No.831056

デイライトガン&ムーンライトガン 第26章 一網打尽

enarinさん

☆第26章です

☆サイバーパンクで神話の入ったガンアクション小説です。

☆ラストまでのプロットをちゃんと書いてあるので、形式は、少しずつ続きを書いていく、章区切りの長編となります。

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2016-02-15 22:20:58 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:483   閲覧ユーザー数:483

 希達は、黒崎の案内で、黒崎と蛭子のスマホにあるガーディアンフェザー用マップアプリで、できる限り一般人が使わないような通路を選んで、地下街アラヤドB19Fの最初の上り階段の場所に向かっていた。

 当然というか、現在避難に使っている一般人用エレベーターには、避難している一般人以外に、ガーディアンフェザー関係者がいるわけで、エレベーターが登っていった後は、そのエレベーターは“使用禁止”になり、1Fで止まってしまう。希達を階段以外で上がらせず、階段1つだけの選択肢なら、刺客達や関係者を見張りにしていれば、それで十分対処できるからだ。

 

 希達も、できる限り一般人を交戦に巻き込まず、関係者にもエンカウントせず、会ってしまっても刺客だけになるような、かなり階段へは遠回りになるような、そんなルートを、いくつかあるB18Fへの上り階段を1つ1つ状況を検討しながら進んでいた。

 

 だが、正直、希達には不利すぎた。既に、刺客、というか、おそらく、後から一般人誘導も兼ねて入った“対テロリストチーム”の構成員の数名が、B19Fまで到達しており、刺客達は自分が到達している階で、チームの構成員に協力して、一般人の誘導をしているらしく、“刺客らしい姿”のガンナーは、今の時点では誰も居なかった。

 

 対テロリストチームも一応はデイライトガンのガンナーだ。量産型とも言える部隊専用デイライトガン、というかサブマシンガン“バタピオン”が専用装備で、デイライトガンに見られる“弾丸の効果”は、黒崎のサタメントと同じく、鎮圧効果の“電撃”だ。他にも当然だが、任務遂行用の道具なども携帯している。

 そんな中、黒崎は蛭子と同じスマホのマップアプリを見て、該当の“地下街の店”で、なにやら“買い物”をしていたのだ。一応補足だが、当然だが、店主が避難して店ががら空きになっているので、買い物はスマホの買い物アプリで、律儀に買い物していた。実際、これからガーディアンフェザーに殴り込みに行くにしても、火事場泥棒は良くない。自動販売機にしても何にしても、買い物はちゃんと対価を払うべきだ。

 

 黒崎が買い物をして買った品は、ゴム靴全員分だけ。それだけだった。黒崎以外の一行は、正直、黒崎が何をやっているのかわからなかった。

希「あのさ、黒崎? それ移動に邪魔じゃないか?」

黒崎「希、この状況、どう思う?」

希「え? そ、それは、上り階段にたどり着くのは、かなりしんどいというか…」

黒崎「正攻法では、ほぼ不可能だ。対テロリストチームに、正直、まともに相手して、階段へのルートを確保するのは、無理だ」

蛭子「ちょ! じゃあ、意味なく歩き回っていたの?」

黒崎「これだけ時間を稼げば、一般人は全員上階に行ったはず。あと、対テロリストチームを全員こっちに向かわせ、スプリンクラーの位置と、地面の状態を見ていた。全員、ちょっと危ない橋を渡る事になるが、俺を信じてくれ。それと、靴はバッグなどにしまって、このゴム靴をはいて欲しい。意味は後でわかる」

 全員唖然としてしまった。相手をこっちに集めてしまうように行動するとか、黒崎への疑心さえ浮かんだくらいだ。だが、黒崎にも何か“策”があるのだろう。疑心は心にしまって、言われたとおり全員ゴム靴をはいた。正直移動が少しだけだが、緩慢になってしまった。

 

 だだだだだだ!!!!

 

黒崎「さて、奴さん達、こっちに集まってきたか。では、“策”を開始するか」

 

 そう言うと、黒崎はリキュールに頼み事をした。

黒崎「リキュール、すまないが、あのスプリンクラーの真下当たりの床に、思いっきり火炎が出るように、キミの炎龍銃“ムスペルヘイマー”の弾丸を数発撃ち込んでくれ」

リキュール「え!? それじゃ、ここら辺、スプリンクラーで水浸しに・・・・・」

黒崎「それが目的だ。そろそろ奴らが集まってくる。早く!」

リキュール「どうなっても知らないよ?」

 

 そう言うとリキュールはルシフェリオンを限界突破させてムスペルヘイマーにし、スプリンクラーの真下の床に、火炎の弾丸を数発撃ち込んだ!

 

 ガン! ガン!

 

 弾丸は床に着弾し、弾丸効果の通り、大きな火柱が上がった!

 

 ボォ!!!!!!

 

 ウーーーー! ウーーーー!

 

 バシャアァァァァァ!!!!!!!!

 

 当然だが、火炎に反応したスプリンクラーが、周囲に水をまき散らし、地下街の通路に水が溜まっていった。

 どうやら黒崎が見ていた地面は、スプリンクラーの真下が一番低く、対テロリストチームに向かって緩く傾斜していた。だが、十分に周囲の通路に水が溜まってしまったのだ。

 

 そしてそれほど遠くない場所から、相手が仲間に支持を送る声が聞こえてきた。

 

対テロリストチームリーダー「おい! 奴ら、スプリンクラーを作動させた! 全員、バタピオンの弾丸効果を消して、通常弾丸に戻しておけ!」

黒崎「だが、それでも、遅すぎるんだな、これが」

 

 チャキ

 

 黒崎はサタメントの弾丸効果MAXの状態で、床に銃口を向けた。

 

黒崎「皆、くれぐれも動かないでくれ、少々手荒いが、これしかないのでな」

 

 カチャ

 

 黒崎は引き金に人差し指をかけた。

 

希「ちょ! おま! 何を!」

黒崎「全員感電しちまえ!」

 

 致死量に帯電した“電撃の弾丸効果”を持った弾丸が、床に何発も撃たれた!

 

 バシュ! バシュ! バシュ! バシュ! バシュ! バシュ! バシュ!・・・・

対テロリストチーム全員の声「ぎゃぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!!!!!!」

 

 バシャン! バシャン! ドサ! ドサ! バシャン!・・・・

 

 シーン

 

黒崎「計算通り、あれで全員らしいな。前のオートマトンと同じ方法だが、一網打尽にして片付けた。靴を履き替えて、どうどうと上り階段に向かおうか♪」

 

希「く・・・黒崎・・・・やっぱ、怖い (゜Д゜)」

 地下街戦、初戦は、黒崎の勝ち!


 
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