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九番目の熾天使・外伝 ~ポケモン短編~

竜神丸さん

七夜の願い星 その2

2016-07-07 14:10:28 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2237   閲覧ユーザー数:1159

「さぁ~ラティアス、もうすぐ手当てが終わるからねぇ~」

 

「ラァ~ティ~…」

 

あの後、ラティアスをゲットする事に成功したディアーリーズは、モンスターボールから出したラティアスの傷の手当てを行っていた。傷付いている箇所にディアーリーズが優しく傷薬を吹きかけていき、ラティアスは機嫌が良さそうな表情でまったり寛いでいる。

 

「しっかしまぁ、伝説のポケモンを手懐けちゃうとはねぇ」

 

「それがウルティムスの魅力なんじゃろうて。まさか出会って一時間も経過しない内に仲良くなるとまでは想定しておらんかったがのぉ」

 

「モフ……可愛いモッフ…!」

 

「あぁ!? ラティアスの事を撫でたいあまり、まだモフが語尾から抜け落ちてない!?」

 

「…はい、手当て完了」

 

未だにモフモフが語尾から抜け落ちていない美空にこなたが突っ込む中、ディアーリーズはラティアスの傷の手当てを完了。それと同時にラティアスが嬉しそうな表情でディアーリーズに飛びかかり、その頭をディアーリーズにこすりつける。

 

「ラティ~♪」

 

「ははは、ちょっとラティアス、くすぐったいよ!」

 

「さてウルティムスよ。ラティアスの手当てが完了したところで、一つ大事な話がある」

 

「…大事な話?」

 

せっかくラティアスと存分に触れ合おうとしていたのに。そう言いたげそうな表情を浮かべているディアーリーズの心情をひとまずスルーし、ヴァニシュはハッキリと告げてみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「普段なら真っ先にラティアスに飛びつきそうな娘と、お前さんの最高の相棒とも言える御三家ポケモン。その一人と一体がこの場からいなくなっている事に、そろそろ気付いて貰いたいんじゃがのぉ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「……」」」

 

ディアーリーズ達は周囲を見渡した。確かに咲良の姿がなくなっている。ついでにバシャーモの姿も。

 

「「「……」」」

 

数秒間の静寂。

 

そして…

 

「「「…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」」」

 

ディアーリーズ達が同時に叫んだのも、それからほんの数秒後なのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっさんぽ♪ おっさんぽ♪ シャモくんといっしょに、おっさんぽ~♪」

 

「…シャモォ」

 

その一人と一体は今、ある洞窟内部を突き進んでいる真っ最中だった。ムウマージとラティアスがバトルをしている最中、ラティアスの『りゅうせいぐん』が切っ掛けで発見された洞窟だ。咲良は楽しそうに歌いながら散歩気分で歩いているが、バシャーモは「大丈夫かなコレ…」と不安そうな表情で咲良に付いていっている。咲良は放置すれば何処に行くか分からない為、バシャーモが彼女の護衛役として付いて来たのはある意味で正解とも言える訳なのだが。

 

『おい、本当に何も言わなくて良いのか?』

 

『咲良ちゃんのフリーダムっぷりは、今に始まった事じゃないでしょ? 諦めなよ』

 

『はぁ……ウルの奴、今頃発狂してんじゃねぇか?』

 

『容易に想像出来るわねぇ…』

 

『おっさんぽ~♪』

 

ちなみに彼女の体内にはウヴァ、カザリ、アンク、メズール、ガメルの5人もコアメダルの状態で入り込んでいるのだが、ポケモンの世界では異世界の技術が使えない以上、彼等も咲良の体内で大人しくしている事しか出来ないのが現状だった。最も、今はバシャーモがいるので、自分達が表に出て来る必要は無いと判断したのだろう。

 

「…あれ?」

 

そんな時だった。洞窟の最奥部から何かの光が見えている事に気付いた咲良は、興味深そうな表情でその歩く足を早めていく。バシャーモは咲良の歩く速度が急に早くなった事に慌てて付いて行き、咲良逹は洞窟の最深部に存在している広い部屋……無数の結晶石が虹色にキラキラ輝いている大広間のような空間に到着した。

 

「うわぁ……きれ~い♪」

 

