No.835518

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズクリード~番外編 サイドアームズ

okakaさん

やっと終わったぁぁぁぁ!

2016-03-05 00:55:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1364   閲覧ユーザー数:609

番外編【サイドアームズ】1 ~獅子と聖剣~ 後編7

 

 

『全部同時って・・・どうするんですか!?2,3機ならまだしも5機は流石に無理がありますって!』

 

 

ディアの焦りが無線を通して伝わってくる。当然だ、動き回る機動兵器を同時に5機、普通では不可能に近い。そう――――――――

 

 

 

『いや、手はある』

 

 

――――――――普通ならば。

 

 

『アン娘、さっき埋め合わせしてくれるって言ったよな?』

 

『うむ、男に二言はない!・・・待て、なんでそこでお前達は【えっ!?男だったの!?】とでも言うような顔をしている!?』

 

 

その場にいるokaka以外の全員からの予想外の反応にUnknownがツッコミを入れるが、それをスルーしてokakaは続けた。

 

 

『じゃあ早速だが、波動砲の発射準備を開始してくれ、方位とタイミングはこちらで指示する』

 

『波動砲を貸せ、ということか・・・いいだろう、波動砲発射準備!』

 

 

Unknownの指示でヤマトのブリッジが慌ただしく動き始めた。okakaはその様子を見ながら今度はマクロスクォーターに通信を繋ぐ。

 

 

『ワイルド1よりガンサイト1、マクロスキャノン発射準備、それと橘花、ケーニッヒ出せ』

 

『了解でーす!ブリッジより各員!マクロスキャノン発射準備!それと私のケーニッヒモンスターの発進準備もお願いしまーす!』

 

 

橘花が通信席をタチコマと入れ替わり、格納庫へと降りていく。一連の流れを見ていたロキの中で全てが一つに繋がった。

 

 

『おいokaka、まさかお前・・・』

 

 

同時に気付いたであろう、支配人が言葉を繋げる。

 

 

『そのまさかだ、5機同時に落とすには相応の火力を完璧なタイミングで打ち込む必要がある。だが今の俺達には圧倒的に火力が足りない。ならば――――――――』

 

『そう、現状最大の火力をもって奴らを追い込んだ空域全体をキルゾーンにしてやるのさ。俺達はそこにあいつらを追い込む、指定座標をARモニターに転送、各機散開して敵を追い込め!』

 

 

okakaは指示を出すと同時にデュランダルをファイターに変形させ、手近なベルゲルミルにガンポッドで攻撃、着弾と同時にハイGターンで急速旋回すると、指定座標へと移動を開始した。

 

 

『グルァァァァァァァッ!』

 

 

被弾したベルゲルミルと、先ほどやられたスレードゲルミルがデュランダルを追いかけて移動を開始、そのまま釣られて指定座標へと飛んでいった。

 

 

「そうだ、そのまま追ってこい!」

 

 

okakaは自身を追ってきたベルゲルミルとスレードゲルミルを後方ミラーで確認すると、MDEビームで後方を牽制しながら更にスロットルを開いた――――――――

 

 

 

「僕らはあっちを追い込むよ!」

 

『OK!いくわよ!』

 

 

ディアの言葉と共にアキがゼットランドACの右肩部のハドロンランチャーを展開、同時に展開した左肩部のシールド部分を支えに【メガ・ハドロンランチャー】発射形態に移行と同時に手近なベルゲルミルに向けて発射した。

 

 

『ギシャァァァァァァァァッ!』

 

 

とっさに回避しようとしたベルゲルミルを別の衝撃が襲う、同時に撃ち込まれた【砲弾】の影響で反応が僅かに遅れたのだろう、ハドロン砲が左肩を吹き飛ばし、手に持っていたマシンナリー・ライフルと背部のシックススレイブをラックごと半分ほど焼き払った。

 

 

『アキ、もう少し狙いを絞ってから撃ちなよ、こっちの仕事が増えるから』

 

 

そうぼやいたのはサザーランド・アイ・エアの演算担当、後席に乗るカンナだ。機体の構える試作型ヴァリスをみる限り先程の砲弾は準ドルイド【ウァテスシステム】の高性能演算を使った予測射撃だったのだろう。

