No.906131

ガイシイレブン 第一話

リーヨさん

お初にお目にかかります。リーヨと申すものでございます。

この作品は独自設定(と言うか無理ある設定)、真・恋姫無双までのキャラ(シリーズをそこまでしかやっていない)、イナズマイレブンの要素(技だけ)、そしてサッカー(ここ重要)が含まれます。血生臭い戦はありません……そこをご了承の上御覧ください。

そして、二次小説と言うものに初めて挑戦するため至らない部分や甘い部分も多くあると思いますが、その時は優しく指摘してくださるとありがたいです(いや厳しいのがダメと言う訳じゃないけど……)

2017-05-18 13:09:22 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:590   閲覧ユーザー数:548

 

「いきます!」

 

太陽が照りつける中、走り回りながら白と黒に塗られたボールを追いかける影がある。軽く蹴り、少し前に転がしながら追い掛けまた少し蹴って追い掛けてを繰り返す。そしてある程度走ると、そのボールが勢いよく蹴られ飛んでいった。

 

「はぁ!」

 

その蹴られたボールはまるで弾丸のように強烈なものへと変貌し飛んでいくがそれをダイビングキャッチで止める影もある。

 

「流石桃香様です!」

「まだまだだよ!」

 

桃香様と呼ばれた桃色の髪を振り回しながらボールをダイビングキャッチで止めた少女は今止めて手に持ってるボールを見ながら笑う。その顔は楽しくて仕方ない!そう如実に語っていた。

 

「じゃあ今度は鈴々の番なのだ!」

 

そう叫んで先程ボールを蹴った黒髪の少女にかわって小さくも、快活そうな少女がボールを受け取り足を大きく振り上げ蹴る!

 

「てぇい!」

 

それをまたパンチングで弾く。二人のシュートは弱くない。だがそれを弾き続けていた。楽しそうに……嬉しそうに……

 

そんな時だ。

 

「ん?」

「どうされました?桃香様」

 

先程まで爛々とボールに向けて眼を輝かせていた少女は空を見上げ、それを見た別の黒髪の少女が首をかしげた。

 

「あ、うん。こんな太陽が高いときから流星が見えるなんて珍しいなって」

 

そう彼女が言うと黒髪の少女と小さな少女の二人も同じ方向をみた。確かにこんな太陽が高いうちから見える。流星がと言うか白いなにかが……

 

「ほんとですね」

「しかもだんだん大きくなってきてるのだ」

「鈴々。アレは大きくなってるんじゃない。近づいてきてるだけだ」

「お~。愛紗は頭いいのだ」

「ほんとだね。愛紗ちゃんすごい」

「それほどでも……」

『アッハッハ…………げっ!』

 

何て言う笑い話を三人はしたが、つまりそれはこちらにそれが飛んできていると言うことに他ならない。と言うわけですぐさま三人は現実逃避をやめて慌ててその場から背を向け全力で走り出す!

 

そして次の瞬間……その場が光に包まれた。

 

「…………」

 

夢を見ていた。小さい頃の……

 

まだ純粋にボールを追いかけていた夢だ。ひたすら夢中になって日がくれるまでボールを追いかけた。親に怒られても懲りずにまた追いかけていた……けど、

 

《ほんと天才様ってやつはスゲェスゲェ》

《ホントホント。俺たちにはついていけねぇや》

《勝手にやってろよ。俺たちはアンタみたいな天才じゃないんだ》

 

ちがう、俺はただ……

 

《いいよなぁ天才は》

《あーあ……つまんね》

 

そんなわけない。楽しいものだろう?

