No.854343

(ある意味)略奪婚がアナタを襲う!

スーサンさん

2016-06-21 05:22:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:470   閲覧ユーザー数:468

「ハッ……!?」

 気づいたらテンマは赤いバージンロードをタキシード姿で立たされていた。

「ここは……ハッ!?」

 隣ではウェディングドレスを身にまとい幸せそうに微笑むミオが歩いていた。

「こ、これは……!?」

 首にかけられた首輪と手にハメられた枷にテンマはよく見ると教会の先の十字架のキリスト様が絶望してるように見えた。

「……」

 明らかに「祝福を受ける」形でなく、「祝福を押し付けられる」形になっている結婚式にテンマは首を振った。

「あ、あの、ミオさん……?」

 歩く足を踏みつけられた。

「イギィ!?」

 顔を真っ赤にし、テンマは首輪を引かれ無理やり歩かされた。

「オレはなにをされてるんだ?」

 幸せそうに微笑むミオに首輪を引かれながらテンマはバージンロードの教壇の前まで歩かされた。

「え……?」

 教壇の前に立っている男にテンマは呆気に取られた。

「はいはい、二人揃ったね?」

「部長!?」

 なぜか神父の服をきたクニギクにテンマは絶頂した。

「はいはい、幸せなのはわかってるからシナリオ通りやってね」

 楽しそうに聖書を開いた。

「えっと……汝ミオくん」

「はい!」

 いつになく元気な声を出すミオにクニギクはニコニコと笑った。

「汝はこの男を夫として変わらぬ愛を誓うか?」

「誓います!」

「じゃあ、誓いのキスして!」

「お、おい!?」

 慌ててクニギクを制止した。

「オレの誓いの宣誓は……?」

 クニギクの顔が意外そうに呆けた。

「必要ある?」

「あるに決まってるでしょう!」

「だって宣誓を聞いたら逃げるでしょう?」

「当然です!」

 ミオに足を踏まれた。

「ウギャァ!?」

 額に青筋を浮かべるミオにクニギクは楽しそうに腰に手を当てた。

「やっぱり、いらないね!」

「オ、オレの拒否権は!?」

「一度でもそんな権利発動した?」

「……」

 連載始まってから自分の意志など全て無視され続けた記憶を思い出し、テンマは泣いた。

(オレってなにものなの?)

 考えたら情けなくなり、テンマは我が身可愛さにタキシードが汚れるのも構わず逃げ出そうとした。

「逃さないわよ!」

「グェ!?」

 ミオに首輪の鎖を引かれ、倒れてしまった。

「ひ、ひぇぇぇ……」

 ゴキブリのように這いつくばってでも逃げようとするテンマにミオは襟首を掴み立ち上がらせた。

「さぁ、誓いのキスをするわよ!」

「ま、まて、落ち着け……グェ!?」

 襟首を離され、身体を仰向けに倒されるとテンマはギョッとした。

「なぜ脱ぐ!?」

「脱がないとデキないでしょう?」

 ウェディングの胸元を肌蹴させ、下着を付けてな無い乳房が露わになった。

「ひ、人が見てるぞ……!?」

「誓いの儀式のためよ!」

「こんなのAVでもやらないぞ!」

「AVじゃないから……」

「ひいいぃぃぃぃ……!?」

 裸の乳房をテンマの胸板に押し当て、ミオは可愛く目を潤ませ、唇にキスをした。

「うじゅううじゅじゅじゅ!?」

 唇を重ねさせられ口の中の唾液を吸われるとテンマはミオの身体を抱きしめ唸った。

「ぷはぁ……」

 テンマの唇から離れ、ミオは情欲にまみれた笑みを浮かべた。

「アンタ、可愛い顔してるわね……」

「あ……あ……」

 教会の回りが暗くなるのを感じ、地面がガラガラと崩れた。

「ヒアァァァァアアアァァァァァ……」

 教会の底の奈落へと落ちながら、テンマは深い暗闇の中へと消えていった。

 人生の墓場という闇に……

 

 

「イヤダアァアアァァアァ……ハッ!?」

 目を覚まし、テンマは慌てて自分の姿を確認した。

「ぱ、ぱじゃま……?」

 今までが夢だと気づき、心の底からホッとした。

「よかった……」

 カレンダーを見ると今が六月だったことに今更気づいた。

「ろくがつなんて……ろくがつなんて……」

 プルプル震えた。

「だいきらいだぁぁああぁぁぁぁぁ!」

 ジューンブライドの仏滅の日の朝の話であった。


2
このエントリーをはてなブックマークに追加
0
0
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択