 

 

『タイミングバッチリ!デシタね!』

 

 

操縦担当の前席に座るアンジェは少しハイになっているのだろう、更にヴァリスで追い打ちを掛ける。

 

 

『仕方ないじゃない、重KMFなんて初めてなのよ!』

 

 

アキが少しふてくされながらランチャーの【オールレンジ・ボマー】からマイクロミサイルを発射、サザーランド・アイ・エアのレーザー誘導支援マーカーに向けて一斉にミサイルが飛び、ベルゲルミルの全身を焼いた。

 

 

『グルギャァァッ!』

 

 

全身を焼かれて悶えるベルゲルミルに更に追い打ちが掛けられた。

 

 

『メギドハーケン!』

 

『たぁぁぁぁぁぁぁっ!』

 

 

こなたのブラッドフォードCJの両腕から大型のスラッシュハーケン【メギドハーケン】が放たれ、ベルゲルミルの腹部に突き刺さる、そしてそれをディアのランスロット・レオが回し蹴りで更に深く突き立てる、そしてそのままナイフを脇腹に突き立て引き裂いた。

 

 

『まだまだぁ!』

 

 

こなたの叫びと共に突き刺さったままのメギドハーケンからハドロンスピアーが放たれ、ベルゲルミルを完全に真っ二つに引きちぎった。

 

 

『グギャガァァァァァァァァァァァァァァァッ!』

 

 

引きちぎられたベルゲルミルが悲鳴を上げ、半身のまま残った右腕を振り上げ、レオに振り下ろした。

 

 

『おっと!僕はこっちです!』

 

『よーしいい子だ、そのままこっちへおいで・・・ウル、こなた、飛行ルートを送るからそれに合わせて飛んで』

 

『『了解!』』

 

 

ブラッドフォードCJが高速飛行用の【フォートレス形態】に変形、レオの背後に相対速度を合わせてピタリと張り付きながら飛んだ。

 

 

『ウル!合体するよ!』

 

『え?合体?・・・って合体!?ええ!?』

 

 

ディアの戸惑いをよそにブラッドフォードCJのデュアルアームズが展開、レオの脇腹を挟みこむように接続、同時にレオのエナジーウィングが収納され、本体同士が接続された。

 

 

『え、ちょちょちょちょっとぉ!?』

 

 

困惑するディアの目の前でOSが次々と書き換えられ最適化、プリセットと同時に『AIR CAVALRY MODE』の表示が出現、完全に合体が完了した。

 

 

『すごい・・・空戦能力が向上してる!』

 

『これがブラッドフォードCJの力だよ!操縦はそっちに任せるね!』

 

『うん、行くよ!』

 

 

超高速戦闘形態『エア・キャバルリー形態』に合体したレオとCJはデュアルアームズのレールガンを撃ちながらベルゲルミルを誘導し始めた――――――――

 

 

 

『流石に体格差がありますね、バディ』

 

「だよなぁ・・・どうすっかなぁ・・・」

 

 

ベルゲルミルの射撃をかわしつつ40mmライフルを撃ちかけるM9を操りながらロキはどうしたものかと思案していた。21.3mあるベルゲルミルに対してM9は8.4m、ディア達の用に複数いるならともかくこちらは単機だ、普通に攻めても勝ち目はない、かといって不可視ECSを使ってしまっては誘導できない。

 

 

「取り敢えずブラックマンバをぶち込むか!」

 

『ラジャー、ブラックマンバ、ターゲットロック』

 

「喰らえ!」

 

 

ロキがトリガーを引くと、XL-3Fのパイロンに装備されたブラックマンバ短射程空対空ミサイルが12発全弾発射され、ベルゲルミルに吸い込まれていった。

 

 

『グルアァァァァァァァァァ!』

 

 

本来AAMであり、近接信管であるはずのブラックマンバが【着弾後】に大爆発、どうやら信管が遅発に設定されていたらしく、ベルゲルミルの四肢を内部から吹き飛ばした。

 

 

『おっ、ラッキー!サンキューokaka!』

 

 

こうなることを見越して設定させていたであろうokakaに礼を言いながらエンジンを全開、そのままベルゲルミルに突撃を敢行した。

 

 

『おりゃあ!』

 

