリウッドお兄様の少し前に別のメンフィル皇家の分家の当主が傭兵の女性と恋仲になって、その傭兵を自分の正妻にしたのよ。」

「ええっ!?よ、傭兵がメンフィル皇家の分家の当主の正妻に!?」

「そっちもそっちで、色々な意味でありえなさすぎだろ……」

「ほえ~。メンフィルは実力主義であまり身分を気にしていないと推測されていたけど、まさかそこまで寛容な国だったとはね~。」

「ですがリィン特務准将達やエリゼさんの件を考えると納得できる話ですね………」

「彼らは自らの実力や人柄でメンフィルの”信頼”を掴み取り、若輩でありながら通常では信じられない速さで出世したからな……」

レンの答えを聞いたアリサは驚き、トヴァルは疲れた表情で呟き、ミリアムは呆けた表情で呟き、クレア大尉とアルゼイド子爵は静かな表情で呟いた。

 

「何はともあれ、自ら命を断ったと思われていた”家族”が生きていてよかったね、マキアス君。」

「は、はい……だけど投身自殺をした姉さんがどうやって異世界に……というか本当にその人は本物のフィオーラ姉さんなのですか?」

静かな笑みを浮かべたジョルジュの言葉に戸惑いの表情で頷いたマキアスはサフィナに訊ねた。

「ええ、調査の時間はかなりかかりましたが、あの娘が6年前自ら命を断ったと思われていたレーグニッツ知事の親類である事は判明していますよ。」

「!そう………ですか。」

「けど、何で投身自殺したはずのマキアスのお姉さんが異世界に流れついているの?それが一番の疑問なんだけど。」

「それについては未だわかっていないとの事です。」

サフィナの答えを聞いて目を見開いたマキアスは僅かに安堵の表情をし、フィーの質問にツーヤは静かな表情で答えた。

「……ま、とりあえず、自殺したと思われていた家族が生きて幸せになっていた事はよかったと思った方がいいんじゃないの?」

「は、はい……!そ、その……元帥閣下の話では姉さんは記憶喪失だと仰っていましたが……姉さんの事がわかった後僕や父さんの事とか、姉さんに教えて頂けたのでしょうか?」

サラの指摘に嬉しそうな表情で頷いたマキアスは期待した様子でサフィナに訊ねたが

「ええ。ただ、フィオーラは自分の事を知っても他人のようにしか思えず、未だ記憶は戻っていません。」

「そう、ですか…………」

サフィナの答えを聞くと疲れた表情で肩を落とした。

 

「しかし……身元がわかったのなら、何故フィオーラ殿の”家族”であるマキアスやレーグニッツ知事に知らせなかったのですか?」

「それは……………」

そしてラウラの質問にサフィナが複雑そうな表情で答えを濁したその時

「……恐らく父さんの立場の関係で、知らせる訳にはいかなかったんだろうな。”革新派”の有力人物である父さんの姪がメンフィル帝国の皇族に嫁いでいる事実が知られたら、”革新派”が姉さんの立場を利用して、メンフィル帝国を味方につけようと考えるかもしれないし。」

「マキアス…………」

「……………」

複雑そうな表情で推測したマキアスの話を聞いたガイウスやクレア大尉は辛そうな表情をした。

「………マキアスさんさえよければ、フィオーラとの面会の場を私が手配しても構いませんよ。」

「え……い、いいんですか?」

サフィナの提案を聞いたマキアスは一瞬呆けた後信じられない表情でサフィナに確認した。

「ええ。あの娘も機会があれば自分の家族であった貴方やレーグニッツ知事とも会って話をしたいと言っていましたし、それに……―――Ⅶ組の情報を把握したステラからも頼まれましたので。」

「へ………ス、ステラさんが?一体どうして……」

「……絶縁したとはいえ、私の”実家”によって一人の人の人生が狂わされたのですから、その”お詫び”としてせめてそのくらいの事はすべきだと判断し、元帥閣下に嘆願しました。」

サフィナの話を聞いて困惑の表情で視線を向けられたステラは静かな表情で答え

「あ、ありがとう……!」

(クク……ステラの奴、件の女性が生きている事を知っていたから、あんな冷たい答えを平気で口にしたんだろうな。)

(え、ええ………恐らく最初に自分に対する印象を下げる事で、後に判明する出来事でⅦ組(彼ら)との関係の良好化が一気に進むと思って口にしたんでしょうね……)

