No.913154

ポケモンDPt 時空神風伝 02

フウイさん

どんどん続けていきますよ、まだ始まったばかりだけどね!

2017-07-07 17:34:27 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:552   閲覧ユーザー数:552

第2話 新パートナー登場

 

船が町に到着し、クウヤは船から降りてシンオウ地方への第一歩を踏み出した。 彼がこの地方で最初に訪れた町はマサゴタウンだ。

 

「ここがマサゴタウンかぁ・・・まずはナナカマド博士の研究所を探せってセイに言われてたよな。 えっとぉ?」

 

目的の建物の情報を探そうとあたりをキョロキョロしつつ歩いているとなにかにぶつかり、後ろに転ぶ。

 

「ててっ・・・うぉっ!?」

 

目の前にいた青いポケモンに驚く。

はじめてみるこのポケモンは何だと戸惑うクウヤに、一人の男性が駆け寄ってきた。

青い帽子とスーツ、グレーのズボンに身を包んだ、長身の男性だ。 帽子からは紺色の髪と青い目をのぞかせている。

 

「私のポケモンがすまない、大丈夫だったかい?」

「いや、大丈夫だよ、おれの方こそ前見て歩いてなかったから・・・ごめんな、えーっと」

 

この青いポケモンにぶつかったことを謝るものの、ポケモンの名前が解らず戸惑い言葉が続かないクウヤ。

 

「このポケモンをみるのは初めてか?」

「あ、うん」

 

男性に自分の考えてたことをいわれ、素直にうなずく。

 

「このポケモンの名前はルカリオっていって、私のパートナーだよ。 そして私の名前はゲン、ポケモントレーナーだ」

「そっか、おれクウヤ! ホウエンからこのシンオウ地方をトレーナーとして旅するためにきたんだ。」

「ホウエンから・・・随分遠いところからきたんだね」

「ああ!」

 

ゲンと名乗った男とルカリオはクウヤに親しげに話をした。

 

「そうそう、それでさ、ちょっと聞きたいんだけど・・・ナナカマド研究所ってどこだかしらねぇかな?」

「ああ、ナナカマド研究所はあそこの・・・青い屋根に白い壁の大きい建物だよ。」

「そっか、ありがと! じゃあまたあおうなぁ!」

 

クウヤはゲンに手を振りながら彼にいわれた建物の方に走っていく。

 

「・・・ふふ、元気のいい男の子だ。」

 

その後ろ姿をみて、ゲンは静かに笑った。

 

「おまけに不思議な波導も感じる・・・そうだよな、ルカリオ」

「ブルルッ」

 

と、クウヤの方をもう一度見つめてから、ゲンとルカリオはそこを去っていった。 そこにいた人たちは、そのことに誰も気づいていない様子だった。

 

 

ゲンの案内のおかげで、クウヤは無事にナナカマド研究所に到着した。 旅立ちの少し前に、オダマキ博士貰っていた紹介状を片手に持ちナナカマド博士をさがしていると、一匹のポケモンが姿を見せる。

 

「ヒコヒコッ」

「うん?」

 

猿のような姿をしていて、小柄で大きな目のオレンジ色のポケモンだった。 尻尾が炎であるためこのポケモンがほのおタイプであることがわかる。

 

「ヒッコォ」

「はじめてみるポケモンだな・・・えぇっと」

「その子はヒコザルっていうポケモンよ」

「え?」

 

クウヤに話しかけてきたのは肩に小さいポケモンを乗せた女の子だった。

白いニット帽に黒い長髪、青い目、白いマフラーにピンクのミニスカとコートに同色のブーツをみにつけたかわいい感じの女の子だ。

 

「初めまして、私はヒカリ。」

「おれ、クウヤ。 よろしくな!」

 

クウヤはヒカリと名乗った少女に握手を求め手を差し出すと、彼女は笑顔でその手を受け取って握手をかえす。

 

「それで、クウヤくん、何か用かしら」

 

手を離した後でヒコザルを抱き抱えてヒカリはクウヤに事情を尋ねる。

 

「あ、そうだ、おれナナカマド博士に会いたいんだけどさ」

「わしにご用かね?」

「え」

 

声をかけてきたのは白髪で白い髭をたくわえた老人の男性だった。

 

「もしかして、ナナカマド博士?」

「うむ、その通りだ」

「え、えぇっとぉ、お、おれ、クウヤって、いいます。 おれ・・・友達とかオダマキ、博士とかから、ナナカマド博士のことを聞いてて・・・」

 