 

ベルゲルミルに亜音速でドロップキックをかましたM9はそのままボクサー2対装甲散弾砲を突き付け、発砲、本来ならAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)の被覆が外れるはずだが、飛距離が足りずにそのままぶち当たる、だが、それが逆に砲弾の重量を上げ、ベルゲルミルを殴りつけた。

 

 

『このまま地獄への直行便だ!』

 

『ゼーロス発射』

 

 

更にユーズがゼーロス20mmガトリング砲で手足の再生を防ぎながらボクサー2を叩き込む、そのまま目標空域までベルゲルミルを砲弾ドリブルしていった――――――――

 

 

――――――――「あいつらは自分達の事で手一杯、今度は邪魔されないぞ!」

 

 

支配人はコクピットでぼやくとスラスターを吹かし、ベルゲルミルに肉薄した。

 

 

「モーションJP2、アレンジD!」

 

 

両腕と両膝のプラズマステークを帯電させたSC2がタックルでベルゲルミルを突き飛ばし、両腕のステークで猛烈なラッシュを掛ける。ジェット・ファントムのモーションを利用した猛攻でベルゲルミルを指定座標まで殴って飛ばした。

 

 

「おおおっ!」

 

 

そしてラッシュの最後に強烈な右ストレートでベルゲルミルを突き飛ばすと、新たなコマンドを入力した。

 

 

「モーションキャンセル!パターン変更!」

 

 

入力されたコマンドに従い、SC2は機体を高速回転させスラスターを全開、同時にモニターに【SHOUT NOW!】の表示が点滅、同時に支配人が叫んだ。

 

 

「究ぅぅぅぅ極ぅぅぅぅ!ゲシュ『北斗柔破斬!』『ゴッドフットスマッシュ!』『奥義!パンスト流星脚!』『南斗獄屠拳!』『アチョー!』『チョーイイネ!キックストライク!サイコー!!』『ザヨゴオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!!』いい加減にしろお前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!しかもこなた!さっきokakaが言ったのと被ってるぞぉぉぉぉぉ!!」

 

 

okaka、ロキ、こなた、ディア、アキ、桃花、そして橘花の7人によるフリーダム過ぎる叫びも何のその、SC2の究極!ゲシュペンストキックがベルゲルミルを所定座標に叩き込んだ瞬間、okakaとディアが座標を通過し同時にロキがベルゲルミルを蹴りこんだ。

 

 

『今だ!ぶちかませ!』

 

 

全ての敵がキルゾーンに入りこんだ瞬間、okakaが無線機に向かって叫んだ。

 

 

『波動砲発射!』

 

『マスロスキャノン、発射します』

 

 

同時に待ってましたと言わんばかりに波動砲とマクロスキャノンが同時にキルゾーンに撃ち込まれた。

 

 

『反応弾、発射しまーす!さよなら弾薬費ぃぃぃ!』

 

 

そしてそこに橘花の乗る可変爆撃機【VB-6 ケーニッヒモンスター】がガウォーク形態で地面に滑りこむと同時にアンカーで機体を固定、上部の【320mm4連装レールガン】と両腕に位置する【3連装対地対艦重ミサイルランチャー】から汚染しない核兵器【反応弾】を叩き込んだ。

 

 

――――――――ズドォォォォォォォォォォォォォン――――――――

 

 

凄まじい爆音とともに機体を覆い隠すほどの火球が発生、その発射の反動でアンカーを降ろした地面を抉りながら発射された合計10発の反応弾が着弾点に巨大な火球を発生させ、あまりのエネルギーに爆縮が発生しその周囲の空域にいる全てのナンバーズの機体を揺さぶった。

 

 

『ぎゃぁぁぁぁぁぁ10発も撃ってんじゃねぇぇぇぇぇぇぇ!一発いくらすると思ってやがるんだバカヤロォォォォォォォォ!』

 

『こんな時まで金勘定ですかアンタ!?『ウル!もっと出力上げて!』解ってるよ!』

 

『おいおいおい!巻き込まれるって!『エンジン最大出力』死ぬ気で逃げろユーズ!』

 

『機体が重すぎる!追加装甲パージ!スラスター最大出力!』

 

 

