No.856888

最弱メダロッターは体調すら管理される

スーサンさん

2016-07-05 05:14:51 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:656   閲覧ユーザー数:655

 テンマが病院から帰りミオは意外な顔をした。

「胃カメラを飲んだ……?」

「ぞう……」

 僅かに話しづらそうに首を縦に振った。

「だから今、麻酔が効いてるからお前の相手出来ないんだ……悪いな」

 どこか清々しい"悪いな"の声であった。

「なんで、胃カメラなんか飲んだの?」

 首を押さえるテンマを見上げるように目を見つめた。

「もしかして悪いところが見つかったの……?」

「あのなぁ……」

 冷たい目を向けた。

「自分のその厚い胸に手を当てればわかると思うが?」

「ムッ……」

 言われたとおり左胸を押し潰すように触った。

「わ、私が原因だって言うの?」

「胃が荒れてたってさ……」

「不摂生がたったんでしょう!」

「不摂生はお前の抑えようのない情動だ……!」

「ハァ!?」

 怖い顔を浮かべた。

「私に逆らおうって言うの?」

「い、胃が……」

 わざとらしく胃を押さえるテンマにミオは押し黙った。

「この男……」

 舌打ちするように背を向けた。

「悪かったわね……」

 逃げるように去っていくミオにテンマは本気で痛んでいた胃を掴んでガッツポーズを取った。

(初勝利!)

 

 

 部屋に戻るとテンマは未だに麻酔が効いて違和感のある喉を抑えたままベッドに横たわった。

「腹減った……」

 胃カメラを飲むため、朝からなにも食べておらずテンマの腹が減っていた。

「でも、後、二時間は食えないからな……」

 食えても胃カメラを飲んだ都合上、重いものも食べれないとテンマは憂鬱になった。

「寝よう……」

 鎮静剤のようなものを打たれてるため、テンマの目は自然と重くなっていた。

「まったく……いつか……いに……あなが……すぅ」

 静かに寝息がたった。

 

 

「うん?」

 鼻にいい匂いが漂い、テンマは目を冷ました。

「この匂いって?」

「あ、起きた?」

 うどんを持ってきたミオを認め、テンマは目を瞬かせた。

「なにやってるんだ?」

 お盆に乗せたうどんを見せた。

「胃カメラ飲んだ後は重いものが食べれないって言うから軽いものを持ってきたのよ!」

 出汁の利いたうどんのツユの匂いをかいだ。

「うぐぅん……」

 腹が減ってることもあり、喉が自然となった。

「ちなみにうどんは私が踏んだわ。悦びなさい!」

「なんか、一瞬で食う気が失せたわ」

「なんでよ!」

 ドンッとうどんをテンマの膝の上に置いた。

「さぁ、私が作ったうどんを食べて精をつけなさい!」

「うどんで精をねぇ……」

 なにか違うんじゃないかと思いながら箸を手に取った。

「いただきます……」

 うどんの麺をすくい、口に入れズズッと吸った。

「お……」

 意外な顔をした。

「うまい……」

 手作りゆえのこのコシの強さとどこか均一の取れてない麺の長さが絶妙な味を作っていた。

「うまいよ!」

 勢い良くうどんの器に箸を入れ、麺をすすった。

「ずずずずぅ……」

 麺を食べ終わり、さらに出汁の利いたツユを飲み干した。

「ぷはぁ……」

 食の快感にテンマは蕩けた顔を浮かべた。

「うまい!」

 ホッとするテンマにミオも嬉しそうに笑った。

「そう……」

 テレたように赤くなった。

「頑張ったかいがあったわ」

「……」

 意外と可愛いじゃんとテンマは少し認めれた。

「じゃあ、出ていってくれ」

「え……?」

 ミオの顔が意外そうにキョトンとした。

「なんで?」

「いや、用が済んだから……」

 白いハンカチを取り出し手の上でひらひらと"帰れアピール"した。

「なに言ってるの!」

 最もそんなささやかな抵抗、気まぐれな猫に通じるはずがなかった。

「これからが本番じゃない!」

「本番って……え?」

 身体が熱くなるのを感じ。

「お、お前、病人になにを食わせた……」

「ストレス解消にはこれが一番でしょう!」

 脱ぎ始めるミオにテンマは両手でバツのサインを出した。

「お、おれ、今日は安静!」

 下着姿になり濡れた目を向けミオはテンマの服に手をかけた。

「私が上になって動くから……」

「お前には人をいたわる気持ちがないのか!?」

 ベッドに背中から押し倒された。

「ふふっ……」

 桃色の可愛いブラを晒したままミオは濡れた下唇を舐めた。

「あるからシテあげるのよ!」

「お、おまえなぁ」

 化け猫に頭から喰われる恐怖を覚えた。

 

 

 次の日……

「あ……?」

 目を覚ますとテンマは裸のまま自分に抱きついて眠る美少女を認めた。

「コイツ……」

 裸の乳房を押し付けるように幸せそうに眠る美少女にテンマはゲッソリした。

「バケモノだよ……化け猫だよ!」

 胃痛もスッカリ治っていた。

「おちおち、胃も荒れる暇もない……」

 体調まで悪くなる権利が与えられてない気がし泣きたくなった。

「だれかぁ……おれにじゆうを……」

 無駄な願いであった。


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