虹色の輝きを発する結晶石を見て、咲良もまた両目をキラキラさせて結晶石を見て回ろうとした……のだが、彼女は大広間の中央を見て、ある物を発見する。

 

「…何だろう? これ」

 

大広間の中央部……その大きな岩の上に置かれている、繭のような形状をした結晶体。ポケモンの卵と同じサイズの大きさであるそれを、咲良はそれに惹かれていくかのように近付き、それを両手で拾い上げる。彼女に付いていたバシャーモも、その結晶体を見て不思議そうに首を傾げる。

 

『―――むにゃむにゃ』

 

「! あれ…?」

 

一瞬だけ聞こえて来た、眠っているかのような小さい“声”。咲良はキョロキョロと周囲を見渡すが、バシャーモはそんな咲良に「どうした?」といった視線を向ける。どうやら聞こえたのは咲良だけのようだ。

 

「…気のせい、かなぁ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「咲良ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! バシャーモォォォォォォォォォォォォォッ!! いるなら返事をしなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!!」

 

「…ラティラティ?(ご主人、いつもあぁなの?)」

 

「…ムゥマァ(咲良ちゃんの事になるとね)」

 

最も、ディアーリーズが必死に叫んでいる声については咲良でも聞こえなかったようだが。彼が咲良とバシャーモを洞窟で発見するまで、まだ少しだけ時間が必要なのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、ホウエン地方のミナモシティ…

 

 

 

 

 

「―――ジラーチ?」

 

「えぇ」

 

ミナモデパートの屋上に集まったokaka、シロナ、ダイゴの三人は椅子に座り、テーブルの上に古文書を広げながら話していた。既に古文書の重要な部分の解読は簡潔にだが完了しており、シロナはその簡潔に解読した部分を読み上げる。

 

「『千年彗星が現れし時 七夜の願い星 地上にその姿を現さん』……他にも色々書いてあるけど、一番重要なのがこの一文よ」

 

「ふむ…」

 

シロナの説明を聞き、okakaはポケモン図鑑を開いてジラーチの説明を見る。

 

『ジラーチ ねがいごとポケモン どんな願い事でも叶える力を持ったポケモン。眠る時は結晶に包まれる事で身を守るが、1000年の間の7日間だけ目を覚ますと言われている』

 

「! そうか。そういえばそろそろ、千年彗星の時期だったね」

 

「つまり、そのジラーチがもうすぐ目覚めそうって訳なんだな? 確かに密猟団が狙いそうなポケモンだ……いや待てよ? このジラーチの姿、どっかで見たような…」

 

「前にマグマ団とアクア団のアジトに潜入した事があっただろう? その時に一度、君は見た筈だ」

 

「…あ、思い出した! アクア団のアジトに一枚、それっぽい写真があったな!」

 

「それもジラーチよ。そのジラーチに関連する古文書を、あの密猟団の連中は隠し持っていた……つまり」

 

「…犯罪者達は既に、ジラーチがもうじき目覚める事を知っている。そして他の奴等もジラーチを狙い、一斉に動き始めるって事か」

 

「正解よ」

 

「…マジかぁ」

 

それを聞いて、okakaは頭を抱えそうになった。ポケモン密猟団を捕まえるだけで済む筈だった話が、気付けばここまでスケールのデカい話になって来るとは想定していなかったのだから。

 

「残念だけど、君も断る訳にいかないだろう? ポケモンセンター、リーグ協会からの情報提供の代わりに、犯罪者やテロリストグループなどを殲滅する。それが君のこっちでの仕事(・・・・・・・)なんだから」

 

「まぁそりゃそうなんだけどさ……しっかしジラーチねぇ。争奪戦ともなると、目も当てられない事態になりそうだなぁ」

 

「今頃、他の犯罪者達も血眼になって探し回ってる頃でしょうね。もしかすれば、あのポケモンハンターだって動くんじゃないかって噂も流れて来てるし」

 

「ポケモンハンター……“J”か。厄介だな。ジラーチがいそうな場所、二人は分からないか?」

 

「分かりようが無いってのが現状かな。ジラーチが常に同じ場所で眠りにつくとは限らないし、その古文書だって随分と昔の物だ。もしかしたらガセ情報なんじゃないかって説も無いとは言い切れない」

 