それぞれが凄まじい爆風の中で揺さぶられながらもなんとか上空に非難したディアとokakaの視界に何かが飛び込んできた。

 

 

『えっ・・・アレって!スレードゲルミル!?』

 

『嘘だろ!?』

 

 

おそらくその大推力を利用して致命傷を裂けたのだろう、凄まじい爆発の中から上半身と右腕だけになりながらスレードゲルミルが飛び出してきたのだ。

 

 

『グギャラガァァァァァァァァァァァァァ!』

 

 

スレードゲルミルは自身を少しずつ再生させながら肩に装備された【斬艦刀】を起動、長大な剣を振りかぶりながらデュランダルとレオに突っ込んできた。

 

 

『しぶと過ぎでしょ!』

 

 

ディアが悪態をつきながら残ったレールガンの弾を撃ち尽くしながら牽制するが、それでも速度は落ちない。これは最後の最後でヤバイことになったと思った瞬間、何かに気付いたokakaが機体をファイターモードに変形させた。

 

 

『だがコアが転移してない!ディア、エナジーはどれくらいだ!?』

 

『後一撃ならいけます!』

 

『よし乗れ!一気にケリを付けるぞ!』

 

 

レオがデュランダルに飛び乗った瞬間、okakaがリミッターを外したスロットルを全開、瞬時に大気圏内最高速度のマッハ10以上に加速させた。

 

 

『おおおおおおおおおおおおおおっ!』

 

 

レオが残された最後の武器、右腕に装備された爪形MVSを展開した瞬間、両機体のフォールドクォーツが発光、凄まじいエネルギーが発生し、デュランダルとレオが黄金の輝きに包まれた。

 

 

『これで・・・』

 

    

okakaの【聖剣(デュランダル)】がピンポイントバリアを機体前面に一極集中させ胴体のコアに突っ込む。

 

 

『終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』

 

     

ディアの【獅子(レオ)】の爪が頭部のコアを狙う。

 

 

『グギャガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!』

 

 

振り下ろされる斬艦刀よりも素早く獅子と聖剣が駆け抜けた瞬間、スレードゲルミルは大爆発を起こし、そのしぶとさとは裏腹にあっけなく消滅した。

 

 

『『今度こそ終わりだ!』』

 

『・・・まったく、死ぬかと思った・・・』

 

 

トドメを刺した男二人の突撃に付き合わされたこなたはコックピットの中で呆れながらも微笑んでいた――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――アヴァロンダムの戦いから二日後――――――――

 

 

 

「まったく、なんで私達が穴掘りなんかしなきゃいけないのよ!」

 

「勝手に機体持ちだしたのはやっぱりまずかったねぇ・・・」

 

「いいからさっさと済ませましょう?」

 

「これくらいの深さでイイでショウか?」

 

 

晴れ渡る空の下、勝手に機体を持ちだした4人はokakaに命じられて小高い丘の上に大きめの穴を掘る罰を受けていた。

 

 

「・・・うん、こんなもんだろ。それと、穴掘りが嫌ならお前達が出した損失、機体とパーツ、そしてその生産ラインの構築と秘匿にかかった代金を全額一括で返済してくれても良かったんだぞ?」

 

 

ニヤリと笑いながらそう言い放つokakaに4人は歯噛みしながら従った。一度算出してもらった結果、(え?バチカンの国家予算くらいあるんだけど?)と、とてつもない額に驚きながら丁重にお断りした手前、従う以外は選択肢がなかったのだ。

 

 

「まぁ、これはディアの頼みでもあるわけだしな」

 

「そう言うこと、ま、諦めなっての」

 

 

そう言いながら支配人とロキが大きめの棺を穴の中へ降ろす。

 

 

「それに彼等はディアを助けてくれた恩人なんだろ?だったら丁重に弔ってやるのはお前達にとっても当然だと思うんだが?」

 

 

「「「「・・・まぁ、確かに」」」」

 

 

okakaの追撃に4人が押し黙る。ディアの頼み、それはグラディエーターにされた子供達を【人として弔う】事だった。棺の中にはグラディエーターから取り出された子供達の脳と神経が収められ、今まさに埋葬されている所だったのだ。

 

 

「よし、じゃあ土掛けてくれ」

 

