No.851155

艦隊 真・恋姫無双 112話目

いたさん

今回は何時もより短く、少し桂花と華琳の絡みがあります。

2016-06-02 22:24:54 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:930   閲覧ユーザー数:820

 

【 混沌 の件 】

 

〖 司隷 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

加賀の言葉に、華琳や桂花は勿論……他の者達も騒然とする。

 

ーー

 

華琳「───!」

 

桂花「──はぁっ? えぇっ………と、はぁいぃぃぃっ!?」

 

 

冥琳「………ほほう?」ニヤッ

 

 

翠「─────ぶふぅ!?」

 

蒲公英「うわぁあああっ! お姉さま、汚なぁぁぁい!!」

 

 

詠「な、何よそれぇ──『ガンッ!』──い、痛ぁぁぁっ!」

 

月「詠ちゃん! 落ち着いて、落ち着いてぇ!!」

 

ーー

 

恋「…………ご主人さま。 『今の恋みたいだよ』って……優しく……/////」

 

ねね「あんのぉ──ヘボ主人がぁぁぁぁぁっ!!!」ウガァ!

 

 

「「「 ─────!? 」」」

 

ーー

 

普通なら『眠り姫』や『王子』なる単語を聞いて、その内容を推し量れる者など、この室内において艦娘達を除けば殆ど居ない。 そもそも、英国圏内の古き民話が漢代に伝わるかどうかなど、普通は考えつかないものだ。 

 

だが、何故かしら……今集まる者達は『その意味』を知っていた。

 

唐突に名指しされ狼狽える者

 

面白そうに嗤う者

 

驚き醜態を曝す者

 

慌て過ぎて円卓に衝突し悶絶する者

 

怒りに身体を震わす者

 

つまり………この場で童話『眠り姫』の最終場面を知っているとの事。 多分、言わずと知れた某種馬さんの知識……なのは間違い無いだろう。

 

そんな騒ぎの状態になった発言に、加賀でさえも疑問を口にする。

 

ーー

 

加賀「──正直、納得できないけど………」

 

赤城「───な、何を言ってるんですかっ!」 

 

加賀「赤城さん──?」

 

ーー

 

加賀が疑問を呟く前に、この作戦を吹き込んだ本人が、慌てて駆け込んで来た。 加賀が目を見開くと、何時もの赤城とは違う威圧感溢れる態度迫る。

 

そして、驚く加賀を前にして睨み付け口火を切ったと思えば、反論を始めた。

 

ーー

 

赤城「いいですかっ!? 意識が無い人が寝ていれば、異性からの官能的な口付けが訪れる! これは、今も昔も全く変わりない『常識』なんです!」

 

加賀「………官能的かは知らないけど、確かに人工呼吸はそうね?」

 

赤城「───空気を読んで下さい! こういうイベントは、特に若い男女にとってテンプレものなんですよっ!? 医療技術を受け付けずに眠り続ける愛しい者は、恋人の口付けで目を覚ます! 正に王道じゃないですかっ!!」

 

加賀「──? 言っている内容がよく理解できないのだけど………それなら、相手は私達で──」

 

赤城「……………加賀さん、私達の仲間内から………提督の相手を決められると、本気で思っているんですか?」

 

加賀「………………どういう事?」

 

赤城「(────顔を動かさず、横目で集まってる先を見てください!)」

 

加賀「…………………」

 

ーー

 

赤城が急に声を落とし囁き声になったため、不思議に思いながら横目で艦娘達の集まる場所を見る。

 

そこは───桃色の空気に晒されていた。

 

ーー

ーー

 

如月「うふっ、司令官のお相手は──やっぱり如月よねぇ?」

 

陸奥「………私が相手をしてあげても良いけど。 ただ、ねぇ……もし、火遊びが本気になったら………責任取って貰ちゃおう……かな?」クスッ

 

菊月「任務なら従おう! ──べ、別に司令官だから……じゃないぞ……!! これは任務! ───ん、これは大事な任務だからだっ!!」

 

天津風「………………雪風、時津風、ごめん。 あんた達より先に、ほんの一歩だけ……大人の階段のぼるから………」

 

ーー

ーー

 

加賀は、静かに視線を元に戻す。 赤城の言った意味が納得できたようだが、それでも疑問を引っ込める気は無いらしい。

 

更に真剣な顔を赤城に向けて、自分の意見を述べた。 

 

ーー

 

加賀「────そう、理解したわ。 だけど、あの子達を抑える事ぐらい……私達なら──」

 

赤城「そ、それだけじゃないんですっ!? もぉ、もしも……此処に居ない金剛さん達へ……話が伝われば────あっ!?」

 

加賀「…………………っ!?」

 

ーー

 

────!