「難しいもんだなぁ。ちょっくらアカツキ(・・・・)達にも聞いてみるか。こういった情報は、アイツ等の方が詳しいだろうし。そのジラーチって、普段は普通に眠ってんのか? それとも眠っている間、何かに身を包んで姿を隠しているとかは?」

 

「眠っている間、ねぇ…」

 

「確か、結晶か何かに身を包んでるって話は聞いた事があるよ。最も、これも確証の無い話だけどね」

 

「結晶か…」

 

少しでも多くの情報を得る為、okakaはマルチナビを使用し、このポケモン世界で活動中のメンバー逹に声をかけてみる事にした。

 

「…お、早速反応あったな」

 

okakaは画面をタッチし……そして顔面が硬直した。

 

「? どうしたの?」

 

「…二人共、これを見てくれ」

 

okakaの反応に「?」と疑問に思いながらコーヒーを口に運ぶシロナとダイゴだったが…

 

「どうやら見つかったらしい……そのジラーチが」

 

「「―――ぶっふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!?」」

 

まさか飲んでいたコーヒーを噴き出す羽目になるとは、流石の二人も想定していなかっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故そんな事になったのか?

 

 

 

 

 

 

それは、数十分前の事…

 

 

 

 

 

 

「兄さん、リーグ協会から手紙が来てる…」

 

「ん、そうか。内容は?」

 

支配人逹が経営する、ポケモン育て屋“アカツキ”。そこで支配人は、トレーナーから預かったエーフィの毛繕いをしてあげながら、ユイが読み上げる手紙の内容に耳を傾ける。

 

「『千年彗星の時期が、すぐそこまで近付いている。至急、調査を頼まれたし』…だって」

 

「そうか……って、千年彗星!?」

 

「フィッ!?」

 

「あぁすまんエーフィ、何でもないぞ♪ …千年彗星かぁ」

 

「という事は、そろそろ“あの子”が目覚める時期だね」

 

支配人とフィアレスは感慨深そうな表情を浮かべるが、何も知らないユイはチンプンカンプンだ。

 

「…二人共、千年彗星って何? それに“あの子”って…」

 

「あ、そうえいばユイちゃんは知らないんだったね。私達が言う“あの子”ってのは、この子だよ」

 

フィアレスはポケモン図鑑を開き、ジラーチの項目を出してからユイに見せる。

 

「…ジラーチ?」

 

「そう。1000年に一度の、たった7日間だけ目を覚ますと言われているポケモンだ。普段は眠っているが、どんな願い事でも叶えてしまう力を持っている。そのジラーチが目覚める時期が…」

 

「千年彗星が降り注ぐ時って訳♪」

 

「そういう事だ……しっかしリーグ協会め、面倒な仕事を依頼して来やがったなぁ」

 

「どういう事…?」

 

「こっちの世界だと、ジラーチの正確な居場所が分からないんだよなぁ。ジラーチは眠っている間、結晶体に身を包んでいるんだが、それが何処にあるかなんて見当もつかん」

 

「でも探さなくちゃね。リーグ協会からそういう依頼が来たって事は、犯罪者達がジラーチを狙い始めてる可能性もある訳なんだし」

 

「そうなんだよなぁ……ひとまず、okakaの奴等とも連絡しなきゃな」

 

その時…

 

「失礼しまーす!!」

 

「しまーす♪」

 

育て屋の入り口のドアが勢い良く開き、ディアーリーズと咲良が勢い良く突入し、続いてこなた、美空、ヴァニシュ逹も入って来た。それを見た支配人逹は、ディアーリーズと咲良に対して注意しようとしたが……咲良の姿を見て台詞が途切れた。

 

「「「ドアは静かに、開……け…」」」

 

三人の台詞が途切れた理由、それは…

 

「ふっふーん♪」

 

…咲良のお腹が、何故かポッコリ膨らんでいたからだ(・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「さ、咲良ちゃん、どうしたのさ!? そのお腹!?」

 

「咲良ちゃん、食べ過ぎ…?」

 

「あぁいえ。実は僕達、支配人さん達に聞きたい事がありまして。ヴァニシュさんでも分からないような事だったみたいなので」

 

「ふっふーん♪ 実はねぇ……じゃーん!」

 

咲良が服の下から取り出した物……それを見て、支配人達は更に唖然とした表情を見せつけた。

 

「「「……」」」

 

「…あれ? どうしたの~?」

 

「…え、支配人さん?」

 