 

《あぁそうさ。楽しいさ》

《お前がいなきゃな》

 

っ!俺は、ただみんなと……

 

「はっ!」

 

ガバッと体を起こす男がいた……全身にジットリと汗をかき息が落ち着かない。だがそんな中でも男は周りを見渡し首をかしげる。

 

「ここは……何処だ?」

 

ベットから降りながらみたことのない場所に男は困惑する……そんな時、

 

「あ!」

「ん?」

 

突然扉が開かれ振り替えるとそこにはポワワンとした雰囲気に豊かな胸、更に桃色の髪を揺らしながら一人の女の子が駆け寄ってきた。

 

「あ、あの!何処か痛いところはありませんか!?」

「あ、うん。特にない」

 

フワッと鼻を擽る香りに男は僅かに後ずさる。

 

別に女が苦手な訳じゃない。だが今までの人生においてここまで女に近寄られると言う経験をしていない。その為か照れ臭いようななんと言うか……そんな気分だった。だがそんなとき、

 

『あ……』

 

グゥ~っと男の腹の虫が鳴る。こんの馬鹿腹!っと叫びたい気分だ。こんなかわいいこの目の前で態々大きく鳴ることもないだろう!と、

 

「ふふ……」

 

だが少女はそれをみても可愛い笑みを浮かべて笑った。

 

「じゃあ下で他の皆も待ってますし一緒に《グゥ~》ご飯にでも……」

 

カァアアアっと少女の顔はみるみる赤くなり、言葉の後半が小さくなっていく……今度は男が笑う番だ。

 

「プッ……そうだな。案内をお願いしようか」

「う、うん……」

 

やはり流石に女の子と言ったところだろう。お腹の虫が元気に鳴く音は聞かれて恥ずかしいらしい。顔を真っ赤にしつつ足早に扉の前に行った。すると、

 

「あ、そうだ。まだ名前聞いてなかったよね?」

「ん?あぁ~。そうだな」

 

そう男が頷くと少女は振り返り、思わず見惚れてしまいそうになるほど綺麗な……太陽のような笑みをこちらに向けながら言う。

 

「私は姓は劉、名は備、字は玄徳だよ」

「そうか劉備か……俺は北郷 一刀……ってちょっと待て。お前の名前はなんだって?」

 

普通に名乗られてしまい、思わずそのまま流しそうになったものの、サラッと告げられたその名前に男は……いや、一刀は自分の耳を疑い劉備?に聞き返した。

 

「もう、ちゃんと聞いてなかったの?私は姓は劉、名は備、字は玄徳だよ」

「…………えぇ?」

 

さっきと変わらず見惚れそうになってしまうほど綺麗な、太陽の笑顔を向ける少女、劉備?に一刀はさっきまでとはちがう汗が垂れる。

 

(この子……何言ってんの?)

 

「私は姓は関、名は羽、字は雲長と申します」

「鈴々は姓は張、名は飛、字は翼徳なのだ!宜しくなのだ!」

「ドーモハジメマシテ、カンウサン、チョウヒサン。オレハ、ホンゴウ カズトダヨ」

 

オープンテラスのような店に連れてこられ、相手の自己紹介と自分の自己紹介を終えた一刀は天を見る。

 

(マテマテマテ!この子たち何言ってるんだ?劉備?関羽?張飛?全部三国志の英傑じゃん!それが女の子?いやきっとこれはドッキリでこの子たちは俺をからかってるんだな……にしては舞台セットもしっかりしてる。この店とか町並みとかよくできてるよ。エキストラもバッチリだ。あとはどうやって俺を運んだかだがまぁ寝てる間に運んだんだろう。俺寝るとちょっとやそっとじゃ起きないしなぁ。アッハッハ……)

 

ってんなわけあるか!っと一刀は自分で自分に突っ込みをいれた。

 

名前が嘘かどうかは分からないが町並みとか住人の皆様がどうみても舞台セットの類いでない事くらいみればわかる。彼女たちの服だって見たことないし……

 

だが、だからといってタイムトラベルしたのかと思うと……NOである。だって言葉通じるじゃん?日本語じゃん?ならここは日本の可能性が高いんじゃないだろうか?そう思うとさっきの舞台セットじゃないはずのこの場所も途端にうさんくさく見える。

 

更に言えば……

 

「なあ劉備さん」

「なぁに?」

 

あれ何?と一刀は指を指す。その先には子供たちと、ボールがひとつ……それを一刀はよく知っていた。知ってるがゆえにもしここが三国志の時代の中国なのだとしたらあるわけがないとわかっている。

 

「あれはね。サッカーだよ!スッゴい面白いの!興味あるの!?」

 

ズイッと身を乗り出し一刀の顔を覗き込む劉備に一刀は思わず体を仰け反らせつつも、

 

(睫なげぇ……色白……良い匂い……じゃなくて!)