 

突如、二人の頭の中へ声が聞こえ出した。 今、一番聞きたくない……覚えのある声が響き渡る。

 

ーーー

ーー

 

??『Over my dead body you will!!(私の目の黒いうちは、絶対にぃそんなことはさせないデェス!!)』

 

??『うふふふふっ。 天龍ちゃんの悔しがる顔を見られるのは、凄く楽しみなんだけど。 でも、何故かしらぁ………それ以上に、私の心が落ち着かないのよぉ~? ねぇ、どうしてだか……分からない~?』

 

??『一刀さんの貞操を奪おうと企むボケ《ナス》は……嫌いなのです!』

 

ーー

ーーー

 

どうやら、二人の頭の中へ直接聞こえるようだ。 慌てて左右や頭上を確認する赤城達を見て、不思議そうな顔をして見ている艦娘達。 

 

ーー

 

加賀『これは……幻聴でしょうか?』

 

赤城『いいえ、警告ですね……』

 

ーー

 

某CMのようなやり取りを、互いに顔を向き合わせ目で語り合う。 赤城の言葉通り、仲間内で選ぶと……色々危ない。 

 

それはもう──身体、精神どころか………生命までも。

 

加賀は、大悟を深く悟った名僧の如く清廉な表情を浮かべ、何度も何度も首肯き、赤城の意見へ大いに賛同へと至るのであった。

 

 

◆◇◆

 

【 調教師 の件 】

 

〖 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

そんな赤城と加賀のやり取りとは別に、華琳と桂花が相対している。 

 

華琳は蝋人形のように無表情ながら桂花に顔を向け、身体の周りより覇王の風格を示す強烈な覇気が垂れ流された。 そう、まるで………某深海棲艦の鬼や姫が桂花と対峙すれば、多分、間違いなく、絶対……こんな感じになるのでないかと。

 

桂花は桂花で頭を垂らし跪いているが、怯える小動物の如く身体を小刻みに揺らしていた。 若干……涙目である。

 

ーー

 

華琳「……………………」

 

桂花「……………か、華琳様! このような戯れ言、お試しになる儀もありません! 私は……華琳様に散々暴言を吐き散らし、その臣下としての責務を放棄した身。 その罪を死をもって贖わなければ──」

 

華琳「────そう、ネ?」

 

桂花「────!」ビクッ

 

ーー

 

そんな華琳の顔が妖艶な笑みを浮かべて、桂花を注視する。 死も覚悟して、自分への罰を望んだ筈の桂花だったが…………早くも、その決意が足下より崩れてきた。

 

少し前の華琳から感じなかった──味方を魅了、鼓舞をさせる覇気、敵を畏怖せしめた冷徹なる視線。 長年仕えた桂花が………それを自分に向けられ動揺しない訳がない。 

 

ーー

 

桂花「(か、華琳様がぁ───激おこぷんぷん丸状態にっ!)」

 

華琳「…………今、非常に不愉快な考えをしなかった? ………桂花」

 

桂花「い、いえっ! 滅相も御座いませんっ!!」

 

ーー

 

華琳に問い詰められた桂花の背中から、轟音を響かせながら巨大な氷塊が勢いよく滑り落ちて行く感覚を受ける。 無論、そんな非現実な事が起きる筈が無く、桂花の心情が体験させた幻たったのだが。

 

だが、桂花の恐れは………それだけでは無い。

 

今の華琳は、桂花に死を命じるだけの簡単な仕事はしないだろう。 

 

苦しみや悲しみを最大限に引き出して、嗤いながら相手の死を見ているかも知れないのだ。 それが、如何に忠義立てした臣としても──末路は同じ。

 

前の世界で、華琳と桂花の関係を御存知な方なら………お分かりだろう。

 

華琳は、床で跪く(ひざまずく)桂花を腕組みをしたまま、上から見下ろし睨みつけたと思えば、組んでいた腕を解いて片手を桂花の顔に当て、自分に向けさせた。 

 

ーー

 

華琳「…………………」クイッ

 

桂花「───か、華琳………さまぁ?」

 

華琳「…………………思い出した? 貴女は、私の可愛い……玩具なのよ?」

 

桂花「────!!」

 

ーー

 

桂花は、華琳の目を直視して──思わず心臓が跳ね上がり、高鳴りが止まらなくなる。 赤き小さな舌で自分の唇を軽く舐めて、艶めいた仕種で顔を桂花に急接近させると………桂花は頬を染め、濡れた瞳で華琳を見つめていた。 

 

桂花の頭に過るのは、華琳との様々な快楽の日々。

 

近付かれる度に思い出す……同衾した夜の出来事。 玉座の前で命じられるがまま行った数々の躾という名の御褒美。 目眩く(めくるめく)甘美で艶やかな日々。 

 

華琳の指先が動かす度に、桂花の未知なる扉が内側から開く。 華琳が求めれば、桂花が応える………まるで、蜜蜂と一輪の花の如し関係。

 

考える度に、思い出す度に、呼吸が荒く心臓の鼓動が早くなっていく!