「ど、どうしたのさ皆? 口をあんぐり開けて」

 

「…モフ?」

 

(…敢えて知らないフリをしてみたが、やはりレイ達でも驚くのは当たり前じゃったか…)

 

ディアーリーズ達が困惑しているのをヴァニシュが面白そうな目で見る中、支配人は無言のまま、マルチナビを通じて送られて来たokakaのメールに返信する。

 

(…okakaよ。どうやらディア達の奴、ポケモン世界の神様……ていうかアルセウスの奴に、相当恵まれているみたいだぜ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――という訳で、うちの仲間がアッサリ見つけてしまったようだ」

 

「「…うっそぉん」」

 

okakaの言葉に、シロナとダイゴは声を揃えてそんな発言をする事しか出来なかった。

 

「いやまぁ、そんな顔をされても困る。俺だって内心じゃ相当ビックリしてんだからな。ジラーチについて話してる最中に、その話中心核であるジラーチが見つかったという知らせが来るなんて、一体誰が予測出来るよ?」

 

「…ま、まぁ良かったじゃないか。探す手間が省けた訳なんだし」

 

「そ、そうよね。運が良かったんだと思っておけば。良かった良か―――」

 

「良かったって訳でもないんですよねぇ~これが」

 

「「うわビックリしたぁっ!?」」

 

ダイゴとシロナは思わず飛び退きそうになった。何故なら二人の真後ろに、いつの間にか竜神丸がコーヒーを飲みながら立っていたからだ。それを見たokakaは「うげっ」と嫌そうな表情を見せる。

 

「あ、どうもお二人さん。カズキさんの仕事仲間のアルファと申します、以後お見知り置きを」

 

「「は、はぁ。どうも…」」

 

「まぁ~た出やがったな、竜……アルファ(・・・・)。お前に名前で呼ばれるとか違和感しかねぇよ」

 

「おやおや、そんな嫌そうな表情しないで下さいよカズキさん。私の心が傷付くでしょう?」

 

「お前の心が傷付くなんざ、伝説ポケモン達が一ヵ所に集まって大怪獣バトルを引き起こすよりも到底あり得ん事態だろうがよ」

 

「おっと、その通りでした。失敬♪」

 

「(ウゼぇ)…それで、一体何の用だ? どうせまた、碌な知らせを持って来てないんだろう?」

 

「察しが良いですねぇ。その通りです」

 

okakaの嫌味な発言もスルーされる中、竜神丸はニコニコと不気味な笑みを浮かべる……しかし笑みを浮かべているのは口元だけで、その目は全くと言って良いほど笑っていなかった。

 

「我々の上司からのお知らせです……“J”が動き始めました」

 

「「「!」」」

 

「あなた方が話していたジラーチ。奴の狙いは、そのポケモンで間違いないでしょう」

 

「…チッ!! 出ろ、ティオス!!」

 

okakaは飲み終えた缶コーヒーをゴミ箱にダストシュートし、モンスターボールからラティオスを召喚する。

 

「二人共、アカツキの育て屋まで急いだ方が良さそうだぜ…!!」

 

「そのようだね……エアームド!!」

 

「急いで向かいましょう……恵みをもたらせ、トゲキッス!!」

 

ダイゴは鋼の羽根を持つ鳥ポケモン―――エアームドを、シロナは全翼機のような体型をした白い鳥ポケモン―――トゲキッスを召喚。そしてokakaはラティオスに乗り込み、三人は一斉に育て屋アカツキまで移動を開始する。

 

「早速仕事だ、頼んだぜティオス…!!」

 

「……!」

 

「…頷いてくれるのは良いが、お前無口なのな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…行ってしまいましたか」

 

三人が飛び去って行った後、竜神丸だけは今もミナモデパートの屋上に残っていた。

 

「まだ伝えていない事が色々あるんですが、まぁそれは良いでしょう……出なさい。ポリゴンZ」

 

タブレットを取り出した竜神丸はモンスターボールをその場に投げ、ピンクと青色という目が痛くなるような体色を持った人工ポケモン―――ポリゴンZを召喚する。

 

「少しばかりハッキングを仕掛けます。手伝って下さい」

 

『×○△%#□$∀&☆…!』

 

