No.877853

故郷を臨む

TMMCさん

天を支えると大言し 自らの座所として神聖皇帝が造った塔は半ばから折れ 星空が落ちたかのような灯りを振り撒いた街もいまや湖の底。
蜘蛛の巣のように伸びて旅人を集めた道ももはや水路となり 過去の栄華に水を注ぐ。

両親に手を引かれて旅立った泣き虫の少年なら 故郷の喪失に自失し これを引き起こしたものを恨み 帰る場所を無くした自分を哀れんで泣き叫んだだろう。
旅立った彼の世界は拡張した。

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2016-11-05 21:58:38 投稿 / 2000×1429ピクセル

2016-11-05 21:58:38 投稿
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