クウヤはたどたどしく自分の名前を名乗り話をする。 どこかぎこちないのはナナカマド博士におびえているわけでは決してなく、彼が敬語を話すことが苦手だからという理由だ。 そして、クウヤも敬語を使わなければならない場面があることをわかってるので苦手だとしても、ここは使ってはなすべきだと思ったのだ。

 

「敬語を話すのは苦手のようだな・・・普通の話し方でいいぞ」

「うっげ、ばれてたの!?」

「その話し方を聞けば、すぐにわかるとも」

 

ナナカマド博士に笑いつつ、預かっていた紹介状を彼に渡す。

 

「確かにオダマキくんの字だな・・・」

 

封筒を開けその内容に目を通すと、ナナカマド博士はクウヤに向き直る。

 

「ふむ、この紹介状によれば、つまり君はシンオウからまたトレーナーとして新しくやり直すために、ここにきたというこか」

「うん」

「その前向きな向上心、気に入った。 君に初心者用のポケモンをプレゼントしよう」

 

ナナカマド博士の提案に、クウヤとヒカリは目を丸くして驚いた。

 

「博士、いいんですか?」

「かまわん、今日旅立つのはフタバタウンの新人トレーナーは二人だけだ、それに対し初心者用のポケモンは3匹、丁度いいだろう」

「・・・それじゃあ」

「今日のトレーナーと一緒に最初のパートナーを選んで、彼も旅にでる・・・ということだ。 早速ヒカリくん、手配してくれ」

「はいっ!」

 

博士の言葉に従って、ヒカリは動き出す。 クウヤはぽかんとしたままだったがやがて笑顔を浮かべてナナカマド博士に頭を下げた。

 

「ありがとうな、ナナカマド博士!」

 

と言って頭を上げるとクウヤもそこを去っていった。

 

 

 

「あぁ~、早くポケモンこねぇかなぁ!」

「落ち着いてよジュン」

 

広い部屋にいた二人の少年のことを、隣にいるヒカリに聞くクウヤ。

 

「誰?」

「ああ、彼らはコウキくんにジュンくん。 今日新人ポケモントレーナーとして旅立つのよ」

「へぇ・・・じゃあおれと同じ?」

「そうなるわね。 やっほー、コウキくんにジュンくん!」

「あ、ヒカリちゃん」

 

どうやらヒカリはこの二人の少年・・・コウキとジュンと知り合いらしく、明るく声をかける。 赤い帽子に青いコートの黒い短髪の少年がコウキ、金髪に緑のマフラーの少年がジュンのようだ。

 

「まだ時間じゃないのに来ているなんて・・・気合い十分って感じね」

「もちろんだぜ!」

「そりゃあ楽しみだもんね、ポケモンと旅にでるのが・・・って、うん?」

 

コウキはクウヤに気がついた。

 

「ヒカリちゃん、そいつは?」

「この人はクウヤくん、今日彼も最初のポケモンをつれて旅にでることになったの」

「え、僕とジュンだけじゃないの?」

「ええ、私も急でビックリしちゃった」

「あはは、まぁよろしくな!」

 

コウキとジュンに迷いなく笑って挨拶するクウヤ。 コウキとジュンは軽く自己紹介をする。

 

「ところで、クウヤくんって何歳なの?」

「おれ? 最近13になったばっかだよ?」

「ああ、僕達と同じだったんだね。」

 

同じ年齢と知ってコウキは一気に親近感を持つ。

 

「クウヤくんって・・・」

「3人とも、よく集まってくれたな」

「あ!」

 

コウキが彼に興味を持って話をしようとしたらそこにナナカマド博士が現れた。 彼の存在に気づいた3人はヒカリにあわせて整列し、ナナカマド博士と向き合う。

 

「もう既に知っているかとは思うが、私がポケモン博士のナナカマドだ。今日ここより旅立つ若きポケモントレーナーたちに、ここにある3つのモンスターボールに入っているポケモンを授与したいと思う。 これからの冒険をともにする大事なパートナーだから、じっくり考えて選ぶといい」

 

そこまでナナカマド博士が語った後でヒカリは3つのボールを手にとってそこからポケモンを出した。

 

「まずはこの子が草ポケモンのナエトル。」

 

一匹目は緑色で頭に葉っぱつきの枝が生えた亀のようなポケモン。

 

「続けてこの子は、炎ポケモンのヒコザル。」

 

二匹目は先ほどクウヤが出会ったポケモンだ。

 

「最後に、この子が水タイプのポッチャマよ。」

 

