No.908347

【けもフレ】らぶ♥フレンズ【かばんvサーバル】

初音軍さん

夢は比較的印象に残ることと不安に思ったことが出やすい(と思う)
そして現実とはまた違った内容の夢になりがち。
そんなサーバルちゃんの夢と現にある愛をテーマにしました。
12話の後のお話。

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2017-06-02 17:01:56 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:336   閲覧ユーザー数:335

らぶvフレンズ~よあけ

 

【サーバル】

 

 おっきいセルリアンに捕まったかばんちゃんを助けるために必死に引っ掻いて

噛み付いた、何度も何度も。どれくらい時間経ったかわからないくらい攻撃して…

なんとかセルリアンを倒してかばんちゃんを私は必死に探していた。

 

「かばんちゃーん!」

 

 胸の中で嫌なものがこみ上げて気分が悪い状態のまま何度もあの子の名前を

呼びながら探した。途中で帽子とかばんを拾いながら彼女の名前を呼び続けた。

でも返事はない。あの優しくて暖かい声が聞こえない。

 

「かばんちゃん!」

 

 これまで何度も別れを繰り返したけど、寂しいことはあったけど。

まるで自分の中の一部がなくなって、不安に押し潰されて呼吸すらままならない。

こんなに苦しい気持ちになるのは初めてだ。

 

「やだよ…。私を一人にしないでよぉ…!」

 

 次第に歩くこともできずに砂場に膝をつけて帽子を抱きしめて泣き崩れた。

どれだけ泣いても叫んでもかばんちゃんもボスも…誰からも声がかからなくて。

それでも私は喉が枯れるまで何度も何度も呼び続けていた。愛する人の名前を…。

 

 

***

 

「かばんちゃん…!」

 

 ガバッ

 

 私は叫びながら体を起こした。そこは海の傍ではなく木々に囲まれて心地良い風が

体に触れるそんな場所だった。

 

 私の隣には静かな寝息を立ててかばんちゃんが眠っていた。

 傍には羽根が二つ付いた帽子といつものかばんがあった。

そう、そこにはいつもの光景があった。私はそれを見てホッとしてかばんちゃんの

腕にしがみつくようにして顔を肩に押し当てる。

 

 柔らかい感覚、確かにそこにはかばんちゃんの体があって匂いがして次第に

落ち着いていくのを感じていた。それまではすごい嫌な心臓の音が響いていたから…。

そうしてもう一度帽子を見て確認をした。

 

 二つ付いている羽根を見て、あの時のことを思い出す。

そうだ、あの時は夢で見たのと違ってパークのみんながかばんちゃんのために

駆けつけてくれていたんだっけ。

 

 私は一人じゃないんだと胸の内が少しだけ暖かくなった。

不思議だよ。これだけのフレンズを惹き付けて仲良くなれる子ってそうはいない。

だからかばんちゃんってすごいなって思うんだ。

 

 寝ているかばんちゃんの顔を覗いてからそっと彼女の頬を舐めると

かばんちゃんが何か呟いてから目を開けた。

 

「あ、ごめん…起こしちゃったかな」

「サーバルちゃん…あれ、何で泣いてるの…?」

 

 かばんちゃんの声を聞いて安心したからか、また目から涙がこみ上げてくると

かばんちゃんは眠そうな声をしながらも私のことを心配してきた。

 

「う、ううん…なんでもない」

「ふふっ…こっちおいで」

 

 そう言ってかばんちゃんは私の頭をかばんちゃんのモモの辺りに移動させてきた。

膝枕って言うんだっけ。柔らかくて気持ちいい。

 

 そしてその後、私の頭を撫でながら目を瞑るかばんちゃん。

そして小さい声で歌い始めるとそれを聞いていた私は不思議なくらいすぐに眠くなって

自然と瞼が閉じた。さっきと違って穏やかで幸せな気持ちに包まれる。

 

 ふわふわ、どきどきして暖かくて好きな子の匂いに包まれながら

私はいつの間にか眠っていた。

 

 

***

 

 私は目を覚ますと朝になっていた。寝る前と同じ体勢で寝ていたのか

目の前にはかばんちゃんの寝顔が見えた。それから、かばんちゃんが起きるまで

飽きることなくずっと眺めていられた。

 

 かばんちゃんが起きてから腕につけていたボスを運転席に嵌めてバスを動かした。

運転するかばんちゃんのすぐ後ろから身を乗り出しながら私はボ~ッと考えていた。

今までは何となくでっていう気持ちで何とかなっていたから気楽に過ごしていたけれど

かばんちゃんと会ってからいざという時に大切なモノが守れないことを知った。

 

 だから、私は前と少し違って強くなりたいと思っていた。

力もそうだけど、気持ちの方でも。かばんちゃんを守れるくらいには…。

風に揺れるかばんちゃんの髪を見ながら私の口からふと言葉が漏れた。

 

「かばんちゃん、私強くなりたいな」

「どうしたの、急に?」

 

 運転中だからか振り返らずにそのまま言葉だけ返ってくる。

 

「かばんちゃんを守れるようにがんばるから!」

「ありがとう、サーバルちゃん」

 

「だからもうこの前みたいな危ないことはしないでよね!」

「あはは…。はい、あの時はほんと…ごめんなさい」

 

 私の言葉に笑みを浮かべながら嬉しそうにした後、私の注意で苦笑いをしながら

運転を続けるかばんちゃん。

 そんな彼女の横顔を見ていたらつい私はかばんちゃんの頬にちゅーをした。

 

「ひゃっ!」

 

 いきなりでびっくりしたのか、バスの動きがぐいんって変な動きをする。

 

「危ないよ、サーバルちゃん!」

『運転中ニはしないほうがイイヨ、サーバル』

 

「ごめ~ん。でも、何だか急にかばんちゃんにしたくなっちゃって。大好きだなぁって」

「それは…ボクもだよ。サーバルちゃんのこと好きだよ」

 

「えぇ~、もう一声!」

「うぅ…恥ずかしいんだけどなぁ…。だ、大好きだよ!」

 

「えへへ、嬉しいな~」

 

 いつもの時間がこんなに嬉しいことだなんて知らなかった。

かばんちゃんと一緒にいると、何てことなかったことが大切なモノに見えてくる。

どんなことでもキラキラ輝いて見える。

 

 そう思えるくらい彼女と一緒にいられることが私にとって幸せなんだ。

 

「ね、かばんちゃん、私たちずっと一緒にいようね!」

「うん!」

 

 バスに揺られながら私とかばんちゃんとボスで楽しく話をしながら旅は続く。

いつまでも、どこまでも…。

 

お終い。


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