 

はい決定です。ここは現代です。せめてドッキリするならもうちょい頑張れよと一刀はひと安心した。まさか知らない世界に放り出されたんだとしたら流石にそれはヤバイ事態だ。そんなSFみたいな状況でないことが分かっただけでも上等である。でもどうやってホントどうやって運ばれたんだろ……

 

「ま、まぁとにかく、ここは何処なんだ?日本にこんな舞台セットおける場所何てあったかな……」

「にっぽん?なにそれ」

「え?」

 

可愛らしく首をかしげる劉備に一刀はいやもうドッキリは良いからと言う……が、

 

「どっきり?どう言うこと?別に驚かせたりしてないよ?」

「いやいやいや、普通にカタカナ言葉使っといてなに言ってんだよ。そもそも三国志の時代にサッカーはないぞ?」

 

そう言うと劉備だけではなく関羽や張飛も困惑した表情をとった。

 

「サッカーは昔からありますが?」

「昔から?」

 

関羽の言葉に今度は一刀は首をかしげる番だ。

 

「はい。高祖・劉邦の時代から続き民から王まで幅広く親しまれるものなのですが……」

「……へ?」

 

関羽さん?今なんて言った?劉邦?いやいやいや、流石にそんな昔からサッカーはないでしょう?歴史の教科書がおかしくなるよ?

 

「あ、正確に言うとその部下の張良が発案したって言われてるけどね?因みに高祖・劉邦は私のご先祖様なんだ~」

 

劉備さん、もうそれ以上情報を開示されても頭いたくなるだけです……エッヘンと胸を張られてもそのフワフワしてそうな大きなお胸様に目がいってしまうだけでございます。

 

「更に張良と言えば張良語も残してますね」

「張良語?」

 

関羽の言葉に一刀は力なく聞き返す。

 

「はい。例えば物の数えかたでは一、二、三と数えますが張良語だとワン、ツー、スリーと……」

「それ英語じゃねぇぇええかぁああああ!」

 

ブン!っと体を起こし叫ぶ一刀。もうお前らドッキリ企画だと隠す気ないだろ!っと言いたかった。だが……

 

(もし俺が企画者だったらこんなすぐバレそうなドッキリを仕掛けるだろうか……)

 

と言うことだ。

 

そう、これがもしドッキリだとしたらあまりにもお粗末すぎやしないか?と言うのが一刀の感情だった。

 

つまりそう考えれば……いやいやいや!

 

(ないない!どう考えてもあり得ない!)

 

これが現実?その考えを一刀は必死に否定した。だってそんな非現実的なことがあるわけがない……

 

(そうだ。冷静になれ北郷 一刀……まず昨日までのことを思いだそう。そう、たしか昨日は友人の及川とゲーセン行って遊んで帰って来てから風呂入って寝て……)

 

その先から記憶がない……と一刀はサァーっと血の気が引いていく。そう言えば……

 

「な、なぁ……俺どうやってここに来たんだ?」

「私たちがお空から降ってきた一刀さんを運んできたの」

 

ニッコリ笑いながら言う彼女に一刀はクラクラした。いや……空から降ってきたって何?俺はラ○ュタのヒロインじゃいぞ……と、混乱してきたその時だった!

