No.885673

ゆりおん!8話

初音軍さん

時間に少し余裕ができたときにブログで書いたお話。ゆいあず♪

2016-12-28 14:24:53 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:229   閲覧ユーザー数:229

 

【唯】

 

 あずにゃんと離れ離れになってから幾年。同じ大学になって嬉しくて私は喫茶店へ

あずにゃんを呼ぶといきなり話を振ってみた。

 

「私と一緒に住まない?」

「へ?」

 

 びっくりしたような顔をしながら気が抜けたような声があずにゃんの口から漏れていた。

頭の中で進みすぎていろいろ端折っていたみたいだった。

 

「ごめんごめん、あずにゃんと同じ大学だったら同棲する計画をこっそり立てていて」

「あの…そういう大事なことは前もって教えてくれた方が嬉しかったんですが」

 

「サプライズだよ!」

 

 人差し指を立てウインクをあずにゃんに向けながらキメポーズをすると見事呆れられた。

 

「はぁ…、サプライズにしてもそういう大きなことだと割に合わないような…」

「むぅ、あずにゃんは私と暮らすの嬉しくないの?」

 

「そ、そんなことないです!嬉しいですけど…」

 

 小さく「先立つものが…」とつぶやくから私は胸を張ってその言葉に応えた。

 

「そう言うかと思ってこの一年間バイトしながら溜めていったのだよ」

「え、あの唯先輩がバイト…!? あの、変な仕事してないですよね…?」

 

「普通のバイトだよ!あずにゃん私のことなんだと思ってるの?」

「いやぁ、これまでの先輩見てると抜けてるとこ多すぎて心配で…」

 

 私から目を逸らしながら言う可愛い後輩に軽くムッときた。

私がこれだけ必死なのは周りの影響もあった。つまりは澪ちゃんとりっちゃんが

どんどん関係が深まっていってるのを見て焦ったせいかもしれない。

 

「もう大学生なんだから大人なんだから大丈夫だよ」

「自分から大人を主張するのが不安の一つですけど…。まぁ、先輩が言うなら私もそうします」

 

「え、いいの?」

「自分で誘っておいて…、でもちょうどよかったです。もう少しで引っ越し業者の人に

先輩たちが住んでる寮にするところだったので。じゃあ住所教えてくれます?」

 

「うん、いーよー」

 

 一人でやったかのように振る舞っているけれど、実は憂にも手伝ってもらっていた。

だから憂はそのこと知っているんだけど、ちゃんと秘密にしていたみたいで良かった。

さすが、自慢の妹だよ~。

 

「楽しみにしていますね、先輩」

「うん!」

 

 

***

 

 それから数か月、すっかり慌ただしい時期は過ぎ去りプライベートでも大学でも

落ち着けるところまで行けた二人は休日、バイトの入っていない日に二人だらだらと

くっつきながらテレビを見ていた。

 

 とはいえテレビの内容は全く入っていない。隣にいるあずにゃんと他愛ない会話しながら

いちゃつくのが目的なんだから。

 

「ねぇ、あずにゃん」

「なんですか?」

 

「私たちの関係、もう一線進んでみないかい?」

「ぶっ…!何を言うんですか、いきなり!」

 

 するとくっついていた体が少し間が空いてしまい、寄りかかっていた私の体は

バランスを崩してしまう。

 

「ああん、なんでぇ…」

「だっていきなり、そんな…私キスだってまだいっぱいいっぱいなのに…!

 

 顔を真っ赤にしながら訴えてくる姿が何だか愛おしくてもっと見たくなって

いじわるな言い方したくなってしまう。が、そこはグッと堪える。

 

「だってりっちゃんが…「え、まだ唯たちキス止まりなの?」って馬鹿にしてくるからぁ…」

「子供ですか…」

 

 赤くなったまま呆れたようなため息を吐くあずにゃん。

今までにない反応だったので嫌われるのが怖くなった私はつい謝ってしまう。

 

「ご、ごめんね。嫌だったらいいよ」

「い、嫌じゃないですけど…心の準備が…」

 

「下心の準備だったらばっちりだよ♪」

「なにふざけて…!」

 

 チュッ…。

 

 不意打ちのキス。

 

 まるで時間が止まったように固まる私たち。

 

 時計が進む音だけが耳に響いてくる。

 

「な、ななななな」

 

 先に声を出したのはあずにゃんだった。

まるで壊れた機械のように発する姿が可愛かった。

 

「んふ、あずにゃんの唇やわらかマシュマロみたいでおいしい」

「いきなりはずるいですよ!もっと雰囲気出してからじゃないと…」

 

 チュッ

 

「もー!唯先輩!」

「だってあずにゃん可愛いんだもん。かわいすぎるのがいけない」

 

「どういう理屈ですか…」

「嬉しくない?」

 

「い、いや…!嬉しいですけど!?」

 

 動揺しすぎて声が裏返っている。本当にこういうの慣れてないんだなぁって

つくづく感じる。いや、知っていたけど。私も少し前までそうだったんだし…。

 

 でも相手を求める気持ちが強くなってから少しずつ変化してきた気がする。

もっと君のことが知りたい、隅から隅まで。心から体の全てまで。

欲求がどこまでも強く強くなっていく。

 

「先輩?」

「あずにゃん…大好き!」

 

「いきなりなんですか…!もう…」

「あずにゃんはどう?」

 

「言わなくてもわかるでしょう?」

「わからなーい」

 

 ソファの上で私があずにゃんの体にぐりぐりと体を寄せ押し付けていくのを

嫌がる素振りを見せながら表情は赤く照れてる感じがして、そういう君が本当に好き。

 

「あずにゃんとこうしているとほんと心地いい!ずっとこうして居たい」

「私も…です」

 

 密着してお互いの吐息や鼓動が聞こえるくらい感じられて。

どこまでもいつまでも…好きって言い続けられそう。

 

「先輩…」

「ん?」

 

「私も…好きです…」

 

 顔を真っ赤にしながらさっきのお返事をするあずにゃん。

かわいすぎて思わず抱きしめてしまうくらいだ。

 

「ちょっ、唯先輩、苦しい」

「あずにゃんかわいいーよおー!」

 

 この先、ずっといられるかはわからないけど。

できるだけ長く一緒にいられるようにいれたらと、前よりも強く思い

実際に少しずつ人として強くなれてるのだと感じられた。

 

 二人で恋人繋ぎをしながらうとうと。

いつ眠りに就いてもおかしくない状態でもう一度だけ彼女に告げた。

 

「愛してるよ、あずにゃん」

 

 それから先の記憶は寝てしまったせいか覚えていなかったけれど

とても幸せな気持ちが私の中に残っていたのだった。

 

お終い

 


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