No.848542

北郷一刀と新たな英雄が紡ぐ外史12話

あなたまさん

4ヶ月ぶりの投稿じゃー!
アフターやら順番ばらばらですみません。。。
2016/5/24鶸と蒼の表記が逆になっていたのを修正しました。
前話リンクはこちらhttp://www.tinami.com/view/825298

2016-05-19 22:59:57 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4825   閲覧ユーザー数:3631

前回までのあらすじ

 

・黄巾党の出現→勅命を受け武威から出陣→上党の要害『壺関』を制圧

・曹操と出会い連合を組む→孫策とも出会う→前世?の記憶を持つ張三姉妹と出会う

・馬・曹・孫連合で黄巾党を滅ぼす→曹操に目を付けられ、孫策に気に入られ、更に苦労を抱える一刀

・行く当ての無い張三姉妹を連れて武威に帰還

・戦勝祝いの宴会←NEW

 

 

 

 

青州黄巾党を鎮圧し、大陸に一時とはいえ平和が取り戻される。

 

しかし、黄巾党の出来事で漢王朝に諸侯をまとめる力がない事が改めて露見した出来事でもあった。これにより、心の内に野望を秘める人物が動き出す群雄割拠の世が始まるだろう。

 

 

そんな争いは大陸の西に位置する涼州も例外ではなかった・・・

 

 

 

 

武威に帰還した俺達は後始末を終えた後、兵にしばしの休息と恩賞を与えて解散させる。遠征に赴いてた翠や一刀達も疲労の労いを兼ねて祝勝会が行われていた。

宴会が始まったのは午の刻(12時頃)、遠征組みも留守番組みも関係なくはしゃぎ、飲み食いを楽しんでいた。

そんな盛り上がる宴会とは裏腹に、とある一角では冷め切った空気が漂っている

 

 

鶸「・・・」

 

一刀「・・・」

 

地和「・・・」

 

 

 

 

蒲公英「おぉ~!睨んでる睨んでる!これは修羅場が来るよ!」

 

人和「随分と楽しそうね、止めなくていいの?」

 

蒲公英「下手に介入したら、こっちにも飛び火しそうだもん。そんな貧乏くじ引くのは蒲公英の役目じゃないし~~」

 

天和「ねぇねぇ、人和ちゃん。私もあそこに乱入したらダメかな?」

 

蒼「あ、それいいね!天和ちゃんが正面で、私が後ろから抱き付いちゃおう~!」

 

人和「天和姉さん、収拾がつかなくなるから自重して。馬休さんもよ」

 

蒼・天和「「は~~い」」

 

 

 

冷め切った空気を発しているのは、一刀の両側に抱きついている蒼と地和。

馬四姉妹と張三姉妹、姉妹同士で何か共通する所でもあったのか、宴会が始まるとすぐにお互い意気投合。自己紹介はすぐに済ませ、盛り上がっていた。

 

ここまでならなんら問題なかったのだが・・・酒が進むにつれて鶸と地和の雰囲気が険悪になっていく。地和が一刀の事は自分が一番理解していると言い始め、そんな事はない、一刀さんの事は私が一番知っています!と普段は奥手の鶸が声をあげて反論する。

 

これにイラついた地和が一刀を呼び寄せ、一刀の右腕にしがみつき、小ぶりながらも柔らかい乳房を一刀に当てて意識させる。それを見た鶸もすぐさま左腕に抱きつき牽制する

 

 

学校では優しい、気遣い上手、天然誑しだけど紳士など女子の評判を受ける一刀だが、けっしてそっち方面に興味が無いわけではなく、普通の高校生並に興味を持っている。そんな男の子に、この状態は天国かと思われるが、決してそんな事はなかった・・・

殺気丸出しの女の子が自分を挟んで対峙しているのだ。役得よりも早く開放されたいという気持ちが勝っていた。。。

 

普段は面白がって茶化しにくる及川は………にやついた笑顔で翠や小蓮の相手に夢中で、親友の方など見向きもしない。

それ以外の面子からの援軍も期待できない。こちらに混ざりたいと言っている天和と蒼。その2人を引き止める人和と、イジルネタが増えたと喜ぶ蒲公英。酔った勢いで、着ている服を脱ぎ散らかしている華侖、脱いだ服を回収して着させようとする明命。飛んでいる蝶を見て、斧を振り回して空を飛ぼうとしている香風・・・

 

戦の疲れを癒す目的で行われた宴会だが・・・ツッコミ者不在の混沌とした宴会に姿を変えていた。

 

 

ここまできて、とうとう打開する方法が無いと悟った一刀は・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

これは悪い夢、時間が経てばきっと夢から覚める……その時が来るまで……酒を浴びるように飲み意識を手放した

・・・

 

 

 

 

 

 

 

意識を取り戻した時には、明るかった空がすっかり沈み、真っ暗な空間に月光が差し込んでいた。あれだけの騒ぎだった宴会開場も、ほとんどの者が酔いつぶれていた。

一刀は自分の周りにも変化があると気がつく、あれだけしがみ付いていた蒼と地和が居なくなっている。自分の寝室に戻ったのだろうかと周囲を見渡すと、蒲公英・華侖・天和が傍に近づいてきた