ポリゴンZは独特の鳴き声を上げて了承し、竜神丸のタブレットを通じて電脳世界へと侵入。それを利用し、竜神丸はハッキング作業を開始する。

 

「さぁて。団長の命令もありますし、まずは“J”と接触したという人物について調べておかなければ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って、育て屋アカツキ…

 

 

 

 

 

 

「…ま、幻のポケモン…!?」

 

「そういう事だ。まさか何も知らずに持っていたとは……っていうか親父、その辺ちゃんと説明しとけよ」

 

「敢えて黙っとる方が、面白い反応が見れると思うてのぉ」

 

「おいコラ」

 

支配人逹の説明を聞いて、ディアーリーズ達は言葉を失う事しか出来なかった。まさか咲良がそんな重要過ぎるポケモンの繭を手に入れていたなんて、誰も想像していなかったのだから無理も無いが。

 

「すごーい……この中でおねんねしてるんだぁ…!」

 

「モフ……モフモフ、するかな…?」

 

「美空ちゃんまだそれ続いてる!?」

 

「いやまぁ、別にモフモフではないと思うぞ? 抱き心地は良いだろうけど……だが問題は、そのジラーチを保護している7日間だ。そんな重要過ぎるポケモンの繭を持ち歩いていれば、そこら中の犯罪者共が虫ポケモンみたいに大量に寄って来るぞ」

 

「…そう、ですよねぇ。どんな願い事も叶う力なら、誰もが欲しがるでしょうし」

 

「まぁ流石に、いきなり犯罪者が襲って来るような展開は無いとは思―――」

 

「こなた、ストップ」

 

支配人が手で制する。何事かと思うこなただったが、支配人の表情を見てすぐに察した……今の支配人は、敵の気配を察知した時の表情をしていた。

 

「…親父」

 

「あぁ、既に囲まれているようじゃな」

 

「!? そんな…」

 

「全員、何時でもポケモン出せるようにしておけ」

 

支配人の言葉に、全員がモンスターボールを構えた状態でゆっくり外へ出ていくと…

 

「「「「「ゴルッゴルッゴルッゴルッ!!」」」」」

 

「ッ!?」

 

「何て数だ…!!」

 

育て屋アカツキの周囲を、青い蝙蝠型ポケモン―――ゴルバットの大群が取り囲んでいた。地上は黒服を着た謎の集団が取り囲んでおり、ディアーリーズ達は黒服の集団を睨みつける。

 

「…あなた達、何者ですか? 碌な連中でないのはすぐに分かりましたが…」

 

「…ッ!? ウルさん、上…!!」

 

「!?」

 

何かに気付いた美空が上を指差す。するとその直後、赤い羽根を生やしたドラゴン型ポケモン―――ボーマンダがディアーリーズ達の真上を飛来。そのボーマンダの背中には、バイザーを付けた黒服の女性が立っていた。

 

「アカツキ・レイだな?」

 

「!? テメェ……まさか“J”か!!」

 

「“J”…?」

 

「裏の世界では有名なポケモンハンターじゃよ。捕まえた野生ポケモン、人から奪ったポケモンを依頼人に売り捌いて回る、いわば社会のゴミじゃ」

 

「…ふぅん」

 

ヴァニシュの説明に、ディアーリーズは更に目付きを鋭くさせる。そんなディアーリーズの殺気など物ともしていない黒服の女性―――ポケモンハンターJは、地上にいる黒服の部下達に確認を取る。

 

「標的は?」

 

「あの小娘が持っている結晶体、あの中に眠っているようです」

 

「ふむ、眠っているなら都合が良い。起きていては厄介だからな……何としてでも奪い取れ、手段は問わん」

 

「「「「「はっ!!」」」」」

 

「「「「「ゴルッゴルッゴルッゴルッ!!」」」」」

 

Jの指示でゴルバット逹が一斉に動き始め、支配人やディアーリーズ達も一斉にモンスターボールを構える。

 

「ッ……やっぱそう来るよなぁ!! 出ろ、ヒュドラ!!」

 

「サーナイト、君に決めた!!」

 

「ゴウカザル、よろしく!!」

 

「お前さんも行けぃ、フライゴン…!!」

 

