No.91833

恋姫†無双 真・北郷√02

flowenさん

恋姫†無双は、BaseSonの作品です。
3作目、やっと見習い卒業です。
自己解釈、崩壊作品です。
2009・10・29修正。

2009-08-27 07:45:02 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:87852   閲覧ユーザー数:61415

恋姫†無双 真・北郷√02

 

 

 

真・北郷ルート序章

 

 

 

/一刀視点

 

 振り返ると化け物がいた……。

 

「誰が一度見たら二度と忘れることが出来ない化け物ですって~っ!」

 

 まあ、本当にそうなんですが……。

 

「いや、そこまで言ってないよ……さっき振りだね、貂蝉」

 

 桃色のひもパン一丁でハゲ頭に顎ひげを生やし、おさげが二本でその先にひもパンに合わせたのだろうか? ピンクのリボンをつけてクネクネ動く大男、貂蝉。

 

 いいやつなんだけどね……。

 

「どぅふふ。ご主人様、それでこの外史についてなのだけど」

 

 貂蝉の説明によるとこの外史は俺達がいた外史とはまた違う世界で、今現在はいわゆる突端からの開始地点。しかもかなり特殊な外史らしいとの事。

 

「この外史は、関羽ちゃんや呂布ちゃんが、ご主人様の側にいきなりいるし、どんな事になるのか想像もつかないのよ。あたしとしても三人を助けてあげたいのだけど、ご主人様の使命である『大陸を平和に導く』を達成しないと、ここからはでることができないの」

 

 俺は貂蝉の話を聞きながら考えていた。

 

 前回の外史では皆に支えられ、どちらかといえば流されて大陸を統一した。

 

 曹魏に勝てたのも白装束が絡んだおかげで曹操達が力を出し切れず、更に魏の武将達が曹操救出のために力を貸してくれたから勝てたようなものだし、孫呉だって周瑜が反乱を起こしたけど、そのとき孫権達は俺達の味方だった。

 

 どちらも完全な力ではない。 ならば今回は、俺が皆を率いて戦わなければ絶対に目的は達成できないだろう。

 

 しかし、今の俺は一人じゃない。心から愛する愛紗と恋が側にいる。

 

 とりあえず愛紗が腕に抱きついてるし、恋を肩車をしたままなので……。

 

「愛紗、とりあえず離れよう。恋もいいかな?」

 

 少し名残惜しそうに離れる愛紗と、

 

「……んっ」「……っ!」

 

 肩から飛び降りて、胡坐で座っている俺の腹の辺りにお尻から勢いよく降りる恋。

 

 本気で痛いです。

 

 

「ご主人様。私はご主人様に我が武、我が心、髪の一本に至るまで全てを捧げています。ご主人様が進むのならば、この関雲長。どこまでも進み、全力をもって望みどおりに道を切りひらいてご覧に入れましょう!」

 

「……れんはごしゅじんさままもる。……あいしゃといっしょにまもる」  

 

「「!?」」

 

 恋が今、満面の笑顔で笑った!? い、癒される~。

 

ガバッ スリスリ

「はぁぁ~~♪」

 

 愛紗もイチコロだったらしい。とろけた顔で抱き寄せて頬擦りしてるし。俺にも抱かせてほしい~!(変な意味じゃなくて)

 

「あらあら、あたしは放置かしらん? さすがご主人様。じらし上手なんだからん」

 

 あ。本気で忘れてた! 貂蝉は赤い顔でクネクネ身悶えていた。(もう見慣れている)

 

「うん。どこまでやれるかはわからないけど、愛紗や俺を支えてくれた前の外史の皆の誇りのためにも精一杯頑張るよ。俺を支えてくれ、愛紗! 恋!」

 

「(コクコクコク)」

 

 神速で返事をするちび恋。更に少したって、ぱぁぁと音が聞こえるほどの笑顔を咲かせた愛紗が返事をしてくれる。

 

「我が義の刃、北郷一刀様のために! 例え死しても御身をお守りいたします!(ご主人様、なんてご立派に! この方に仕えて本当に良かった!)」

 

 さすが商業の関聖帝君・関帝聖君、関帝。どこまでも主君に一途な忠義から信用を第一とする商売の象徴として神格化された人物。

 

 そんな愛紗から忠義を誓われると不思議と力が沸いてきた。

 

「でも死んじゃ駄目だよ? 愛紗は俺の大切な女の子なんだからね」

 

 釘だけは刺しておかないと、正史の関羽は確か、孫権を怒らせたのが発端で魏と呉から挟撃されたんだよな。こっちだと愛紗の嫉妬あたりかな?