 

華侖「おー!一刀っち起きたんすね!」

 

一刀「いま気がついたところだよ。俺が意識を失ってからどれぐらい経ったんだ?」

 

蒲公英「え~と4刻(8時間)ぐらいかな?全然起きないから、死んじゃったのかと思ったよ」

 

 

8時間も寝てたのか…道理で空が真っ暗だと思ったよ・・・と思わず苦笑い。一刀は自分にくっ付いていた2人の事を聞こうとする前に、天和が話してくれた

 

天和「鶸ちゃんと地和ちゃんは一刀が気絶したあと、人和ちゃんと蒲公英ちゃんが引き剥がして寝室まで連れて行ったよ。ちなみに、地和ちゃんは人和ちゃんが監視してて、鶸ちゃんは自己嫌悪と恥ずかしさで引きこもってるから、ゆっくり出来るよ」

 

一刀「なんで俺が聞きたい事が解ったんだ?」

 

天和「えへへ、私は一刀の事はなんでも解るよ~?それに、一刀は考えてる事がすぐに顔に出るもん」

 

自分の事を理解してくれている嬉しさと、ちょっとした恥ずかしさで一刀は思わず天和から顔を背ける。天和が接してきたのは彼(魏に降り立った北郷一刀)であって、自分ではないのが、天和の優しく可愛らしい笑顔を向けられれば照れるのも仕方ない。もちろん、そんな心境も天和にはバレバレであり、照れちゃって可愛い~♪と茶化されていた

 

華侖「そういえば、一刀っちは華琳姉ぇに会ったんだよね?なんか変な事言われなかったっすか?」

 

変な事か・・・どの辺りから変な事になるんだろ?あの完璧超人との会話でまともな方が少なかった気も・・・

 

華侖「あ~一刀っちの表情から、だいたい解った気がするっす。苦労したんすね・・・一刀っちも」

 

一刀「察してくれて助かるよ。そういえば、なんで華侖は曹操の下から旅に出たんだ?曹操の従姉妹なら重臣のはずだろ?」

 

天和「え!華侖ちゃんって曹操さんの従姉妹なの!?そっか~似てると思ったらそういう事だったんだ~」

 

曹一族を見てない人なら気がつかなくても仕方ない事なのだが、曹操に保護されていた天和が気がついていなかった事に驚く。天和は鋭い面もあるようだが、普段はポンコツなのかもしれない。

 

華侖「あぁ~・・・・一刀っちは栄華(曹洪)と会ったすか?」

 

一刀「曹洪さんって、曹操の従妹で、小さな帽子被ってて人形持ってる子だよね?その子なら少し話したよ」

 

華侖「実は……栄華は昔から男嫌いで『男なんてクサくて汚くて卑しい存在だ!』と毎日のように言ってたんすよ。その反動で、可愛いものと小さい女の子が大好きなんすよ。わたしもよく栄華の着せ替え人形にされてたっす…酷い時には1日着せ替え人形にされたうえに抱き枕扱いされたんすよ!わたしが家出した理由はこれっす!!」

 

大声で自分の境遇を話したせいか、肩で大きく呼吸していた。

やけに俺に対して辛口だと思ったら・・・男嫌いだったのか。曹操も男嫌い?っぽかったけど、華侖の話しぶりだと仲良くなるのは無理そうだな

 

一刀「待てよ…それじゃあ、曹洪さんが香風を見て息を荒くしてたのは・・・」

 

華侖「香風なら・・・完全に栄華に狙われてるっすね」

 

香風でさえ狙われてたなら、同じ陣営の諸葛亮ちゃんと龐統ちゃんは大丈夫だろうか・・・敵となりうる勢力の子だが、心配になった一刀であった

 

蒲公英「でもさ、本気で嫌がってるなら曹操さんも辞めるように言ってくれるんじゃないの?」

 

従姉妹同士であれ、嫌がる事は存在する。曹洪が言って止まらないのであれば、曹操に言って止めさせてもらえば確かにいいのだが・・・

 

天和「ん~曹操さんの場合、止めるどころか自分も参加してきそうな気もするなぁ。あの人、加虐趣味だから」

 

華侖「加虐趣味どろこじゃないっす!もう鬼畜っすよ!たまには反論しようと、胸の事を突いたんすけど……思い出したくないほどの恐怖を味わったっす・・・」

 

華侖の目からハイライトが消えてる・・・どんだけつらい仕打ち受けたんだ・・・曹操さんはドSで、胸の話題は禁句な事を忘れないようにしておかないと

 

華侖「まぁ、家出した一番の理由は、曹一族でわたしだけが凡人だった事っす。華琳姉ぇはすべての才能に愛され完璧超人。栄華は算術、内政の手腕、軍を率いる才などを兼ね備えてる。それに比べて、わたしの取り得はすぐに着ている服を脱ぐ事だけっす」