「「「「はーい・・・」」」」

 

 

4人が棺を埋め始めると、okakaはロキと支配人に書類を手渡した。

 

 

「今回の戦闘で手に入った鹵獲品のリストだ、ロキのはM9の受領書類、あれはもうお前にやるよ。お前の癖ついちゃってるから」

 

「あ、マジで?ラッキー」

 

「ふむ・・・エルアインスとガーリオンは簡単にレストアできるな、こっちのバレリオンの方もテスラ・ドライブを取れるだろうし値段もまぁ、相場並か・・・よし、俺が買い取ろう」

 

 

二人が書類に納得し、サインをしてokakaに返す。

 

 

「よっしゃ、確かに・・・俺だ、搬入を開始しろ」

 

 

okakaが携帯で搬入指示を出したのと同時に上空をVF-25の編隊が飛び抜けていった。

 

 

「なぁokaka、あれやっちまってよかったのか?相当高価な機体だったと思うんだが」

 

 

そう言ったロキの視線の先、編隊の中央に位置する所を飛ぶ白地に赤いラインの機体【VF-25Fメサイア】を操るディアを指しながらokakaに尋ねた。

 

 

「ああ、良いんだよ。元々S型に改装して予備機にする予定だったんだけどパーツが遅れてな、格納庫の肥やしにするのもアレだったし」

 

「・・・俺にくれても良かったんだぞ?」

 

 

最新鋭機に少し未練があったのだろうロキが呟くと、okakaは首筋に手を当てながら言葉を返した。

 

 

「・・・どうしてもアレやりたいって言ってたからな」

 

「アレ?」

 

 

ロキが疑問に思った瞬間、編隊の両翼の6機が上空へと飛び抜けていった。

 

 

「・・・ミッシングマン・フォーメーションか」

 

 

ミッシングマン・フォーメーション。故人の追悼を目的とする編隊飛行で上空へ離脱していくフォーメーションだ。天へと昇り行く故人を表すフォーメーション飛行。おそらくディアは共に戦ってくれた子供達へこれを送りたかったのだろう。共に戦った【仲間】としての贈り物として。

 

 

「なるほどなっと・・・よし、墓はこれでいいか」

 

 

支配人がすっかり埋め戻された地面に十字架を立ててやると、女性陣がそれに花束を添えた。

 

 

「ありがとうね、ウルを助けてくれて」

 

 

アキが代表して感謝の念を述べ、十字架に花輪を掛けた。

 

 

「ま、こんなもんだろう。よし、帰るか。ディア、帰投時間だ」

 

『了解、RTB(Return To Base.)』

 

 

通信機からディアの返事が帰ってくると、地上の全員が踵を返し、歩き始めた。と、同時に支配人のプライベート端末に着信があり、それを受けた支配人が通話ボタンを押した。

 

 

「俺だ、どうした?」

 

 

通信画面に出てきたライオトルーパーの一人が焦りながら応える。

 

 

『大変です!艦内に機体と共に大量のジャンクパーツが搬入されて・・・おい待ってくれ!それ以上はう、うわぁぁぁぁ溢れてきたぁ!』

 

「・・・おいokaka!どういう事だ!」

 

 

慌てて支配人がokakaに詰め寄ると、okakaはあっけらかんと返してきた。

 

 

「いや、書類に書いてあるだろ?よく見ろって、端の方」

 

 

支配人が受け取っていた書類の控えの隅の方をよく見るとそこには【その他ジャンクパーツ、MS輸送用コンテナ40機分】と非常に小さな字で書かれていた。

 

 

「や・・・・・・やられたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

ショックのあまりその場に膝をつく支配人、そんな彼等の戦いはまだまだ続く――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

「一狩り行こうぜ!」

 

okakaの言葉に乗った旅団MS部隊が管理局の私掠船部隊を相手に鹵獲祭り!妖怪MS置いてけ達による盛大な乱獲が始まる

 

 

次回【海賊狩りの宇宙海賊】更新日未定

 

 

 

 

 

あとがき

 

大変お待たせしました。ようやくサイドアームズ第一話終了です。次回はMS縛りの話になります。

SecretMissionも早く終わらせなきゃ・・・

 

 

 

 

 

 

 


 
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