 

 

「は、はい!(そうだ! ご主人様と私は……)」

 

 愛紗は顔を赤くしながら思考に入り込む。と、スッと俺の腕に自分の腕を絡めてきた。素直な愛紗は可愛いな……。

 

「ご主人様ならそういうと思ったわん。さて、ひとつ贈り物をしていきたいのだけど? この先お手伝いはできないし、あの時と違ってこの外史には劉備ちゃんもいるのよねん。だからご主人様はここから這い上がらないといけないの」

 

 な! 劉備がいる? 愛紗がここにいるとして、他の皆は期待薄だな……というか、『この世界の皆』は俺たちのことは知らないはずだ。真名とか咄嗟に言わないようにしないとなぁ。

 

「なにが欲しいのかしら? なんでもひとつだけいいわよ? かな~り特殊な外史だから、大抵の物は平気よん?」

 

 貂蝉が魅力的な提案をしてくる……。でも……。

 

「そうだな。前回は言葉は通じても文字とか単位とかが違っていてかなり苦労したから、俺のいた世界のように出来ないかな?」

 

 あまり大きな力は欲しくない。それって戦う相手に失礼だし。いま愛紗や恋が側にいるだけで、俺には十分だ。

 

 近くで話を聞いていた二人とまっすぐ目を合わせる。

 

「ご主人様、感服いたしました」

 

「……ごしゅじんさまはずるしない」

 

 頬を赤く染めた愛紗、キラキラ瞳を輝かせる恋、二人とも納得してくれたみたいだ。

 

「そんなことでいいのん? ご主人様ったら無欲ねん」

 

 そう言ってクネクネする貂蝉。

 

「でもねん。この外史全体をいじくるのは……さすがに難しいわー。それに関羽ちゃんも呂布ちゃんも困るんじゃないかしら?」

 

 そうか、メートルとかわかるのは俺だけだしなー。

 

 

「そうね……ご主人様の感覚を強化すれば、いけるかもしれないわん」

 

 貂蝉は顎に手を当てて、俺を見ながら呟く。

 

「へっ!? ちょ、待って! いま怖いこと言ったよね?」

 

 あれ? なんかやばくなってきた。単位とかが咄嗟に浮かばないから良い考えだと思ったんだけど……。

 

「どぅふふふ、こわくないわよん。ご・しゅ・じ・ん・さ・ま」

 

 胸の筋肉をピクピクさせながら迫り来る漢女。(おとめ)

 

「☆□※@▽○∀っ!?」

 

 そのまま意識が闇に包まれ……

 

ペチペチ

 

 ……なかった。

 

 ちび恋が俺の頬をちっさなもみじみたいな手で音の通りにぺちぺちと叩いてくれたからだ。

 

「……れん、やくたった?」

 

 コテンと首を傾げて、恋の無邪気な瞳で見つめられる。

 

「ああ! すごく役に立ったよ。ありがとな、恋」

 

 頭を優しく撫でると目を細めて嬉しそうに膝の上で丸くなる恋。

 

「はぁ~♪」

 

 愛紗も恋を撫でたいのか、隣でプルプルしてるし。(まだ腕を組んでます)ってそうだ!

 

「貂蝉! なんで恋は小さくなったんだ?」

 

 貂蝉は珍しく難しい顔をして、

 

「それがわからないのよねぇ。大体ここにいて記憶があること自体不思議なのよ。とりあえず、強さは変わってないようだけど……」

 

 へ? この小ささで、呂布の強さなの? 鈴々(張飛)とかじゃないよ? 璃々くらいなんだよ?