 

脱ぎ癖を特技にするのはどうかと思うけど、曹操さんと曹洪さんにコンプレックスを持ってるのか。同じ曹一族だし、比べられる事もあったのかもしれない。とはいえ、比較対象がおかしいだけであって、華侖の武才はかなりのもの・・・勉学はもう少し積ませないと不味いレベルだが・・・

 

一刀「華侖は華侖であって、曹操さんや曹洪さんじゃない。それに、華侖には周囲の人達を笑顔にする力を持ってるじゃないか」

 

華侖「笑顔に・・?」

 

一刀「そう、華侖は本当に楽しそうに笑う。心から笑う事の出来る笑顔は周囲にも影響を与えるんだ。つらい事やめげそうな事があっても、華侖の笑顔を見て元気が沸く人達がいるんだ。これは一種の才能でもあり、誇れる事なんだよ」

 

華侖「・・・なんか一刀っちに励まされたら元気が出てきたっす!なやんだり、くよくよするのは、わたしらしくなかったすね!」

 

蒲公英「そうだよ!華侖と一緒に居ると、蒲公英はいつも楽しい気分になってるんだもん!華侖は華侖らしく過ごせばいいんだよ!」

 

俺と蒲公英の言葉で元気を取り戻したのか、『よーし、明日から頑張るぞー!』と叫びながら走って行ってしまった。蒲公英もおいて行かないでと、慌てて後を追いかけた。

それにしても……暖かく、天真爛漫な笑顔。これほど裏表がなく、元気を与える事が出来る人物は少ない。これを従姉妹である曹操さんが見抜いていないハズがない。曹家陣営には華侖に匹敵する人がまだ控えているのか?

 

天和「ないすふぉろーだったね。流石一刀!女の子を元気にさせる能力は健在だね!」

 

一刀「健在って事は・・・もしかして」

 

天和「一刀がいま想像した通りだよ。一刀は『天の御遣い』『警備隊隊長』『魏の種馬』とか言われてたんだよ」

 

横文字は一緒に過ごしてれば使い方、意味を教えてもらっても不思議じゃないからツッコミは入れないが・・・最後の『魏の種馬』って異名はなに!そんなに所構わず発情したり、盛ってたりして女の子と過ごしてたのか!?

 

一刀「参考までに聞きたいんだけど……何人に手だしてたの?」

 

いくら種馬と呼ばれてても、一夫多妻制が普通の時代だし、多くても3人程度だよね?でも、流れからして4人か5人ぐらいかな・・・?

 

天和「えーと、曹操さんに、夏侯惇さんに夏侯淵さん。それに楽進ちゃん、沙和ちゃん、李典ちゃん、張遼さんに・・・私達を含めて15人かな?」

 

 

ちょっと待って!え、え?15人って・・・俺はどんだけ手出してるんだよ!?

しかも、1人だけ真名呼びで誰か解らないけど、曹操さんや夏侯姉妹に加え、魏で有名な将軍に手出しまくりじゃん!!男だけど、傾国になってたかもしれないじゃん!!

 

天和「一刀の住んでた天の国じゃ珍しい状況かもしれないけど、ここだとそんなに珍しくはないよ?一刀もきっとすぐに慣れると思うよ。それに……」

 

一刀「それに?」

 

天和「やっぱなんでもな~い♪もう遅いから、私は先に寝るね!」

 

1人残された一刀は、私が言いかけた言葉が気になってるみたいだけど、下手に言って意識させるよりか、自然に行動してくれるほうが一刀らしいもんね!

 

 

 

 

”一刀は一刀らしく、その優しさと懐の広さでみんなを包み、私達に安らぎを与える存在で居て欲しい”

 

 

なんて口に出して言わなくても、さっきの華侖に対してみたいに一刀は自然に行動してくれるもんね!

 

 

 

 

 

ちょうど4ヶ月ぶりの投稿となりましたが、新た英雄12話を投稿させていただきました。

前回と今回は張三姉妹がメインなので、天和ちゃんがヒロイン格となってるのは仕様です

 

今回で華侖が家出した理由が明らかになりましたが、華侖の口癖って、全部語尾に『っす』でしたっけ?

言ってなかったら英雄譚『魏』をまたプレイして覚えなさいと・・・

 

次回も日常話に加え、紫苑を登場させる予定となっております!

 

 

寂しがりやな覇王と御使いの兄 の修正が反連合まで進んだんですが、基本シナリオは同じなのですが、結構中身を修正してるのと、拠点話の修正飛ばしてやってるので、矛盾なところが発生してるかも・・・

上書きでその回を修正するか、修正したのを新しく投稿するか考え中なので、どちらの形がいいとか意見ありましたらコメントよろしくお願いします

 

 

 

※鶸と蒼の真名表記をミスしていた事に気がつきませんでした。

正確には、酔った鶸が抱きついて、酔いが醒めて正気に戻って自己嫌悪って流れです

 

報告ありがとうございました!

 

 

 

 


 
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