三匹目は青い体に丸い目の、ペンギンのポケモンだった。

 

「以上がシンオウ地方で推奨されている初心者用ポケモンたちよ。 さぁ三人とも、ポケモンを選んでね!」

「おぉぉぉ!」

「うっわぁ、どの子にしようか・・・」

 

コウキもジュンも、初めての自分のポケモンになるであろうその三匹に目を輝かせる。 クウヤも不意に故郷においていった自分のポケモンの、初めて自分と出会ったときの姿を思い出し、目を細める。

 

 

そんな懐かしさに浸っていると、クウヤの方に自分から歩み寄ってきたポケモンに気がついた。

 

「ヒッコゥ」

「あ、お前さっきのやつだな」

 

しゃがんでヒコザルの頭をなでるクウヤ。 それに対し目を細めるヒコザルはクウヤのことをわずかな時間の中で気に入ったようで勢いよくクウヤに飛びついた。

 

「なんだってんだよ、そいつもうお前になついてるじゃねーか」

「それじゃあ一匹は決まりだね」

「おれとくるか、ヒコザル?」

 

ヒコザルにそう問いかけるとヒコザルは満面の笑顔を浮かべてうなずく。 どうやらクウヤについていくと自分で決めたようだ。 その様子を見てコウキもジュンも自分のパートナーを決めたらしい、そこにいたポケモンに手を伸ばした。

 

「僕のポケモンはナエトルだね」

「えーるぅ」

「オレはポッチャマ! よろしくなポッチャマ!」

「ぽちゃ」

 

コウキはナエトル、ジュンはポッチャマがそれぞれパートナーになりポケモントレーナーへの一歩を踏み出した。

 

「うむ、三人ともこれからも、ポケモンとともに力を合わせていくようにな」

「はい!」

「そして、これが・・・ポケモン図鑑だ。 」

 

ナナカマド博士が取り出したのは赤い小型の機械だった。 三人は博士からそのポケモン図鑑を受け取る。

 

「では、君たちの今後の幸運を祈る、精進したまえ」

「はい!」

「ああ!」

「おぅ!」

 

ナナカマド博士がその場を立ち去り、クウヤは自分が抱き抱えているポケモンをもう一度みた。

 

「・・・えへへ、なんかこの感覚久しぶりだな・・・。 それじゃあ、シンオウではよろしくな、ヒーコ。」

「ヒコヒコ!」

 

早速NNを決めて笑うクウヤ。 そこにコウキはあることに気づきクウヤに問いかける。

 

「ところで、クウヤくん、シンオウではってどういうこと?」

「ああ・・・おれ、ホウエンを一周旅したんだけど、シンオウ地方で心機一転しようときたんだ!」

「え、じゃあもうポケモン持ってたのかよ!」

「ああ」

 

ホウエンでの旅のことをコウキとジュン、そしてヒカリにはなした。 ホウエンで初めて旅にでたときのこと、二人のライバルとも呼ぶべき親友のこと、たくさんの強いトレーナーや各地のジムリーダーのこと。

 

そして、故郷で義理の兄と叔父に預けた自分のポケモンたちのことも・・・。

 

「そうだったんだ・・・クウヤくんって実は僕達より先輩だったんだね」

「そんな大袈裟なもんじゃねぇよ・・・おれより強い奴なんてたっくさんいるしまだ全部を知っているわけでも全部を冒険もしてねぇ。 だから立ち止まったりうぬぼれるなんてごめんだっての。」

「・・・井の中の蛙、大海を知らず。」

「え?」

 

クウヤの話を聞いたヒカリはそう言った。

 

「まさにその通りって思ったの、ポケモンのことを知ったつもりでいて自分が一番強いって思い上がっている人も世界の広さと比べたら小さい存在だものね」

「・・・えーっと・・・」

「ホンット、時々わかんねぇこと言うよな、ヒカリちゃん。

流石ナナカマド博士の助手だぜ・・・」

「頭いいよね」

 

彼らの言葉に対しヒカリはくすっと笑った。

 

「・・・でもこれから、貴方達はライバルになるわよね」

「え?」

「クウヤくんも貴方達と同じラインにたったんだもの、もう経歴も差も関係ないわね」

「・・・そうだな、おれ、お前達に負けないぜ!

コウキ、ジュン!」

 

そういい拳を突き出すクウヤ。

 

「・・・ああ、僕も負けない!」

「オレだって負けるもんか!」

 

クウヤに応えて、コウキとジュンも拳をぶつける。

 


 
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