 

「ただ武器はさすがに、方天画戟とかは無理そうねん。おおきすぎて♪」

 

 だよな。でもちび恋に使えそうな武器か……あ、たしかあれって…… 唐の時代だから四百年以上後くらいだよなぁ? ってことは……まだ、あの猿の王様は岩山に閉じ込められてるかな?

 

 まあ、外史ってことだし聞くだけ聞いてみよう。

 

 

「貂蝉、恋の武器なんだけど……東海竜王が持っているかもしれない海の重りとか借りてこられないかな?」

 

 貂蝉がとたんに笑顔になって答える。

 

「あらん。あたしも今それを考えていたのよん。やっぱりご主人様と気が合うわん」

 

 ちび恋は訳がわからないのか、俺の膝の上で丸まったまま、頭の収まりがいいポイントをもそもそと探しているようだった。

 

「でも、いいのか? 俺の願いは叶えてもらったばかりだし……」

 

 少し気まずそうに言う俺に、貂蝉は笑いながら、

 

「ご主人様の願いもたいした事ないし、呂布ちゃんの状態がわからないからこれはお詫びみたいなものよ。そ・れ・に♪ 竜ちゃんには貸しが沢山あってねん。取立てのついでに借りてくるわん♪」

 

 どんだけ顔広いんだよ! このおっさん!

 

「だれが水平線のように果てしなく顔がひどいですってーーっ?」

 

 いやいやいや、なんで心の声が聞こえるの!? 貂蝉さん。しかも聞き間違いだし!

 

「いや。広いだってば、ひ・ろ・い」

 

 貂蝉は俺の言葉を聞くとおとなしくなり。

 

「あら、あたしとしたことがご主人様の愛の言葉を聞き間違えるなんて!」

 

 今度は身悶え始めた……。もう勝手にしてくれ……。

 

「ご主人様。そろそろ暗くなってまいりました。とりあえず宿を探しましょう」

 

 愛紗が俺の肩にコテっと頭を乗せて微笑みながら提案してくる。

 

「そうだな。恋もおな」

クゥー

「かがすいたろ? ふふっ」

 

 恋は上目遣いで、ごはんーごはんー。と催促してくる。

 

 

 あー、でもお金足りるかな? 恋がいるのは嬉しいけど、いま収入がないからなぁ。幸い俺と愛紗の持っていた路銀はかなりの額で一安心。(ほとんど愛紗のお財布から)

 

 とりあえず一番近くの邑に向かうと決めた為、貂蝉に声をかける。

 

「じゃあ恋の武器の件、よろしく頼むよ! あと、この近くの邑ってどこかな?」

 

 貂蝉は最高の笑顔? で、

 

「ええ、明日には持っていくわん……邑は東の方が近いかしらん?」

 

 そう言うと凄い高さに跳躍し、あっという間に見えなくなった。

 

……

 

 愛紗の記憶によると、ここは冀州らしい。

 

 馬も場合によっては手に入れなければならないし、言われた通り進んでいると……。

 

……

 

「麗羽様ぁー、もう帰りましょうよー。もうすぐご飯の時間ですよー」

 

「猪々子さん。管路の占いの流れ星らしき光が落ちたのが見えたのでしょう? 天の御遣い? でしたかしら? ソレを見つけるまで帰ることは許しませんわ! きっとこの私、三公を輩出した名家の出身である袁本初を待っているに違いありません! 全てにおいて完璧なこの私に、遂に天も味方したのですわ! おーっほっほっほ! おーっほっほっほ!」

 

「あちゃー、言うんじゃなかったぁ。麗羽様、こうなったら止まらないんだよなぁ」

 

「文ちゃんが言ったからこうなったんじゃない! 流れ星がこの辺に落ちたから探しに行きましょうよ! って! もぅ~」

 

 前方からとても疲れる掛け合いが聞こえてきた……。

 

「「はぁ」」

 

 つづく

 

 


 
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