支配人は翼を持ったドラゴンのようなポケモン―――リザードン(ニックネーム:ヒュドラ)を、ディアーリーズはスカートのような長い下半身を持った緑髪のポケモン―――サーナイトを、こなたは頭が炎で燃えている猿型ポケモン―――ゴウカザルを、ヴァニシュはトンボのような特徴を持った黄緑色のポケモン―――フライゴンを召喚。大量のゴルバットと対峙する。

 

「二人はこっちに!!」

 

「急いで…!!」

 

「うん、かくれよう!」

 

「は、はい…!」

 

ジラーチの結晶体を持つ咲良は美空と共に、フィアレスとユイに引っ張られる形で屋内に隠れる。それと同じタイミングで、ゴルバット逹は一斉に『エアスラッシュ』を繰り出した。

 

「「「「「ゴルッ!!」」」」」

 

「ヒュドラ、『フレアドライブ』!!」

 

「サーナイト、『10まんボルト』だ!!」

 

「ゴウカザル、『オーバーヒート』で行っけぇ!!」

 

「フライゴン、『ストーンエッジ』じゃ…!!」

 

「グォオン!!」

 

「サァナ…!!」

 

「ウッキャアー!!」

 

「ゴーン!!」

 

指示を受けたリザードン、サーナイト、ゴウカザル、フライゴンは一斉に技を繰り出し、ゴルバットの大群を一気に撃墜していく。しかしその間にJはボーマンダに乗ったまま、育て屋アカツキに狙いを定める。

 

「ボーマンダ、『りゅうのはどう』」

 

「ボォマァァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

「!? くそ、あんにゃろ…!!」

 

ボーマンダは強力なエネルギー砲『りゅうのはどう』を繰り出し、育て屋アカツキを攻撃し始めた。それに気付いた支配人はリザードンと共に育て屋の方に向かおうとするが、ゴルバット逹がそれを妨害する。

 

「あぁ、育て屋が!?」

 

「マズいぞレイ、育て屋にはトレーナーから預かっているポケモン達が…!!」

 

「分かってるよ!! くそ、数が多過ぎて上手く動けん…!!」

 

そして、最悪な事態は訪れる。

 

「…ん?」

 

今も攻撃を続けるボーマンダから地上に降り立っていたJは、ディアーリーズの繰り出したサーナイトに目を付けていた。

 

「ほぉ、サーナイトか。この前は厄介な小僧(・・・・・)に邪魔されたからな……せっかくだ、ついでに確保しておこう」

 

Jは小さく笑みを浮かべ、左腕に装備している装置をサーナイトに向ける。そして…

 

「ッ!? サナ、ァ―――」

 

「!? サーナイト!?」

 

Jの装置から発射されたビームがサーナイトに命中。するとサーナイトの身体がどんどん金色に変色し、一瞬にして石化させられてしまった。

 

「回収しろ」

 

「はっ!」

 

「ッ……させない!! バシャーモ、ルカリオ!!」

 

「バッシャ!!」

 

「ワォン!!」

 

石化したサーナイトはケースに入れられたまま浮遊し、Jの部下達の手元まで引き寄せられる。そうはさせないとディアーリーズはバシャーモとルカリオを繰り出すが、そう来るだろうと読んでいたJもモンスターボールを構える。

 

「ドラピオン、『クロスポイズン』」

 

「ドォォォォォォォ…ラァッ!!」

 

「シャモォッ!?」

 

「ワォン!?」

 

「な……うわっ!?」

 

繰り出されたのは、蠍のような特徴を持った紫色のポケモン―――ドラピオンだ。ドラピオンは長い両腕をクロスした状態から繰り出す斬撃『クロスポイズン』をバシャーモに炸裂させ、吹き飛ばされたバシャーモがルカリオやディアーリーズと激突してしまう。

 

「無駄な足掻きだ」

 

「くそ、アイツ等…!!」

 

支配人逹も何とか助太刀に入りたいが、やはりゴルバットの大群に足止めされて身動きが取れない。そうしている間にも、サーナイトの入ったケースがJの部下達に回収されていく。

 

「待て、やめろ!! サーナイトを……サーナイトを返せぇっ!!!!!」

 

その時…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドダイトス、『リーフストーム』!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドォォォォォ…ダァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

無数の尖った葉っぱを飛ばす衝撃波『リーフストーム』が、別方向からJ逹に向かって発射されてきた。

 

「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」」」」」

 

「ちぃ…!!」

 