 

しかし、華琳は口を開き、恍惚な表情と耐えようとする桂花に向かい、更なる言葉攻めで圧してくる。 

 

『抵抗するなんて、桂花のくせに生意気よ』──と言わんばかりに。

 

 

 

◆◇◆

 

【 華琳の狙い の件 】

 

〖 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

 

華琳が、桂花の耳元にまで自分の口を寄せ、少し拗ねたように呟いた。

 

ーー

 

華琳「貴女は私の物………それなのに、二度も私に対する暴言、許可なく側を離れる責務放棄、しかも……私の温情を無下する、その態度。 全く……許しがいたいわねぇ?」

 

桂花「────っ! ハァ、ハァハァ……んん……ハァ………」

 

華琳「度重なり主の顔に泥を塗る行為を不問で済ますなんて、為政者とすれば更なる禍根を残す甘い判断を下すところだったわ。 そうよね………桂花?」

 

桂花「───か、華琳さまぁ………ぁぁぁ……」

 

ーー

 

桂花の声が徐々に理性を失い、その代わりに発情した獣のような呼気を出し始めた。 このまま行けば、桂花は……前の世と同じ、いや、それ以上に華琳へと歪めた愛情表現を求める事になるだろう。

 

華琳達の周りに居る他の恋姫達も、流石に不味いと思い止めようとしたが、記憶が蘇りし覇王から放たれる覇気が、華琳と桂花を中心として放たれ、重苦しい空間を作り出して、何者の干渉を許さなかった。 

 

無論、桂花も快楽に流されそうになりながらも、懸命に自分で身体を抱き締め抗っている。 今は一人の女として………一刀に認めて貰いたいのだと。

 

しかし、前の世で何度も同衾して、華琳に開発されまくった身体には……抵抗する術がまるでなく、意識は快楽に少しづつ引摺り込まれて行く!

 

ーー

 

桂花「(………くぅ! わ、私の身体が………華琳様を……求めてるぅ! わ、私は一刀を……あ、愛しているのにぃ! う、うぅん……か、身体が、華琳様──を! い、嫌ぁ! もう……昔みたいな事なんて──したくなぁ)」

 

華琳「───桂花? 貴女は誰のもの?」

 

桂花「─────!?」ビクッ

 

華琳「もう一度問うわ? 貴女は誰のもの……」

 

桂花「も、勿論………この身は──ぐう! か、華琳様の物で……ございます……………!」

 

華琳「そう、良い子ねぇ……桂花」ギュウ!

 

桂花「─────あっ、あぁぁぁ…………!!」 

 

ーー

 

この様子を見て、『流石は曹孟徳。 どのような時でも、信賞必罰を行うとは………』と感嘆の声を漏らした人物が居た事。

 

『私は見ていません!』と両手で顔を隠しながら、指の隙間より目を見開き、桂花達の様子を覗き見していた子が居た事も。

 

そして、華琳が桂花の『どの場所』を摘まんだのかも………勿論内緒だ。 

 

…………いいね?

 

 

 

さて───話に戻ろう。

 

華琳に攻められ続けて、桂花の頭の中はまっ白となり、身体は今まで以上の快楽を与えられ隅々まで歓喜に打ち震えていた。 

 

桂花の名誉の為に言っておくが、前の世界と比べ桂花の精神力は遥かに強くなっている。 これは、間違いない事実だ。

 

だが、残念ながら──人という者は、『苦痛』に関して幾らでも我慢できるかま、『快楽』に関しては流されてしまうもの。 苦痛は異物であり許否し易いが、快楽になると身体自身が求めてしまうので、我慢が効かないという。

 

だから………敢えて言おう。 

 

桂花が、このまま耐え続ければ………精神が破綻し狂っていただろう……と。

 

先程まで抵抗を見せていた桂花の顔が、完全に惚けた様子になった。 目に意思が無く、精気が失われ……口が半開きになったまま、閉じられる事も無い。

 

桂花の変わり果てた様子を確認した華琳は………口を三日月のような形にして、嗤う。 そして、再度、桂花の耳元に口を寄せて軽く吹き掛けた。

 

桂花の身体が、数回反応して小刻みに跳ねる。

 

この結果を満足げに見ていた華琳は、そのまま桂花に話掛けた。

 

ーー

 

華琳「ふふふ、ねえ……桂花? もう一度、私だけの『玩具』にならない? そうしたら、今までの事を全部忘れる。 そして、この曹孟徳直々………貴女の身も心も満足できるように、手練手管を尽くして可愛がってあげるわよ?」

 

桂花「~~~しょ、しょんなぁ……こと、ハァハァ……嬉しいですぅ!」

 

華琳「でも、それでは──褒美であって罰にならない。 だから……代わりに貴女にある命令を与えるわ。 それを即実行すると誓ってくれるなら、今晩からでも寝台に誘って可愛がってあげるわよ? 私の……可愛い桂花………」 

 

桂花「ふぁい、華琳様の命令なら───」

 

華琳「…………じゃあ、桂花。 貴女に命令するわ──」

 

 

 

 

 

華琳「……………一刀を………北郷一刀を忘れなさい! 貴女の真名と私の真名に誓ってでも───」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

この回を書いて、正直思いました。 

 

『なんで、こんな絡みの話ができたんだろう………?』

 

そんなエッチィ話など、今まで書いた覚えは無いのに。

 

次回もまた、よろしくお願いします。

 


 
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