 

「キャア!」

 

突然の悲鳴に一刀たちは振り替える。するとそこには、

 

「引ったくりか!」

 

そう、地面に転んだご婦人と、その持ち物と思われる手荷物を抱え走る男がいる。男の足は早く、すぐにでも追わないと見えなくなりそうだ。

 

「借りるぞ!」

「え?」

 

無意識だった……咄嗟に一刀は近くでサッカーに興じていた子供から強引にボールを借りるとボールを空中へ蹴りあげ自分もジャンプ。

 

その姿は子供たちだけではなく桃香たちも見惚れるほど美しく……そして力強い。

「オッラァ!」

 

しかしそんな状況も一刀は意に返すことはなく左足でボレーシュート!そのシュートは弾丸……等と言う生易しいものではなく、まるでロケット弾だ。

 

そしてボールは空気を切り、人の間を縫って引ったくりの頭に激突……

 

「ぐえ……」

 

最後にバシィン!っと言う音と共に引ったくり犯は潰れた蛙のような声を漏らしつつ地面に倒れ終了……

 

「…………っ!捕まえろ!」

 

暫くの間があった後、誰がかそういい周りの皆が引ったくり犯を取り押さえに掛かる。しかしそれとは別に……

 

「す、すげぇ兄ちゃん!」

「ん?」

唖然としていた子供たちは一刀を取り囲み、一刀はそれにより動けなくされてしまった。

 

「なあなあ!もう一回見せてよ!」

「あはは……」

 

一刀は力なく笑いつつ子供たちを掻き分け包囲網を突破……とにかくここを離れよう。と思ったが、

 

「凄いよ!」

「おわ!」

 

突如目の前に現れたのは劉備……いきなり視界一杯に出てきたため一刀はひっくり返りそうになる。

 

「もしかしてサッカーをされていたのでは?」

「びっくりしたのだ~」

 

それと共に関羽と張飛もやって来た。それに対して一刀は苦笑いしつつ答える。

 

「まぁ実は昔にちょっとな……」

「じゃあさじゃあさ!また見せてよ!」

「え?」

 

劉備はそう言うが早いかグローブを取り出し手に着ける。

 

「私キーパーやってるの!一刀さんのボール止めてみたい!」

 

キラキラと目を輝かせるその姿は新たな遊びを見つけた子供のように純粋で……

 

「……ごめん。サッカーはもう辞めたんだ」

 

一刀には余りにも眩しすぎる物だった。それを聞いた劉備は首をかしげる。

 

「え?何で?楽しくないの?」

「まぁ色々あったからさ……」

 

そう言って一刀は目を伏せる……だが、

 

「勿体無いよ!あんなスッゴいシュートが打てるのに!」

「もういいんだよ!」

『っ!』

 

ハッと一刀は自分でも驚くほどの大声が出たことに驚き、劉備やそれを見ていた関羽、張飛に子供たちも目を見開いていた。

 

「ご、ごめん!」

「あ!」

居たたまれなくなった一刀は劉備たちに背を向け走り出す。後ろから声が聞こえる気がするが無視して走った。

 

(ドッキリの癖に!)

 

何なんだよ!そう一刀は心の中で叫んだ。

 

昔サッカーはやっていた。だがもう辞めた。なのに劉備の目を見ているとボールを追い掛けていたときの……楽しかったときを思い出す。

 

だがもう何があってもやらない……そう決めたはず、だが六つ子の魂百までとはよく言ったもので幼少より追い掛けたボールを蹴ったときは胸が高鳴った……そんな自分が嫌で……

 

「クソ!」

 

とにかくこんなドッキリ会場からおさらばだ。そう考えはしると門のようなものが見えてくる。

 

此所から外に出れるはずだ。そう思い一刀は飛び出した……が、

 

「うそ……だろ?」

 

一刀の眼前に広がるのは荒野だ。遥か先の地平線まで広がる荒野……こんなもの、少なくとも日本にはないだろう。

 

いや、何処かで分かっていたのかもしれない。

 

必死に言い訳しててもここが……自分のよく知る 場所でないことは……何処かで理解していたのかもしれない……

 

《《ここが自分の知っている場所で無いことを》》

 

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