No.832532

九番目の熾天使・外伝 ~短編26~

竜神丸さん

ポケモン擬人化騒動 その1

2016-02-22 11:28:04 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4131   閲覧ユーザー数:1055

それは、ある日突然起こった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ん……朝か…」

 

楽園(エデン)、ディアーリーズの自室。よく咲良やディアラヴァーズの面々が一緒に寝る事が多いこの大きな部屋で、ディアーリーズは誰よりも早く目覚めていた。欠伸をした後、彼は顔を洗って眠気を覚ます為にベッドから起き上がろうとするが、何故か起き上がれない。

 

「…ん?」

 

ここでディアーリーズは気付いた。自分の両足の上に乗っている者がいる。大方、ラヴァーズの誰かが乗っかっているのだろう。そんな結論に至るディアーリーズだったが……その答えは全く違っていた。

 

「んん~……むにゃむにゃ…」

 

「…What's?」

 

そこには、ディアーリーズの見知らぬ少女が眠り込んでいたのだ。

 

身に纏った白いドレス、そのスリットから綺麗な太ももが見え隠れしている緑髪の女性。その豊満な胸部の中央には赤く尖った突起らしき装飾が付いており、左目は長い前髪で隠れてしまっている。

 

しかしディアーリーズにとって、これは思考停止せざるを得ない状況だった。

 

(…え、本当に誰? というか何で僕の部屋にいるの? そして何で僕の上で寝てるの? 勘弁して下さいよこの光景を皆に見られたら僕がただじゃ済まないんですけどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!)

 

「ん……むにゃ? あ、起きましたか…?」

 

脳内で色々と焦りに焦っているディアーリーズを他所に、緑髪の女性は目を覚ました。先程まで眠っていた彼女の表情は、ディアーリーズが起きているのを見て嬉しそうな表情に変わる。

 

「あの、つかぬ事をお聞きしますが……あなた誰ですか?」

 

「え……ひ、酷いです、ご主人様……私の事、忘れてしまったのですか…?」

 

「ご、ご主人様…?」

 

両手で顔を覆って泣く素振りを見せる緑髪の女性に、ディアーリーズはますます困惑する。しかし、彼を困惑させる存在はこの少女だけではなかった。

 

「あらあら、駄目ですよご主人様。女の子を泣かせては」

 

「…ご主人様、謝った方が良い」

 

「!?」

 

部屋の扉が開き、更に二名の見知らぬ人物が入って来た。

 

片方は、赤と青の斑模様のヘソが出ている服を着た、長い金髪の女性だ。その金髪は揉み上げ部分が赤く、頭のてっぺんからも赤いアンテナが生えている。

 

もう片方は、青と水色のワンピースを着た、獣耳が生えた水色髪の少女だ。水色髪の揉み上げが長く、頭の獣耳は時々ピクピクと動いていて何とも可愛らしい。

 

前者は目覚めたディアーリーズを見てご機嫌そうな表情を浮かべており、後者は無表情ではあるが獣耳がピコピコ動く事で、自身の感情を表現してみせている。

 

「え、いや、だから誰なんですかあなた達は!? 一体どうやっここに……あぁもう!! あなたもそんなに泣かないで下さ……ッ!?」

 

取り敢えず泣いている緑髪の女性を泣き止ませようとするディアーリーズだったが、ここで彼は背後からとてつもない殺気を感じ取った。ディアーリーズが恐る恐る振り返ると―――

 

「ふぅ~ん? どういう事か説明して貰おうじゃないの、ウル」

 

―――アキを筆頭に、とてつもない殺意オーラを放っているディアラヴァーズの面々がいた。あの大人しい美空やみゆきですら、ディアーリーズに対して冷たい視線を向けている。

 

(…あ、駄目だこりゃ)

 

数秒後、ディアーリーズの断末魔が廊下まで響き渡り、近くを通ったスタッフが驚いたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たく、うるせぇなぁ…」

 

「朝っぱらから一体、何の騒ぎだ…?」

 

「あ、miriさんに支配人さんだ」

 

「きゅぅぅぅぅぅ…」

 

『あらあらまぁまぁ、また手酷くやられたわねぇ』

 

『チッ…世話の焼ける…』

 

その後、騒ぎを聞きつけたディアーリーズの部屋にmiriと支配人も訪れて来た。現在、ディアーリーズはディアラヴァーズの面々から制裁を受けた事で身体的にKOされており、メズール(左腕)とアンク(右腕)に手当てされている真っ最中である。そんな中、miriと支配人は見覚えの無い女性逹の存在に気付く。

 

「…おいおいディアの奴、またフラグ建てやがったのか?」

 

「ははぁん? 読めたぞ、それでお前等が嫉妬してディアの奴をボコったって訳だな」

 

「うっ……だって最近、ウルにあんまり構って貰えてないし…」

 

「OK、その言い訳も既に聞き慣れた」

 

「あ、おはようございます。支配人様」

 

「! お前、何で俺の名前を知って―――」

 

そんな中、金髪の女性が支配人の名前を呼んで挨拶したのを見て、支配人は何故自分の名前を知っているのか問いかけようとした……が、ここで支配人は気付いた。

 

「…そこのお嬢さん方の恰好、どっかで見た事あるような気が…」

 

「当然ですわ。何故なら支配人さんには、育て屋でもお世話になりましたから」

 

「…感謝」

 

「育て屋? …おいおい、もしかしてお前等…」

 

「あ、こんな所にいたんだ三匹共(・・・)

 

「「「「「いや待て何時からそこに!?」」」」」

 

「ん? たった今だよ」

 

ベッドの下からニュッと姿を現したkaitoに全員が突っ込みを入れるも……ここで支配人は確信した。kaitoがたった今告げた、三匹共(・・・)という言葉で。

 

「…なるほど、やっぱそういう事だったか」

 

「え、何? どういう事? 支配人さん」

 

「あぁ、簡潔に言うとだな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ディアの手持ちポケモン達だよ。それぞれサーナイト、ミロカロス、グレイシアね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「―――へ?」」」」」

 

「こ、この姿では初めましてです…!」

 

「改めて、よろしくお願い致しますわ♪」

 

「…よろしく」

 

支配人の代わりにkaitoの口から告げられた、衝撃の事実。緑髪の女性―――サーナイトは恥ずかしそうに、金髪の女性―――ミロカロスは穏やかな笑みを浮かべながら、水色髪の少女―――グレイシアは無表情のまま、一同に挨拶してみせた。

 

「「「「「―――えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!??」」」」」

 

「…はぁ」

 

一同が驚きの声を上げる中、支配人は頭を抱える事しか出来ないのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued…

 


 
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