Jはギリギリで回避したものの、Jの部下達が『リーフストーム』に巻き込まれ、その拍子にサーナイトが入れられていたケースが宙へと放り出される。

 

「ミミロップ、サーナイトを回収!!」

 

「ミミロォッ!!」

 

そのケースを、兎のような特徴を持ったセクシーな体型のポケモン―――ミミロップが空中でキャッチ。そのまま華麗に着地し、そこにミミロップのご主人である人物が現れる。

 

「危ないところだったな、ウル」

 

「え、キリヤさん!?」

 

ミミロップのご主人、それはロキの事だった。ミミロップはロキの隣に立ち、その後方には背中に大木を生やした巨大な亀のようなポケモン―――ドダイトスを引き連れている。先程の『リーフストーム』はドダイトスが繰り出した物だろう。

 

「よくやった、ミミロップ」

 

「ミ~ミ~ロォ~…♪」

 

ロキに頭を撫でて貰い、気持ち良さそうに鳴き声を上げるミミロップ。ロキはそのミミロップから手渡されたケースを開け、それと共にケースに入れられていたサーナイトも石化が解除されて復活する。

 

「サ、サァナ…?」

 

「サーナイト、良かった!!」

 

「シャモシャモ!!」

 

「ワゥッ!!」

 

何が何だかよく分かっていないサーナイトにディアーリーズが抱きつき、バシャーモとルカリオも安堵した様子でサーナイトに駆け寄る。それを見たロキは少しだけ微笑んだ後、すぐにJの方をギロリと睨みつける。

 

「フン、新手か」

 

「よぉポケモンハンターさん。うちの仲間のポケモンに手を出すとはやってくれるじゃねぇか……覚悟は出来てんだろうなぁ?」

 

「…面倒な」

 

Jはチラリと横を見る。ゴルバットは支配人逹のポケモンに次々と撃墜されていき、部下達も一人ずつ確実に拘束されていっている。分が悪いと判断したのか、Jは舌打ちしてからドラピオンをボールに戻し、高い跳躍力でボーマンダの背中に飛び乗る。

 

「ここは引かせて貰うとしよう」

 

「おいおい、逃がすと思ってんのか?」

 

「いいや、お前達は私を逃がすさ。むしろ私なんぞに構う暇など与えはせん……ボーマンダ、森に向けて『かえんほうしゃ』!!」

 

「ボォマァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」

 

「!? 何…!!」

 

ボーマンダは再び繰り出した『かえんほうしゃ』をロキ逹……ではなく、育て屋アカツキの近くにある大きな森に目掛けて発射。一瞬にして森は盛大に燃え上がり、一気に大火事が発生してしまった。

 

「私に構えば、森のポケモン達が大変だぞ?」

 

「ッ……テメェ!!」

 

「ドダァ!!」

 

「さらばだ」

 

ドダイトスが背中の大木から『リーフストーム』を繰り出すも、Jを乗せたボーマンダは余裕で回避し、そのまま何処かに飛び去って行く。支配人達に捕まった部下達を見捨てる形で。

 

「そんな!? J様、まだ我々が…」

 

「あの女、自分の部下を見捨てやがったのか……いや、今はそれよりも!!」

 

「レイ!! 早くしないと、森のポケモン達が!!」

 

「分かってる!! ユイ、フィアレス、育て屋から水ポケモン達を連れて来てくれ!! あと水タイプの技を使える奴等もだ!!」

 

「ッ……皆も手伝って!!」

 

「お前も行け、エンペルト!!」

 

一同は盛大に燃えている森の消火作業に移るべく、一斉に水ポケモン達を繰り出す。そこへ飛行ポケモンに乗って来たokaka、ダイゴ、シロナの三人も到着し、地面に着地する。

 

「!? おいおい、どういう状況だこりゃ…!!」

 

「良いところに来た!! お前達も手伝ってくれ、人手が足りないんだ!!」

 

「元からそのつもりだよ……アーマルド!!」

 

「私達も手伝うわ……激流に踊れ、ミロカロス!! 濁流より来たれ、トリトドン!!」

 

「お前も手伝え、ダイル!!」

 

古代生物のアノマロカリスを模したポケモン―――アーマルド。

 

美しいボディを持った細長い魚ポケモン―――ミロカロス。

 

ピンク色の身体を持ったウミウシのようなポケモン―――トリトドン。

 