ステラの答えにマキアスが明るい表情で感謝の言葉を述べている中、口元に笑みを浮かべたフォルデの小声の言葉にリィンは冷や汗をかいて苦笑しながら頷いて推測を口にした。

 

「それとマキアスさん。フィオーラ様の人生を狂わせた”ディアメル伯爵家”はエリック兄様も含めてその”報い”を今回の戦争で受けましたから、できればそれで私に対する思う所は”手打ち”にしてもらえれば幸いです。」

「へ………”ディアメル伯爵家”がメンフィルとの戦争で”報い”を受けたってどういう事だ……?」

ステラの話に一瞬呆けたマキアスは困惑の表情でステラに訊ねた。

「先程レン皇女殿下も仰ったように”ディアメル伯爵家”の現当主であるエリック兄様はメンフィル軍によるオルディス制圧後メンフィル軍によって斬首刑並びに”晒し首”にされました。更に他の兄達―――ラマール領邦軍に所属していた2番目と3番目の兄達も”パンダグリュエル制圧作戦”、”オルディス制圧作戦”にて”戦死”しています。」

「な――――――」

「そ、そんな………それじゃあ、”ディアメル伯爵家”の跡継ぎの方達は全員命を失った事に………」

「…………”ディアメル伯爵家”の前当主はその事実を知って、どんな反応をしたんだい?」

ステラの説明を聞いたマキアスは驚きのあまり絶句し、アルフィン皇女は悲痛そうな表情をし、オリヴァルト皇子は重々しい様子を纏ってステラに訊ねた。

「父様でしたら兄達の死、行方不明だった私がメンフィルに亡命した挙句メンフィル軍に所属し、更に私の婚約者であったナーシェン卿を私が討った事実を知った後”憤死”しました。」

「ええっ!?という事はカイエン公の跡継ぎを討った人物は……!」

「………やはりお前だったのか。」

「しかも前当主が”憤死”したなんて……」

「そりゃあ、怒りのあまり”憤死”してもおかしくないわよ……なんせ跡継ぎが全員殺された挙句、家出した娘がその跡継ぎ達を殺したメンフィル軍に所属していた上、”四大名門”の跡継ぎまで討ったんだからね……」

「………何故、そなたは婚約者であったナーシェン卿を自らの手で討ったのだ?」

ステラの話を聞いたエマは信じられない表情をし、ユーシスは真剣な表情でステラを見つめ、不安そうな表情で呟いたアネラスに続くようにシェラザードは疲れた表情で溜息を吐いて答え、アルゼイド子爵は真剣な表情でステラに訊ねた。

 

「真の意味で過去と決別する為にも私自身の手でナーシェン卿を討ち取りました。」

「”真の意味で過去と決別する為”………」

「……ステラ様の婚約者であったナーシェン卿もまた、”ディアメル伯爵家”同様ステラ様の過去とは因縁がある方ですから、その方を自身の手で討つ事もまた”過去との決別”になりますわね。」

ステラの答えを聞いたガイウスが呆けている中シャロンは静かな表情で答えた。

「そういう訳ですので、フィオーラ様の人生を狂わせた”ディアメル伯爵家”の者達はそれぞれ”報い”を受けました。この事実で私に対する思う所を”手打ち”にして頂けないでしょうか?」

「………ああ。正直な所、姉さんの人生を狂わせた”ディアメル伯爵家”がそんな事になるなんて、色々と思う所はあるけど………君は姉さんの件に一切関わっていない上、”ディアメル伯爵家”とも縁を切っているし、姉さんが生きていた事を教えてくれた上面会の機会も作ってくれたお陰で、少なくても君は姉さんの人生を狂わせた”あの人”やその家族とは全く違う貴族の人である事もよくわかったから、僕の君に対して思う所はこれで終わりにしておく。」

「マキアス………」

ステラの問いかけに複雑そうな表情で答えた後静かな表情になったマキアスをエリオットは心配そうな表情で見守っていた。

 

 

ついに閃Ⅲが発売しましたね!私も当然ゲットしましたが……攻略サイトで本や隠しクエストの情報が出てからプレイするつもりなので、ゆっくりとプレイする予定ですwwというか攻略サイトみましたけど、序盤からとんでもないボスが待ち構えている事を知ってマジで噴きましたww後、閃シリーズで使いたいと思っていたあのSクラフトまでラウラが習得しているとか、Ⅶ組、一体1年ちょっとでどんだけ強化されているんだとツッコミたいww


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
3
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択