そしてokakaのオーダイル。

 

水タイプのポケモン、水タイプの技を使えるポケモン達が次々と召喚され、一斉に消火作業を開始。更にokakaは近くの池に生息していたオタマジャクシ型ポケモン―――ニョロモや、カエル型ポケモン―――ニョロトノなどの野生ポケモンに向かった小型装置―――キャプチャスタイラーを使い、野生のニョロトノ逹を一時的に従える。

 

「お前達も手伝ってくれ!! 全員『みずでっぽう』!!」

 

「「「ニョロォーッ!!」」」

 

野生のニョロトノ逹もokakaの指示に従い、燃えている森に『みずでっぽう』を繰り出し始める。しかし森の炎は消えるどころか、更に勢いを増していく。

 

「くそ、駄目だ!? 炎の勢いが強過ぎる!!」

 

「消防車も呼んだけど、ここへ来るまで時間がかかるって!!」

 

「せめて、『あまごい』を使えるポケモンがいれば…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな大変な状況の中、美空に抱きかかえられていた咲良は笑顔を失っていた。

 

「森が……森が、もえちゃってる…」

 

『チッ、品性の欠片も無い炎だな』

 

『私達が出て行けないのが、どうにも歯痒いわね…!』

 

咲良の体内ではアンクやメズール逹も苛立っている中、咲良は腕に抱きかかえていた結晶体をギュッと強く抱きしめる。

 

「もえちゃう……みんなのお家が、全部もえちゃう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――どうしたの?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…え?」

 

その時だ。咲良の脳内に、再び“声”が聞こえてきたのは。

 

『うぅん、むにゃむにゃ……久しぶりに起きたよ…』

 

「? 誰……あなたは誰なの…?」

 

「え、咲良ちゃん…? どうしたん、ですか…?」

 

『咲良、誰と話してるんだ?』

 

『ウヴァ、ちょっと静かに……もしかすると、これは…』

 

どうやら、“声”は咲良にしか聞こえていないようだ。美空だけでなくウヴァやカザリ逹も、咲良が誰かと話しているのを見て困惑している。

 

 

 

 

 

 

『何だか、凄く大変そうだね』

 

 

 

 

 

 

「…うん……森が……みんなのくらす森が、もえちゃってるの…」

 

 

 

 

 

 

『燃えちゃってる……皆が困ってるの?』

 

 

 

 

 

 

「とってもこまるよ……とっても熱くて、とっても苦しいし、みんなのお家がなくなっちゃうの…」

 

 

 

 

 

 

『…君は、どうしたい?』

 

 

 

 

 

 

「…たすけられるなら、たすけたいよ。ウルにいちゃんが言ってた。手がとどくところにいるのに、手をのばさなくて……それでたすけられなかったら、死んじゃいたいほどこうかいするって……だから」

 

 

 

 

 

 

咲良の抱き締めている結晶体に、一粒の涙が零れ落ちる。そして咲良は願う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから、おねがい……みんなを助けて!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『分かった……僕に任せて!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その願いは確かに、“七夜の願い星”に行き届いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「―――ッ!?」」」」」

 

突如、咲良の抱き締めていた結晶体が、大きな光を放ち始めた。一同は一斉に咲良の方に振り返る。

 

「咲良…!?」

 

「何だ!? 結晶体が光って…」

 

ディアーリーズやokaka逹が驚く中、支配人は思わず笑みが零れる。

 

「兄さん、これって…!」

 

「あぁ、“あの子”が目覚めるぞ……良いタイミングだ…!!」

 

そして光は急速に収まっていく。そして咲良逹の前に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふぁぁぁ……まだ少し眠いけど、我慢我慢!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねがいごとポケモン―――ジラーチが、その姿を現したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご苦労様です、ポリゴンZ」

 

『%$&▽■#×◎…!』

 

ミナモデパートの屋上。ハッキング作業を終えた竜神丸はポリゴンZをボールに戻した後、タブレットの画面を見てめんどくさそうな表情で呟いた。

 

「やれやれ。今頃になって再起を図るとは……面倒なのがいるものですねぇ」

 

竜神丸が持っているタブレット。その画面には、火山を模した『M』のマークが映し出されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、マグマ団の諸君?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『七夜の願い星 その3』に続く…

 


 
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